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第5回(王国1)

 4711AR 2月

2月1日 雨

今日は雨が降ったので畑仕事はお休み。家で繕いものをする。いつもはうるさい槌の音も今日は聞こえない。
そう言えば、故郷の村を出てからそろそろ1年になる。この1年は本当にいろんな事があった。1年前ここを初めて訪れた時はボロボロの廃墟があるだけだったここが、たった1年でテストラシアの首都テストラなんて名前になってしまったのだから驚きだ。
もっとも、兄さんがそのテストラシアの重臣なんて呼ばれているのが一番の驚きだけど。
その兄さんは最近は割と家にいる。以前は国王様の親征に付き合ってしょっちゅう出かけてたんだけど、それにストップがかかったのだとか。まあ、いなくても別に困らないんだけど、力仕事とかの時はちょっと助かるかな。

2月7日 曇り

兄さんがまた出かける。近くにできた開拓村が盗賊に襲われているのでその救援に行くのだそうだ。まったく信じられない。平和に暮らしている人達を傷つけて財産を奪うなんて、なんでそんなひどい事が出来るのだろう。盗賊なんてみんな死んでしまえばいいんだ。
兄さんは猛反対したけど、私もついて行く事にする。怪我の手当には慣れているし、私でも少しは役に立つだろう。今日は早く寝よう。

2月8日 曇り

1年ぶりの旅で少し緊張した。旅の道連れは、1年前にも一緒に旅をした人たちばかりで、相変わらず変な人達ばっかりだった。
1年前も思ったけど、なんでサルヴィアさんはメイド服なんかで旅をするのだろう?
でも一番の疑問はあのコボルト。何?何で王様と一緒にいるの?兄さんに聞いてみたら青くなって、この事は秘密にしておいてくれ、なんて言われるし。全くわけが分らない。

2月9日 曇り

目的地であるアリカヒルの村に到着。30人ぐらいしか住んでいない本当に小さな村だった。
村長のアリカさんというのはすごい美人のソーサラーで頭もよさそうだった。いいなあ。私もあんな風になりたい。
国王様は早速アリカさんを口説いていたけど、あまり色よい返事はもらえなかったみたい。今は他にやる事があると思うんだけどな。これだから男って始末に負えない。

2月10日 晴れ

昨日の夜は大変だった。夜中に兄さん達が血相を変えて出ていったと思うと戦いの音が聞こえてきた。後で兄さんに聞いた話だと、アリカヒルの警備隊長のエイリフって人が吸血鬼に変えられていて、元恋人のメレイアって人も吸血鬼に変えてしまおうとしたらしい。
もともと物知りのヴェテンスカップさんがエイリフって人の事は怪しいと言っていたらしくて、見張っていたサルヴィアさんの知らせで何とか阻止することに成功したんそうだ。他には吸血鬼にされてしまった人はいなかったし、被害が出る前に倒せて良かった。
それにしても、吸血鬼なんてお伽話でしか聞いたことなかった。そんな恐ろしい怪物が本当にいるなんて…

2月12日 雪

お隣のヴァンホールドの街から領主さまが軍勢をひきいてやってきた。国王様と話をして、これでアリカヒルも安全になったから私達は帰ることになった。
意気込んでついてきたものの、結局私は何もしなかった。あ、いや、怪我人がいなかったのは良い事なんだけど、ちょっと複雑な気分。

2月21日 雪

アリカヒルから戻って来てからずっと雪がやまない。みんな雪かきで手いっぱいで建設作業も滞っているようだ。何か事故が起きなければいいけど

2月24日 雪

今日もずっと雪

2月26日 雪

今日もずっと雪。

2月28日 晴れ◎

やった!今日は久しぶりにお日様が顔を出した。明日からはしばらく晴れが続くらしい。こういう事に関しては兄さんに言う事は良く当たるから大丈夫だろう。なんとか大きな事故もなかったみたいだし、本当に良かった。

 4711AR 3月

3月16日 晴れ

前々からずっと作業をしていたお城の修復作業がついに終わった。そんなに大きくはないけれど立派なお城だ。
トロールに街が襲われて以来、みんな不安そうだったのだけど、これでちょっとは安心したみたい。それに何だかテストラシアの国が本当の国になったような気がする。やっぱり心の拠り所って重要なのね。
最近はアリカヒルを通じてお隣のヴァンホールドの街との交流も盛んになってきたみたいで、街に活気が出てきた。ヴァンホールドとの交易条約を結ぶ時はエステルさんがすごく頑張ってテストラシアに有利な条件にしてくれたんだって、兄さんが言っていた。
ふーん、確かに仕事できそうな感じだったもんね。なんか近寄りにくい雰囲気があって苦手だけど。

 4711AR 4月

4月25日 晴れのち曇り

久しぶりに遠征に行っていた兄さんが帰ってきた。今回の遠征ではテストラ周辺の危険の探索と排除が目的だったらしい。隣の湖に住んでいるカミツキガメとかを退治して来たんだって。確かにみんな助かるけど、それって王様がわざわざやる事なのかしら?きっと王様はもともと戦いが好きなのに違いない。
そう言えば、西の方の森の中にタッツルフォードという村が新しくできるみたい。テストラでは相変わらず建築ラッシュだから木材はいくらでも必要。あの辺りは良い木材がとれるから、きっとみんな助かるだろう。

 4711AR 5月

5月3日 晴れ

最近新しく商店ができた。今まではあんまり手に入らなかったおしゃれな小物とかが売っていて見ているだけで楽しい。開店セールやってるうちに色々と買いこんでおこう。

5月10日 晴れ

最近、物騒な噂がいくつも流れている。一つはしっかり鍵をかけたはずなのに、いつの間にか鍵が開いてしまっているという不気味な現象が頻発しているという噂。小物屋のスタンツさんのところも被害にあったって言ってた。
本当に鍵が開いているだけで何かを盗まれたりといった被害は今のところないらしいが、それにしても気味が悪い。
もう一つは主婦の間で怪しげなカルトが流行っているって噂。「主婦の主婦による主婦のための教団」とかいういかにも胡散臭い宗教で、ギョロナ様っていう主婦の守り神にお祈りするのが主な活動内容なんだって。何と言うか、ずいぶんと守備範囲の狭い神様よね。
そんな胡散臭いカルトに引っ掛かる人がいるのかと思っていたんだけど、ラメンスさんとこのおかみさんに熱心に勧誘された。そう言えば、いつも旦那さんの愚痴ばっかりだったわ。意外と広まってるのかしら。

5月18日 晴れ

最近、例の鍵がいつの間にか開いてるという噂は全然聞かなくなった。代わりに噂になってるのは、4丁目の角にいつの間にか立っていた不思議な扉。一体誰が作ったのか知らないけど、鍵が20個もついている。しかも開けてもその後ろはただの壁で、どこかに通じているわけでもない。一体誰が何のために作ったのだろう。この世には変な事が多いわ。

5月20日 晴れ

王様の鶴の一声で突然お祭りが開催されることになった。その名も「主婦感謝祭」。いつも家事労働で大変な主婦をねぎらうお祭りで、沢山のご馳走やお酒が振る舞われた。ありがたいと言えばありがたいけど、あまりにも唐突過ぎてみんな困惑気味。でも、まあ、最後はどうでも良くなっちゃった。お祭りはいっぱいあっても困ることないよね。
いっつも気難しい顔してるおかみさん達も、どこにいっても主婦ってだけで歓待されるのでいつの間にかニコニコ顔になっていた。国王様グッジョブ!
ところで、私はまだ16歳なんだけど、主婦扱いされるのはどうかと思う。そんなに老けて見えるのかしら。

 4711AR 6月

6月5日 雨

最近兄さんがあまり家に帰ってこない。聞いてみたら、国が大きくなったので色んなところから使者が来たり、条約締結の申し入れが来たりですごく忙しいらしい。まあ、忙しいと言っても働いてるのは主にヴェテンスカップさんやエステルさんらしいけど。

6月15日 晴れ

今日お触れが出されて、非課税商業地区ができるらしい。入植者を募集していた。兄さんの話ではファーマー&マーチャントとかいうギルドから資金援助を受ける代わりに作ったとの事。この国もギルドに認められるぐらい大きくなったって事なのかしら。
その時一緒に聞いた話だけど、他にもファラズマ様の教団やゴラム様の教団とも提携したんだって。そう言えば、最近ファラズマ様の聖印を下げた人を見かけるようになったと思ってたけど、そう言う事だったのね。

6月17日 曇り

タウンホールが完成した。落成式では市議会議長のジョット様が挨拶していた。なんか途中からエラスティル様の話とか出てきちゃってちょっと面白かった。ジョット様は演説は上手いんだけど、長いのが玉に瑕よね。

6月22日 曇りのち雨

なんだか、お城の方が騒がしかったので兄さんに聞いてみたら国王様が暗殺者に襲われたらしい。幸いにもいち早く駆けつけたサルヴィアさんやエステルさんのお陰で無事だったそうだけど。
それにしても、兄さん、絶対他言無用って念を押すんだったら、私にも言っちゃったらまずいんじゃないかしら。

6月27日 晴れ

もうすぐArcher's Feastのお祭りの時期。この1年間の自然の恵みへの感謝と、今後1年の収穫を祈る大切なお祭りだ。今日も神殿に行ってお祭りの準備のお手伝い。私はお祭りで配るお団子の下準備。このお団子は森で取ってきた木の実が主な材料だから、灰汁抜きをしっかりやらないと苦くなっちゃうのよね。

 4711AR 7月

7月1日 晴れ

今日はArcher's Feast。天気も上々で、これもエラスティル様の思し召しに違いない。私も昨日から頑張って作ったお団子を配って手伝った。いつもあまり街に顔を見せないレンジャーや狩人の人達もいっぱい来てお祭りは大成功だった。
兄さんが弓術大会に出るって張り切ってたんで一応応援に行ったんだけど、力みすぎて全然駄目。妹として情けない。
他の知り合いだとエステルさんも参加してたのでそっちを応援。結構いいところまで行ったんだけど、優勝したのはランダーさんだった。流石は熟練のハンターってことね。
弓術大会と言えば、ゴラム神殿の人達が何を勘違いしたのか例のトゲトゲ鎧で参加していた。まあ、普通に競技に参加していただけだし別に良いんだけど、これはエラスティル様のお祭りなんだから、せめて鎧は脱いでくればいいのに。もうちょっと空気読んでよ。
夜のダンスパーティーでちょっと素敵な人と知り合った。フラッセさんというエルフの男の人で各地を旅しているんだって。しばらくこの国に逗留するつもりだって言ってた。また会う機会があるかなぁ

7月7日 雨のち曇り

兄さんの話だと、お城の地下に不思議な図書室があって、そこにドラゴンが閉じ込められていたんだって。危険な混乱の魔法を使うドラゴンだったんだけど、退治する事が出来たって話。
それとこの場所には300年ぐらい前にウェレランという国があって、その国の騎士の幽霊もいたらしい。特に危険はないって言ってたけどちょっと怖いな。記憶が戻ったら彼も成仏できるかもしれないから何か聞いたら教えてくれって言ってたけど300年前じゃねぇ。

7月10日 晴れときどき雨

最近、散歩をしていて気がついたんだけど、いつの間にか立派なお屋敷が何件も建っている。貴族様のお屋敷だと思うんだけど、国王様はじめこの国の偉い人達ってほとんどお城に住んでるのに誰が住んでるのかしら。まあ、ちょっと気になっただけ。

7月15日 雨

今日から兄さんは国王様と一緒に遠征。今回の遠征では旅人を襲っているジャイアントと話をつけに行くんだって。それとまだ未探索の南部を探索して危険なものがいたら排除するらしい。
それにしても兄さんったら、毎度毎度戸締りをしっかりとかうるさいったらない。私はもう子供じゃないし、そもそも兄さんが家を空けるのはこれが何度目よ。

7月21日 晴れ

今日は驚いた事があった。Archer's Feastで知り合ったフラッセさんと偶然再会したのだ。フラッセさんが借りた家がたまたま我が家の近くだったみたいで、八百屋さんでバッタリ。うーん、八百屋さんってのはちょっとロマンチックじゃないわね。
フラッセさんはこの辺りの事はまだ良く分ってないっていう話だったので、辺りを案内して安いお店とか色々教えてあげたらすごく喜んでた。
別れ際に勇気を出して「折角ご近所なんだし、これからも何かあったら何でも聞いて下さい」って言ったらにっこり微笑んで「よろしくお願いします」だって!あー、エルフの人ってどんな料理が好みなのかしら。

7月26日 曇りのち晴れ

今日兄さん達が遠征から帰ってきた。エステルさんかヴェテンスカップさんにエルフの人が好きな料理を聞きたかったんで迎えに行ったんだけど、なぜかエステルさんがハウル・オブ・サウスウィンドって呼ばれてて、何だか機嫌が悪かったので聞けなかった。でもヴェテンスカップさんに聞けたからいいや。今度作ってフラッセさんに届けてあげよう。

 4711AR 8月

8月5日 曇り

今日、ヴェテンスカップさんに聞いた香草のスープを作ってフラッセさんに届けたらすごく喜んでくれた。なかなか味付けがうまくいかなくて、何度も作りなおした甲斐があった。その時フラッセさんは自分の事を色々話してくれた。故郷の事とか、剣と魔法を組み合わせて戦うメイガスなんだとか。魔法の話をするフラッセさんはすごく楽しそうだった。魔法かー。前からちょっと興味はあったんだけど、私も魔法を習ってみようかしら。

8月8日 晴れ

もー、最悪。今日はちょっとお料理を作りすぎちゃったからフラッセさんにお裾分けしようとしたら、運悪く兄さんが帰って来ちゃって、どこに行くんだとか色々根掘り葉掘り聞かれた。そんなの兄さんに関係ないじゃない。せっかく楽しい気分だったのが台無し。今日はもう寝る。

8月15日 晴れ

兄さんが五月蠅いのでフラッセさんを紹介する事にした。その事をフラッセさんに話したら、驚いた事にフラッセさんも兄さんに会って話がしたいって。私の兄さんがこの国の警備隊長をしてる事も知っていたみたい。
で、兄さんとフラッセさんを会わせて、私が軽い料理を作っている間、二人で話をしていたんだけど、何だか結構話があったみたいで、フラッセさんは警備隊に仕官することになったみたい。兄さんの話ではフラッセさんぐらいの実力があればすぐに隊長になれるって。結果的にみんなに良い結果になったのかしら。
フラッセさんったら「これからもよろしくお願いしますね」だって!いや、深い意味はないと思うけどさ。

8月18日 晴れ

今日はすごかった。空いっぱいにひっきりなしに流れ星がはしって。近所のみんなと眺めてたんだけど、誰かがお酒を持ち込んだものだからいつの間にか宴会が始まってしまった。まあ、今晩は暖かかったから、酔って寝ちゃった人達も大丈夫だと思うけど。

 4711AR 9月

9月5日 晴れ

なんだかゴラム神殿の人達が張り切って準備をしていると思ったら、なんでも近隣のリザードフォークの部族との友好のためトーナメントを開くんだって。リザードフォークっていうとあれよね。建国式典にやって来てたトカゲみたいな人。
それにしても何で友好の証がトーナメントになるのかしら。ゴラム信者の人達じゃあるまいし。もしかしてリザードフォークってみんなゴラム信者なのかしら。だとしたらちょっと嫌。

9月15日 晴れ

今日トーナメントが開催されるって事で見に行った。この前フラッセさんも参加すると聞いてたからその応援。あとエラスティル神殿のアキロスさんとか、サルヴィアさんとかハマヌーさんとか結構知り合いが参加している。何と、国王様も自ら参加されるとか。リザードフォークの人も族長の人が参加するみたい。ああ、似た者同士だから仲が良いのね。あと、お隣のヴァンホールドから領主のヴァン様がやってきて一般参加してた。この辺りの偉い人はみんな戦いが好きなのかしら。なんだか頭が痛い。
それにしても、フラッセさんの相手のアーチャーって人は何?弓なんてズルイ。反則よ。
幸いフラッセさんの怪我は大したことなかったけど、心配だからずっと看病してた。他の試合になんて興味ないし。
家に帰ってから兄さんが話してくれたけど、決勝戦では国王様とリザード―フォークの族長の戦いになって、紙一重で国王様が勝ったらしい。兄さんはすごく興奮していて、すごく良い勝負だったって何度も言うので、ちょっとだけ見ておけば良かったと思った。
それと、一般の部(国王様達はすっごくシードされてたんでそれ以外の人達で一番勝ち進んだ人は別に表彰されたらしい)ではサルヴィアさんが優勝したんだって。サルヴィアさんって、なぜか国王様のメイドと将軍を兼任してるんだけど、本当に強かったんだ。知らなかった。
それにしてもフラッセさんの怪我が心配。明日、また看病しに行こう。

9月22日 晴れ

最近のお気に入りは新しくできた図書館。レストフの大図書館に比べると小さいけれど、私が子供の頃はその日の食べ物を探すのが精いっぱいで本を読む暇なんてなかったから何を読んでも面白い。お気に入りはパスファインダー協会ってところが出している旅行記。読んでいるとまるで自分が色んなところを旅しているかのよう。いつか本当に旅する事が出来たらいいな。
あー、でも「Rise of the Rune Lord」シリーズみたいに恐ろしい巨人が沢山出る地方は嫌だな。巨人が100体以上なんて本当の話なのかしら。でも、兄さんも巨人と戦ったって言ってたしなー。。
それにしてもこの図書館は立地が悪いと思う。すぐ隣に鍛冶屋さんがあるから、一日中槌を打つ音が響いてくる。何とかならなかったのかしら。
そうそう、最近できたといえば、ネリサヴィエルさんの研究所のそばにLuxury Shopができた。ちょっとだけ見に行ってみたけど、とんでもない値段。一番安いやつでも節約すれば1月は食べていける額だなんて。ああいう物買える人も世の中にはいるのねー。

 4711AR 10月

10月17日 1日中雨

今日は雨が降っていたので、近所のおばさん達と集まっておしゃべりしながら繕いものをした。そこで聞いたんだけど、最近盗賊団が活動を活発化させていて、特に北の方の集落なんかはかなりの被害を受けているらしい。
どうして、この世の中から盗賊達はいなくならないのだろう。みんなで畑を作って耕せば、十分食べるものは手に入るのに。

10月28日 晴れ

そろそろ寒くなってきた。早めに冬支度をしておかなきゃ。最近ファングベリーが安いから、大目に買い込んで干し果物にしておこう。冬の間のちょっとした楽しみ用。
上手く出来たらフラッセさんにもおすそ分けしてあげようっと。

 4711AR 11月

11月05日 晴れ

お城の前の広場に人が集まっていたから見に行ってみたら、なんと国王様の大きな銅像が出来ていた。"建国の父 ヴュ"だって。なんだか大きな熊みたいな怪物を真っ二つにしているところだったけど、あれって教育的にどうなのかしら。
まあ、確実なのは国王様のまねをしてチャンバラが流行るだろうって事と、それで怪我する子供が増えるってことね。傷に効く薬草を多めに仕入れておかなくっちゃ。

11月28日 曇り

最近思うのだけど、このテストラシアは本当に変な街だ。今日なんか買い物していたら小さな妖精に出くわした。なんでもブラウニーっていう妖精らしい。最近ここテストラシアに住み着いたんだとか。私はハーフエルフだし、故郷の村の人達はみんな親切だったけど、やっぱりちょっと違う目で見られていたと思う。
でも、テストラシアではハーフエルフなんてちっとも珍しくない。少なくともリザードフォークやブラウニーに比べたらね。なんか人種とか考えるのが馬鹿らしくなっちゃう。

 4711AR 12月

12月14日 曇り

最近、新しい鉄鉱山が発見されたらしくって、鉄製品が手に入りやすくなってきた。鍛冶屋さんもいつの間にか何件も増えている。折角だからお鍋とか包丁とかを新調してみた。前使ってたのは故郷の村から持ってきた奴だから、もう大分使い古してたものね。
よーし、これを使ってもっともっとおいしいお料理を作るぞー。

12月20日 大雪

今日は本当に疲れた。昨日の昼から今日までずっとすごい吹雪。こんな日は暖かい家の中でじっとしていたかったのだけど、あまりの積雪でこのままじゃ家が潰れちゃうって事で街中総出で雪かき。最近できた建物はしっかり作られているからまだ大丈夫なんだけど、建国したてのころに作られた長屋なんかはいい加減なつくりだからかなりヤバい。
うちは、兄さんがいるから平気だけど、男手がないところとかは大変。兄さんはうちの雪下ろしをした後に、フラッセさん達警備隊の人と一緒に見回りにいった。私は近所の人と一緒に雪かき。私なりに頑張った。
あー、これ明日絶対に筋肉痛だなぁ。

12月24日 雪

兄さんが急きょ遠征に出かけることになった。何でもお隣のヴァンホールドと連絡が取れないらしい。この前のアリカヒルみたいに盗賊に襲われたのかしら。でもアリカヒルみたいな小さな村ならともかく、ヴァンホールドはテストラと同じぐらい大きな町なのに。
今回もついて行こうかと思ったんだけど、兄さんに絶対駄目だって言われた。滅多に見ないぐらい真剣な顔だったので何にも言えなかった。兄さん、無事に帰ってくると良いけど。