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第一六回「Enemies of My Enemy part1」

Session16 Enemies of my Enemy part1



※ 今回はArenaが不参加でした。Teleport係として画面外にはいたようです

 1 伝説の魔女

1-1 ステュクス河の魔物

 一行は今伝説の魔女"イグウィルブ"の住処に来ていた。デーモン・プリンス"デモゴルゴン"の恐るべき企みを阻止するためには、かつてデーモン・プリンス"グラズト"を虜囚としていたという伝説の魔女王の知恵を頼るしかないのだ。
ここまで案内してくれたステュクス河の渡し守"カロン"は既に去り、もはや意を決して魔女王を訪ねるほかないのだが、一行はいまだにグズグズとしていた。臆病と笑うなかれ。それ程に伝説の魔女王の強大さと邪悪さは有名なのだ。
だが、そこに突然の闖入者が。ステュクス河の流れに潜む巨大なドラゴンが2体、そっとシー・ワイバーン号へと忍び寄っていたのだ。気付いた時には既にすぐ側の水面からこちらを伺い、隙あらば襲いかかろうという様子。しかし一行も既に百戦錬磨と言ってよいつわもの揃いだ。Aileeが士気を高める呪歌を掻きならせば、Air WalkのかかったLensが空中に躍り出て1体に躍りかかる。一方CedricPlutoは舷側から援護射撃を行い、RaspelはInvisibilityで姿を隠し、予期せぬ事態に備える。
一行の猛攻の前に程なく1体が仕留められ、もう1体はかなわじと見て取ったかステュクス河の深みへと姿を隠した。と言ってもけして楽な戦いではなかった。高速化Enervation x2, Destraction, ドラゴン乱舞と食らったLensは一瞬で150ダメージほど食らい、おまけに奴の牙には3d6 Wis ダメージというファイター殺しの毒があったため、あやうく植物人間になるところだったのだ。敵が引かなければ犠牲者が出ていた可能性も高い。短くも激しい戦いだった。

1-2 手荒い歓迎

 傷を癒した一行は上陸しイグウィルブの館を目指した。イグウィルブの館はそれほど大きくはないものの、デーモンの嫌う"冷たい鉄"製の柵に守られ、玄関までの小道の脇には無数の妙にリアルな石像が立ち並び、どことなく剣呑な雰囲気を醸し出している。
とは言え、いつまでの躊躇っているわけにもいかないので、意を決して玄関の扉をノックしたところ、中から1枚の手紙が出てきた。要約すると「今は手を離せないのでしばらく待ってろ」ということが書いてある。いつの間にか案内役と思われる猫が足元にいたので、その猫についていくと客間に通された。
10分ほど待つと、イグウィルブに逆らうのは怖いので大人しく待っていた一行の前に一人の黒髪の女性が現れた。これがイグウィルブなのだろうか?
不確定名イグウィルブはどうも怒っているようで「貢物があるならとっとと渡せ。ないなら殺される前に消えろ」というような意味の事をいう。どうもさっきの手紙の内容と話が違うし、ここで引き下がるわけにもいかないので食い下がる一行。すると不確定名イグウィルブは怒って正体を現した。
見る見る間に犬に似た頭をもつ怪物に変身する不確定名イグウィルブ。更に同じモンスターが2体出てくる。後で調べたところによると、このモンスターはアルカナロス・ユーゴロスという強力なアウトサイダーだったらしい。
かなり強力なモンスターらしく、Chain Lightning連発でかなりのダメージを受けた一行に対して、DRやSRに守られてあまりダメージを受けていないユーゴロス達。かなりの苦戦が予想される。
しかし、その騒ぎを聞きつけたのか再び先ほどと同じ黒髪の女性が現れた。その女性は「これは何の騒ぎだ」と怒ると問答無用で呪文を唱え始めた。誰も聞いたことのない謎の呪文を唱え終わると大爆発が起こり全員160ダメージぐらい食らったが奇跡的に死者は出なかった。犬頭たちもピンピンしていたが、どうもこの女性のほうが力が強いらしく、恐れおののいて何やら言い訳をしながら逃げて行った。
すると女性は姿を変えて男性になりペプラーと名乗った。そして「私の馬鹿な兄弟弟子が迷惑をかけた。お師匠様はこの非礼の詫びにこのまま五体満足で帰って良いとおっしゃっている」と言う。と言うかあんたの魔法が一番ヤバかったとか色々と言いたいことはあるが、喧嘩を売っても勝てそうな気がしないのでその辺はぐっと飲み込む。
そもそもここで帰るわけにいかないのは変わらないので、イグウィルブ本人に会わせてもらえるように再度頼み込む。Aileeの必死の説得の甲斐あってどうにか会わせてもらえることになった。やれやれ。

1-3 イグウィルブとの会見

 その後しばらく待った後、今度こそイグウィルブのところへ案内される。イグウィルブの部屋は空中に椅子やいくつもの魔道書が浮かび、3つある窓からはステュクス河とどこか異世界の大都市とトロピカルなジャングルが見えると、これでもかと言わんばかりに強力な魔道師の部屋っぽさをアピールしていた。イグウィルブは最初入ってきた一行を無視していたが、怖いのでやっぱり大人しく待っているとようやくこちらを向いてくれた。
とりあえずSavage Tideについて説明してみるもあまり興味なさそうなので、以前手に入れたクリスタルボールを貢物に差し出したり、イグウィルブの過去の業績を褒めそやしたりして一生懸命頼み込んだところ、機嫌を良くしたイグウィルブはやっと相談に乗ってくれることになった。実はRaspelが後生大事に懐に隠し持っていたデモノミコンを渡せば簡単に相談に応じてくれたという事実は内緒だ。
 
さて、イグウィルブは空中からチェス盤のようなものを取り出した。チェス盤の上には魔界や天界の各勢力を示す駒が置かれており、それぞれを指差しながら一つずつ状況を説明していく。
 
 まずステュクス河の渡し守カロン、これは完全にデモゴルゴンに敵対した。と言ってイグウィルブが船に乗った駒を指差すと黒かった駒が白に変わった。それをぐいとパーティーのほうに押しやる。
 
 次に指差したのは暗黒のプリンス「グラズト」を示す駒だった。さてわが愛しの君たるグラズト殿であるが(イグウィルブはここでさもおかしな冗談を聞いたかのようにクスクスと笑った)、彼は現在何か他の計画で忙しいようだ。今回の件にかかわってくることはあるまい。そう言うとイグウィルブはグラズトの駒を盤外へと弾き飛ばした。
 
 次にお前達もよくご存じの(ここでイグウィルブとRaspelLeichenに意味ありげな視線を送ったが、Leichenは無表情を通した)アンデッドのプリンス「オルクス」だが、彼はどうやらこの計画にかなりの関心を示しているらしい。そしてまた、オルクスはデモゴルゴンの足を引っ張れるとなれば多少の労力を厭うことはあるまい。上手く話ができれば強力な味方になってもらえるはずだ。まあ、その代償として何を要求されるかは知らんがな。
 
 デーモン・プリンスで言えば蟲のプリンス「オブクスオブ」もまたデモゴルゴンを深く憎んでいる。かつては彼のものであったプリンス・オブ・デーモンズの称号を奪われたことをいまだに恨んでいるのだ。とは言え、オブクスオブはあまりに異質すぎて交渉できるような相手ではないのが難点だ。だが、そこでお前達に耳寄りな情報がある。実はデモゴルゴンの版図の中にオブクスオブのアスペクトが捕らわれているのだ。これを開放することができればちょっとばかり愉快なことになると思わないか?
このアスペクトの封印を管理しているのは、サキュバスの女王などと名乗っていい気になっているマルカンテトという話だ。あの淫売は長年デモゴルゴンと協力関係にあり、実際このSavage Tide計画にも深く関わっているのだが、私の調べたところではこの計画自体にはあまり乗り気でないようだ。大方、デモゴルゴンの意識が一つに統一されてしまうと、利用しづらくなるなどと考えているのだろうよ。そのあたりに付け入る隙があるかもしれない。かなり危険な賭けとはなるが、やつに接触して真意を探ってみるのも良いかもしれん。
 
 そうそう、そう言えばもう一人デモゴルゴン陣営で現状に不満を持っていそうなものがいたな。それはアーメウルのアスペクトであるバーゴマーだ。知っていたか?デモゴルゴン自身と違ってアスペクトは別々の体をもっているのだ。お互いに心底憎み合っており、相手を蹴落とそうと躍起になっているところは本体と同じだがな。まあ、とにかくこのバーゴマーは最近ブラッド・ウォーで大戦果を上げたのだが、その恩賞が少ないと不満を持っている。戦争などにうつつを抜かしている間にライバルはせっせと根回しをしていたというわけだ。どうだ、うまく唆せば反乱の一つも起こすかもしれないぞ。なに、たとえ交渉が失敗したとしても、決戦の前にデモゴルゴンのアスペクトの一人を滅ぼしておくことは損にはなるまい。思い切って試してみたらどうだ。
 
 あとはそうだな。デモゴルゴンと長年敵対していると言えばアルボレアのエラドリン、怒りの竜巻ことグインハーウィフがいたな。あれはまあ戦好きの単純馬鹿だからな。お前達が助力を乞えばきっと力を貸してくれるだろう。むしろ参戦したくてうずうずしているに違いない。問題は心配性の女王モーウェルがグインハーウィフが傷つくことを恐れて必死で止めていることだ。
いや、まったく愛情と云うのは厄介な代物だな。まあ、かく言う私も愛しの君とは必ずしもうまくいっているとは言い難いのだが(イグウィルブはまたも面白い冗談を聞いたかのように笑った)。
 
 そう言えば、最近情けないことにアビスの507階層オクシピタスを支配していた狂気のプリンス「アディマーカス」がホリアンガーと名乗る一団の冒険者たちに敗れたそうだぞ。今ではその中の一人、Wee Jusの神官でListyという女がPlane Rulerとなってオクシピタスを支配していて、侵攻してくるデーモンたちと争いになっているらしい。なにしろ元は人間だからな。物質界の危機と言えば力を貸してもらえるのではないか?まあ、Plane Rulerと言ってもデモゴルゴンに比べたら微々たる力しか持っていないだろうが、何かの助けにはなるかもしれん。味方は多いに越したことがないぞ。
 
 ところでお前達も因縁のあるマインドフレイアーのDevyという輩だが、一時はデモゴルゴンと敵対していたもののどうやら再び手を結んだようだぞ。やつ自身の力はそう大したことはないが、極めて魅了の技に長けているところが厄介だ。こちらの主力が次々と魅了されるようなことになっては目も当てられん。厄介な事態になる前に排除しておいたほうが良かろうな。
ちょうど良いことにお前達は面白い剣を持っているではないか。そのシルバーソードはギスヤンキどもが作り上げた剣の中でもひときわ強力な代物。今は半分に分たれているために並みの剣程度の力しか発揮していないが、もし片割れを見つけ出して一つにすることができれば、サイオニックを使う敵に対してきわめて有効な対抗手段となるだろう。
 
 最後に大事なことを忘れていた。デモゴルゴンは用心深くてこの計画の要となる情報は慎重に隠蔽している。そのため他のデーモン・プリンスや神々でさえ、この計画を阻止するためにどうすれば良いか正確に知る者はいない。無論、この私も含めてだ。だが、元々この計画をデモゴルゴンに教えたのは深みのプリンス「ダゴン」だ。奴であればこの計画の全容を知っているはずだ。もちろんダゴンもそう簡単に秘密を教えるはずもないが、ここで一つ朗報がある。
物質界にかつてダゴンをあがめるクオトア達が作った海底神殿があるのだが、そこにあるアーティファクトを使えば直接ダゴンと交信することができるらしい。しかも古の契約のためにこのアーティファクトを通しての交信を拒んだり、虚偽を答えたりすることはダゴンにはできないそうだ。Savage Tide計画を止める方法はこれを使ってダゴンに直接尋ねるのが良かろう。
 
……今、私が教えた策を一つ一つこなしていけば、と言いつつイグウィルブは黒から白に変わった駒でデモゴルゴンを示す双頭の駒を囲んでいった。そして最後にデモゴルゴンの駒をピンと指で盤外に跳ね飛ばすと艶やかに笑った。
「ほれ、このとおり。簡単であろう?」
 
まあ、簡単かどうかはともかく、今後の行動に指針は立ったので、一行はイグウィルブに礼を述べるとそそくさとその場を引き上げたのだった。

 クオトアの海底神殿

2-1 懐かしのサザリン

 一行は連戦に疲れた体を癒し、次なる冒険への英気を養うため一旦物質界に戻ることにした。懐かしのサザリンである。この地を後にしたのはわずか数か月前なのだが、ここ最近の目まぐるしい冒険のせいかはるか昔のことのように感じられる。
とは言え余りのんびりしている暇はない。こうしている間にもデモゴルゴンの企みは着々と進んでいるのだ。サザリンに立ち寄ったのも巻物やポーションなどの補給が主な目的である。大都市であるサザリンであれば高価な魔法の品も入手可能なのだ。
 
 さて、一行にはもう一つやることがあった。アビスでのVanthusとの闘いの中で命を落としたLaviniaの蘇生である。Laviniaは蘇ると一行に礼を述べ、自分では足手まといになるのでこれ以上同行はできないが、一行の武運を祈ると言った。

2-2 深海の悪魔

 Laviniaに別れを告げた後、一行はイグウィルブが示したタスクのうち、まずはクオトアの海底神殿を訪れることにした。戦いにしろ交渉にしろ、より多くの情報を握っているものが有利なのは間違いないからだ。神殿は深海にあるそうなので水圧に対抗するための呪文などを準備した後、Wind Walkで神殿上空に向かい、その後海底へ。特に怪物に遭遇することもなく神殿に到着する。神殿はかなり昔に放棄されたようでほとんど崩れかけているが、中央部分はかろうじて形を保っているようだ。おそらくあそこにアーティファクトが眠っているのであろう。
 
 だが、これ程の重要地点に番人がいないということなどもちろんあり得ない。一切の光が射さない深い闇の底から超巨大な影が2体、一行へと忍び寄っていた。その姿は何と形容すれば良いだろうか。しいて言えば頭のあるべきところに巨大な目玉のみがあるザリガニのハサミとイカの触手を併せ持ったクジラとでも言えば良いのだろうか。悪夢の中から這い出してきたとしか思えないグロテスクな姿は、この化物がこの世の存在ではないことを何よりも雄弁に物語っている。
この化物の正体は、狂気をつかさどる太古の悪魔オビリスの一種だ。それも深みのプリンス「ダゴン」直属の高位のオビリスである。オビリスと言えばかつてDivided Ireにてたった一体でパーティーを敗走に追い込み、恐怖と創造主への呪いを込めてDie Jacobs Dieと呼ばれた魔物が思い起こされる。あれと同格の高位オビリス。それも2体!一行に戦慄が走る。
 
予想にたがわずオビリス達の力は真に呪わしいものだった。余りに異質な狂気によって形作られた姿は目にするだけで定命のものの精神を破壊し、巨大な一つ目に睨まれたものは蛇に睨まれた蛙のごとく金縛りにあってしまう。(具体的に言うとWill DC27のForm of Madnessを落とすとアビリティの下3つが1になり、それでWillが激減したところにWill DC25 or StunのGazeというハメ技だった)
巨大なハサミはやすやすと人間をつかみ上げてしまい、魔法の力を借りてすら脱出は容易ではない。(Savage TideではFreedom of Movementがグラップルチェックにボーナスが付くだけと弱体化されているため、超巨大クリーチャーのグラップルは抜けられないことが多い。まあ、ハサミと言えばありがちなシャッキンシャッキンなるハサミじゃなかっただけましと言えるか)
だが、何より恐ろしいのはうねうねとくねる5本の触手であろう。その触手に触れられたものは忌まわしき魔力によりたちどころに生命力を吸われて死んでしまうのだ。(リーチ30'で1本当たり20〜30ダメージ&1d6[Con]ドレインとか狂ってるとしか言いようがない。ドレイン防げないレギュレーションの奴らは死ねと)
 
戦闘は案の定大惨事に。Form of Madnessを落としたLensはStunしっぱなしの上にグラップルまでされて最初っから最後までサンドバック状態。Plutoは運悪く触手Full Attackが全弾命中し100超ダメージ&5d6[Con]ドレイン食らって1ラウンドで干からびた。
しかし、Savage Tideパーティーはどういうわけかアビリティ・ドレインが効かない人(じゃないけど)が3人もいたので、AileeがFell the Greatest Foeをもらって頑張って殴った結果、奇跡的に犠牲者1人だけで勝利することができた。流石にCRに比してHDは低めだったようだ。
 
 忌まわしきオビリス達との激しい戦いに勝利した一行は、残念ながら犠牲となったPlutoの亡骸(水圧でペッチャンコになってた)を回収した後、神殿の中を捜索した。幸いにもそれ以上の怪物に出会うこともなく、無事にアーティファクトを発見する。調べてみたところこれはダゴン限定でContact Other Planeの呪文を発動するような効果のようだ。ダゴンのような強力な存在との接触は精神に大きな負担となるので短期間には一人一回が限度らしい。一行は順番にアーティファクトを使用しSavage Tide計画の真相を調査した。
 
 Q:Cedricの一族、Rockpiercer家をダゴンが狙っているのはなぜか?
 A:Rockpiercer家に伝わる技がSavage Tide計画の邪魔になるからだ。
 
 Q:Savage Tide計画を阻止するにはどうすればいいのか?
 A:Savage Tide計画にはBlack Parlの起爆キーとなるMaster Parlが存在する。それを破壊すれば計画は頓挫する。
 
 Q:Master Parlはどこにあるのか?
 A:Gaping MawとShadow Seaの狭間、Wat Dagonという地に隠してある。
 
 Q:Master Parlを破壊する方法は?
 A:Rockpiercer家が伝えるKeeper of Vast Gateの技を用いて、Arrow of Last Standを撃ち込めば破壊できる。
 
 Q:Arrow of Last Standとは何か?どうすれば手に入る?
 A:Far Realmに存在するXaxox砦に行き、そこでKeeper of Vast Gateの遺した武器を探せ。
 
 Q:我々が持つギスヤンキのシルバーソードの片割れはどこにあるのか?
 A:その剣の片割れは古のギスヤンキの墓所に安置されている。
 
 Master Parl、Wat Dagon、Keeper of Vast Gate、Arrow of Last Stand、そしてXaxox砦。新たなキーワードがいくつも判明する。どうやらFar Realmと呼ばれる異界にも向かわなければならないようだ。とにかく計画を阻止する方法は判明した。まずはサザリンにいったん退却してPlutoを蘇生しなければならない。

 3 伝説の英雄

3-1 コルドロン

 無事にPlutoを蘇生した一行は、邪悪なオルクスなどと接触する前に少しでも後ろ盾を増やしておくために、まずは比較的話の通じそうなオクシピタスのルーラー「Listy」と接触することに決めた。Listyや彼女の所属していたHoly Angerと言えば、つい最近までサザリンの姉妹都市コルドロンで活躍していた英雄達である。実際のところ1年程前に北の大陸で起こった邪神復活未遂の影響でサザリン近郊の塔からモンスター達が溢れ出したときにも、彼らの活躍で事なきを得たのだ。サザリンで生まれ育ったAileeCedricにとっては子供の頃から聞かされていた憧れの英雄の名前でもある。
イグウィルブの話ではListyはアビスのオクシピタスという階層にいるそうだが、オクシピタスと言われてもどうやって行けば良いのか良く分らない。元仲間であれば知っているかもと期待し、まずはコルドロンに行ってListyについて調べてみることになる。
 コルドロンは金属製の武器防具全てを野蛮なものとして忌避するという独特な風習をもつ都市であるため、入り口で多少もめたものの、武器防具を預けることで中に入ることができた。カルデラ湖の周りに作られた、ここコルドロンは数年前に起きた火山の噴火と、その原因であったとある企みのせいで壊滅的な打撃を受けたものの、今ではかなり復興が進んでいるようで、街は活気を取り戻している。
街中で情報を集めるとかつてHoly AngerにListyと共に所属していたSurbaneというBoccob神官が今でもコルドロンに住んでいるということなのでそこを訪ねることにする。Surbaneに事情を話すとPlane Shiftでオクシピタスに連れて行ってくれることになった。

3-2 オクシピタスの支配者

オクシピタスに到着すると、そこは荒涼とした何もない荒野が広がり、静寂と秩序に支配されていた。きれいに区画整備された街道をたどっていくとこぢんまりとしたWee Jasの神殿風の建物があり、ここがListyの住処だと言われる。
Surbaneを先頭に建物に入っていくと黒衣に身を包んだ女性が出てきた。彼女が噂のListyだとのこと。再び事情を説明すると、最初はあまり乗り気ではなかったものの、この計画が成就すると彼女の故郷であるコルドロンもただではすまないことなどを上げて説得すると、協力してくれることになった。
ただし、デモゴルゴンを敵に回すとなるとかなり危険な橋を渡ることになるので、あなた達がどの程度あてになるのか確認しておきたい。ちょうど今、ちょっと厄介な敵がいて、それの排除に従業員を向かわせたのだが帰ってこない。様子を見に行って、もし従業員が負けていたら代わりに倒してきて欲しいと言う。協力を得るためには仕方がないので引き受ける一行だった。

3-3 7色の牛とビホルダー

 なぜか敵のいる場所までの詳細な地図が用意されていたので急行すると地図の通りの洞窟がある。中に入ってしばらく進むとなぜか7色に輝く牛がいる。Aileeによれば、これはHoly AngerのリーダーTrutzの乗騎として有名らしい。ということはListyが送り込んだ従業員と言うのはTrutzの事だったのだろうか。
まあ、それはそれとして奥に進んでいくと広間になっており、そこに問題のビホルダー「バーラントルー」がいた。その側には妙にリアルな石像が一体。どうやらあれがTrutzのなれの果てらしい。バーラントルーは底にマグマが溜まった深い縦穴の上に陣取っており、近接攻撃を行うのは困難な状況ではあったものの、流石に多勢に無勢。LensをチャームしたりCedricの弓をTelekinesisで奪ったりと頑張ったものの、PlutoのCristal Shardでズッタズタにされてマグマの底に落ちて行った。
その後、石化していたTrutzを元に戻し、事情を説明して一緒に帰ることにした。

3-4 ListyとTrutz

 神殿に戻るとListyが出てきて役立たずなどとTrutzをボロクソにけなしたが、Trutzは慣れているのかどこ吹く風と聞き流している。Surbaneはまたやってるよと呆れ顔だった。
ひとしきり悪口を言い終わると気が済んだのかListyは改めて協力を約束してくれた。とは言え、彼女の力もデモゴルゴンに比べれば小さな物なので、あまり大した協力はできないと言われる。とりあえずデモゴルゴンを攻撃するときになったら連絡してくれとの事。
ついでに物知りそうなListyとSurbaneに色々尋ねてみるが、あまり大したことはわからなかった。唯一収穫と言えるのはAileeの呪いのアミュレットについていくらか分った事だろう。AileeのAmuletにSurbaneがVisionをかけてくれたところ、オルマンの遺跡らしきビジョンが見えた。周囲の様子や建物の様式などから推測するに、City of Broken Idleにあった遺跡のようだ。ListyがCommuneして確かめたところ、やはりあの神殿が元々このAmuletがあったところで間違いないようだ。ひょっとしたらあそこに行けばAmuletの呪いを解くことができるかもしれない。
 
 その後、CedricがTrutzに勝負を挑んでボコボコに負かされたりした後、一行はListyにお礼を言って帰ることにした。Surbaneもコルドロンに戻ってかつての仲間を呼び戻すらしい。

 4 星界の女王と邪毒龍

4-1 気高き緑の大地アルボレアへ

 一行は次に星界の宮廷に向かい、怒れる竜巻グインハーウィフの助力を乞うことにする。悪しきデーモン・プリンスとの戦いではセレスチャル・パラゴンの力は大変に心強いものとなるだろう。何やらRaspelLeichenは行くのを渋っていたが、現状で分離行動は自殺行為と言うことで結局みんなで行くことになった。
アルボレアにはステュクス河の畔にそびえる世界樹ユグドラシルの根元から行くことができる。さっそくSea Wyvern号でステュクス河をさかのぼる。カロンの印のおかげか危険なクリーチャーに襲われることもなく無事目的地に着くことができた。
ユグドラシルの根元に生えていた巨大なヤドリギに触れると一行は転送され、どこか深い森の奥に出現した。そこは物質界ではついぞ見たことがない程生命力にあふれた森であった。一行が物珍しさに呆然としていると何やら馬に乗った偉丈夫がやってくる。その人物はエラドリンのサー・アンドラスと名乗ったが、どうも余り友好的ではない様子。険しい顔で一行を睨みつけるとここはお前達のようなものの来るところではない、さっさと立ち去れ、と取り付く島もない。なんとも失礼な話だが、こちらの顔ぶれを考えると無理もない気がする。
もちろん、ここで引き下がるわけにはいかないのでまたまた事情を話して頼み込むと、サー・アンドラスはDetect Evilで(RaspelはちゃんとMissdirectionをかけていたので)Evilな人がいないことを確認した後、渋々ながら一行を案内してくれることになった。
しかし、そのためにはまずお前達の力を試すということでレスリング勝負をすることに。相手に名乗りを上げたのはLensである。Lensとサー・アンドラスは白熱した戦いを繰り広げたが、途中で邪魔が入った。レディ・セレステと名乗るエラドリンの女性が姿を現すと、女王陛下の客人に無礼な真似をするとは何事か!とアンドラスを叱責し、アンドラスはしおしおと去って行った。
その後、レディ・セレステに案内されてエラドリンの女王の待つ星界の宮廷へと向かったのだった。

4-2 星界の女王

 一行は無事に星界の宮廷に到着し、全てのエラドリンの長である星界の女王「モーウェル」と謁見することができた。と言っても60フィート以内でモーウェルを見た全ての人型種族は、そのあまりの美しさに目が潰れてしまうので60フィート離れての謁見となるのだが。
モーウェルの傍らにはその夫であるフェイレネイルや、グインハーウィフも控えている。一行はまたも事情を説明しグインハーウィフの力添えを願う。グインハーウィフ自身はデモゴルゴンの名前を聞くたびに目をビカビカ光らせ、あふれ出る怒りを隠しきれないようなのだが、モーウェルは何やら迷っている。どうも、どこの馬の骨とも知れない連中の尻馬に乗ったために大切なグインハーウィフを失う可能性を恐れているらしい。
とは言え、当のグインハーウィフ自身はやる気満々なので無碍に断るわけにもいかず、結局お前達の力を試す、というお決まりのパターンに落ち着いた。モーウェルが言うには最近ユグドラシルの根元に巣食う邪竜ニーズヘッグの活動が活発化しており、アルコン達やステュクス河を流れる死者の魂が被害にあっているのだという。この邪竜を倒してくれば一行の力を認め、グインハーウィフの出陣を許可するということだ。
ここでニーズヘッグの名前に反応するものがいた。Aileeだ。彼女はかつてオルマンの神ミクトラン・テクートリに囚われていた時に、彼女の魂はニーズヘッグに奪われてしまったと聞いたことがあったのだ。もっともミクトラン自身Aileeを騙してとらえていたので、その言葉もどこまで信用できるか分らないのだが。
Aileeがそのことを話すとモーウェルはそういうこともあるかもしれないと言い、もしそうであればニーズヘッグはその魂を食べてしまっているだろうから倒した後で腹を裂きなさいと忠告してくれた。また、Aileeの境遇に同情したのか一人のエラドリンがサンブレードを貸してくれたが、いまやVampireとなってしまったAileeが持つとうっかり自分が滅びそうだったのでLensが使わせてもらうことにした。

4-3 邪竜ニーズヘッグ

 ニーズヘッグの住処と教わった場所に行くと、いかにもな洞窟があったので一行は呪文を使って身の守りを固めた後に突入する。するといきなり罠があり大ダメージを食らう。他のものから白い目で見られるPluto。その後もいくつか罠があったが、これはPlutoが慎重に調べながら進んだので事なきを得た。
しかし、洞窟はすぐに行き止まりとなっており、ニーズヘッグはおろか他の怪物も影も形もない。隠し扉などもないようだ。首をかしげる一行だったが、Cedricの提案でTrue Seeingをかけてみたところ、行き止まりとなっていたのはHullucinatory Terrainであり、実はその奥に巨大なドラゴンがいたことが判明したのだった。あれこそが神話に語られる邪竜ニーズヘッグに他ならない。
 
戦闘はまずはニーズヘッグの召喚魔法から開始された。ニーズヘッグが竜語で太古の呪文を唱えると眼前に5体の大型スケルタル・ドラゴンが出現する。僅かに残る鱗から判断するに、ご丁寧にも白黒緑青赤とクロマティック・ドラゴン5種が勢ぞろいだ。これらはブレス攻撃などの超常能力こそ失っているものの、その肉弾戦能力はオリジナルにも引けを取らない。1体ならまだしも5体となると侮れる相手ではない。その上倒すとネガティブ・エナジーの爆発を引き起こすので一行(の約半分)にはダメージを与え、まわりのスケルタル・ドラゴン(と一行の一部)は回復してしまうという厄介な能力まで持っている。
次のラウンドにはニーズヘッグは更に5体のスケルタル・ドラゴンを召喚し(今度はメタリック・ドラゴン・フルセットだった)、戦場には所狭しとドラゴンがひしめくことになった。次々とドラゴン乱舞が炸裂し一行を追い込むも、RaspelのSun BeamやLeichenのMass Heal、PlutoのEnergy Waveといった強力な範囲攻撃や、Lensが借りたサンブレードが威力を発揮したため、スケルタル・ドラゴン達は3ラウンドほどで壊滅してしまった。
 
しかし、ニーズヘッグにはまだまだ余裕があった。スケルタル・ドラゴン達が時間を稼いでいる間に唱えておいたRighteous Mightは残念なことにDispellされてしまったものの、そもそも素の能力が人間などとはまるで違うのだ。まして20Lvクレリックとして呪文が使えるニーズヘッグにはMiracleなどの切り札がまだまだある。次のラウンドにはMiracleで全快して哀れな虫けらどもが絶望に打ちひしがれる様を見てやろう、などと考える余裕すらあったのだ。
だが、その慢心が大いなる運命の反感を買ったのであろうか。その時Cedricが放った1本の矢が奇跡的な正確さでニーズヘッグの逆鱗を貫き、この神話級の邪竜を一撃で絶命せしめたのであった。ニーズヘッグは最後まで自らの最後を信じられないようであった。
 
予想外の幕切れとなったものの結果としては一人の犠牲者もなくニーズヘッグを倒すことに成功した。モーウェルに言われた通りニーズヘッグの腹を裂くと、これまでニーズヘッグに囚われていた魂達が解放され天へと昇っていく。その幻想的な光景に見とれていると、その中に一つだけ天へと昇らずAileeの側にとどまっている魂がある。それこそがAilee自身の魂であった。今ここにParot Islandの地下で分たれたAileeの魂と肉体が再び邂逅したのだ。
Aileeは思わず自らの魂を抱きしめそうになったが、今の肉体は忌まわしいVampireへと変じてしまっている。下手に触ると己自身の魂を穢してしまうことになるだろう。意志力を動員して思いとどまるAilee。魂はAileeについてくるようなのでモーウェルに相談することにする。
 
一方、Aileeが腹を裂くのを眺めていたLeichenの目にニーズヘッグの心臓が映った。どういうわけかその心臓に心惹かれるものを感じるLeichen。湧き上がる衝動に突き動かされ、Leichenは心臓の一部を口にしてしまった。するとLeichenの中に眠っていた竜の血が活性化し、肉体がより竜に近いものへと変じていく。こうしてLeichenはハーフ・ドラゴンになったものの、その急激な肉体の変化に耐えきれずショック死してしまった。
 
その後、一行はニーズヘッグが蓄えていた宝物を根こそぎ漁ってから意気揚々と星界の宮廷に凱旋したのだった。
すると女王も一行の力を認め、グインハーウィフの出陣を許可してくれただけでなく、Leichenも蘇らせてくれた。またLensの中にまだBlack Parlの残滓が残っていると言うので、どうすればいいのか聞くとアルボレアの聖なる泉の水を飲めは良いと言ってポータルを開いてくれた。Lensがその泉の水を飲み干すと、ようやくBlack Parlの影響からは完全に脱することができたのだった。
その後、Aileeの魂を女王に預かってもらい、一行は礼を述べると星界の宮廷を後にしたのだった。

 5 ファーレルムへの道

5-1 ギスヤンキの襲撃

 さて、これでイグウィルブから接触するようにアドバイスを受けたうち、邪悪でない勢力は全て回ってしまった。しかしながらオルクスのような存在に接触するのはやはり気後れする。一行は先にファーレルムを訪れ、Savage Tide計画阻止のキーアイテムと思われる、アロー・オブ・ラストスタンドを手に入れることにする。まあ、問題の先送りとも言う。
とは言ったものの、実のところファーレルムへの行き方はさっぱり分からない。女王モーウェルにも尋ねてみたが、彼女も知らなかった。困った一行はそこでLensの先祖であるColsureの事を思い出した。彼の住処にはこの世界のありとあらゆるプレーンを網羅する海図があったはずだ。ひょっとしたらFar Realmの海図も見つかるかもしれない。一行はSea Wyvern号に乗り込み、Colsureの「Home」へと向かうのであった。
そんなある日、一行はSea Wyvernの前方から近づいてくる飛行物体に気がついた。それはレッドドラゴンに乗った一人のギスヤンキであった。無論、その狙いはPlutoが持つシルバーソードだったのだが、いまさらギスヤンキ一人では勝負にもならない。PlutoCedricの射撃を受けてあっさりと死んでしまった。
後はドラゴンだけだといつものようにAir WalkでLensが飛び出そうとしたところ、勝ち目なしと見て取ったレッドドラゴンはあっさり降服した。背中のギスヤンキの死体が身につけているマジックアイテムを渡すから見逃してくれ。もしどうしてもやるというのなら、俺は海の上で死んで海中に沈むからお宝回収が大変だぞ、とドラゴンとは思えない情けなさ。その身も蓋もない潔さに感じ入ったのか一行はレッドドラゴンを見逃してやることにした。あまつさえ、もう物質界に帰りたいと嘆くドラゴンをPlane Shiftで送り返して上げる親切さまで見せていた。
それはそうとギスヤンキの死体をはいだところ、ろくなマジックアイテムを持っていなかったが、一つだけ面白いものがあった。Plane ShiftのFocusである。おそらくはギスヤンキが住むアストラル界にPlane Shiftするためのものだろう。ひょっとしたらシルバーソードの片割れを探しに行くときに役に立つかもしれない。

5-2 Colsure再び

 その後は特に何事もなくColsureの「Home」に辿り着くことができた。前回訪れた時の忠告通り、今回はFlyで直接訪ねる。一行が出迎えてくれたColsureに尋ねると「Far Realm?ああ、行ったことあるよ」とあっさり問題は解決してしまった。
しかし、ついでにFar Realmについてどんな所なのか詳しく聞いてみると、長時間いるとどんな人間でも気が狂うとか、Far Realmで傷を癒すとその部分が奇怪な形態に変異することがあるとか、ろくな話がない。
一行は再び相談し、方針を変更することにした。Aileeのたっての希望もあり、先にIsle of Dreadに戻りオルマンの遺跡に呪いのアミュレットを返すことにした。一行はついでにレッドドラゴンも一緒に連れて行き、Isle of Dreadでリリースした。これが後で厄介事の種にならなきゃ良いが。

 6 オルマンの遺跡

6-1 炎の守護者

 一行は目的の遺跡に着くと早速Find the Pathを唱えてミクトラン・テクートリの祭壇を探す。すると確かに反応が。Find the Pathに導かれるまま進むと行く手を大量の瓦礫がふさいでいる。そこをPlutoのPhase Doorで強引に突破するとその先にはさらに通路が続いている。どんどん進むとやがて両開きの扉に辿り着いた。
扉はつっかえているらしく開かなかったので、これもPlutoのDisintegrateで突破。すると中は確かに神殿のようになっていた。部屋の中央には大きな棺があり、部屋のあちこちにオルマンの遺跡では良く見る蛇の意匠の彫り物がなされている。しばらく観察した限りでは動くものは見当たらない。意を決したAileeが部屋に入り棺の蓋を開けてみると、中にはオルマンの神官らしき死体が入っていた。
だが、その時部屋の柱に彫られていた蛇の彫刻が見る見るうちに生気を帯び、2体の炎をまとった巨大な蛇となって一行に襲いかかってきた。どうやらこの部屋のガーディアンらしい。
この蛇2体はQuicken FireballやFlame Strike、強力なFire Breathなどを連発し、一行にかなりの痛手を与えてきた。しかもRaspelがDestractionをかけたところ跳ね返ってくる。Raspelは何とか耐えた。肝心のブレスが半分Neagtive Energyで構成されていたため、Veil of Undeathを使っていたLeichenは逆に回復していたが、それがなければ危なかったかもしれない。とは言え、どうにか犠牲者なしで倒すことに成功する。

6-2 Aileeの復活

 あれほどの破壊の魔法が飛びかったにもかかわらず、不思議な力で守られているのか棺やその中身には焼け焦げ一つない。Aileeが今度こそとアミュレットに手をかけると、果たしてこれまでどうしても外れなかったアミュレットが何の抵抗もなく外れるではないか。
Aileeが恐る恐るアミュレットを死体の首にかけると、死体もアミュレットもさらさらと崩れ去ってしまった。それを見届けたAileeはようやく自分に安らかな死の静寂が訪れるのを感じたのだった。
残された一行はAileeの死体を持ってサザリンに帰還し、Aileeを蘇らせた。こうしてAileeはアンデッド・バードという数奇な運命から解放され、脆弱で死にやすい生者の体を取り戻したのだった。
 

 7 次回予定

次回は対サイオニック最終兵器と噂されるギスヤンキシルバーソードがFar RealmのSANチェックを防いでくれるんじゃないかという希望的観測の元にギスヤンキの墓所を目指す予定。その後、Far Realmで例のアローを手に入れてから、いよいよLeichen憧れのオー様に会いに行く……のかなぁ?