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第3回(王国1)

 ヴェテンスカップの手紙


前略、ばあちゃんへ。

お元気でしょうか。私は元気でやっています。ばあちゃんの元を離れてからまだ半年しか経っていませんが、その間いろいろなことがありました。レストフへ向かった私はすぐに仲間たちとパーティーを組むことが出来、順調に冒険を重ねた結果、小さな開拓村テストラを作るに至りました。
さらにこの手紙を書いている時点では来月に私たちの国の建国式典を控えています。

まずはパーティーメンバーから紹介したいと思います。皆癖のある連中ですが冒険では非常に頼りになります。

ハイダンヴュ
パーティーのリーダーにして新王国のRuler。悲しみを胸に鍬をグレイヴに持ち替え立ち上がった漢。
サルビア
ヴュの従者にして回転する角の生えた怪力メイド。私の教えで魔法も使えるようになった。
エステル
私と同じエルフの錬金術師。新王国のGrand Diplomatだが交渉よりも虐殺を好む?
ダリ―
どんなに小さな痕跡も見逃さない野外探索のプロ。新王国のMarshalだが妹の家を重点的に警邏しがち。
ハマヌー
ゴラムの神官戦士。熾烈な宗教戦争を勝ち抜き新王国のHigh Priestに就任した。
ヴェテンスカップ
私。新王国ではMagisterを務める。

私たちは王国の運営と冒険を交互に繰り返しています。今回は最近の冒険のことを少し書きたいと思います。

失われたエラスティルの神殿

主に開拓地の周りを探索している私たちですがその合間にいろいろな人達からの依頼もこなしています。先々月はエラスティルの神官から失われた神殿を守るクマを倒して欲しいと頼まれ、神殿へと向かいました。
途中で廃墟となった小屋に住み着くはぐれボガードなんかとも会いましたが言葉が通じなかったので後日また来ることにしました。

さて問題の神殿ですが、以前訪れた時はクマが五匹もいて倒せそうにありませんでした。
エラスティル信者にしてレンジャーのダリーはどうにか穏便に済ませられないかと火酒の使用などを考慮した様ですが、副作用や依存性があるとのことで妹を思ってやめたようです。
結局のところ正面から殴りあうことになり、短い期間に成長していた私たちは割と簡単に倒すことが出来ました。倒すと群れのリーダーらしきクマが人の姿に変わり、満足したような様子で塵になりました。どうやらダリーの様な力あるエラスティル信者を待ってこの神殿をずっと守っていたようです。なかなか不思議な体験でした。

妖精再び

クマを倒したことをエラスティルの神官ジョットに伝えようと森を探索しつつ、オレグの交易所へ向かう私たちは妖精のいたずらに会いました。この森ではそう珍しくないことだそうで、私たちもこれで二度目でした。
私たちは妖精と仲良くなりたいと思い、贈り物として10ppほど近くの切り株に置きました。すると、何と本当に妖精たちが現れたのです。現れた二匹、Fairy DragonのペルリバッシュとGligのティグ・ティッター・タットは贈り物に気を良くして私たちにいろいろなことを教えてくれました。

それによるとこの森の妖精たちはファーストワールドというプロトタイプの世界から大昔にやってきたそうです。また、嫌われ者のレンジャー、ブリーグに訪れた不幸についても聞きました、だれも同情しませんでしたが。

その後、二匹の案内でブリーグの遺体を回収し、オレグの交易所へ行きましたがジョットさんには会えなかったので手紙だけ残してテストラに帰りました。そうそう二匹の妖精ですが別れ際にサルビアがテストラに誘っていたのでもしかしたら新王国は妖精も住む国になるかもしれません。楽しみです。

熱い泥沼

先月はエラスティルの神官ジョットと堕ちパラのアキロスを新たに仲間に迎え、政務を行った後で私たちは今度は南の湖沼地帯を探索しました。この辺りにはハグやジャイアント、リザードフォークが住むという噂でまさに未開の地という感じです。

そんな湖沼地帯で最初に出会ったのはテンドリキュロスでした。異臭を放ちながら沸き立つ泥沼でエステルが付近に生えたキノコに興味を惹かれていると突然テンドリキュロスが現れたのです。当然の様にエステルは飲み込まれ、非常に危険な状態になりましたが皆で総出で攻撃してどうにか消化される前にエステルを助けることが出来ました。
一息ついて辺りを漁るとキノコと謎の帽子が出てきました。鑑定してみるとテレパシーが出来る帽子だったのでサルビアが嬉々としてかぶりました。

キャンドルメアー

さらに奥へと進んだ私たちはキャンドルメアーという湖にぶつかりました。この湖は真中に小島があり、そこに立つ塔がまるで蝋燭の様に夜中てっぺんが光るのでこの名がついたようです。この時は船が無かったので素通りしましたが、再度探索に訪れたときに中心の塔を調べると、ここはかつて邪教の信仰が為されていた場所の様でアクロ語で文字が掘られたりしていました。アンハロウの呪文もかけられているようなのでいずれ清めなければならないと思います。

巨大洞窟

その後、川沿いに進んだ私たちは過去の開拓者が作ったと思われる打ち捨てられた船着き場を発見したりもしました。
そしてさらに奥地へと進んであの場所を発見したのです。例によって気付いたのはダリーでした。ダリーの野外探索の腕は皆信頼しているので付いていくと、そこには巨大な洞窟がぽっかりと口をあけていました。しかも足跡を調べたダリー曰く何か巨大な二足歩行生物が出入りしているとのこと。危険な生き物が出てきたら逃げようと決めた後で、洞窟の奥へ召喚した馬を追い立てると中からすごい悲鳴が、そして暗闇の見通せるサルビアが警戒の声を上げました。

中から出てきたのは小さなムカデがびっしりと張り付いたシャンブリングマウンドでした。その異様な姿に驚いたものの逃げるような相手でもないので迎え討ち、わずかな被害で倒すと今度こそ真の洞窟の主が現れました。
それは巨大なアウルベアでした。バーディングを身につけ何故か激昂した巨大アウルベアは非常に強烈な攻撃を繰り出してきました。その攻撃は我がパーティーの屈強な前衛といえど爪爪噛みの三回全てを食らうと倒されてしまう程でした。そして最悪なことに回復を一手に引き受けるハマヌーが最初の被害者になってしまったのです。
しかし、皆が慌てる中奇跡が起きました。倒れ伏したハマヌーが自力で立ち上がったのです。これが信仰の力といものでしょうか?さらに、最悪の危機は脱したけれどまだまだ激戦は続くと思っていたら、今度はハイダンビュが魅せてくれました。ものすごい勢いでグレイヴを振るうとまだまだ元気だった巨大なアウルベアの首を跳ね飛ばしてしまったのです。

戦闘後、洞窟を漁るとアウルベアの死体とまだ生きている子アウルベアが二匹、それから盗賊の死体がいくつかありました。盗賊のうち一体は魔法の指環をしていて私が見たところこれは呪いのアイテムで、一見アニマルフレンドシップの指環ですが使用すると対象をチャームした後レイジさせてしまうものでした。怒りは文明的なものに向くようにされており、もしこの洞窟に気付かず放置していればいずれテストラを襲いに来ていたでしょう。何かきな臭いものを感じた私たちは指輪をしていた盗賊の死体と巨大アウルベアの首を持ってテストラへと帰還しました。
ちなみに子アウルベアはサルビアがテレパシーで意思疎通して連れていくことにしました。

月夜の事件

テストラに帰った私たちを待っていたのは殺人事件でした。二晩連続で村人が何かに襲われたというのです。ついて早々でしたが調査をすると事件現場から続く獣の足跡が途中から人の足跡に変化していました。そして前夜は満月、このことから私はライカンスロープによる事件ではないかと考えました。おそらく三度起きるだろう事件に備え、私たちは銀の武器を手に村の警備をしました。
するとやはり人狼が現れました。無事倒した人狼の正体は旅のバーバリアンでした。幸いこの人狼は後天性だったらしく他の人への感染の恐れはありませんでしたが、この事件が偶然のものなのかそれともそうではないのか。なんだか嫌な感じがしました。それから、元スタッグロードのアーチャーに持ち帰った死体について何かしら知らないか聞いてみるとエーリックという南の方で活動していた盗賊であることが分かりましたが、こちらもそれ以上のことはわかりませんでした。

ティグを救え

日に日に王国としての体裁を整えつつあるテストラではすでにRulerへの陳情も受け付けています。今月はそんな陳情から冒険が始まりました。それは行方不明の子どもを探してほしいというものでした。子供の名はティグと言い(今気付きましたが森で出会ったGligと同じ名前ですね)ワイルドなペットを好む10歳の少年で、両親曰くもう何日も帰ってこないとのこと。
両親からの情報が少なかったので、動かせる人員をフルで使ってティグの行方を捜したところ、どうやら船で川を南へ向かったらしいことが分かりました。

急いで私たちも船で追いかけましたが、見た目と裏腹に友好的なソーサラー、オールド・ヴェルダムと出合ったり、巨人に岩を投げつけられたりするだけで一向に見つかる気配はありませんでした。そして最後の望みを託して友好の品を持ってリザードフォークの集落を訪ねると果たしてそこにティグはいました。しかし、二日後にリザードフォークの祖霊に生贄として捧げてしまう予定だというのです。
サルビアが単独で族長と交渉するも決裂(大きな声では言えませんがGrand Diplomatのエステルはリザードフォークなんて殺ってしまおうと言っていました。聞き間違いであってほしいです)。

あきらめることは出来ないので夜を待って、再びサルビアがリザードフォークに変身して忍び込むことに。私たちが外で待っていると何やら騒がしくなってサルビアが出て来ました。後ろにリザードフォークの祖霊を引き連れて。リザードフォークの門番と話した時からこの祖霊には怪しいものを感じていたので、私たちはこれを倒すことにしました。そして、私がグリッターダストを唱えるとあっさりと祖霊の正体は判明しました。宙に浮かんだ祖霊の背後に冒険中に何度か遭遇したモンスターが現れたからです。それはウィルオーウィスプでした。祖霊の正体見たり何とやら。

どうにかウィルオーウィスプは倒しましたが、騒ぎを聞きつけて出てきたリザードフォーク達は納得いかない様子。結論としてハイダンビュと族長が一騎打ちすることになりました。何故そんなことになったのか私には理解できませんでしたが隣ではハマヌーがうんうんと妙に納得していました。
族長は何を食ったらこんなにでかくなるんだというくらいの大型で接戦の結果惜しくもハイダンビュは敗れてしまいました。私は面倒なことになったと思いましたがしかし、族長は何か通じ合うものがあったらしく突然私たちと友好関係を結ぶと言い出しました。これが戦士のコミュニケーションなのでしょうか?そういえばハマヌーは感動の涙を流していました。しかも、新王国の公式行事まで誕生してしまいました。それは年に一回Rulerと族長が一騎打ちをするというものです。もう何が何やらです。
とりあえず私たちはティグを助け出すことに成功しました。


つらつらと書き連ねてしまいましたが、このように私は充実した冒険者生活を送っています。この手紙は実家に送っているのでばあちゃんが読んでいるのが何年後か分かりませんが、気が向いたらぜひテストラを訪ねてください。


あなたの孫ヴェテンスカップより