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第1回(王国1)

1日目
この日私は旦那様に連れられレストヴの街にまでやってきました。
意気揚々と議会所へと向かう旦那様に対して、その背中を追いながらも私の気は深く沈んでいました。
農場に残してきた坊ちゃまとお嬢様の事が心配であることもさることながら、今後この身に降りかかるであろう危険の数々が私の気を重くするのでした。
この度レストヴより発せられました『南の無法地帯における探索にレストヴ領主のお墨付きを与える。』という旨の御触れに、前々から冒険者となって一旗上げることをお考えになられていた旦那様はいちもにもなく飛びつき、私もお供として連れて来られたのであります。
折角牛の飼育も軌道に乗ってきた言うのに、不安定で危険な冒険者になろうなどとは旦那様のお考えは私にはまったく理解できません。
そうこうしているうちに、間もなく御触れを発行している議会所へとたどり着いたのですが、どうも休憩時間らしくお役人様が居りませんでした。
議会所の中には私達同様に御触れを貰いにいらっしゃっていたのか冒険者風のエルフが2人いましたので、彼らと挨拶を交わし、ひとまず議会所を後にしました。
通りに出たところ、何やら向こうの路地の方にて人の揉めている様子。
どうにも品のよさそうな女性を如何にもな悪漢が4人ほど、路地裏に押し込めようと争っているようで、つくづく都会は物騒なところだと思いました。
その様子に旦那様は気付いてないようでしたが放っておくわけにも行かないので、私は大金槌を構えてそこへ向かい、手近な悪漢に対して止めるよう警告いたしました。
しかし悪漢達は私がやって来たのを見るや、短剣を抜き放ち斬りかかってまいりました故、つい弾みで悪漢の1人の脳天へ大金槌を振り下ろしてしまいました。
悪漢は地に倒れ伏せ、その頭部からは止め処なく血が流れ出し、これはもう助からないことが見て取れました。
そのとき、私は始めて人を殺めてしまったとえもいわれぬ不安に駆られておりましたところ、その隙を付かれ、もう一人の悪漢に短剣を私の急所へと深々と突き立てられてしまいました。
薄れゆく意識の中、懐かしい光景が脳裏に次々と浮かんでゆきました。
しかしながらそれから6秒もしないうちに私の意識は現実へと引き戻されたのです。気が付くと聖印を掲げた鎧姿の僧侶の男が居りました。
私が起き上がり、戦線に復帰する頃には旦那様達も追いついており、武器を持って悪漢達と対峙しておりましたが、悪漢の1人が女性を担いでそのまま逃げ出す構えを見せていました。
そこへ、一般市民と思われるハーフエルフの青年が必死になって女性を担いだ悪漢を引き止め、追いついた旦那様が悪漢を殴り倒して戦いは終結しました。
1人生け捕りにした悪漢を尋問すると、夜の申し子という盗賊団に頼まれてやったことだといいました。彼自身はただの町のゴロツキだったのでそのまま衛兵に引き渡しました。
夜の申し子は私も子供の頃に所属していましたが、一体何をたくらんでいるのでしょうか。
襲われていた女性は議会所のお役人様でヒルナリック様と仰るそうで、ちょうどそこに居た6人でパーティーを組んで御触れを受けることになりました。
6人のメンバーは、ゴラム神のクレリックのハマヌー様、エルフの錬金術師のエステル様、同じくエルフの魔法使いのヴェテンスカップ様、一般人のように見えたけど実はレンジャーでハーフエルフのダリー様、そこに私と旦那様です。

2日目
今日よりレストヴを出立し、Stolen Landへと向かいます。ひとまず川沿いに1週間ほど下れば、オレグ様と仰る方が経営している交易所があるそうで、そこを拠点に探索してゆく予定となります。
この日は特に何事もなく平和な旅路でした。

3日目
この日も途中、狩人の方とすれ違った以外、特に何もありませんでした。
4日目
何もなし。

5日目
ここから街道は川沿いを外れ、何もない平原の中を続いていきます。

6日目
何もなし。

7日目
更に何もなし。いい加減何事もなくただ歩き続けることに飽きてきました。

8日目
何も無いことに飽きたとか言ってすいませんでした。
何も無いことは平和でとても素晴らしいことでした。
この日街道を歩いていた我々の目の前に現れたのは、身の丈15フィートはあろうかという巨大なムカデでした。そのムカデは街道沿いの岩陰から現れると20フィートはあろうかという長い尾を鞭のようにしならせて真っ直ぐ我々の方へ向かってきました。
このような化け物相手に勝ち目は無いと悟った我々は、次々に逃げ出しましたが、反応の遅れた旦那様と私の目の前に巨大ムカデが迫って来ました。
済んでの所、旦那様はムカデの尾をかわし、一目散に逃げ去りました。
ムカデは逃げた我々を諦めたようで、更に追いかけてくることはありませんでした。

9日目
遂に交易所に着きました。
扉を開け、最初に出迎えてくれたのは責任者であるオレグ様の奥様であるセベトラーナ様でした。
彼女はなにやら我々の訪問を妙に喜んでいるご様子で、それに引き換え奥にいらっしゃるオレグ様は逆に不機嫌そうにしておりました。これはなにやら我々と情報の齟齬のあるのでは感じました我々は、彼らに詳しく事情を聞いてみますと、この交易所は3ヶ月前から盗賊の被害にあっているらしく、レストヴに兵の派遣を依頼していたそうで、我々をそれと勘違いしているようでした。
話に聞くと、盗賊たちは毎月の始まりの日にやってくるそうで、奇しくも今日は月の最後の日、明日には盗賊たちがやってくることになるでしょう。
困っている夫婦を放っておくなどできない我々は明日の決戦に備え作戦を練るのもそこそこに、英気を養うため早めに休息をとることにしました。

10日目
盗賊たちは最初の1回こそ彼らの女ボスと共に大人数で来たものの、2回目以降は副ボスらしき男に連れられた6人程度の集団だったそうで、今回もそうだろうという仮定の下、作戦を立てました。
作戦はまず、私と旦那様が倉庫に隠れ、盗賊達が中に入ってきたところを襲撃し、それを合図に隠れていたダリー様が出入り口を閉めて逃げ場を塞ぎ、ハマヌー様はオレグ夫妻を守るというものでした。

倉庫に身を隠し幾ばくかすると、いくつかの馬の足音が外に響き、盗賊達がやってきたようでした。その後、交易所に入ってきて馬を下りた盗賊達の副ボスが倉庫のドアを開け、戦いの火蓋が切って落とされました。
敵の副ボスは弓の得意なレンジャーで、旦那様が1度意識を失うほどの負傷を受けたりしたものの、概ね作戦通りに事は運びました。
このとき2回目ともなると私も悪漢の頭蓋を叩き割ることにさほど抵抗も感じなくなってまいりまして、むしろ小気味の良い感触に少しばかり気分が高揚してしまいました。

悪漢達を掃討した後、1人生け捕りにした下っ端を取り囲んでの尋問が開始しました。
彼が知っていることを洗いざらい喋ってもらいましたが、わかったことと言えば、彼らの女ボスはクレスルという名前で、斧の二刀流を得意としていること、盗賊団の残りの人数は8人ほどであること、彼らはここから南に行ったところでソーンリバーという川のほとりにキャンプを張っていること、彼らは更に大きな組織の傘下組織であること、くらいのものでした。
最後に、下っ端は命乞いしてきたためゴラムの精神に則り、逃がすことにしました。
彼に名前を聞くとサンドと名乗り、今後は真面目に生きると言ってはいましたが、あまり信用はできないでしょう。まあ今後彼がどう生きようともう私達の知るところではありませんがね。

11日目
朝起きると、エステル様の師匠がいらっしゃっておりまして、相変わらず師弟がそれぞれ勝手に喋ってまったくかみ合わない会話を交わしておりました。
それはそうと、遂に今日から此の地の探索を始めることになります。
今日は1日かけて交易所の周辺を探索しましたが、特に目に付くものは見当たりませんでした。
明日以降はもっと南へ遠征することになるでしょう。

12日目
交易所からやや南東の地域。
森の中のやや開けた場所に動物の骨が散らばる不自然な場所を発見。
山野に詳しいダリー様によると、これは土蜘蛛の仕業なのだと言い、言われてみればなるほど、よく見れば巣穴のようなものがあり、なにやら巨大な生物が蠢いているのが見て取れます。
近寄るのも危険なため、そこは迂回し、地図には蜘蛛のマークを書き込んでおきました。

13日目
交易所からやや南西の地域。
森の中に薬草が群生している場所を発見。
しかしそこには先客が居り、その小さな体で一所懸命収穫をしていました。
その生物に関して何も知らない我々は、パーティの知恵袋であるヴェテンスカップ様に指示を仰いだところ、あれはコボルドという邪悪な生き物であるから、先手を打って皆殺しにすべきだということになり、全員で100フィートほど離れたところから弓矢で強襲しました。
襲撃に気付いたコボルドたちは、武器を抜いてこちらに向かってきましたが、1人、また1人と矢襖にされ、我々のところにかろうじて辿り着いた最後の1匹もサップの1撃で昏倒してしまいました。
流石に憐れに思えてきた我々は、気絶したコボルドを起こし、逃がしてやることにしました。
コボルドはスートスケイル族のドラッキーと名乗り、"よくも仲間を""お前達のことは忘れない"などといったようなことをいいながら去っていきました。
ここの薬草はムーンラディッシュというもので、何かの薬の材料にもなりそうなのでエステル様はいくつか収穫しておりましたところ、いつの間にやらネリサヴィアル様がおいでになっており、またエステル様と噛み合わない師弟の会話を交わしておりました。

14日目
昨日より南東の地域。
平原の中にある岩山の裂け目を覗くと、そこは金抗になっていました。
今後、機会があったら掘ってみるのもいいかもしれません。
地図に印しを付けておきました。

15日目
昨日より南西の地域。
川にぶつかる。
此の川はソーンリバーのようです。
この川沿いに進めば盗賊達のキャンプに辿り着けるはずです。
途中橋が架かっているのを見つけましたが、人1人がようやく通れそうな古く脆そうな橋で、馬を置いてくわけにも行かなかったため、この先に行くのはまたの機会になるでしょう。

16日目
昨日から北西の地域。
川沿いに進んでいくと、森の中に入ったところにおそらく盗賊達のものであろうキャンプを発見。
ダリー様が偵察に向かいましたが、見張り台の上にいる敵に見つかってしまい、双方弓矢での遠距離戦に突入しました。
しばらく見張り台の敵と矢の射ち合いをしていると、地上を敵の女ボスが隠れながらこっそり近づいて来るのをダリー様が見つけてそちらへ応戦し、私も続いて女ボス・クレスルに大金槌を振り下ろしたところ、彼女はその自慢の斧の技を披露することなく地面に倒れ付しました。
クレスルがやられたのを見た盗賊たちは我先にと皆逃げ去り、戦いは幕を閉じました。
クレスルはまだ息があったようで、起こして上部組織にかんしての情報を聞きだすことにしました。
彼女の直接の上司は、スタックロードという人物で、南の湖に砦を構え、幹部にクレスルを含む四天皇を擁しているとの話で、本人は弓と人間の相手が得意なレンジャーらしいということが聞きだせました。
クレスルもまた、足を洗って堅気の生活をするからと命乞いをしてきたので、ゴラムの精神に則り開放しました。

17日目
食料も尽きてきたため1度交易所に戻ることに。
もと来た道を戻る。

道中、どこからともなくクスクス笑いの声が聞こえ、いきなり荷物がばらけたりと不思議なことが怒りました。
これが話に聞く妖精の悪戯なのでしょうか。

18日目
交易所に戻ってきたところ、周りにテントが立っており、多くの人の気配がしました。
中に入ると、盗賊退治に呼んだ衛兵が今頃来ていたようでした。
他にも、探検にやってきたエラスティルの神官なども居て、交易所はいつになく活気に溢れていました。
衛兵の隊長や、神官からいろいろと仕事の依頼などがありましたが、ここでは割愛。
セベトラーナ様がスープを作るのにムーンラディッシュが欲しいと言っていて、ちょうど持っていたため渡したところ、250gpもくれました。

19日目

・・・書き途中
渡し跡でスタックロードに怨念ある亡霊

コボルドの巣

マイトの巣

コボルドソーサラー

ノミにやられた病気の熱が出る

ポーション作りの爺ちゃん

ノームレンジャー物知り爺ちゃん