Session6-1 Here There be Monsters part2
ストーリー
1. 狒々魔神の洞窟再び
辛くもバールグラ・デーモン達に勝利した一行だったが、既に全員が満身創痍。これ以上、この魔窟を進むのは自殺行為だった。Urollの安否は気になるものの、ここで全滅しては元も子もない。いったん退却して回復を図ることにした。幸いにして飢えた獣に襲われることもなく無事に朝を迎えることができたものの、一行が受けた傷は深く、完全に回復することはできなかった。また、一行のうち何人かは眠っている間に悪夢に苛まれ、わずかに狂気へと近づいた。しかし、これはLeichenの呪文で癒された。
わずかに傷は残っているものの、あまりのんびりしてはいられない。AvnerとTevyを森に隠れさせると、再び洞窟に向かう一行。例の鏡の間でPlutoが椅子に座ると再び偽物に取って代わられる。しかし、このことを予想していたGluttonとCedricが素早く押さえつけて絞め落としたため、事なきを得た。そんなこんなで少し手間取ったものの、無事に鏡の間を通り抜けることができた。
前回、バールグラ・デーモン達と戦った広間に到着。今回は生き物の気配はない。全員が到着した後で部屋を捜索すると、２階に扉があるのを発見した。Plutoが聞き耳を立てると何やら這いずるような音がする。扉の前で陣形を整えると、扉を開ける一行。
ところが扉を開けた途端に、轟音と共に眩い雷光が吹き出し、GluttonとPlutoを貫く。Lightning Boltだ！部屋の中には人面の蛇のようなクリーチャー、ナーガが一体。しかし、その体はところどころ腐っており、生きているようには見えない。
だが、ダメージを受けたことにより、怒りに我を忘れてしまったGluttonには、そんなことは関係なかった。視界は真っ赤に染まり、もはや目の前の敵を破壊することしか考えられない。狭い通路を無理やり押し通ると、ナーガに向けて斧を力いっぱい振り下ろす。その刃はナーガを深く切り裂くが、超常の生物の生命力なのか、倒れる気配はない。ナーガはニヤリと笑うと素早く呪文を唱え、姿を消した。
だが、Gluttonの怒りは収まらない。血だ。この身に浴びる敵の返り血だけが、この怒りを鎮めてくれる。ぐるりと見回すと背後でうごめく連中がいる。敵だ。あれは敵に違いない……
明らかにGluttonの様子がおかしい。血走った目、荒い息。先ほどまで気のいい仲間だった男は既にここにはいない。ここにいるのは血に飢えた一体の獣だ。かつてGluttonが行った凶行が頭をよぎる一行。知らず知らずのうちに後ずさるLeichenとPluto。実際にそれを目にしたわけではないArenaも、不穏な気配を感じ取ったのか、蜘蛛形態に変身するとGluttonの手が届かない天井へと避難する。そんな中、逆に前に出たのは恐れを知らぬ忠実な僕パトラッシュだった。パトラッシュは主たるLeichenを守るように前に進み出る。一方、Gluttonの様子がおかしいことに気がついたCedricは時間稼ぎのために扉を閉めてしまった。
だが、そんな扉など怒り狂ったハーフオーガの前にはないも同然だった。ただの一撃で扉を打ち砕くと、意味の分からない唸り声を上げながら部屋に突入してくる。もはや命に代えて倒すしかないのか、Cedricが覚悟を決めようとしたところに、澄んだコンガの音色が響いた。Aileeだ。Olmanの遺跡で発見したリズムをコンガで刻む。その単調なリズムは魔法の調べ。心臓の鼓動にも似たそのリズムはいつの間にかGluttonを深い眠りへと導いていた。
狂乱したGluttonはAileeにより鎮められたものの、呪文で姿を消したナーガがまだ潜んでいる。See InvisibilityをかけたArenaが天井伝いに部屋に侵入すると、部屋の隅に身を潜めるナーガの姿が見える。すかさずGilitter Dustの呪文を唱え、その姿を露わにするArena。他の面々も次々と部屋に突入していく。しかし、ナーガは姿を消している間にDisplacementをかけていたため、なかなか有効打を与えられない。逆にLightning BoltやSchorching Rayで反撃してくるナーガ。しかも、CedricはナーガのCharm Gazeで戦力外に。やむを得ずAileeはコンガを叩くのをやめ、諸刃の剣Gluttonを再投入。かなりの被害を被ったものの撃破に成功した。
しかし、Gluttonの怒りは収まらず、再び血走った眼で先ほどまでの仲間を睨みつける。結局、Gluttonがパトラッシュを攻撃している間に再びAileeがGluttonを眠らせ、ようやく鎮まったのだった。一行は穏やかに眠るGluttonを複雑な表情で眺めつつ、受けた傷を癒すのだった。一方、眠るGluttonは再び狂乱した影響か、更に記憶がぼやけ、もはや日常的なことさえ思い出せなくなりつつあった。Gluttonの異常な怒りの爆発には何か秘密があるのだろうか？
なお、ゾンビのような姿をしていたナーガだったが、倒すと普通の姿に戻った。どうやら敵を欺くために魔法で変装していたらしい。Mind Effectな呪文とかかけられないようにと言うことだろうか？
さて、治療も済んだところで部屋を捜索すると、汚らしい泉が二つと、両開きの扉が一つある。扉には例のバールグラ・デーモンが平和な田園地帯に火を放っている、趣味の悪い絵が彫刻してあった。罠とかはないようなので、PlutoがPsionic Knockでこじ開ける。ちなみに汚らしい泉には嫌な思い出を刺激されたのか、誰一人として近寄らなかった。後でDMに聞いたところによると、泉の底にはお宝があったらしい。惜しいことをした。
扉を開けると、そこは通路になっており、両側に猿悪魔の形をした燭台が並んでいた。いかにも怪しい。ここは盗賊の出番だろうということで、Pluto１人で慎重に通路に入ってみた。しかし、Plutoが通路に入り込んだ途端、両脇の猿悪魔像がけたたましい叫び声を上げる。どうやらPlutoは警報の罠を見逃してしまったらしい。Plutoは一瞬固まっていたが、何食わぬ顔で引き返すとGluttonの後ろに隠れた。Plutoを見るみんなの目は、ちょっとだけいつもより冷たかった。
警報を鳴らしてしまった以上、何者かが駆けつけてくるかもしれない。一行は警戒しつつ待つが、特に何者もやってこないので進むことにした。通路の突き当りには銅製の扉がある。ここにも罠はないようだ。一行は注意深く扉を押し開いた。
2. 魔殿の決戦
扉の奥は、どうやらこの洞窟の最深部のようだった。部屋を取り囲むように５体の彫像が立ち並ぶ。壁際の４体はバールグラ・デーモンの像のようだが、部屋の奥に飾られている彫像は２つの頭と４本の触手をもった生物をかたどっている。明らかにデーモン・ロード、デモゴルゴンの彫像だ。目を引くのはそれだけではない。部屋の中央には四角く穴が掘られており、その中にはぐつぐつと煮えたぎる溶岩が満たされている。そのせいで部屋の中は異様な熱気に包まれている。しかも、その穴の真上にはさらわれたUrollが鎖で吊り下げられている。おそらくはスイッチ一つでUrollは溶岩に真っ逆さまだろう。
一行がその光景に衝撃を受けていると、突然一体のバールグラデーモンが溶岩穴の向こうに出現。一行を嘲笑い、挑発してくる。いち早く気を取り直したPlutoが前進してCristal Shardを浴びせかけるが、どうも手ごたえが良くない。あれは幻覚だ！
バールグラデーモンは実際にはInvisi状態で部屋の壁際に隠れていた。隙ができたPlutoに駆け寄ると、人攫い能力を使用してPlutoごと溶岩穴の隣にTeleport。これによりPlutoを溶岩穴に落とす作戦だったようだが、Plutoは意志力を動員してこの能力に抵抗した。
ここでArenaが前進し、再びGlitter Dust。なんとデーモンはセーブに失敗し、目が見えなくなってしまった。ちなみにこの時のArenaは天井から逆さにぶら下がり、長い髪が垂れ下がって非常に恐ろしい見た目になっていた。まさに妖怪蜘蛛女。
チャンスとばかりに他の面々も攻撃を繰り出すも、流石に一筋縄ではいかない。なんと目が見えないにもかかわらず、接近したGluttonに接触して一緒にTeleportしてしまう。低いWillセーブが欠点のGluttonに抵抗することは不可能だった。
Gluttonは宝箱らしき箱が２つある小部屋に連れ込まれる。扉や窓の類はどこにもなく、どうやって出入りするのかも分からない。しかし、既にRageしているGluttonはそんなことは気にしない。もはや目の前の敵にこの怒りをぶつけるのみ。Gluttonの怒りの連続攻撃が炸裂し、常人なら即死するような攻撃がデーモンに叩き込まれる。しかし、これでもデーモンは死ぬことはなかった。再びTeleportして消え去るデーモン。あとに残されたGluttonは虚しく咆哮を上げるだけだった。
一方、残された他の面々も途方に暮れていた。Gluttonとデーモンはどこに行ったのか？とりあえず、Urollを吊るしている鎖の巻き上げ機を発見したので、これを使用してUrollを救出する。壁や天井を自由に歩けるArenaがいるので、作業は簡単だった。そんなことをしているとさっきのデーモンが戻ってきた。しかし、どうやらまだ目が見えないようだ。飛んで火に入る夏の虫とはこのことであろうか。目が見えなくても部屋の配置はなんとなく覚えているらしく、デモゴルゴン像のあたりに逃げていくが、追いかけて行ったAilee、Cedric、パトラッシュの手によって討ち取られた。
だが、デーモンを打ち倒した途端、驚くべきことが起こった。なんとデモゴルゴン象が動き出し、こちらを攻撃してきたのである。Leichenが偶々そのあたりにSilenceをかけていたために、巨体にもかかわらず、その攻撃はまったくの無音で行われた。その様が却って悪い夢を見ているような感覚をもたらす。
動き出した彫像は、その姿に相応しい強さを持っていた。肩から生えた４本の触手がうなり、CedricとAileeを打ち据える。一撃２０点前後。あっという間にHPが半減した上にそのまま絡めとられてしまう二人。HugeモンスターのGrappleに対しては抵抗するだけ無駄というものだ。それだけではなく、Cedricは触手に打たれた所から生気を吸い取られるような感覚を覚える。具体的に言うと1d4[Con]ダメージ。何とか２回ともセーブを通して事なきを得たもののこれはヤバい。マジで死ぬ。あ、もちろんAileeには関係なかった。
その上、頑強な彫像は、生半可な攻撃を易々とはじき返してしまう。正直、CedricやAileeの攻撃力ではほとんどダメージは期待できない。Gluttonの怪力であれば何とかなるかもしれないが、未だ連れ去られたままである。まさに絶体絶命のピンチだ。
一方、連れ去られたGluttonは敵がいなくなってしまったので、仕方なく壁を攻撃してみた。すると、思ったより簡単に壊れるではないか。そこは以前バールグラデーモン達と戦った広間につながっていた。どうやら隠し部屋の一種だったらしい。急いで戻ろうとするGluttonだったが、ナーガのいた部屋の扉が閉まってしまっている。鍵開けなどできるはずもなく、再び棍棒を振り上げるGlutton。しかし、頑強な扉はGluttonの力をもってしても容易く破壊することはできそうになかった……
最深部では彫像との死闘が続いていた。と言っても一方的にやられているわけだが。Arenaは捕まったCedricとAileeの脱出を助けるべくGreaseをかけるが、今一歩の所で脱出できない。ギュウギュウと締め付けられて２人とも何もできないうちに瀕死に。Cedricは毎回Fortセーブを要求されるが、根性で通し続けConダメージだけは回避する。
Leichenはパトラッシュに攻撃させつつCedricを癒すが、パトラッシュの攻撃力では文字通り歯が立たず、Leichenもここまでの戦いでほとんど呪文を使い果たしてしまっている。呪文が尽きれば非力なLeichenにはなす術がない。
Plutoに至っては、Grappleされている仲間に命中するのを恐れて攻撃することすらできない。射撃系キャラの欠点の一つが露呈した形だ。
その時廊下の方からガンガンと何か音が聞こえてきた。Plutoが見に行くと、何者かが扉を叩いている。これはGluttonに違いないと思ったPlutoは再びPsionic Knockで扉を開放。すると、そこには皆が待ち望んだGluttonの雄姿が！
開いた扉から駆け込んできたGluttonが、力いっぱい彫像に棍棒を振り下ろす。するとその一撃は易々と彫像を打ち砕いた。先の戦いでデーモンに対抗するためにLeichenがかけたAlign Weaponの呪文が、武器に宿りし善なる力が、彫像の守りをも打ち砕いたのだ。神はまだ一行を見捨てていなかった。
とは言え、既にCedric、Ailee、パトラッシュは力尽き、Leichenも呪文を使い果たした。今や頼みの綱はGluttonただ一人である。ArenaがGluttonの武器にSonic Weaponをかけ、PlutoはいつものEntangle Ectoprasmで援護する。
だが、実は彫像はSilenceゾーン内にいたので、このままではSonic Weaponの意味がない。これを見てとったLeichenがSilenceを解除すると、これまでは聞こえていなかった地獄から響き渡るような唸り声が一行を襲い、Plutoは恐怖に捕らわれてしまう。彫像はこのラウンドにLeichenを打ち据え、Conにもダメージを受けたLeichenは気絶。Gluttonも大きなダメージを受ける。次のラウンドはもう持たないかもしれない。
だが、最後の力を振り絞ったGluttonの一撃がついに彫像を粉々に打ち砕き、この凄惨な戦いに終止符を打ったのだった。
3. 戦い終わって
こうして、幸運にも犠牲者を出すことなく悪魔たちを葬った一行だったが、ほとんどのメンバーが深く傷つき、これ以上の探索は無謀そうだ。幸いにして彫像を破壊したせいか、洞窟内から邪悪な気配はなくなっているので、ここで休むことにする。
それはそれとして、Gluttonが連れていかれた部屋に宝箱があったことを聞いたPlutoは、自分はほとんどダメージを受けていないこともあって、宝物を回収することにする。宝箱を慎重に調べ、罠がないことを確認したPlutoが開けると……Fireballが炸裂した。この爆発により中にあった宝のいくつかは燃え尽きてしまったが、それでもそれなりの収穫はあった。……ところで最近Plutoが罠を見つけたことってあったっけ？
一晩休んで回復した一行はUrollを連れてAvnerやTevyと合流し、デモゴルゴンの洞窟を後にした。この森に掛けられていた呪いも解けたので、Arenaはこれで帰ることも可能なのだが、正直１人でこの島を旅するのは危険極まりないし、人間の生活にも興味があるのでついてくることになった。
こうして新たな仲間をふやした一行は再びFarshoreを目指すのだった。
Session6-2 Tides of Dreads part1
ストーリー
1. Farshoreへの道
Farshoreへの旅は続く。数々の難所を越え、Farshoreへもあとわずか。自然と足取りも軽くなる一行だったが、Isle of Dreadの自然はそんなに甘くはなかった。ジャングルの中の獣道を歩いていると、突然、傍らの茂みの中から触手が飛び出してきて、Gluttonに絡みついた。見ると、球根のお化けに何本も触手が生えたような化け物がいる。後で、Urollに聞いたところ、食肉植物だそうだ。
その植物はすごい力でGluttonを引き寄せる。ダメージを受けたGluttonは即座に狂乱し、力任せに触手を引きちぎろうとするが、敵もすごい力でなかなか果たせない。慌てて他の連中が援護に向かうが、Grapple中では射撃攻撃が行えず、CedricとPlutoは役に立たないし、急所がない相手はAileeも相性が悪い。その上、このモンスターの表面は強酸で覆われており、攻撃した武器が腐食してしまう。ブラックプティングとは異なり、すぐに武器が壊れてしまうほど強力なものではないようだが、攻撃を続ければいずれは壊れてしまうだろう。
そんなこんなで、それなりに苦労したが、最終的にはGrappleを振りほどいたGluttonの攻撃によって、お化け球根は真っ二つにされた。
しかし、狂乱してしまったGluttonはそれでは収まらなかった。Gluttonが次なるターゲットに選んだのは、傷ついた彼を癒してくれたLeichenだった。なんとも恩知らずな話だが、それがFrenzied Barserkerというもの。容赦なく凶刃が振り下ろされる。慌ててAileeが打ち鳴らしたコンガの音色によってGluttonは寝入ってしまったものの、その前に哀れなLeichenは血の海に沈んだ。かろうじて息があったのは幸運としか言いようがなかった。一行はここ最近のGluttonの狂乱ぶりに戸惑いを隠せないようだった。特にUrollやAvnerのそれは完全に狂人を見る眼差しだった。
そんな感じで微妙な緊張感をまといつつ進んでいくと、ジャングルの中に関所のようなものがある。これはIsle of Dreadの中でも、比較的文明的な地域と、完全な野生の王国を隔てるもので、ここまでくればFarshoreまであと一歩と言うことらしい。ようやく見えてきた旅路の終りに喜ぶ一行。
このゲートはIsle of Dreadの原住民に守られていた。最初はOlman語が分かるUrollが交渉していたが、どうも感触がよろしくない。ここで密かにOlman語を学んでいたAileeに選手交代。とたんに鼻の下をのばした原住民たちは親切になった。まあ、むさいノームのおっさんより妙齢の女性の方が好印象なのは言うまでもあるまい。
Aileeが感謝を示すためにコンガでOlmanの曲を演奏すると、ますます村人たちは喜び、一行を泊めてくれた上に、彼らの先祖はコンガを好んでいたようだが、今ではあまり使うものがいないなどと、話を聞かせてくれた。
一行はゲートの村、タナロアを後にすると、さらに進んでモーラと言う村に到着する。ここから舟を出してもらえば、Farshoreはもう目前だ。ここでもAileeが交渉して首尾よく船を借りる算段を付ける。一行は船出を翌日とし、その晩はモーラで休むことにした。
2. Plutoの出家
ようやくFarshoreに辿り着いたということで、一行はささやかながら祝宴を催す。と言ってもいつもの携帯食料に村人達に分けてもらった酒がほんの少しあるだけ。それでも皆、楽しそうだ。いつもは寡黙なCedricもGluttonと肩を組んで歌い、あのAvnerでさえ顔をほころばせている。もちろん、Aileeのコンガ演奏は宴の主役だ。
そんな中、Leichenに声をかけてくる人物がいた。Plutoだ。ちょっと人気のない所で話がしたいという。わずかにいぶかしんだLeichenだったが、まあ、いざとなったらパトラッシュもいるし、気にするまでもないと大人しくついていった。
人気のない所に来たものの、Plutoは何やら言いにくそうにモジモジしている。ようやく口を開いたと思うとこんなことを言い出した。
「私は死神なんて呼ばれていて、えーと、こんなに長い間、同じ仲間と旅をしたことは初めてなんだ。あー、それで、もし、この先、私のせいで皆に不幸が襲いかかったらと思うと、何だか不安で……」
と、言葉だけ聞くと、まるで照れ屋が仲間への友情を吐露しているみたいだが、実際にはその裏でLeichenにWillセーブとかを要求する。どうやら超能力で心を読もうとしているようだ。折角の良いシーンが台無しである。
この試みはLeichenがセーブに成功したために上手くいかなかったらしく、Plutoはさらに言葉を続ける。
「それで、あの、神に縋ってみるのはどうだろうかと思うのだが……どう思う？」
この時、Plutoが仕掛けた次なる超能力によって、Leichenの頭の中に不思議な声が響く。「この者には全て話しても大丈夫だ……」Leichenにも初めての体験だったが、なんとなく彼の神格が話しかけてきたような気がして、少し心を許すLeichen。なるほど。Plutoにその気があるのなら、彼を同胞として迎えるのもいいかもしれない。だが、そのためにはどうしても確認しておかなければならないことがある。Leichenはおもむろに口を開いた。
「骨は好きですか？」
「…………は？」
目が点になるPluto。質問の意図がよく分からないようだ。ちなみに傍で聞いていた他のプレイヤーも同様だった。だが、Leichenはあくまで真剣な表情だ。なんでも彼の信仰する宗教には骨派と肉派と両方ない派があって、派閥争いをしているらしい。Plutoはげんなりしたようだったが、何かの事情があるらしく、けなげにも会話を続行する。
「えぇっと、ま、まあ、死体が好きってわけじゃないけど、たとえば良くできた骨格標本とかは悪くないような、そうでないような……ゴニョゴニョ」
はっきり答えるのはちょっと怖いらしく、微妙にごまかしている。それでもLeichenにはそれなりに満足な回答だったらしく、じゃあ、まずは見習いとして修業をして、うまくいったら教団に入れてあげようという話になる。見習いとしての最初の仕事はなるべく美しい骨を、師匠であるLeichenのところに持ってくることらしい。ひきつった笑顔で喜んでみせるPluto。
せめてこれぐらいは、とばかりに神様の名前を尋ねるが、「最初は『大いなるお方』と呼べばいい」とはぐらかされる。こうしてPluto対Leichenの狐と狸のばかし合い第１ラウンドは、Leichenの判定勝ちに終わった。
ちなみに外野のＤＭと他のプレイヤーは大爆笑だった。
3. Farshore炎上
さて、そんな顛末も知らない他の面々は、翌日、元気一杯Farshoreに向けて漕ぎだす。
だが、Farshoreに近づくと、どうも様子がおかしい。村のあちこちから煙が上がっている。急いで波止場にこぎ寄せると、村のあちこちで火の手が上がり、逃げ惑う村人達を海賊らしき連中が襲っている。タイミングがいいというか悪いというか。とにかく急いで上陸する一行。
Leichenが翼をはやして飛び上り、上空から見るといくつかの騒ぎが見える。村の中心部にある広場で、海賊たちのボスらしき人物が村人達を虐殺しており、近くの教会では破城槌を抱えた海賊たちが扉を打ち壊そうとしている。あるいは向こうの小屋では海賊が女性を追いかけまわしている。大声で状況を知らせるLeichen。
このパーティーの中では比較的善人のAileeとPlutoは、近くで倒れていた男を助け起こす。AileeのCureで息を吹き返した男は、自分は村の研究員で、薬を持って逃げて来たんだと言うと、比較的安全そうな波止場の方へと逃げて行った。
一方、Gluttonは何か奇妙な胸騒ぎに誘われて教会の方へと向かう。それが何だったかよく思い出せないのだが、彼の大切なものが傷つけられているような気がするのだ。思い出せないことにイラつくGlutton。
ArenaはHasteをかけるとすごい速度で広場の方へと走って行った。どうやらボスに興味を持ったようだった。
そして、Cedricは火災や海賊たちをほっておいて、来る途中で停泊しているのが見えたBlue Nixieへと走って行った。彼にとっては見ず知らずの村人達よりも、主であるLaviniaの安否を確かめることの方が大切だったのだ。だが、Blue Nixieには誰も乗っている気配がなく、仕方がないのでLaviniaの居場所を求めて村の中心部へと向かうのだった。
広場へと向かったArenaは、Leichenの言ったとおり海賊の親玉らしき男が村人達を虐殺しているのを見る。とりあえずGlitter DustをかけるArena。親玉は目が見えなくなり、悲鳴を上げる。こうして親玉は無力化したものの、その取り巻きたちに気付かれてしまうArena。この大騒ぎの中、100フィート向こうから呪文をかけた相手を見つけるとはなかなかいい目をしている。
だがそこへAileeとPlutoが駆けつけてきた。取り巻きたちは二手に分かれ、一方はAileeに、一方はArenaに向かう。しかし、蜘蛛女の正体を現したArenaを見ると、海賊たちはビビったらしく、そそくさと引き返すとAileeに襲いかかった。当然、蜘蛛女を見た周りの村人達も恐怖でパニックになっている。
その頃Gluttonは教会に辿り着いていた。その教会はWhiring Furyのものだったが、GluttonはもはやWhiring Furyの名前さえ思い出せない。どこか心の闇から湧きいずる、自分でも抑えられない怒りが、Gluttonの魂を蝕んでいるのだ。だが、あれを傷つけられることを許せない自分がいる。Gluttonは獣じみた叫びをあげると、海賊たちに襲い掛かった。Gluttonの斧が一閃すると六人の海賊たちがまとめて真っ二つになる。返り血を浴びたその姿は鬼神のようであった。
その頃、Cedricは村の中心部に向かっていた。この辺りまではまだ海賊たちが来てはいないようだ。すると、ジェイドレイブンの一人を見かけたので、Laviniaがどこにいるか聞く。彼によるとLaviniaは海賊たちが暴れている広場の方へ向かったらしい。じゃあ、お前はなんでこんなところをウロウロしてるんだと思ったが、気にしないことにして広場に向かう。すると海賊に追い回されている女性と、海賊たちに取り囲まれているAileeが目に入る。流石にこれを放っていくのは気がひけたのか、とりあえず海賊を射殺して、追われていた村の女性を助けるCedric。Aileeは特に援護を必要とせず、華麗な剣さばきで取り囲んでいた海賊たちを片づけている。
そこへ教会の方からGluttonがやってくると、目が見えずにオロオロしている親玉をバッサリとやってしまった。ここに至り海賊たちの士気は崩壊し、慌てて逃げ出して行った。
一行は海賊たちはほっておいて消火作業を手伝うことにし、ArenaのHasteで作業効率アップを図ったり、Gluttonが通常の４倍はある大樽で水をかけたり、PlutoがEnergy Wall(Ice)で延焼を防いだりとそれぞれ頑張ったおかげで、村の被害は最小限で抑えられたようだった。
そこにLaviniaがやってきて、一行の無事を喜ぶと共に、村を救ってくれたことに感謝の意を示した。だが再会を喜ぶのも束の間。今後の対応を検討するために、知恵を貸してほしいと頼まれてしまう。
4. 会議は踊る
一行が会議場に行くと、すでに村の主だった人たちが集まっていた。現在の村の代表者であるマンサレイ。この人はAvnerのおじさんだということだったが、Avnerにあった途端いやそうな顔をしたので、一同は、「ああ、この人は普通の人なんだな」と思った。
更に村一番の司祭、Whiring Fury教会のベセリー、唯一のWizardにして薬屋を営むプロフェッサー・ヘムリック。この人はAileeとPlutoが助けた人だ。更に薬草取りのケルダに、自衛団の団長であるウルバといった面々である。他はともかくケルダはなぜここにいるのかいまいち不明である。実は腕の良いRengerだとか、森の中の小路を全部把握しているとか理由があるのだろうか？
また、その場には懐かしい顔ぶれもいくつか集まっていた。Blue Nixieの乗組員たちと、難破したSea Wyvern号の乗組員たちである。
Blue Nixieはあの嵐も無事に乗り切ったそうで、ジェイドレイブンをはじめとする面々も皆揃っている。一方、Sea Wyvernに乗っていた人物で、運よく助かったのは、一行と旅路をともにしたAvnerとTevy、Uroll、それに加えて副船長のAmella、コックを務めていたCloisler、スキー商会に勤めるTlakia、そしてGovladかLavlodかよく分からないが、Dwarf兄弟の片割れ。彼らは漂流しているところをBlue Nixieに救助されたらしい。一行を加えても13人。最初は28人乗りこんでいたわけだから、結局半数が帰らぬ人となったことになる。
まあ、死神Pluto基準で考えると、半分も生き残ったので、いつもよりマシという言い方もできる。
まずは初対面の村人達に一行が紹介される。それぞれ自己紹介していくが、全員こういうのには慣れていないので、あんまりちゃんと自己紹介できた人はいなかった。AileeはもともとSasserineの貴族の一人だったマンサレイに貴族であることを見破られそうになって慌ててごまかした。マンサレイは空気を読んでくれたのか、あまり突っ込まないでいてくれた。
一行の自己紹介があんまりだったせいか、Laviniaが一生懸命フォローしてくれる。一行の有能さをアピールするLavinia。実際、先の海賊襲撃では海賊の撃退、火災の消火と頑張ったおかげで、すんなりと受け入れられる。特に延焼を食い止めて村の資料館を守ったのはポイントが高かったようだ。
だが、その様子を見てジェイドレイブンは面白くない様子。もともとLaviniaの両親の代から仕えていた自分たちを差し置いて、Laviniaが一行ばかりを頼りにするのが面白くないようだ。とは言え、そんなことを気にする繊細な人物は一行にはいないので、華麗にスルー。
また、マンサレイも微妙な表情をしている。彼はLaviniaの両親と共にここFarshoreを開拓した人物で、彼らがSasserineに帰った後も、この村の指導者として残っていたらしい。今さらLaviniaが出てきて自分が築いてきた権力を脅かされることを恐れているようだ。実際、村人達もVanderboren家の今更ながらの登場に戸惑っているらしく、１月後に選挙がおこなわれることになっているらしい。今のところ支持率は互角なので、Laviniaの手駒である一行があまり活躍するのは、マンサレイとしては都合が悪いようだ。
まずは状況を確認すると、海賊達の襲撃は今回初めてで目的などはよく分からないとのこと。海賊の一人を捕まえているので、尋問して情報を得ようということになる。しかし、クリムゾン・フリートはよほど裏切り者に厳しいらしく、全然情報をしゃべらない。殺すなら殺せと開き直る有様。Goodなパーティーなら頑張って説得するところなのだろうが、善人の少ない一行は、まあ、村人達の気持ちの問題もあるし、縛り首にしてからSpeak with Deadで良いんじゃないかとあっさり見捨ててしまう。哀れな海賊だった。
さて、後日、海賊の死体にSpeak with Deadをかけて情報収集をする一行。他にLaviniaやマンサレイ、ベセリーなどが一緒に聞いている。幸い呪文はうまく働き、以下のような情報が手に入る。
- 今回襲ってきた連中はスリップノット=ピートという奴の手下で、ヘマをやらかした名誉挽回に先遣隊として送り込まれたらしい。
- クリムゾン=フリートは資源の豊かなこの島を狙っており、２ヶ月後にはもっと大規模な襲撃がある。
- クリムゾン=フリートは今回の襲撃にあたって、恐ろしい勢力と手を組んだ。そいつは海の上を通らない船でやってくるらしい。
どうやら、クリムゾン=フリートとの全面対決は避けられないようである。実は尋問中にVanderboren家がクリムゾン=フリート(正確にはCaptain Harliss Javellの)恨みを買っているということを、うっかり漏らしてしまい、マンサレイに突っ込まれたのだが、その場はAileeが何とか取り繕い、Speak with DeadでもVanderboren家なんて知らないと言われたが、村の雰囲気はちょっぴりマンサレイ側に傾いてしまった。
その後、２ヶ月後の襲撃に備えて、防衛計画が練られる。波止場の強化や防壁の建造といった作業は村人に任せ、一行はいくつかの危険なミッションを担当することになった。そのミッションとは、
�）榲腓暴擦爛�ルマン人の部族を説得し、共同戦線を張る約束を取り付ける。
�∨品匹龍�化などに必要な膠を取ってくる。膠がとれる沼地は本島にあり、モンスターが徘徊する危険なところだ。
�Ｋ榲腓暴擦爐箸いε狙發亮鐶殴薀�スタを探し出し、武器作りの名手と言われる彼らの武器を貰ってくる。
�づ省い靴�Sea Wyvern号を探し出し、そこに積まれた資材を回収してくる。
の４つだ。
また、Arenaがそういえば、と言って思い出したのだが、彼女がもともと住んでいたあたりにOlmanの遺跡があり、なんでも生と死にまつわる研究をしていたらしい。そこなら死んでしまったSyldinaを復活させることができるかもしれないとのこと。残念ながらFarshoreにはRaise Deadに必要な5000gp分のダイヤモンドが無いらしいので、今のところ、ここぐらいしか復活できる見込みはないようだ。
全部で５つのミッションだが、時間が限られていることもあり、すべてのミッションをこなすのは困難である。そもそも、Isle of Dreadの道なき道を行くだけでも、結構な時間がかかる。いずれは魔法で一っ飛びできるのだろうが、今は贅沢を言っても始まらない。
一行は相談して、向かうべき場所がはっきりしており、確実に達成できそうなミッションを優先的に行うことにした。まずは最も近場の原住民の集落を訪ねて、協力を取り付けることからだ。
5. 火の山の神
原住民たちの中では、ゲートのあったタナロアの村が主導的な立場にあるということなので、３日ほどかけてタナロアに向かう冒険者たち。タナロアにつくと、何やらお祭りの真っ最中のようだ。盛大な篝火をたいて、舞台で６人ほどの若者が神にささげる踊りを踊っている。オルマン語が分かるAileeによれば、ソト＝ジラハという火の神様を祭っているらしい。
邪魔をしないように大人しく眺めていると、突然、舞台が燃え上がり、踊っていた若者たちは、哀れ消し炭になってしまう。そして炎の中から黒い男が現れる。見るからに只者ではない。
その男は自らをソト＝ジラハの化身であると名乗ると、『不届き者が奪い去った宝物を返さなければ、お前たちにすみやかなる滅びが訪れるだろう』みたいなことを言う。しかも、彼がそう言うと同時に、彼方に見えていた火山が突然噴火し、モクモクと黒煙を上げ始める。噴火はまだ小規模なもので、この集落に影響はなさそうだが、やっべー、こりゃ本物の神様だよー。
幸い、男はそれだけ告げると姿を消し、代わりに炎で出来た蝙蝠のようなモンスターが何匹も現れて一行や村人達を襲い始める。こいつらはリジェネレーションしていたので、多少倒すのに手こずったが、Plutoが出したEnergy Wall(Ice)のダメージが有効だったので、その側に並べて置いておくことで滅ぼすことができた。
なお、今回もGluttonはプッツン行ったが、いい加減対応にも慣れてきたので、Aileeが待機して最後の敵がやられると同時にコンガを打ち鳴らすことで、問題なく対処できた。もっとも、毎回こううまくいくとは限らないのだが。
残念ながら、火蝙蝠達によって村人の一人が犠牲になったものの、一行の活躍に村人達は感謝の言葉を述べる。だが、未だ神の怒りは収まっていない。盛大に噴煙を噴き上げる火山が良い証拠だ。このまま放置すれば、いずれあれが噴火して、タナロアはおろかIsle of Dread全体にどれほどの被害が出るか分からない。あれを何とかしてほしいと頼まれる。
もちろん一行としても放っておくわけにはいかないのだが、奪った宝物と言われても何も手掛かりがない。仕方がないのでDivinationで神様にお伺いを立ててみる。すると、「それは既に汝らの手の内にあり」のような答えが。
慌てて皆で荷物をひっくり返してみる。するとどうもTamoachanの遺跡で手に入れた黄金の蝙蝠像が怪しい。やっべー、これって俺たちのせいかよー、とビビるも、そこは笑顔で誤魔化し、そのあたりの事情は伏せたままで、何とかしてきますから、代わりにFarshore防衛に協力して下さいと頼み込む一行。事情を知らない村長は、火山を何とかしてくれるなら、と了承した。
村長が言うには、黄金像を火山にある祠に収めれば、神の怒りも鎮まるだろうとのこと。一行は祠から村まで戻ってくるとタイムロスになるので、火山の煙が収まったら上手くいったものとしてFarshoreに使いを出して下さいとお願いすると祠に向けて出発した。
一行はIsle of Dreadのジャングルを悪戦苦闘しながら踏破し、５日ほどかけてようやく火山の麓に辿り着いた。噴火を恐れて逃げ出したのか、危険なモンスターに合わなかったのが、不幸中の幸いである。
火山を登っていくと、祠というか洞窟がある。魔法で火対策などをしつつ、おっかなびっくり中に入っていくと、すぐに行きどまりになり、そこにはタナロアでみた黒い人がいた。一瞬緊張が走るも、問答無用で襲ってくるようなこともなく、一行が素直に黄金像を返すと、喜んで、お礼をしようと言いだす。思ったよりもずっと気前が良い神様のようだ。
彼が合図をすると宝物庫への扉が開き、一人一個ずつ、好きな物を持っていって良いと太っ腹なことをおっしゃる神様。LeichenはParl of Power 4Lv、GluttonはAmulet of Natural Armot +3、PlutoはStone of Good Hopeと強力なアイテムを手に入れるが、他の人たちが選んだものは、あまり大したものではなかった。DMの話だとMithral Breast Plate +4 とかまであったらしいから、実に惜しいことをした。
また、これは私の宝ではないと言って、不思議な筒をくれた。筒の中にはなにか牙のようなものが入っており、なんなのかはよく分からなかった。パーティーは神の怒りを避けることが出来た上に、思わぬ収入を得て、ホクホク顔で祠を後にしたのだった。
6. 膠の谷の暴君竜
さて、火山からは膠のとれる沼地が近かったので、時間節約のため、そこに直行して膠を取って帰ろうということになる。そのためにタナロアで煙が収まったら上手くいったものとして、Farshoreに協力してくれるという約束を取り付けて来たのだ。
沼には特に問題もなく辿り着くことができ、一行が膠取りに精を出していると、突然、絹を引き裂くような悲鳴が聞こえてきた。
こんなところに何がいるのか、少々訝しさを感じるもののほっておくわけにもいかない。急いで悲鳴が聞こえてきた方に行ってみると、なんと、巨大なティラノサウルスがメガネザルのような人型種族を襲っている。あれはIsle of Dreadの原住種族ファナトンだ。
一行はIsle of Dreadに上陸したばかりの時にもティラノサウルスを打ち倒していたが、今回のティラノサウルスは明らかにあの時の奴よりも一回り大きい。体中にいくつもの古傷が走り、古強者の風格を醸し出している。その大顎に捕らわれたファナトンが悲鳴をあげて飲み込まれていく。
強敵と見てとった一行は、全力でティラノサウルスに立ち向かうことにする。Gluttonが雄叫びをあげて突進し、CedricとPlutoは援護射撃が可能な位置へと移動する。一方、ArenaとAileeは呪文や呪歌で支援を行う。
突進したGluttonの一撃はティラノサウルスに手痛い打撃を与えるも、怒り狂ったティラノサウルスは反撃でGluttonに噛みつくと、易々と持ち上げてしまった。そのダメージで狂乱したGluttonだったが、狂乱の生み出す化け物じみた筋力もティラノサウルスには一歩及ばないようだった。
だが、LeichenがすかさずFreedom of Movementを唱えると、Gluttonをティラノサウルスのアギトから解放した。地上に降り立ったGluttonは抑えがたき怒りに身をゆだね、力任せにティラノサウルスを棍棒で打ち据える。戦場は正に怪獣大決戦の様相を呈し、巻き込まれればすみやかなる死が訪れるのは明らかだった。
２匹の怪獣の戦いは、パーティーメンバーからの援護を受けることができたGluttonの勝利に終わり、ティラノサウルスの巨体は地響きと共に崩れ落ちたのだった。
戦いが終わるとファナトン達が一行に近寄って来た。このティラノサウルスは最近この沼のあたりに住みついたやつで、膠を取りに来るたびに何人も犠牲になっていたということだ。それを退治してくれた一向に大変感謝しているようだ。
そういえばタナロアでラカスタの居所をファナトンが知っているかもしれない、という噂を聞いていたので尋ねてみたが、残念なことによく知らないらしい。しかし、村に戻れば知っている者がいるかもしれないと言うので、一緒に村に向かうことにした。
ファナトン村に向かう途中は、沼地でディメトロドン８体を倒したり、やたらと一行の持ち物に興味を示すファナトンに煩わされたりしたものの、それ以上は特になんということもなく、数日かけて到着した。ティラノサウルスを倒したことを告げると、やはり感謝され、歓迎の宴が開かれる。宴のご馳走は果物の類が多く、ファナトン達の食生活がうかがわれる。
宴のあと、ラカスタ達について聞いてみたところ、ファナトン達の長であるテケテクによればラカスタは２，３年前まで見かけたが、ここ最近は見かけなくなったということが分かる。テケテクは昔はTemple of the Jagarという遺跡でラカスタをよく見かけたと言い、わざわざ道案内の若者までつけてくれた。よほどティラノサウルスに悩まされていたらしい。
一行はテケテクに礼を言うと、幻の種族ラカスタを求めて、Temple of the Jagarへと向かうのだった。
次回予告
ラカスタって言うと１日１６時間寝るとか、根気という言葉とは無縁とか、碌でもない(前世の)記憶ばかり蘇る今日この頃。本当に武器づくりの名手なのかよーと疑う一行に対し、ラカスタ達はその底力を示すことができるのか？
そしてFarshoreの運命は？奥まで行きすぎて帰るのが間に合いませんでしたとか、シャレで済まないぞ。
あとついでにSyldinaは復活できるのか？
色々と心配が山積みのTides of Dreads part2！。乞うご期待！！
名台詞
- 「石を投げちゃダメ！！」
- Gluttonに怯える子供に向かって。1ダメージでも入ったら大虐殺開始なので必死である。