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第4回

皮挽きの殺人


書いた人:abalf(ファロン)
 

 休暇

 
ラマシュトゥ信者の事件が終わった後、元々サンドポイントに住んでいた4人は精神的にショックを受けていたという事もあって、我々はしばらくの間サンドポイントで休暇を取る事にした。

私は別の場所へと旅だってもよかったが、彼らはまだ私の助力が必要なようだ。ということで、私もサンドポイント近くの森で一人で修行をする事にした。

この間に、ハワードは町のジェネラル・ストアの看板娘姉妹の妹、シャイレスと仲良くなったようだ。またハワードの情報によると、同じく姉のカトリーンは水車小屋(この町では水車の動力で巨大な鋸を回し、薪を作っている)の男とよく逢い引きしているらしい。この男は町では大変ケチだと有名なようだ。まあ、私にはどうでもいい話ではあるが。

また、リリーはDream Feastというデズナ呪文を習得していた。かけてから寝ると食事をする夢を見て、朝になると腹が満たされているという呪文だ。リリーはこれをかけて一日中教会の中で寝ている。
こうして数週間が過ぎた。
 

 一つめの殺人

 
ある朝、我々のところに町のシェリフであるヘムロックが訪ねてきた。どうもサンドポイントの南の方にある猟師小屋で猟奇殺人があったらしく、我々が何か知らないかを聞きに来たらしい。
逆に我々がどのような事件があったのかを問い質してみたところ、次のような事が分かった。
 
・被害者は町のちんぴらの一人
・被害者の死体は手足が切られ、バラバラにされていた。また、胸の部分には星のようなマークが刻まれていた
・第一発見者は被害者のちんぴら仲間だったグレイストという男。事件のショックか頭がおかしくなってしまったらしく、小屋の近くにあるエリン・ハーグ療養所に担ぎ込まれた。
 
この"星のようなマーク"というのが少し引っかかる。我々が前回の事件で何回か見た、古のルーンロードに関係するマークの事だろうか?ヘムロックにマークについて聞いてみたが、彼も又聞きらしく、正確な形は分からないとのこと。

気になった我々は、第一発見者であるグレイストなら正確に見ているかもしれないと思い、ヘムロックの紹介状をもらってエリン・ハーグ療養所へ行ってみることにした。
 

 療養所

 
数時間歩いて療養所へ行き、ドアをノックすると中からエリン・ハーグが出てきた。とても胡散臭げな目で見られたが、紹介状を出すと一応中へは通してくれた。

グレイストは個室で拘束着を着せられていた。精神の方が相当おかしいらしく、放っておくとすぐに壁などを殴って自分を傷つけてしまうらしい。リリーが「拘束するのはよくない」とか言っていたが、狂気を直す手段があるわけでないし、どうしようもないだろう。

話を聞いてみるが、どうにも要領を得ない。無駄足だったか、と思ったその時、グレイストの方から話かけてきた。「お前ら、サンドポイントから来たのか?」そうだと返すと、彼はまるで独り言のように話し始めた。

「私はお前たちへのメッセンジャーだ。お前たちはあるお方に選ばた。全く、嫉ましい。Misgivingに行って仲間に会え。そこで見せたいものがある。」
彼はそう言うと拘束着を引きちぎり、我々に遅いかかってきた。我々は彼を気絶させようとしたのだが、ケルダのColor Sprayは効かないし、ハワードのサップの攻撃もまるで堪えた様子がない。それで閃いた。こいつはもう既に生きてはいない…Undeadだ!よく見ると内臓が腐っている。仕方無く我々は剣を抜き、こいつを始末した。幸い、あまり強くはなかった。

騒ぎを聞きつけてエリン・ハーグが部屋に入って来た。グレイストの死体を見て、我々が殺したと勘違いしているらしく、ひどく怯え、私を殺さないで下さいと懇願してくる。こいつはUndeadで初めから死んでいたと説明しても全く理解しない。これだから一般人は。口止めはしたので、放っておくことにする。

さて、ここで分からないのがMisgivingという言葉。どうやら固有名詞のようだが、サンドポイントに住んでいた連中も聞いた事が無いらしい。
 

 二つめの殺人

 
サンドポイントの町に戻ると、もう夜だった。ヘムロックに療養所であった事を説明してみると、Misgivingとは貴族、フォックスグラブ家の別荘の別名のようだ。詳細は分からなかったが、フォックスグラブの先代は別荘で一家を殺すような事件を起こしているらしく、そのあたりから付いた名前だそうだ。

今日はもう遅いので、明日の朝まで休息する事にした。いつも通り、私とガムは森で、残りは教会で寝る事にする。

その夜、リリーはいつも通りDream Feastを自分にかけてから眠りについていた。夢の中ではごちそうを食べているが、そのごちそうを振る舞っているのはフォックスグラムの現当主であるアルダーン・フォックスグラブだ。アルダーンはリリーに気があるような素振りを見せ、積極的にアプローチしてくる。

同じ頃、ガムは飼い犬のマグの唸り声で起こされていた。Animal Tongueで話を聞くと、なんか臭い(腐敗臭)のが街道を歩いているらしい。森にいたガムと私で様子を見ると、サンドポイントから出てきて南に向かって歩いていった事が分かった。

"臭いもの"には追いつけそうに無かったので、町で何かが起こっていないかを調べに行くと、マグが血の臭いをかぎつけた。水車小屋の方から臭ってくる。

水車小屋の扉を開けると、ものすごい血の臭いが鼻を突く。そして…死体だ。まず、男の死体が壁に磔にされている。胸にはルーンロードが使っていたと言われるあの七芒星が刻まれている。手足は切り取られ、まるで薪のように死体の下に並べられている。さらに、水車からの動力で回り続ける鋸には上半身が縦に真っ二つになった女の死体がくっついたままだ。我々は慌ててヘムロックを起こしに行った。

結局、女はカトリーン、男は水車小屋の主だった。逢い引き中に何かに襲われたと思われる。ヘムロックは、ついにサンドポイントでも事件が…と言って頭を抱えている。Misgivingでの調査を急がなければならないようだ。

朝になると事態はさらに悪くなっていた。サンドポイント南の農場でも化け物が出て、犠牲者が数多く出ているようだ。我々は先に農場に向かい、その後でMisgivingに行く事にした。
 

 農場

 
我々は馬を借りて農場へと急いだ。農民の一人、グラントという男に話を聞くと、かかしが歩き回って人を襲っていたらしい。さらに、誰も作っていないのに勝手に増えていくそうだ。

昨日、耐えかねてグラントと農民数人で化け物を退治しに行ったが返り討ちにあり、グラント以外はみなかかしに捕まるか殺されるかしてしまったそうだ。

グラントはかかしが現れる地域に住んでいるファンブリー一家の事を気にかけており、助けてやって欲しいと我々に依頼してきた。確かに農民がかなう相手で無いのなら、我々の出番だろう。

実際にかかしがいたという場所に行くと、たくさんのかかしが立っている。我々が近づくと、そのうち数体が動き、襲いかかってきた。軽く倒して中身を検分すると、中には人の死体が入っており、腐敗臭がする。Undeadにかかしの服を着せてある、というのが動くかかしのからくりのようだ。

さらに行くとまたかかしがあったため、今度は近寄る前に弓で撃つことにする。矢が当たるとかかしはビクッと痙攣した。こいつも動くかかしだったようだ。襲ってこない事を確認してから中身を検分すると…今度は中に血を流して死にかけている人が入っていた。しまった、私とした事が…。まだ息があったので、慌てて治療を行う。

かかしの中にいた男、ガフミンは昨日グラントと一緒に化け物退治に行ったうちの一人だった。捕まった後、縄で縛られた後にかかしに噛まれ、かかしの服を着せられたらしい。ガフミンをよく見ると病気にかかっているらしく、皮膚は半分腐りかけていて、もう長くはなさそうだ。動くかかしはこうやって増やされていたようだ。連れて行くのも危険なので、とりあえず置いて行き、後で回収する事にする。

ファンブリーの家は悲惨な状況だった。家のあちこちには血の跡があり、一家はみな殺されている。家の主だったであろう男はサンドポイントの水車小屋と同じように、胸にはマークを刻まれ、手足は薪のように並べられている。これは何かの儀式なのだろうか…。
なんか手紙があった気がするけど中身は忘れた。

家を出るとかかしの群れに襲われた。入り口には他のかかしより少し強そうなUndeadが立ちふさがり、他のかかし達が窓を割って家の中へと進入してくる。まずい状況かと思われたが、リリーのTurn Undeadが成功し、かかし達は普通の死体へと戻った。我々は家に火をつけ、死体共々全てを焼き払う事にした。

ガフミンはガムリリーが治療したものの、結局病気が進行して死んでしまった。
 

 Misgiving

 
農場で一晩休み、Misgivingへと向かう。崖っぷちに立つ巨大な洋館の入り口には妙に太ったカラスが群れており、まるで知能があるかのようにこちらを見ている。ガムがカラスに話しかけようとしたが、無視してどこかへ飛び去って行った。

焼けた使用人用の建物の横を通り、館に入ると急にケルダが鼻血を出した。どうも館の中には霊的なものが潜んでいるようだ。館の中では部屋に入るたびに鼻血を出していた。それにしても、汚い女だ。
館の中ではいろいろな事があったのだが、要約すると、
 
・先々代フォックスグラム当主はLichになろうとしていたらしい。それを見つけた妻は止めようとして使用人館に火を付け、二人で殺し合いをしたらしい。
・先代フォックスグラム夫妻もよく分からないが似たような理由で殺し合いをしたらしい
・現フォックスグラム当主(アルダーン)は妻の浮気を疑って妻を殺したらしい
ケルダは霊的な現象がおきそうになると鼻血を出す。
 
という曰く付きの館で、その怨念が残っているらしく、部屋に入るたびに霊的な現象に遭遇した。
 
PL注:ほぼ全ての部屋に入るたびにホラーな幻視が見えてWill Saveを要求される。失敗すると病気にかかったり、Ability Damageを受けたり、屋根の上から崖の下まで飛び込んでみようとしたりする。
 
一つ気になったのは屋根裏部屋のステンドグラスだ。5つの絵が並んでおり、それぞれ蠍、細身の男、蛾、釣り鐘のような花、森にいる女に蜘蛛が忍び寄る様子が描かれている。私の知識によれば、これらは全て毒物(蠍の毒、ヴァンパイアの毒、蛾の毒、ベラドンナ、毒で死んだ処女の血)を示している。"儀式"に何か関係があるのかもしれない。

ひどい目にあいながらもくまなく部屋を探索し、最後に屋根裏部屋を残すのみとなった。気を引き締めて最後の部屋を開けると、部屋の一角には、幽霊のように半透明の女がうずくまっていた。声をかけようとすると、急に「アルダーン!!」と叫び、我々を無視して部屋を出ようとした。訳が分からず入り口のあたりでまごまごしていると、我々を邪魔だと思ったのか女は心が心から震えるような叫び声をあげ始めた。Willセーブが弱点な我々はあえなく逃走するはめに。

Willセーブに成功した数名は、他のメンバーが正気に戻るまで女を追跡していたが、家の地下に降りて行ったのを確認すると他のメンバーが正気になるまで待つことに。しばらくしてから追いかけると、この屋敷の地下には自然洞窟があることが分かった。動く死体が数名待ち構えていたが、リリーが聖印でお払いすると動かなくなった。

洞窟の奥にはいかにも特別にしつらえた扉があった。意を決して扉を開けると、アルダーンが倒れており、その近くで女が息を切らしていた。女はアルダーンに殺された妻の幽霊らしく、恨みは晴らしたと言って消えてしまった。

アルダーンの死体(とは言っても、こいつもUndeadだったようだ。死肉のにおいがする)を漁ると、手紙が出てきた。手紙には次のような事が書いてあった。

ハンドアウト3

…意味はよく分からないが、背後に何か陰謀があるのは間違いなさそうだ。

他の手がかりが無いかと地下室を調べていたところで腐った巨大な蝙蝠と遭遇した。応戦したが、残念ながら勝ち目は薄そうだったので撤退した。この戦いで、ガムの飼い犬はまた死んでしまった。まあ、狭い地下室の入り口からあの巨体が出てくる事はないだろうし、放っておいても問題はないだろう。館でミリヒケルダが病気にかかってしまった事だし、我々は一度サンドポイントへ帰る事にした。



 今日の迷言

「じゃあ油に火を付けます」 (リリー、療養所の中でUndeadを見て。この後で火打ち石を取り上げられた。)
「臭いのを追跡しろ。おっと、ファロンじゃ無い方な」 (ガム、森の中でマグにアルダーン?を追跡させる時)
「未熟なかかし」 (DM、まだ生きている人が入っているかかしのことを)
「あー、やる事ねー」(PL達、Undeadが出た時のケルダのセリフを代弁)
「本当はこいつがボスだったけど、Stat見たら奥さんの方が強そうだったから」 (DM、アルダーンが倒れているシーンで)