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第12回

一日目

モーロックのクーデターを食い止めた我々は司祭に話を聞くことになった。
それによるとクラインはプレインヴァンパイアと呼ばれる肉の透明な吸血鬼に地下から甦らんとする危機に対しての共闘の交渉に行き、更にそのままその奥のサーペントフォークの居住地に向かったらしい。

なんと!司祭に聞いた大まかな勢力図によると、クラインの居ると思しき蛇人の拠点に行くには
その恐ろしげな吸血鬼の居住区を抜けなければならないではないか。
しかしまあこちらの握手に応じてくれるような平和的な存在であればコンプリヘンドランゲージで言ってることは分かるからなんとかなろうだろう。
地下共通語の嗜みがあるクレインがいれば心強いが、彼が熱病の後遺症に苦しんでいる手前、無理に連れ出す訳にもいかぬ。

司祭の得意技である祝宴の魔法を頂きつつサーペントフォークの居住地に向かって探索を開始した。
水中戦の準備は無いため地底湖の畔を歩いて行き、四本腕で縦に裂けた口の怪物を退け進んでいくと大きなドームが見つかった。
ここはこの大空洞からさらに地下の世界に進むための通路であるようだ。モーロックの集落の奥にも似たような建造物があったためこの辺りには他にもドームがあるのかも知れない。
更に進んで行くとコウモリのゾンビの様なものに乗ったヴァンパイアの斥候に会った。何かしゃべっている様だがしばらくすると攻撃の意思を示しだしたので撃退した。

一応身振りで言葉が通じないことを伝えることも考えたがその隙を突いて攻撃を開始してくることを懸念してしないことにした。
斥候はお世辞にも強いとは言い難く吸血鬼の居住区は最悪武力制圧も可能だろうと判断する。
それにしてもコウモリから落ちた斥候を全速力で虎に狩りに行かせるシンシアはやはり容赦が無い。

斥候を取り逃がしてしまったが湖方向に逃げて行ったのでとりあえず湖沿いの探索を続ける。
大きな滑斜面にい出くわしそこでタコの足の生えたクモ男と戦闘になった。このクモ男が移動すると胞子が撒き散らされ、かけておいた魔法が消し飛んでしまうようだ。
途中で熱病から立ち直ったクレインが増援として駆けつけるも異様な臭気を発する息で行動不能になってしまっていた。
キールの慈悲の力で吐き気を取り除けるのが幸いし徐々にダメージを与えて倒したが、これ以上の探索は不可能と考えてモーロックの集落に戻った。

二日目


今日も司祭さんの飯がうまい。パーティ一の特殊グルメであるキールもご満悦の様子だ。

昨日と同じルートで進むと新しくドームが見えてきた。周囲の様子から言って例のヴァンパイアの根城だろう。
斥候から話が言っているだろうからして、かなり敵対的な態度からの接触になるのは覚悟していたが、
中略
戦闘になった。
術師を含む大量のヴァンパイアと別室に待機していたダイモンとの戦闘は苛烈を極め、敵の産み出す刃の壁で分断されたり切れ味鋭い攻撃に大出血を被ったりと酷い目にあったがなんとか撤退に成功した。

猿軍団の時しかりモーロックの館の時しかりだが、城攻めはタフだが撤退せずに粘れば押し切れるという認識が甘かった。
しかし善の使徒たるパラディンにダイモンとの繋がりのある連中と交渉せよというのは難しいのかも知れない。
アーバダー様の信徒はこういう時こそ間に入り中立の立場から交渉を補佐すべきなのだろうか。
交渉術に長けた仲間に依存して胡座をかいている状態は良くないのではと反省する。

三日目


今日もやっぱり司祭さんの飯がうまい。死地を踏んだからか食事の楽しみは命があればこそだと痛感する。

ヴァンパイアとの言語的及び物理的な交渉は失敗してしまった。
陸路での探索は困難になったため、今まで避けていた湖を通るルートに切り替える。
目に見えて危険そうな場所を避けて湖を進むとサーペントフォークの居住区の雰囲気がしてきた。
湖上の巨大な蛇の形の建造物が砦になっておりそこにクラインが捕まっているのではないかと考え、砦に潜入しクラインを奪回する作戦を立てる。
前準備として、砦の外壁が崩れている所を発見し、そこにいた大海蛇を退けて侵入拠点を確保した。
その後メリアタがサーペントフォークの姿に化け先行偵察し、他はその後を追うという方法で探索を進める。
途中の詰め所の雑談を盗聴してクラインがここに居ることを確認し、彼が生贄になる可能性すら出てきたため先を急いだ。
その後メリアタが念話で話せないことから魔術師のような姿のサーペントフォークに変装がバレる。
しかしメリアタが色々策を弄して逃げると魔術師は詰め所の手下に指示を出して追う足を緩めたため、キールの新技「みんなで聖なる一撃」を使った打撃戦で衛兵を倒して撤退した。

この技を使うとあのシンシアやクレインでさえキールの様に純然たる正義に目覚めた眼差しで
攻撃を繰り出すようになるのかと思うと薄ら寒いものすら覚える。
エラスティル様はその様に清濁併せ呑む器の大きい御方なのだろうか。
そうであるならば発展した都市の素晴らしさをもう少し認めて下さってもよかろうものなのだが。

撤退後、我々が利用できる力として上層の遺跡にいるパスファインダー協会の部隊がある事を思い出し、物資補給のため一度地表まで戻ることにした。