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第5回

今日からしばらく冒険の記録をつける係になった。
なんでもパスファインダーという団体は、構成してるパーティの各々が綴った冒険譚のやり取りが主な活動内容であるため、そこへの加入を目的としているのならば記録は漏らさずとっておかねばならないということらしい。
正直なところ私はパスファインダーなんてあんまり興味ないため、本当はこんなのはケルダ達だけで勝手にやっていて欲しいところなのだけれど、記録をつけることは大切なことだと師匠が言っていたので、手伝うことにした。

                             サンドポイントデズナ神殿所属シスターリリー


1日目

幽霊屋敷で散々な目に遭いつつもサンドポイントへ無事帰還した私達は、屋敷での出来事や屋敷で手に入れたメモについてサンドポイントのシェリフに報告しに行くことにした。
このとき魔法やアンデッドの存在について理解できないシェリフに対してケルダが暗示だの病気だの言って無理やり納得させていた。目の前に魔法使いが居るって言うのにその存在を理解できないなんて一般人は本当にどうしようもない。
結局、メモに書かれている『洞窟で採取した例の物』の1文が気になったためにもう一度屋敷地下の洞窟を調査しに行くことになった。巨大アンデッドコウモリとの再戦である。
一通り準備を済ませて、翌日出発することになった。

2日目

今日は最悪の日だった。
何が最悪かというと、まずは幽霊屋敷までわざわざ歩いていかなくてはいけなくなったのだ。
前回来たときに馬をカラスに食べられてしまったためである。
しかたなく何時間も歩いてやっと屋敷へ着くと、屋根の上から憎き件のカラスが襲ってきた。
思ったとおりアンデッドだったためすぐさまデズナ様の力で浄化してやった。
これでこのカラスによる周辺への被害はなくなることだろう。
次に、屋敷の中へ入っていくと、急に目の前に死んだはずのアルダーンが現れた。
見れば肉が腐っており、アンデッドであることは明らかである。
私はデズナ様の聖印を掲げ、浄化の力を使ったが、効く様子はまったく無い。
ヤツが私をひと睨みすると、私の体は指一本動かせなくなった。
そしてヤツは私の名を呼びつつこちらに迫ってくるではないか。
逃げ出したくても体は動かず、腐臭が近づいてくる中、悲鳴をあげようにも声も上がらない。
仲間に助けを求めようと視線を送るが、何も見えていない様子。
どうやら幻覚だということに気付くと、消え去ってしまった。
ああ、本当に思い出しただけでも気持ち悪い。

先日ダイアバットと戦った洞窟へ到着したが、何も見当たらない。
どこかへ行ってしまったのだろうか。そう思ったときパーティの後ろから音も無く襲い掛かってきた。
どうやら天井に隠れていたらしい。
戦闘自体は、私のハイドフロムアンデッドの呪文が上手く効き、危なげもなく勝つことができた。
その後、皆で奥にある井戸を調べてる中、ガムは何やら周囲の異変に気付いた。
ガムが危険を知らせるため声を上げると同時に洞窟の壁の穴から無数のラットが飛び出してきた。
そのラットは屋敷の1階にも居た病気のもので、我々も数人が噛まれて病気になってしまった。
ラットの群れを撃退し、よくよく洞窟を調べると、この病気ラットを養殖した痕跡が見られた。
後でわかった事だが、例の農場でのアンデッド騒ぎで見られたアンデッドになる病気には、このラットに噛まれることによって感染するのだ。
メモにある『例の物』とはこのラットのことだったのだ。

サンドポイントに戻った我々は、アルダーンの足跡を調べるため、マグニマーへ向かうための準備を開始した。
まず、現地の人間への紹介を誰かに頼もうと思ったが、マグニマーの市長は大変評判が悪いようなので、サンドポイントのシェリフに、マグニマーのシェリフへの紹介状を書いてもらった。
出発は翌日なので、我々は各自師匠へ旅立ちの挨拶をしに行った。

エルメラン師匠のところへ挨拶に向かうと、話があるからと言って奥へ通された。
なんでも師匠はそろそろ本業に戻るので、私の師匠はこれ以上続けられないらしい。
置き土産に、ゴブリン襲撃の際に壊れてしまった私の杖を修理して強化してくれていた。
師匠、今までありがとうございました。いつかあなたのような立派な魔法使いになってみせます。

皆と合流すると、ケルダが何やらぼやいていた。
話を聞くと、マグニマーまで行くならと、師匠にお使いを頼まれたらしいのだが、その内容が5000gpと高額な上に、自分で立て替えて買わなければならないらしい。
大変そうだったが、他人事なので気にしないことにした。

3日目

マグニマーへの道中、一匹のバイソンと会う。
ガムがドルイド団子なる物を与えて対話を試みた。
ガムが言うには、彼はこんなことを言っていたらしい。
「俺は、自慢じゃないが鼻が効く。だが弱点はWillセーヴだ。」
渋い牛である。

マグニマーの町は相当大きかった。
海に面した町で、海に向かってとても巨大な橋が架かっている。
橋は少しだけ海の上にかかったところで崩れ去っているため、橋としての役割は果たせないが、その上は上流階級の人間が住む高級住宅地となっている。
ちなみに橋の下の日の当らない地区はスラム街になっている。

町に入るとミリヒに火打石と私特性火炎ビンを取り上げられてしまった。
門番とガムが、ガムの連れているヒョウにかんして言い争っていたが、なんとか言いくるめられたようだ。
紹介状の相手はベイル・アージェンティン。マグニマーの13人いる裁判官の1人で、貴族だ。
橋の陸側の端の近くの、高台の屋敷に住んでいるらしい。
屋敷へ行くと、ファロンは門前払いをくらったりした。

翌日にアルダーンの屋敷へ行くことになったので、この日はもろもろの準備を行うことになった。
宿をとり、高級な服を買い、酒場で情報収集を行った。
酒場で得られた情報は以下の通り。
・現在マグニマーでは連続猟奇殺人事件が起きていて、皮挽きの殺人事件と呼ばれている。
・殺された人間は、いずれもケチでロクでもないやつらばかりだった。
・市長選が近い。マグニマーの選挙はかなりダーティで、金は当たり前のように動く。
・町にある巨大な橋は、300年まえの市長が一度壊そうとしたが、中から巨大蜘蛛がわきだした。
・アイズオブホークスという2人の魔法使いが蜘蛛を倒し、それ以降橋を壊すことはタブー。

この後私は、火打石を買うため、皆と別行動をとることにしたのだが、その間皆はパスファインダーのマグニマー支店へ向かっていた。
パスファインダーに登録するため、ここでパーティ名が『ルーンシーカーズ』と決まった。

ケルダはパスファインダー支部で以下の情報を100gp買った。
・アルダーンの祖父は自称高名な魔法使いで、ブラザーズオブセブンという組織と繋がりがあった。
・そのつながりでリッチになる秘術を知ったが、奥さんに止められ完遂できなかった。
・その秘術に必要なのは5つの毒である。
・儀式のために屋敷を立てたがお金が足りず、ブラザーズオブセブンから金を借りて、子孫まで返済義務を負う契約をした。
・モンスタラスヒューマノイドでイントが高い奴らは自分達のことを「大自然の異端者」と好んで呼ぶらしい。

幽霊屋敷にいたのはアルダーンの祖父だったのだろうか。

4日目

朝からアルダーンの屋敷へ行った。アルダーンは普通に出てきた。
中に通されアルダーンの話を聞くと、幽霊屋敷は周りに居るカラスが危険で、中も薄気味悪かったためここ最近は近寄っていないということらしい。
ブラザーズオブセブンとの関係を問うと、祖父がミスギビングの館を建てる際、100年後ブラザーズオブセブンのものになる条件で費用の2/3を融資してもらっていて、今も週200gpのローンを払い続けているという話を聞いた。
話を聞いているうちにお昼になったので、ランチをご馳走になることになった。
不穏な気配を察したハワードは、食べる振りだけして乗り切ろうとしたが、思いっきり失敗してしまい、気付かれてしまった。
その時、アルダーンとメイドの顔が割れて肉の固まりのような怪物になって襲い掛かってきた。
ハワードが睨んだとおり料理には何かが入っていたようで、皆体に異変を感じたが、根性で耐えた。
そのころファロンミリヒは外にいた。
腕が伸びたり、正確に急所を攻撃してきたりしてくる強敵だったが辛くも勝利を収め、手がかりを探すと、「水車小屋のセブンズソーミルで受け渡し」というメモ書きが見つかった。
他にも屋敷を漁って200ppを手に入れた。

5日目

水車小屋へ赴くと、そこには見張りらしき人影が見える。
「ブラザーズオブセブンの方ですか?」
声をかけると無言で奥へ通された。
皆が中に入ると同時にドアに鍵をかけられ、奥からドカドカと大勢の足音がやってきた。
「誰だお前ら!我々の神聖な儀式を邪魔するつもりか!」
先頭の偉そうな男は吼えると奥へ引っ込んだ。
ルーンシーカーズの面々が武器を抜くと同時に、敵方の雑魚共はおもむろに1つ目の仮面をつけてマントを羽織った。
「「イー!」」
雑魚は数に物をいわせてコマンドを連発したり、たまにスニークしたりしてくるが、あまり強くはない。
前線になっている階段が狭くて戦闘に参加できないハワードは奥の鍵のかかっている部屋を探索し始めた。
部屋の奥の扉の先には何も無く、部屋の天井に穴がある。
壁のスイッチを入れるとその穴から梯子が下りてきた。
天井裏へ上ったハワードファロンはカラスがいるのを見つけた。
後から私とガムも上り、ガムはカラスと会話を始めた。
ガムを通じてファミリアになってもらおうと交渉したけど断られた。
ボスはミリヒに気絶させられた。
滝が描かれた見事な絵画を見つけた。これは大昔に存在した伝説の都市を描いたものであり、その都市では、今はもう存在しない"アルケミック"という呪文系統を使用していたらしい。
この絵は200gpで売れた。
他の戦利品はスペルブックと絵本。絵本は酷い話だったが、芸術性が高く、500gpで売れた。
ボスの日記も見つけたが、ドラコニックとインファーナルとエルヴンをごちゃ混ぜにした暗号で書かれているため読むのに苦労した。
ボスは"大自然の異端者"の"妖艶なる女"に心を奪われた悪いジャッジで、セブンズブラザーズにも所属しているらしい。
ボスを引っ立てると、こちらの聞くことをペラペラと喋ってくれた。"妖艶なる女"は2つの姿の姿を持ち、1つは美しい女性、もう1つは下半身が蛇のでかい化け物だ。
エンペラーオブフォーンズというタッシロン時代からある槍を持っていて、それはダークウッド製の柄を持っており、刺されるとそこから嘆きエネルギーが出て周りの人が嘆くらしい。
他に、メデューサマスクという仮面をつけていて、睨まれると大変なことになるらしい。
空を飛ぶことができるとか。
"妖艶なる女"のアジトは橋の下の時計の建物 、"シャドウクロック"。
門番のスケアクローは、鎌を持って帽子をかぶっている風貌で、とても強く、でかくて早いらしい。
病気のネズミはアルダーンをグールにして手駒にするのが目的だったとか。

その日のうちに橋の下まで行き、塔を見上げると"シャドウクロック"は9階建てだった。
中に入ると、誰もいない。スケアクローは留守なのかと、一行が中へ踏み込むと、物陰に隠れていた敵がサイズを振り上げミリヒに襲い掛かった。スケアクローはフレッシュゴーレムだった。
その攻撃は非常に強力で、旗色が悪いと思った一行は撤退。
体勢を整えて再戦し、今度はケルダの連発したグリッターダストが運よく効いてくれてなんとか倒すことに成功した。

奥は吹き抜けの螺旋階段で、外から見たときは9階に見えたが、実際はそこまで高くは無さそうだ。
階段を登っていくと、上からガランガランとすごい音がして、鐘が転がり落ちてきた。
ミリヒケルダは避け損ねてモロにぶつかり、ケルダにいたっては踏み外して吹き抜けを落ちていった。

ケルダのところへ降りようと思った矢先、上から半人半蛇の化け物が飛んできて槍で刺してきた。
槍から発せられる嘆きエナジーによりミリヒのウィズダムがドレインされた。
攻撃力も半端なく、勝ち目がないことを悟ったルーンシーカーズの面々は、我先にと階段から50フィート飛び降り、外へ逃げさった。

6日目

翌日ジャッジに話して20人ほどの兵を引きつれ、塔へ行ったがもぬけの殻だった。
仕方なく家捜しすると殺しのターゲットのリストが残されていた。
リストに市長の名前があったので屋敷へ行くと、報酬としてジャッジと分けろと36000gpをくれた。
さらに仕事もくれた。東の町で土着民との抗争があったから10年位前レンジャー部隊を派遣して何とかしたのだが、最近そこから連絡が無いため様子見て来てほしいらしい。
報酬は1人2000gpで、前金で1000gpを受け取った。
明日から出発である。