トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

第20回(王国1)

 ハイダンヴュのぼうけん 120 「ハイダンヴュとぶきみなえほん」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ひとりの女のひとがやってきました。
女のひとはベリンダというきぞくの女のひとでした。
ベリンダは言いました。
「王さま、王さま。わたしのいえにはとってもすごい本があると、うらないしが言いました。この本を王さまにあげますから、かわりにげきじょうを作ってください」
ハイダンヴュは言いました。
「それはすごい。でもげきじょうを作る前に、ほんとうにすごいか、1回その本をみせてくれ」


でも、ベリンダはとてもいじわるな女のひとでした。
「とんでもない。本をみせたら王さまはそのままじぶんのものにしてしまうでしょう。そんなことはできません」
ハイダンヴュはそんなわるいことはしないといいましたが、ベリンダはききません。
そのままかえってしまいました。


さあ、ハイダンヴュはとてもおこりました。
あんないじわるなことを言われては、しかたがありません。
ハイダンヴュはけらいたちをあつめて言いました。
「だれか、ベリンダのいえから、本をとってこい」
そこで、エステルが「わたしがとってきましょう」と言いました。
エステルハイダンヴュのけらいで、とってもこわい女のひとです。


エステルはまずベリンダのいえに行きました。
れいぎただしく、げんかんであいさつします。
「こんにちは。わたしはエステルです。うらないしの人にあわせてください」
でも、やっぱりベリンダはいじわるです。
エステルはうらないしにあわせてもらえずに、おいかえされてしまいました。


しかたがないので、エステルはよなかにこっそりとベリンダのいえにしのびこむことにしました。
ぬき足、さし足、しのび足……
エステルはだれにも見つからずに、ベリンダのいえのとしょしつに入りこむことにせいこうしました。
でも、なんということでしょう。
エステルはどの本がうらないしが言ったすごい本なのかしりませんでした。エステルはちょっとうっかりさんだったのです。
こまったエステルは、てきとうな本をもっていくことにしました。


エステルはもってきた本をハイダンヴュに見せました。
「王さま、本をとってきましたよ」
その本をみたハイダンヴュは言いました。
「うーん、この本はすごい本とは言えないな。ベリンダはうそをついていたようだ」
ほんとうはうそをついているのはエステルなんですけどね。
よい子のみんなはうそをついてはいけませんよ。
ハイダンヴュは言いました。
「この話はこれでおしまい。もう、ベリンダの言うことはきかないようにしよう」


これをきいていたのはヴェテンスカップでした。
ヴェテンスカップハイダンヴュのけらいで、とってもあたまのいいまほうつかいです。
ヴェテンスカップはとてもとても本が見たくなったので、王さまにナイショでげきじょうをつくってしまいました。


げきじょうができてよろこんだベリンダは、「ザリガーのぼうけん」というえほんをくれました。
ハイダンヴュは「ザリガーのぼうけん」をよんでみましたが、そのなかみはとってもぶきみなないようでした。
そのえほんのさいごには、ちずがついていました。
ハイダンヴュはいいました。
「このほんはとってもぶきみだけど、このちずはそのうちやくにたつかもしれないな」
「それにしても、ベリンダはどうしてこのえほんをくれたんだろう?」
 
ヴェテンスカップがだまっていたので、ハイダンヴュはいつまでもふしぎがっていましたとさ。
 
おしまい


 ハイダンヴュのぼうけん 121 「ハイダンヴュとわるいドラゴン」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ダリーがやってきました。
ダリーはハイダンヴュのけらいです。
ダリーは言いました。
「王さま、たいへんです。大きな大きなドラゴンがやってきました」
ハイダンヴュは言いました。
「なんだって?それはたいへんだ。すぐに見にいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとるとおしろの外にドラゴンを見にいきました。


ハイダンヴュが外にでると、そこには大きな大きなドラゴンがいました。
ドラゴンはいえとおなじぐらい大きくて、ぜんしんがまっかっか。口からは火をはきます。
ドラゴンはとてもとても大きなこえで言いました。
「おれのなまえはコーラルだ。このくにの王さまはだれだー?」
テストラシアのこくみんはみんな、ドラゴンがこわくてブルブルふるえてしまいました。
でも、ハイダンヴュはとってもつよいので、どうどうとこたえました。
「おれが、このくにの王さま、ハイダンヴュだ」


ドラゴンはハイダンヴュをじろりとにらむと言いました。
「いますぐ金かをじゅうまんまいもってこい。でないとお前を食べてしまうぞ」
なんてわるいドラゴンなんでしょう。
でも、へいわをあいするハイダンヴュは、ドラゴンとたたかいたくなかったので、金かをあげることにしました。
金かをあげるとドラゴンはまんぞくしてかえって行きましたが、とちゅうで火をはいていったので、かじになってしまいました。
でも、みんなドラゴンがこわいので、もんくが言えませんでした。


3ヶ月たつと、またドラゴンがやってきて言いました。
「また来たぞ。もういちど金かをじゅうまんまいもってこい。でないとお前を食べてしまうぞ」
しかたがないので、ハイダンヴュはもういちど金かをあげました。
でも、またかじになるとこまるので、ドラゴンにかえるときに火をはかないように言いました。
すると、ドラゴンはおこってハイダンヴュをたたきました。
ハイダンヴュはいっしょうけんめいあやまりましたが、ドラゴンはゆるしてくれません。
しかたがないので、ハイダンヴュはにげだしました。
おこったドラゴンがまた火をはいたので、ハイダンヴュのおよめさんはくろこげになってしんでしまいました。
ハイダンヴュはとってもかなしみました。


およめさんをころされて、ハイダンヴュはとてもおこりました。
ハイダンヴュは言いました。
「あのドラゴンはゆるせない。ぜったいにこらしめてやる」
わるいドラゴンは北の山にすんでいたので、ハイダンヴュはけらいのみんなをつれて、こらしめにいくことにしました。


北の山にいくと、ドラゴンがまっていました。
ドラゴンは言いました。
「にんげんのくせにオレにさからうとはなまいきだ。お前たちを食べてやる」
ハイダンヴュは言いました。
「食べられるものなら食べてみろ。お前こそよくもオレのおよめさんをころしたな。こらしめてやるからかくごしろ」
 
えい、やあ、とお……
 
ドラゴンはとってもつよかったけれど、ハイダンヴュとけらいたちはもっとつよかったので、さいごにはハイダンヴュがドラゴンのくびをはねました。
こうして、わるいドラゴンはやっつけられました。ばんざーい。ばんざーい。


ハイダンヴュはドラゴンの宝を手にいれて、とってもお金もちになりました。
しんでしまったおよめさんも、ハイダンヴュのけらいで、とってもすごいゴラムしんかんのハマヌーさまが、おいのりしたらいきかえりました。
ハイダンヴュとおよめさんは、いつまでもいつまでもしあわせにくらしましたとさ。
 
めでたし、めでたし


 ハイダンヴュのぼうけん 122 「ハイダンヴュと黒いうず」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ダリーがやってきました。
ダリーはハイダンヴュのけらいです。
ダリーは言いました。
「王さま、たいへんです。みずうみにとっても大きな黒いうずができました」
ハイダンヴュは言いました。
「なんだって?それはたいへんだ。すぐに見にいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとるとおしろの外にうずを見にいきました。


みずうみには大きな大きなうずができていました。うずはまっくろで、黒い鳥がおよいでいました。
ハイダンヴュは言いました。
「あのうずは何だろう。だれか見にいってこい」
すると、サルヴィアが「わたしが見にいってきます」と言いました。
サルヴィアは、ハイダンヴュのめしつかいのまじょです。
サルヴィアはじゅもんをとなえて水のせいれいをよびだすと、うずを見てくるようめいれいしました。
しかし、せいれいがうずにちかづくと、うずからもせいれいが出てきて、サルヴィアのせいれいをころしてしまいました。


次にサルヴィアはじゅもんをとなえて空をとぶと、じぶんでうずを見にいきました。
すると、うずのまわりでお魚がたくさんしんでいるのが見えました。
たいへんです。この黒い水はどくだったのです。
このままでは漁師のおじさんたちがこまってしまいます。


そこで、ハイダンヴュのけらいで、とってもすごいゴラムしんかんのハマヌーさまが、おいのりをしました。
「ゴラムさま、ゴラムさま。この黒いうずはどうすればきえるのでしょうか?」
ゴラムさまはこたえました。
「たたかえ。水のせいれいをみんなやっつければうずはきえる」
よいこのみんなも、ゴラムさまへのおいのりと、たたかうきもちをわすれてはいけませんよ。


ハイダンヴュは言いました。
「よーし、ゴラムさまの言ったとおり、水のせいれいをやっつけるぞ。ものどもかかれ」
ハイダンヴュとけらいたちは、とってもつよかったので、水のせいれいたちはかんたんにやっつけられてしまいました。
すると、ゴラムさまの言ったとおり、うずはきえてしまいました。


テストラシアのこくみんは、これでまたみずうみでつりができるといって、ハイダンヴュにとってもかんしゃしたのでした。
「王さま、ばんざーい、ばんざーい」
 
その日のハイダンヴュの夕ごはんは、とっても大きな魚だったそうです。
 
おしまい


 ハイダンヴュのぼうけん 123 「ハイダンヴュとキノコのもり」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ダリーがやってきました。
ダリーはハイダンヴュのけらいです。
ダリーは言いました。
「王さま、たいへんです。タッツルフォードに大きなキノコがはえてきました」
ハイダンヴュは言いました。
「なんだって?それはおいしそうだ。すぐに見にいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとると、タッツルフォードにキノコを見にいきました。


ハイダンヴュがタッツルフォードにつくと、森の木よりも大きなキノコがはえていました。
キノコのねもとには、ちいさなちいさなこびとがいました。
ハイダンヴュはこびとに話しかけてみました。
「おまえたち、このキノコはいったいなんなんだ?」
しかし、こびとたちにはちっともはなしがつうじません。
キーキーさわいでいるだけです。


ハイダンヴュがこまっていると、こびとたちがおそってきました。
こびとたちのしょうたいは、おそろしいマンドラゴラだったのです。
あやうし、ハイダンヴュ


でも、ハイダンヴュはとってもつよい王さまだったので、マンドラゴラなんかにはやられません。
 
えい、やあ、とお……
 
マンドラゴラたちは、たちまちかえりうちにあってしまいました。


マンドラゴラたちをやっつけると、ふしぎなことに大きなキノコもきえてしまいました。
タッツルフォードの人たちは、ぶきみなキノコがなくなったので、とてもよろこんで王さまにかんしゃしました。
「王さま、ばんざーい、ばんざーい」
 
おしまい


 ハイダンヴュのぼうけん 124 「ハイダンヴュとひきょうなサテュロス」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ダリーがやってきました。
ダリーはハイダンヴュのけらいです。
ダリーは言いました。
「王さま、たいへんです。フォート・ドレルブでたくさんのきょじんがあばれているそうです」
ハイダンヴュは言いました。
「なんだって?いいかげん、このパターンはあきてきたな。すぐに見にいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとると、フォート・ドレルブにようすを見にいきました。


ハイダンヴュがフォート・ドレルブにつくと、たくさんのきょじんがあばれていました。
しかも、きょじんたちにはあたまが二つあります。エティンです。
ハイダンヴュは言いました。
「こら、そこのエティンたち。あばれるのをやめろ。やめないとこらしめるぞ」
しかし、エティンたちはあばれるのをやめませんでした。
ハイダンヴュは言いました。
「よーし、それならこらしめてやる。オレのあいようのグレイブをくらえ」


そのとき、ハイダンヴュを止めるものがいました。
ハイダンヴュのけらいで、とってもかしこいまほうつかいのヴェテンスカップです。
ヴェテンスカップは言いました。
「王さま、王さま。ここはわたしにまかせてください。やぐらの上からまほうでやっつけます」
ハイダンヴュは言いました。
「なるほど、さすがはヴェテンスカップ。すごいさくせんだ。エティンは手ごわいからな。そのさくせんでいこう」


さっそくやぐらの上にヴェテンスカップとまじょのサルヴィアが上りました。
ふたりがじゅもんをとなえると、火のたまがとんでいって、エティンたちのまんなかでばくはつしました。
エティンたちはあわててにげだしました。さくせんはだいせいこうです。


そのとき!
とつぜん、矢がとんできて、ヴェテンスカップにぐさっとささりました。
ヴェテンスカップはうっとうめいてたおれてしまいました。
見ると、もりのなかにいっぴきのサテュロスがかくれていて、それが矢をうってきたのでした。
なんてずるいやつなんでしょう。
ヴェテンスカップがやられてハイダンヴュはおこりました。
「なんてひきょうなサテュロスなんだ。おこったぞ。あいようのグレイブでこらしめてやる」


ひきょうなサテュロスは、エティンたちにかくれてつぎつぎと矢をうってきます。
でも、そんなひきょうものにとってもつよいハイダンヴュ王がまけるわけがありません。
ハイダンヴュはじゃまするエティンたちをなぎはらい、ひきょうなサテュロスをあいようのグレイブでまっぷたつにしました。
そのあと、とってもすごいゴラムしんかんのハマヌーさまが、おいのりをすると、ヴェテンスカップのけがはたちまちなおってしまいました。


フォート・ドレルブの人たちは、エティンがあばれてとてもこまっていたので、エティンをやっつけてくれた王さまにとてもかんしゃしたのでした。
「王さま、ばんざーい、ばんざーい」
 
おしまい


 ハイダンヴュのぼうけん 125 「ハイダンヴュとこわいこわいゆめ」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。
でも、きょうはハイダンヴュのけらいで、とってもこわい女のひとのエステルのおはなしです。


ある夜のことです。エステルはとってもこわいゆめを見ました。
ゆめの中でエステルはむかしすんでいたエルフのむらにいました。
エステルがいえをでると、大きな大きなカラスがエステルをにらみつけました。


エステルがこわがっていると、ハイダンヴュをはじめ、なかまたちがいるのをみつけました。これであんしんです。
ところが、エステルがなかまたちにちかづいていくと、なかまたちはみんなでエステルをおして、ふかい穴のそこにつきおとしてしまいました。
エステルは、あわれいきうめにされてしまいました。
なんておそろしいゆめでしょう。


よくじつ、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、エステルがやってきません。
ハイダンヴュは言いました。
「なんだ?エステルはさぼりか?だれかようすを見てこい」
けらいたちがエステルのいえにみにいきましたが、エステルのすがたはどこにもみあたりませんでした。


そこで、とってもかしこいまほうつかいのヴェテンスカップが言いました。
エステルはインプリズンメントのまほうで、どこかにとじこめられてしまいました。フリーダムのまほうがあればたすけられます」
ハイダンヴュは言いました。
「何だって?それはこまったな。すぐにさがしにいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとると、フリーダムのまほうをさがしに行きました。


ハイダンヴュはまずテストラでフリーダムのまほうをさがしました。
みつかりません。


つぎにハイダンヴュはブレヴォイでフリーダムのまほうをさがしました。
みつかりません。


つぎにハイダンヴュはゆめのせかいでリリーにきいてみました。
リリーはデズナのしんかんで、ゆめのせかいをつくった人です。
リリーは言いました。
「わたしはフリーダムのまほうはつかえないけれど、リドルポートの町ならみつかるはずです」
ハイダンヴュはリリーにお礼を言うと、さっそくリドルポートにむかいました。


ハイダンヴュがリドルポートでさがすと、やっとフリーダムのまほうがみつかりました。
ヴェテンスカップがフリーダムのまほうをつかうと、たちまちエステルがあらわれました。
エステルはたすけてくれたハイダンヴュにとってもかんしゃしました。


そのよる、ハイダンヴュもまたこわいゆめを見ました。
そのゆめの中では、なぜかこわいあくまがぶたどろぼうをしていました。
ハイダンヴュはあくまをやっつけようとしましたが、ぎゃくにやられてしまいました。
なんておそろしいゆめなんでしょう。


そのつぎのよる、こんどゆめを見たのはサルヴィアでした。
サルヴィアはハイダンヴュのめしつかいのまじょです。
サルヴィアのゆめには、とてもこわいとらがでてきました。
でも、サルヴィアはじゅもんをとなえるとたちまちそらにとびあがり、大きなカラスをおいはらってしまいました。
すると、サルヴィアはゆめからさめたのでした。


よくじつ、サルヴィアのはなしをきいたハイダンヴュは言いました。
「そうか。サルヴィアはよくやったな。おまえがめしつかいでオレはうれしいぞ」
ほめられてサルヴィアはすっかりうれしくなったのでした。
 
あれ?エステルのはなしじゃなくなってるぞ?
 
おしまい


 ハイダンヴュのぼうけん 126 「ハイダンヴュとこおった山」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ダリーがやってきました。
ダリーはハイダンヴュのけらいです。
ダリーは言いました。
「王さま、たいへんです。ヴァンホールドで山がこおってしまいました」
ハイダンヴュは言いました。
「なんだって?こんどはヴァンホールドか。すぐに見にいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとると、ヴァンホールドにゆきやまとざんにいきました。


ヴァンホールドでは山がかんぜんにこおっていて、とてもさむかったので、ハイダンヴュとけらいたちはブルブルふるえました。
そこへとっても大きな白いきょじんがやってきました。フロストジャイアントです。
ハイダンヴュは言いました。
「はいはい、どうせおまえたちをたおせばいいんだろ。さっそくやっつけてやる」
だんだん、たいおうがなげやりになってきています。


フロストジャイアントはとてもとてもおそろしいかいぶつですが、ハイダンヴュはとってもつよいのでまけません。
 
えい、やあ、とお……
 
フロストジャイアントたちはたちまちやっつけられてしまいました。


しかし、フロストジャイアントをたおしたのに、山はもとにもどりません。
ハイダンヴュは言いました。
「あれ?これはいつものパターンとちがうぞ。みんな、あやしいものをさがすんだ」
けらいたちがあたりをさがすと、あやしい石づくりのとうがありました。


石づくりのとうをこわすと、あたりのゆきがきえて、まわりがあたたかくなりました。
ヴァンホールドの人たちは、山がこおってしまってとてもこまっていたので、ハイダンヴュにとてもかんしゃしました。
「王さま、ばんざーい、ばんざーい」
 
なお、このあと、ハイダンヴュたちがかぜをひいたかどうかはひみつです。
よいこのみんなはさむいところに行くときは、ちゃんとあたたかいかっこうをしていこうね。
 
おしまい


 ハイダンヴュのぼうけん 127 「ハイダンヴュときょうふのバラ」

むかしむかし、「テストラシア」というくにに「ハイダンヴュ」というとってもつよい王さまがいました。


ある日、ハイダンヴュがおしろでしごとをしていると、ダリーがやってきました。
ダリーはハイダンヴュのけらいです。
ハイダンヴュは言いました。
「はいはい、どうせまたたいへんなことがおこったんだろう?すぐに見にいこう」
ハイダンヴュはあいようのグレイブを手にとると、さっそくコボルトどうくつにむかいました。


コボルトどうくつにつくと、なにやらうでが3ぼんあるきょじんがいました。アハッハです。
見るとアハッハはたねをまいています。
アハッハがまいたたねからは、たちまち芽がでて大きな大きなバラの花がさきました。
しかも、そのバラはちかくのいきものをおそう、とてもあぶないバラの花だったのです。


ハイダンヴュは言いました。
「そこのアハッハ。そんなあぶないバラの花をうえるのはやめてくれ」
でも、アハッハは言うことをきいてくれませんでした。
しかたがないので、ハイダンヴュはアハッハをやっつけることにしました。
 
えい、やあ、とお……
 
ハイダンヴュはとってもつよい王さまですが、アハッハとバラもとってもつよかったので、かんたんにはやっつけられません。
とくにバラの花はとってもつよくて、ハイダンヴュでもくせんしました。
でも、さいごにはそらからエステルがおとしたばくだんや、ハイダンヴュのグレイブがうなり、やっつけることができました。


コボルトたちは、おうちのちかくにあぶないバラがはえてとてもこまっていたので、王さまにとてもかんしゃしました。
「王さま、ばんざーい、ばんざーい」
 
ハイダンヴュは言いました。
「ところで、このパターンはいつまでつづくの?」
ざんねんながら、それにこたえるものはいませんでした。
 
おしまい