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第14回(王国1)

 4713AR 10月

イオバリアへ

先月の武闘大会にて劇的なテストラデビューを飾った女戦士、Ingridから古き盟約により村を救って欲しいという要請を受け、南ブ探はノーメンケンタウロスの集落のさらに東、Icerime Peaksを越えた先Iobariaに来ていた。
 
イングリッドの話から彼女の部族が現在テストラシアの国土となっている地にかつて栄え、そして滅んだ王国と盟約を結んでいたようだと判断したテストラシア王宮が、ビュをはじめとするいつものメンバーを送ったためである。
ビュ御一行が期待しているのはテストラの王城の地下に住むジャック(仮)のことや記録も残さずに消えた国の謎について、さらには人材不足に悩むテストラシアにイングリッドを迎えること等である。

Norinorの森の西の端に彼女の部族の村Katrivishはあった。村およびイングリッドから得た情報によると村の近くの彼らが聖域としている遺跡に蝶の化け物が現れたらしい。
すぐに件の遺跡へと向かった一行はとりあえず少し離れた場所から情報収集することにした。ヴェテンスカップが魔法の目を飛ばして遺跡の中を覘くと確かに蝶の化け物とその幼虫がいた。
その正体はグルームウィングというプレーンオブシャドウの生物だった。翅の模様を見ると混乱してしまうこと、幼虫がマヒ毒や酸を含む攻撃をしてくることがわかった一行は一度撤退して呪文の準備をすることも考えたが、結局そのまま遺跡へと向かった。
この決断が悲劇を呼ぶこととなった。

Tenebrous Worm 

一行はダリーを囮に蝶たちをおびき寄せ、近接組は目を瞑ってそれ以外はなるべく遠くから魔法や爆弾で戦うという作戦でいくことにしていた。
そして手筈通りダリーがひきつけたところに火球を撃ち込み戦闘は始まった。良い滑り出しで成虫の混乱効果についても対応できていた一行だったが、問題は幼虫だった。
幼虫のマヒ毒の棘が攻撃する度に刺さりそうになるため手数で戦うダリーと非常に相性が悪かったのだ。
さらに予想以上に幼虫の一撃が重かったため(30ダメくらい。というかそもそも幼虫のほうが成虫よりCRが高かった。)ハマヌーやビュが追いつく前にダリーはマヒして殺されてしまった。
 
ダリーが倒れた他にはどうにか犠牲を出さずに蝶たちを殲滅できたが、一行は混乱以外の情報を軽視してしまったことを強く後悔した。
その後、速やかにダリーを復活させたいという気持ちを抑えつつ辺りを捜索すると、もう他に蝶や幼虫はおらず、ただチルドレンオブナイトの構成員の死体があった。
グルームウィングが死体に卵を産むというのは分かっていたので適切に処理したが、何故こんなところにプレーンオブシャドウの生物やチルドレンオブナイトがいたのかという疑問は残った。
 

暗躍するチルドレンオブナイト 

村に戻った一行は村長に報告し、今回の旅の目的のひとつであった滅びた王国についての話を聞くことにした。すると彼らは同盟の証の品として魔法の楽器を見せてくれた。それはただのホーンオブブラスティングで村長からはこれ以上の情報を得ることはできなかった。落胆した一行だったが改めてテストラシアとこの部族の間で同盟関係が結ばれ、イングリッドがテストラの新しい王宮メンバーに加わったので、結果としてはまずまずであった。
 
翌日、ダリーを復活させた一行は帰る前にチルドレンオブナイトの死体にスピークウィズデッドをかけることにした。きっかけはビュが今回の不可解な事件について、最近テストラ近辺でプレーンオブシャドウとの境界が薄くなっているのはチルドレンオブナイトがそうなるよう画策しているからではないかという意見を言ったためだった。
エステルは鼻で笑っていたが、特に否定するような証左も無かったので確かめてみようということになったのである。
その結果はなんと驚く無かれ、ビュの考えは正しいらしいことが分かった。
チルドレンオブナイト(の死体)曰く、聖域の遺跡へ収められているロッドを盗りに来たが取った途端グルームウィングが現れて襲われて死んだとのこと。残念ながらロッドの行方は分からなかったが、直属の上司はボーダカイのいた死者の谷にいるらしい。いずれ再び死者の谷へ赴く必要性を感じつつ、一行はひとまずテストラへと帰るのだった。
 
なお、タイミングの悪いことにプレーンオブシャドウの専門家メティシエはイオバリアへ出立する前にテストラを去ってしまっていた。また、アキュロスの去った穴を埋めるべく人員を募集したところ酒飲みダインズが現れたので試験的に登用した。
 

 4713AR 11月

嵐の前の静けさ

特に大きな事件の無い平穏な一月だった。ダインズも意外にまともに仕事をしていた。しかし……。
 

 4713AR 12月

デーモン軍団襲来

年の瀬が迫り慌ただしいテストラ王宮に不穏な一報がもたらされた。それは森のレンジャーからでテストラを目指し南下する小人の軍団ありというものだった。
ピタクスの侵略か?しかし何故森の中に?小人?疑問は尽きぬままにとりあえずエステル、ダリー、フラッセ、ヴェテンスカップの四名が先行偵察に向かうと森の中を進軍していたのはデーモンの軍団だった。大半はドレッチだったがラターキンも少数混ざっており、率いているのはシェムハジアンだった。
そしてデーモンの中には見慣れた人影も見られた。それは堕ちるところまで堕ちたアキュロスで、隣にはしっかりとサキュバスもいた。
 
偵察隊よりもたらされたデーモン軍団襲来の報で、テストラ王宮はさらに慌ただしくなっていた。順調に成長を続けているテストラシアでは当然軍備の増強もなされていて、騎士や神官、民兵、他にも同盟関係にあるリザードフォークなど戦いの訓練はしていた。だがまさか最初の相手がデーモンになろうとは誰も思っていなかった。
本当に人間の軍隊でデーモンの軍団と戦えるのだろうか?しかしもはや悩んでいる時間も無く、ビュ侯爵はテストラシア軍を率いて出陣した。
 

初陣

南下するデーモン軍団をテストラシア軍は首都テストラ北部の丘陵地で迎え撃った。ここにテストラシア建国以来初の戦の火蓋が落とされた。
この戦の勝敗を分けたのは準備だったと言えるだろう。相手はデーモンの軍団とはいえ大半は弱いドレッチで数も多くは無かった。対して着実に軍備を増強してきたテストラシア軍は約二倍の数でこれにあたる事が出来た。また、事前に得た情報から惜しみなく冷たい鉄製の武器を兵達に持たせたことでデーモンたちに効果的にダメージを与えることもできた。
結局、当初危惧していたよりもはるかに少ない被害でドレッチとラターキンは退けられたのだった。

残るはシェムハジアンとサキュバス、そして堕ちパラアキュロスのみ。しかし、まったく油断は出来ない。シェムハジアンは非常に強力なデーモンであり、相当な手練れでなければその眼光に射抜かれて近づくことすらままならない相手である。
数で勝負する軍隊では相性が悪く、必然的にテストラシア側は少数精鋭であるビュ侯爵一行が相手をすることとなった。
一行はメインアタッカーのビュを中心にフリーダムオブムーブメントなどのバフをかけ決戦に臨んだ。
 
まず、素早く動いたシェムハジアンが唱えたブラスフェミーでビュ一行はデイズ。サルビアにいたっては麻痺した上にサキュバスに組み付かれる始末。アキュロスもスマイトグッドでダリーに襲い掛かりダメージを出してきた。事態の打開に走りたいハマヌーだったが、シェムハジアンの長いリーチとcombat reflexのために思うように動けず、一行のダメージは蓄積していった。
どうにか早々にアキュロスを気絶させることが出来て戦況が動くかと思えたが、今度はビュがサキュバスにドミネイトされて再び窮地に。
同士討ちが起きる前にダリーや復活したサルビアがサキュバスを倒したので被害はでなかったが、その間シェムハジアンを引き受けていたエステルが二度目の噛爪爪鋏鋏尻尾+引き裂き&毒で撃墜されてしまった。
しかし、この頃になるとブラスフェミーによる弱体化も解け、前衛陣が足を止めて殴り始めるとさすがのシェムハジアンもついに轟音と共に地に倒れ伏した。
 

Challenge of Tethtra

テストラの街ではデーモンの襲来があったと言う事実に戸惑いつつも初勝利に沸き立っていた。そんな裏でテストラ城ではアキュロスの処遇について議論がなされていた。
厳罰を求めるエステルヴェテンスカップに対して何故かドロップアウトした者に非常に寛容なダリーとビュは情けをかけようと主張していた。結局、アキュロスは幽閉されることになった。
そして、完全にアキュロスを見限ったジョットの代わりにデズナの神官に彼の面倒を頼んだ。呪文が出るかも怪しいデズナの平神官だったがアキュロスを暗黒面から開放するというこの困難な試みに努力することを約束してくれた。

 4714AR 1月

探し物は何ですか?

新年を迎えしばらくたった頃、街を見回っていたダリーは違和感を感じていた。よくよく見てみると街の人々の中に無気力そうにしている人たちがいる。
話を聞いてみるとあまり要領を得ないが、不思議な夢を見るのだと皆そういった。
これまでの経験から些細な事でもほうっておけないと判断したダリーは宮廷メンバーに相談し、皆でこの事件の調査をすることになった。
 
すると、問題の人々は夢の中でおいしい食事をしたおかげで目が覚めても満腹状態にあり、食べなくても一日やっていけるということが分かった。そんな日が続くと、勤労意欲が下がったり、早く夢の中にいきたいと思ったりするようになるということらしい。症状を診た術者陣はデズナの信者の使うDream Feastと言う呪文に似ていると思ったが、より広範囲かつ強力な効果であるとも思った。
 
何にせよ夢の中へいく必要があると感じた一行は症状の出ている人を監視しながら一晩過ごしてみることにした。そして、運良く(悪く?)エステルが問題の夢を見ることが出来た。
そこは何処かの海沿いの町の通りだった。通りの両側にはおいしそうな食事を売る露店が並び、見知ったテストラの国民や見知らぬ異国の人々が食事をしている。
食事では無くこの夢の原因に興味のあるエステルは空を飛び、町でひときわ目立つ灯台のような建物へと近づいた。
エステルは知る由も無かったが、この夢の町はサンドポイントと言うヴァリシアの西にある小さな町が元になっており、その町にはサンドポイントデビルという羽の生えた馬に似た化け物の伝説があった……。 
 

Midnight Party

サンドポイントデビルと遭遇するも何故か一人でこれをほぼ撃退したエステルは夢から覚めると、仲間たちに夢の中の出来事を報告した。驚くべきことにエステルは夢の中で負った傷を現実でも負っており、このことが昨夜の夢が単なる夢ではないということを如実に語っていた。
事件の核心が夢の中にあることを確信したビュ達は夜を待って今度は全員で夢の中へと旅立っていった。
 
昨晩エステルが目星を付けていた灯台のような建物オールドライトでは中で晩餐会が開かれていた。しかし、奇妙なことにその晩餐会で踊っているのはかつて一行が出会ったものたちだった。鹿角の面をかぶったスタッグロードや巨大オウルベアが踊る様は気味の悪いものだった。
 
一行が眼前の光景に呆けていると突然、ヒューゴーがくるぞと言う声がして踊っていた者たちはほとんど散り散りに逃げていってしまった。そして、気がつくと一行は騙し絵の様に歪んだ空間にいた。
 
(注:ここでDMはボードゲームMidnight Partyを取り出し、皆でMidnight Party風の戦闘を行った。)
 
真ん中の階段を上ってくるゴースト、Hugoに踏まれないように逃げながら一行は4体のインコーポリアルなモンスターと戦闘を繰り広げた。戦闘の最中、すでに悪い夢の中だというのにファンタズマルキラーを喰らってヴェテンスカップが殺されてしまったが、それ以外は大きな被害も無く敵を撃退した。
戦闘後、一度もHugoに踏まれ無かったエステルが褒美として貰った指輪に願いを込めるとヴェテンスカップを復活させることが出来た。
 

Paradigm Shift

晩餐会の後、一行がたどり着いたのはデズナ神殿だった。中に入ると入り口の受付らしい神官は夢の中なのに寝ていた。とりあえず話しかけてみるとその神官は器用にも眠ったまま受け答えしてきた。その神官によるとこの夢の原因はやはりデズナの司祭が唱えたMass, Dream Feastという呪文にあるらしい。意見があるなら直接司祭に話をということで奥へと通された一行は広い部屋の真ん中でやはり眠っているデズナの司祭の女性と対面した。
 
彼女は本当に眠っている様子で、体をゆすって起こそうとすると眠りを覚ますなと言う声と共に彼女の体の中から三体のスピリットが現れて襲い掛かってきた。
三体はそれぞれ彼女の神官、魔術師、錬金術師(放火魔?)の側面を現しているらしくフレイムストライク、エンパワーファイアーボール、ファイアーボムで攻撃してきた。
ものすごい火責めでまたもヴェテンスカップが昇天しかけたがハマヌーが間一髪で助け、今度は事なきを得た。なおヴェテンスカップは薄れ行く意識の中でデズナに火のドメインなんてあっただろうかと頭を悩ませていた(注:ありません)。どうにかスピリット達を倒すとようやくこのはた迷惑なデズナの司祭は目を覚ました。
 
彼女、リリーはデズナ教団の内で特に夢に意味を見出す新興派閥の指導者で、今回の事件は善意の行動であると語った。
デズナ信仰の布教という点では彼女の行動は理解できたが、それでもMass, Dream Feastを受け入れる国はほとんど無いだろうと一行は話を聞いて思った。働かなくとも生きて行ける様になると人々は怠惰になり、国は国としての機能を維持できなくなるからである。
一行はMass, Dream Feastを止めるよう彼女に頼んだが、デズナ信徒らしくケイオティックなリリーと話がかみ合う事はなかった。
(注:リリーはRotRLキャンペーンでサルビアの中の人が使用したキャラクター。それ故ここではサルビアの中の人がRPをした。)
 
Mass, Dream Feastについての議論を続けていると、今度はビュが問題発言をし始めた。それはMass, Dream Feastを受け入れても良いのではないかというものだった。
Consumptionが減るので国家運営に利があるという主張だったが、サルビア以外からは賛同は得られなかった。しかし、結局ルーラーであるビュの主張に押し切られ、テストラシアは正式にMass, Dream Feastを受け入れることとなった。
 
方針は決まったが不安をぬぐえないテストラシアの主要メンバーたちは食糧備蓄を増やしたり、時間的余裕の増えた国民に教育やトレーニングを受けさせたりするなど対応策を取り始めた。果たして、食べるために働かなくて良くなったテストラシアはいったいどんな国へと発展していくのだろうか?
 
 
つづく