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第二〇回「Prince of Demons part2」

Prince of Demons part2

 ストーリー

1.Dagon's Gate

PC達はVanthusを誘惑したDemon, Gorvashを倒し、Wat Dagonの建物の前に立っていた。中へとはいる扉は不吉な緑色だ。
Plutoが罠を調べるが特になく、扉を開ける。その先は左右に道が続くホールウェイで、床には緑と青のタイルが複雑に敷き詰められており、まるで水面のように見えた。
このタイルに警戒したLeichenはとりあえずRodemを突っ込ませてみる。すると、中に入ったRodemのおなかのあたりから水が床にこぼれ落ちた。服が水ではりついてあばらが透けて見えるロデム。呼び戻して触ってみると、水は本物で、冷たい。今度はArenaが天井を登っていく。1マス目では反応しないのを高いところでは反応しないのだろうと勘違いしたPC達は、全員で中に入っていく。すると、先行したLeichenArenaLensの肺の中が突然冷たい水で満たされた。Lensは耐えて吐きだし、Leichenはそもそも呼吸していないが、Arenaはその冷たさにびっくりしてStunし、直後におぼれ始めた。
あわててPlutoがTelekinetic Thrustで回収し、Raspelが水を吐かせ、事なきを得た。結局、Water Breathingをかけて進むことに。

2.St.Karagoth the Betrayer

いくつか進む先はあったが、正面の扉を開けた。その先は大きなドームになっており、何かの儀式を行う場所のようだ。その真ん中あたりに、鎧に身を包んだ不吉な人影が佇んでいた。
PC達は知りもせぬが、彼こそが最初のDeath Knight、古王国の騎士にして王国を裏切った者、St.Karagoth the Betrayerである。
Karagothは左手に持った邪悪な感じの杖で扉を開けたPlutoを指す。すると、床からPaladin風の身なりをしたGhostが3体現れ、襲いかかってきた。
このキャンペーン、あまりIncorporealが出てこなかったこともあって、誰もGhost Touch Weaponをもっていない。しかも、このGhostは特別製で、攻撃するとRobiler's GambitでChaドレイン攻撃AoOをしてくるという素敵仕様だった。また、St.KaragothはWishでバッフバフにAbility BoostされたBlackguardで、ACもHPもセーヴもアタックも全部高いという強力なモンスター。さすがに最初のDeath Knightというだけのことはある。
遠距離攻撃を妨害するため、Karagothは杖からAcid Fogを張った。PlutoはBend RealityでControl Windをエミュレートし、吹き飛ばそうとするが微妙に風速が足りない。結局、二回撃って雲を飛ばした。ところがこの風、恒常的に吹き続ける上、止められない。サイズが小さなLeichenは吹き飛ばされたりしていた。
キャスター陣のMass HealやMass CureでHPを削られ、AoOできないCedricの弓でghostはだんだんと削られていった。St.Karagothは何回かLensを倒すが、すぐLeichenに回復されてしまう。最後にはSmite EvilをするためにGoodなPlutoを狙ってぼっこぼこにするが、CPで耐えられてしまった。
その後Lensの反撃に合い、ついにKaragothは倒れる。その体は瞬間的に塵となり、残ったのは禍々しい杖だけだった(実はこの杖はDemogorgonが作ったArtifactだった。弱いけど)
一方その頃、IncoにはPrismatic Sprayが利かないので、面白くないArenaは例によって一人で先に進んでいた。選んだ通路の壁はなんだか乾燥した革のような素材で出来ており、しかも微妙に丸い。ぐねぐねと曲がる通路をそれでも進むと、向こうに扉が見えた。しかしその時、突然足下が揺れ動き、通路が蠕動運動を始める。なんと、この通路は実は巨大なFiendish Aquatic Purple Wormの腹の中だったのだ。Arenaは自動的に飲み込まれてしまった。
ここで、Arenaの最近の記憶が走馬燈のように流れた。
PC達とは別方面で、Prismatic SprayでDemonを蹴散らしていたArena。たまった経験点で、Wishを使った。

  • 「プライベートなプレーンが欲しい」

すると、どこかにプライベートなプレーンが出来た。だが、どこにあるのかは分からない。

  • 「そこに行きたい」

すると、そのプレーン用のフォーカスが出てきた。これを使って、自分プレーンに行くArena。そこは、故郷のジャングルに似た緑生い茂る直径10ftの小さな場所だった。

  • 「ここを大きくしたい」

すると、プレーンは少しずつ大きくなっていった。

  • 「リッチになるための施設が欲しい」

ジャングルの中に、突然小屋が出来た。中にはガラスケースがあって、怒ったリッチがアンチマジックの中に閉じこめられている。「ここから出せー!」
Arenaは華麗にスルーして、さらに願った。

  • 「ここと自由に行き来できるようにして欲しい」

すると、Focusに2日間祈りを捧げると、そこへ行けるようになった…。
…。
……。
………。
そう、経験値的に残されたWishはあと一発。虫の腹の中から出るために使うわけにはいかない。しかも、このWat DagonではDimension Doorは利かないと来た。
Karagothを倒した他の仲間達が傷を治そうとしていると、隣の部屋で巨大なものが暴れる音が。そして、5ftの隙間を通ってなぜかGargantuanサイズのワームが出てきた。Arenaに引き続いてCedricも飲み込まれそうになるが、ワームはAC20、hp500のサンドバックだったので、あっという間に倒された。とはいえ、急いでArenaを助けるために割と全力を尽くしたので、リソースをいくらか削ることには成功した。ボス直前にリソース削りを置くとか下品だよねー。

3.深き者どもの王

Arenaを腹から引きずり出し、今度こそ傷を治そうとすると、奥の方から低い歌声が聞こえてきた。その不気味だが引きつけられる歌声に、LeichenArenaはふらふらと引き寄せられていく。Worm部屋の先の扉を開けると、その向こうは海が侵入した部屋になっている。その水は高温のようで、湯気が立っている。そしてその湯気の向こうに、魚と蛸を混ぜ合わせて禍々しくしたような、異形が海面から姿を除かせていた。
Cedricを視認出来る位置まで来ると、それはTelepathyでこう語りかけてきた。
「げに忌々しきVastgateの末裔よ。
我が名はDagon、太古の海よりあるもの。
二頭の獣に闇の真珠を授けしも我ならば、汝の家族を襲わせしも我なり。
みなそこに眠る我が魔具を、不当に使いし汝らは、すでに知ってはいるだろう、Vastgateの矢のみが、Black Vile of The Worldを打ち破る。
真珠は異界のものなれば、異界と戦う力もて、これを破るは当然の理。
我があやまりは、その力が未だ残っていたとは知らぬこと。
我と獣の契約は、あくまで知識に留まるが、奴が力を手にすれば、文句を言われるは必定なり。
よって我は形だけでも、Cedric、汝を葬るぞ。
さあ、我が影の海で永遠に腐りゆくがいい。」
そして、目の前にいたLeichenとRodemをその触手に絡め取る。そして触手は40ftものび、少し離れたところにいたArenaも奪おうとしたが、Lensに引き留められていたArenaは助かった。
直後、Dagonは触手を水中につける。水中の高熱で、LeichenはともかくRodemは大ダメージを受けた。これぞ、Kobod&Skeltonしゃぶしゃぶ!全然食べるところが無さそうなところがポイントだ。しゃぶった後、クレバーなDagonは触手を持ち上げ、Ranged Attackerからの盾とした。これでは、CedricPlutoも有効打を与えられない。
Lensは直接殴りに行きダメージを与えるが、その一方でArenaは捕まってしまい、しゃぶしゃぶの予感。先ほどの消化ダメージも残っているため、絶体絶命だ。Leichenは自力で逃げ出したため、Cedricは南無三と、矢を打ち込んだ。DagonはとっさにArena盾で防ごうとしたが、狙い澄まされた矢は違わずDagonに突き刺さった。Lensの連撃もヒットし、hpが減ってきたDagonは、ここいら辺が潮時と最後にArenaなどをしゃぶしゃぶして逃げようとした。だがその時、Plutoが氷属性で撃ったEnergy Waveのおかげで水面の温度は一時的に下がり、それも叶わなかった。氷が溶けて発生した水蒸気に紛れて姿を消すDagon。その時、Lensが「ウッ」とうめいた。見ると、腕に大きな切り傷が。「くそ、去り際に一撃やられた」とLensは言ったが、実はこれ、先ほどのラウンドに(ファンブルして)Lensが自分で自分を切ってしまった傷だった。(クリティカル表を振るファンブルだったので)その切り口は斬られた者が斬られたと気がつかないような見事な斬撃であり、Lensは自分で自分を斬ったことに気がつかなかったのであった。

4.Heart of Tide

寺院の構造を考えると、次の部屋が最後の部屋だと考えられる。PC達は、min/Lvのバフなどをどんどんかける。珍しく、Stoneskinなども全員に飛んでいた。
金属製のドアは半分水につかっているため赤熱していたが、結局Knockで開けられてしまった。
部屋の半分は崩壊し、向こうには海が見えていた。崩壊していない側の部屋は浜辺になっており、白い砂に波が打ち寄せていた。
その浜辺に杭でつなぎとめてあったのは、黒く、いかにも悪そうに棘が生えた直径10ftはあろうかという巨大な牡蠣。そしてその何故か赤い貝肉の中にあるのは、バスケットボールほどのサイズはあろうかという巨大な黒真珠。真珠からは緑色の煙が立ち上っており、その表面には悪魔のような獣のような顔が浮かんでは消えている。牡蠣はPC達が入ってきたのを見ると、その蓋をばたんと閉じた。その光すらも吸い込みそうな黒い表面は、いつかIsle of Dreadの地下で見たVilereatchの装甲のようだ。
Lensが砂浜へと足を踏み入れると、突然黒い光線が飛んできた。Finger of Deathであったが、Death Wardに守られているLensには効かない。そして、貝の影に隠れていた人物がその姿を現した。
それは、このAbyssにあっては人物と断言できる、人間だった。しかしその足は何故か膝で切断されており、赤く血走った目はもはや人間の者とは思われない。頭につけている冠はオルマンの様式に見える。
AileeがいなかったためPC達には知るよしもないが、彼の名はNulonga、かつてTanaclanの都に、故意にでは無いといえ最初のShadow Pearlを持ち込み、そして最初のSavage Tide以降Demogorgonに使えている堕ちた神官なのだ。Nulongaは喚いた。「お前達、我が主の許可無くここに立ち入っていいとでも思っているのか。Shadow Pearlをどうする気だ!」
するとCedricが言った。「俺たちはそれを破壊する。そのためにここに来たのだ」「な、なんだと!」
そして、Cedricは老人を無視して、とりあえず経験値矢を牡蠣に一発撃ち込んでみる。しかし、全く効いた様子がない。Lensも近づいて殴ってみるが、逆に牡蠣の鋭敏な棘で傷ついただけだった。
無視された老人は、「おのれー!」と言って目を輝かせ、二回連続してHorrid Wiltingを撃ってきた。DemogorgonのThrallは二回行動が出来るのだ。断ち切った足は、DeformityというDemogorgonへの捧げものというわけ。
RaspelがDestructionを撃ったり、PlutoがShardを撃ったりして老人はどんどん傷ついていった。だが、なぜかあまり己の怪我には頓着していないようだ。
一方Cedricは、今度はVastgateで拾ったLaststandのArrowを撃ってみることにした。ただの棒のようだった矢は、Cedricがつがえて引くと、輝く光の矢となった。牡蠣に光りの矢が命中すると、その表面から黒いかけらが飛び散った。どうやら効いているようだ。ついでに残りの矢を老人に撃つと、老人は動かなくなって水没した。
さらに牡蠣にLaststandを打ち込むと、ついに牡蠣の表面の黒い装甲ははがれ落ちた。そこをLensが攻撃すると、牡蠣の上側は粉砕され、黒い真珠がむき出しになった。
警戒して、LeichenがRodemに真珠を殴らせてみる。すると、全く効果がないばかりか、そこから緑の炎が飛んできて、Rodemに命中した。すると、Rodemに命令が効かなくなり、その首からもう一つ骨の頭が姿を見せる。明らかにSavage Creatureになってしまったわけだが、Leichenはつい「かっこいー!」と本音を言っていた。
遠隔攻撃をすれば炎はくらわないだろうということで、CedricがLaststandを放つ。その1撃目が決まると、真珠にかすかなひびが入り、そして、真珠は世にも恐ろしい悲鳴を上げた。ひるまず二撃、三撃、四撃と、ここで真珠は粉々になる。そしてためられていたエネルギーが放出され、Wat Dagonの内部にSavage Tideが発生した。このエネルギーの奔流に耐えていたPC達は恐るべきものを見た。

5.Prince of Demons

強烈な緑の光りの中、急に時間が止まったように、世界がスローになる。牡蠣の残骸の脇の空間が裂ける。その向こうに見えるのは、市街地でスローモーションで戦うEladrinとDemon達。そして、向こうから近づいてくる者、鳥のような足、二本の尻尾、鱗と、毛の生えた体、四本の触手、そして、2つのヒヒのような頭をもった悪魔、すなわち、Demogorgon。その恐るべき存在感に魂が凍り付くようだ。砕かれたMaster Pearlを見て、Demogorgonは怒りに顔を歪め、吠えた。PC達の頭の中にTelepathyでメッセージが飛んでくる。
「愚か者め。最終的にお前達は我が怒りの前に身をさらす羽目になったわけだ。
お前達はずうずうしくおろかしい計画を立てたというそのことだけで、我がお前達を滅する十分な理由となっていた。
だが、今ここに、我がサベッジタイドの心臓に、我はお前達を見つけた。
そして、こともあろうか、我がMaster Pearlを破壊していたとは…!
知るがいい。我がしもべ達がお前達の侵略を瞬間的に粉砕する一方で、お前達の死はそのように素早くもなければ、痛みを伴わないものでもない。
それは世界の驚異、世紀に残る拷問となることを約束しよう。お前達は我が手によって、伝説となるのだ!」
そして、時が戻る。Time Stopの間にDemogoronは二匹のDie Jacobs Die(Verakia)を召喚し、PC達のちょうど真ん中に陣取っていた。
Demogorgonの二対の瞳には、人を魅了する力と、狂気で冒す力を持っている。Arenaは2つの力に抗せず、狂ってDemogorognをDisintegrateで撃つが、SRの前にはじかれた。LeichenRaspelはVerakiaを嫌い、Wall of ForceとSolid Fogで二体の動きを邪魔する。LensはDemogorgonの頭の上で、それぞれの頭に3つづつ、合計6個のIoun Stoneが回っているのを見つけた。が、とりあえずDemogorgonに斬りかかってみる。だが、高いACに全く命中しない。
次のラウンドの頭、Demogorgonが閉じる前だったGateから、光りの竜巻が飛び込んできて、空中で女戦士の姿を取った。彼女は、Gwynharwyf!Demogorgonを追って戦場から飛んできたのだ。Gwynを見て忌々しそうに舌打ちをするDemogorgon。Gwynは言った。
「みなさん、今のDemogorgonはその本来の力にありません。Orcusと戦い、Malcanthetにふられ、二人のCloneを失い、Obox-Obから首都を守るためにも力を使い、Arendagrost、そしてAspectもあなた方の活躍で失いました。今なら勝機はあります!」
CedricLensがIoun Stoneのことを叫んだので、ACを下げるために弓で的確に石を打ち落としていく。1Full Attackで、Ioun Stoneは残り1つになってしまった。その一方で、CedricはDemogorgonが首にアミュレットとHand of Gloryを装備しているのを見た。
Demogorgonは腰につけたScroll CaseからWishの巻物を取り出して、言った。「I Wish, Gwynharwyfに対するDRを抜ける」そして、Gwynharwyfを最大効率でFull Attackする。すでに戦いで傷ついていたGwynは、DemogorgonのFull Attackで大ダメージを受けた。
Plutoは、Demogorgonが腰につけたBeltを見つけた。高いACは、もしかしたらこのBeltがMonk's Beltなんじゃないか?そこで、Reality Revisionを使ってBeltを落とした。そして、それをAoOを受けながらも拾ってしまう。このBeltはGiant StrengthだったのでACは下がらなかったが、攻撃力をだいぶ下げることになった。
LeichenRaspelはGwynharwyfも巻き込んで回復しようとしたり、Death Wardをかけようとしたが、GwynのSRはとても高いために抜けず、せっかくの助っ人相手に「ゴミめ」などと言っていた。
Lensは当たらなくても、ととりあえずDemogorgonを全力攻撃。運良くその一発はクリティカルし、Demogorgonの腰にあったScroll Caseを切り落とした。焦るDemogorgon。これを奪われると、リソースの余裕がだいぶ無くなってしまう上、相手にWishなどをたくさん使われてしまう。
だが、結局Caseは拾われることなく、Demogorgonは安堵の息と共にケースを拾い直し、余ったFull RoundでGwynにとどめを刺した。
一方そのころ、死んだはずのNulongaは、Demogorgonに与えられた祝福の力を使い、近くにあったVanthusの死体に乗り移って復活していた。残っていたSpellでSolid FogやWall of Forceを破り、再びVerakiaが動き出した。
Verakiaは最初にあった時こそ強敵だったが、ACが高くなった今ではそれほど恐ろしい敵ではない。とはいえ、三回以上攻撃が当たるとWill DC30 or Stunという危険を兼ね備えた敵ではあった。しかしACが低いため、Demogorgonに当てることをあきらめたCedricのFull Attackの低い方の矢にばすばすと撃たれ、一体は絶命した。
Gwynharwyfという邪魔者がいなくなったDemogorgonは、Staffを取り出し、CedricをForcecageに閉じこめた。残りはWhirlwind Attackなどしてみる。その直前にQuicken Greater DispelでBuffをはがされたPlutoは、その尻尾のEnergy Drainをくらってしまい、3Lvもドレインされてしまった。
Raspelは部屋の外に退避し、Syldinaを治すすべを模索しつつ、Solid FogでVerakiaの妨害をしていた。
誰かのMiracleで、首のAmulet of Natural Armorもまた床に落ち、粉砕された。またLensもHand of Gloryを狙い、Freedomの効果を切る。Magic Itemを破壊されたDemogorgonは怒り、ついに単体Full Attack乱舞を始める。が、Cedricは倒したものの、Leichenは硬く、しかもHPタンクRodemのおかげで太く、倒せない。倒したCedricもHealで治されてしまった。
しかし、ACがあまり下がらないため、皆の間に絶望感が漂う。Cedricは決意した。これは、俺の命を削るしかない、と。
「Demogorgon、Rockpeirer流の最終奥義を見せてやる!」そう言ってCedricが作り出したのは様々な効果を込めた虹色の矢。すなわち、ダメージが+17点、自動追尾攻撃、命中+4、当たったら自動クリティカル矢である。代償は2d12ヶ月、340xp、そして4d20最大hp。この矢は命中し、Demogorgonに200点近いダメージを与えた。これに切れたDemogorgonは、次のラウンドにCedricをComplete Killした。
その頃、NulongaがWall of ForceをはったおかげでGazeの範囲外に出ていたArenaRaspelがPro from LawとHealで回復し、正気に戻した。もはやMagic Itemを剥ぎきった今となっては、残りのACを下げる手段はBuffを剥ぐことのみ。
だが、Plutoが撃ったDispel PsionicsはSpell Turningで跳ね返ってきた。そこで、Leichenは自分とDemogorgonを対象としてMass Inflictを撃つ。これで、自分は二倍回復し、相手のSepll Turningを削る作戦だ。
だが、Demogorgonは二回行動の利点を利用し、削ったSpell Turningを二回もかけ直した。うまく連携が取れていないため、削りきったところでかけ直されてしまうのだ。相手のFull Round Action一回分を奪えるとはいえ。
そこでCaster全員が順番を整え、Spell Turningをはいだ直後にGr.Dispelを3発打ち込むことに。このときかかっていたDemogorgonのバフは、Moment of Presience, Unholy Aura, Spell Turning, Gr.Magic Fang, Analyze Dweomer, Fly, Shield, Mindblank, Longstrider(Mage Armorもかかってるけど、これはSuなのでDispelできない)。だが出目が悪く、AC系ではげたのはUnholy Auraだけだった。しかしこれで、少しは攻撃が当たるようになった。残っていたVerakiaやNulongaもMiracleで復活したCedricLensに倒されており、あとは総攻撃をしかけてたたみ込むだけだ。
そこでLeichenRaspelがGr.Dispelを打ち、ArenaがWishでACを下げ、残りで総攻撃という作戦となった。
だが、LeichenRaspelがDispelできたのはhasteとLongstriderのみだった。ArenaがWishでACをさげることを願うと、出てきたのはAid用のMedium Spider×10。これで、LensCedricの攻撃をAidして+4程度のボーナスを与えることに成功する。PlutoのShardも命中し、Lensの攻撃もCedricの必殺矢も、半分程度は当たった。だが、傷つきながらもDemogorgonは倒れない。不敵に笑ったDemogorgonはTime StopのScrollを取り出し、そして、その出目は4。5ラウンドの間に、Healを二回かけ、Fast Healingで100点回復し、Buffをかけ直したDemogorgonはほとんど全快に近い状態だった。
もはや、先ほどの攻撃を行うだけのリソースは、無い。絶望感が一行の間に漂う。だが、Leichenは最後のMiracleで、時間を操ることを思いついた。過去の自分に、あのScroll Caseを何とかすることを教えられれば!Orcusに奇跡を願うと、出てきたOrcusが時計の針を巻き戻す。気がつくとLeichenは、先ほどの総攻撃の前に戻っていた。あわてて、Scroll Caseを奪わないとダメだ、という指示を出す。それにPlutoがうなずいた。
とはいえ、出来る行動はやはり先ほどと同じ行動が最善手のはず。LeichenはGr.Dispelを唱えた。だが、驚くべきことに、先ほどと一緒。Dispelできたのは、Longstriderのみ。さらに次のRaspelの行動もGr.Dispelで、全く同様にDispelできたのはhasteのみ。Leichenは、「やはり運命は変えられないのか!」と内心絶望する。
だが、ここでPlutoは何を見たのか、「俺が運命を変えてやる!」と叫んだ。きっとSeerとしての能力で、Leichenが経験した暗黒の未来をかいま見たのだろう。Reality RevisionでDemogorgonのScroll Caseを奪い、さらにTemporal Accerarlationで加速してcaseを海に放り投げる。最後にBend RealityでLensの初撃が必ず命中するように願う。
ArenaのWishによるAidも先ほどと同様に。そして、LensのFull Attack。ティラノサウルスやピラニアのタトゥーも起動しての総攻撃は、驚くほど目が良く、AC49相手に2回もクリティカルして、全て命中する。
そしてCedricの攻撃、6回の攻撃が全て命中し、必殺矢以外にも2回のクリティカル、倍率も考えると、Full Attack全段命中の二倍ものダメージを与えたのだ。
この二人の奇跡的な猛攻でDemogorgonは600点ほどのダメージを受け、ついに倒れふしたのだった。こうして、リアル時間で4時間ほどかかった最終決戦は終わりを告げた。
普段は感情を表に出さないLeichenも含め、全員がガッツポーズを取り、歓声を上げた。

6.Rise of New Prince

Wat Dagonに入る前、RaspelはMalcanthetから以下のようなことを教えられていた。
・私はAhazuと契約したことを知っている。
・そこんじょそこらのクリーチャーではAhazuが認めてくれないことも知っている。
・Ahazuを納得させる候補はいくつかあるが、お前の仲間をまとめて捧げるのが良いだろう。
・ただしそのためには、彼らが捧げるに値する存在になるためには、それにふさわしい偉業を成し遂げる必要がある。
・Wat Dagonに入ってSavage Tideを防ぐなら、その過程で100%Demogorgonが阻止しに来るだろう。つまり、お前達は必ずDemogorgonと戦うことになる。彼を倒すこと無しに、Savage Tideを止めることは出来ない。
・もし彼を倒すことに成功したら、お前達は十分な偉業を成し遂げたことになり、Ahazuが認める贄となるだろう。
・Demogorgonが倒れたら、Miracleを使って彼の死を願いなさい。そして同時に、以下のようにAhazuに呼びかけるのだ。
「おおAhazuよ、とらえて放さぬもの、暗闇の井戸、砕かれし夜の支配者よ、今ここに贄をささげよう。Demogorgonを打ち倒せし勇者達、すなわち、(一人一人名前を呼ぶ)。彼らをもって我等が契約の対価とし、その完遂を請い願わん」
・これでお前の”仲間”はWells of Darknessに吸い込まれ、晴れてお前は自由の身というわけだ。
・Demogorgonを捧げようと思うかもしれないが、やめておけ。Iggwilvはもしお前達がDemogorgonを倒したら、その死体を何かに使おうと考えている(おおかたその為にハイパーボールを取ってこさせたのだろう)。余計なことをすれば、彼女の敵意を買う可能性があるぞ。

そしてDemogorgonと戦う前、Raspelはこの一部を仲間に伝え、自分がMiracleでDemogorgonの死を願わないといけないということを説得してあった。
そこでDemogorgonが倒れると、Raspelは駆け寄り、MiracleでDemogorgonの死を願った。すると、その体から、そこから巨大な光の柱が立った。そしてRaspelは言う。
「おおAhazuよ、とらえて放さぬもの、暗闇の井戸、砕かれし夜の支配者よ、今ここに贄をささげよう。Demogorgon!彼らをもって我等が契約の対価とし、その完遂を請い願わん」
すると、Demogorgonの体の下に黒い穴が開き、吸い込まれていった。そして皆の頭にAhazuの声が響いた、「契約は完了した」と。
その場に、激怒した表情のIggwilvが現れる。
「貴様、なんということを!Demogorgonの体は私がIron Flaskにもらい受ける予定だったものを!」
Raspelは言った「おや?そんな話は聞いていませんな。」
「ふん、Malcanthetの手先であるお前のことだ、どうせ聞いていただろうに。まぁいい。お前達は私に借りがあると言うことを忘れるなよ」
Iggwilvがそう言ったとき、Demogorgonの死体があった場所から伸びている光の柱が明滅した。
「どうやら、次のPrince of Demonsを決めるコンテストが始まるようだ。Demogorgonを倒したお前達には資格がある。挑戦してみたらどうだえ?私?私はそんな大げさな肩書きはいらぬよ」Iggwilvはそう言って意味深に微笑んだ。
一方Raspelの頭の中に、Malcanthetからのメッセージが。
Raspel、お前Prince of Demonsになってみたらどうだね?そうしたら私はお前から何の手出しもしないで去ろう。残っているMiracleを使ってみたら?」
「お前なぞ信用できるか」
「まぁそういわないで。ではその証拠にお前からまず去るよ」
こうして、RaspelからMalcanthetはなにもしないで去った(通常はCha Drainしてから去る)
だが、それでもRaspelは信用しない。Raspelは誰も信用しないのだ。
こうしてコンテストが始まった。その内容は、レベル+Chaチェック。PCから参加したのはLeichenRaspel。他のコンテスターは、Graz'zt, Orcus, Tetradarian。Demogorgonを倒したPC二人には+15ボーナスがつく。
そして結局、勝ったのはOrcusだった。
突然テレポートしてくるOrcus。「ふははははは、力がみなぎってくるぞ!」こう言って、とりあえずPC達は全快させて貰った。
「今日の私は気前がいい。Undeadになりたい奴はDeath KnightでもLichでも、なんでもならせてやるぞ!」するとすかさずLeichenが、「Dracolichになりたいです、Orcus様!」と言い、その願いは叶えられた。
Gwynharwyfも遠隔True Ressurectionで復活し、PC達に感謝と尊敬の意を表した。例え悪であろうとも、PC達はCourt of Starsで英雄として歓迎されるだろう。
また、Listyと仲間達もやってきた。主と大部分の部下が不在のAbysyim, Demogorgonの本拠地はとてもナイスで、いっぱいマジックアイテムを押収したらしい。PC達はそれぞれ20万gp相当のMagic Itemを手に入れた。
皆でわいわいがやがやとやっているその時、Orcusの頭からもう一つ首が生える。そう、2つの首とその首同士の争いはAbyssの混沌と矛盾という本質の象徴。Prince of Demonsになったものはこの運命に逆らうことは出来ないのだ。とはいえ、今はOrcusの心はまだ一つ。彼は二回行動だヒャッホー!と喜んでいた。
こうして、Prince of Demons and Undeads, Orcusの誕生をもってSavage Tideの冒険は終わりを告げた。

 エピローグ

a.Planaer Piratesの場合

ここは平和なデーモン村。今もさらってきた人間を捧げて、強力なアーティファクトを作っているところです。
…ウゥーン…カン、カン、カン!
村に警鐘がが鳴り響きます。
「海賊が来たぞー!」
「キャー!」
「助けて!」
「早く、子供から避難だ!」
逃げまとうDemon目掛けて光の矢がばすばすと飛んできました。倒れ伏すBabauDemon。「弱すぎる。もっと強い奴はいないのか」矢を撃った若者は、妙に渋い声で言いました。
「俺たちじゃ無理だ、Balorさまを!」誰かが叫びます。
しかし、その時、向こうで大爆発が。爆発の煙の中から出てきた入れ墨だらけの体格のいい男は言いました。
「お前らが言うBalor様っていうのはこいつらのことか?」
そういって左手に持っていたBalorの首をぽいっと放り投げました。
「ももももうダメだ、逃げろー」
残った村人達はTeleportしようとしましたが、その時、銀色の剣が独りでに飛んできて、村人達を切り裂き、そのテレポート能力を封じました。
向こうの方で、「ヒャッハー」という声がしました。
「アーティファクトでも何でも差し上げます、どうか許して下さい」
すると、冷たい目の男が言いました。
「お前らDemonだろ。あきらめろ。やれ、Arena
すると蜘蛛女が現れ、残った村人をPrismatic Sprayで焼き払います。
「ひゃっほー経験値ー」
「ちっ、この村はしけてやがるぜ。よし、次の村へ行こう」
「もっと強い敵はいないものか…」
煙くすぶる村を後に、船首にWyvernを抱いた船は別の次元へとワープしていきました。彼らこそ、Lens次元海賊団、主にDemonなどの凶悪な次元界種族をターゲットとする次元の義賊。その名声は全次元界に広まり、悪魔達の恐怖の的となったのでした。

b.Mountain of Dracolichの場合

「みんな、気をつけろ。この奥にDracolichのLeichenがいるぞ」
「わかった」
盗賊が扉を調べ、罠を解除し、扉を開けます。そして、その先にいたのは、巨大な骨のDragon!
「お前がLeichenだな!観念しろ!」
しかし骨は答えません。しかも動きません。どうやら、飾り物のようです。ふと、戦士は近くのテーブルに一匹のKoboldがいて、なにやら骨をいじっているのを見つけました。
「おい、おまえ、そこのKobold、ここはお前の家なのか?」
しかし、Koboldはそれを無視して目の前に骨に熱中しています。
盗賊が言いました。
「なんだよ、違うんじゃねえの?ガセネタだったんだよ」
「おかしいなぁ。まぁいいか、宝もありそうだし、Kobold一匹倒すだけでわずかといえど手にはいるならそれはそれでよしとしよう。死ね、邪悪なるKobold!」
そう言って戦士がKoboldに斬りかかりましたが、Koboldはそれをひらりと避け、無表情に戦士を眺めました。
「何だ貴様、Koboldのくせに避けやがって!おとしなく死ね!」
それを聞いたKoboldはちょっと怒ったような感じで言いました。
「Koboldのくせに、だと?俺のことを馬鹿にするな!Destruction!」
戦士は一瞬で粉になります。
Koboldは呆気にとられた残りの冒険者達に向き直りました。
「俺がLeichenだけど、なんか用?人間の骨は足りてるんであんまり興味ないんだけど」
Mountain of Dracolichは伝説のダンジョンです。そこには強大なDoracolichがいると言われていますが、その姿を見て帰ってきたものはいないため、何のDragonなのだか分からないのです。ただ、入り口近くで帰ってきた者達の話によれば、そのDungeonには頭が二つあるヒヒだとか、奇妙な形をした、しかし強力なSkeltonがいっぱいいるそうなのです…。

c.とある貴族の家の場合

小さな子供が、物置を探しています。彼はそこに、見たことのない打楽器を見つけました。魅せられた子供は、それを母親のところに持って行きます。母親は懐かしそうにそれを受け取ると、言いました。
「これは、若い頃に私が使っていたもの」そして、美しい声で歌い始めるのでした、悪魔達の王を倒した冒険者の歌を。