トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

20170827_2

地獄の法律事務所

 キンターゴ契約の秘密

たまには頭の体操も

バージライの肉体は滅ぼしたものの、その陰謀を完全に潰えさせるためには奴の魂も滅ぼさなければならないという情報を得た一行は、まずはバージライの計画についてもっと詳しく調べることにした。
とにかく奴の計画には不明瞭な部分が多い。やみくもにやっても時間を無駄にするだけだろう。こういう高度な魔法が絡んだ計画は、然るべき手順を踏まなければどうにもならないものだ。
手がかりはいくつかある。まずはバージライの心臓の代りに埋め込まれていた多面体だ。あれはシェリアックスで稀に見る魔法の収納器具だ。おそらくあの中にはバージライにとって非常に重要なものが入っているだろう。
シリウスがどうにかして多面体を開放すると、その中には大量の書類とスクロールケース、悪魔の像らしきものが入っていた。
手分けして読んでいくと、一通の手紙があった。
どうやらこれはバージライが地獄の悪魔オデカイディというものとやり取りをした時の記録らしい。
バージライはキンターゴ契約というものについてオデカイディに相談していたようだ。
また手紙には追加のサービスが必要な場合は、地獄にあるオデカイディのオフィスを訪ねるように書いてあった。その時は同封した悪魔の像を使えばいいらしい。ただし、事前に通告した合言葉を告げなかった場合、身の安全は保障しないなどと物騒なことが書いてある。無論合言葉はどこにも見つからなかった。
 
更に書類の中身も精査していく。Secret Pageがかかっており、いかにも重要書類という感じだ。
書類の一部はバージライとメフィストの契約の内容が書かれており、それによればバージライの魂は現在メフィストの元で奉仕しているらしい。
この奉仕はバージライの本来の寿命が尽きるまで続き、それが終わるとバージライの目論見通りラボネルとの一体化が完了してしまうようだ。
それまでにバージライの魂を滅ぼさねばならないが、果たしてメフィストがそれを黙って見ているか?できればバージライとメフィストの契約を破棄させたいものだが…
また、書類にはキンターゴ契約についてももっと詳しく書いてあった。
それによればキンターゴ契約はシェリアックス帝国建国時にアスモデウスと初代アブロゲイル女王が結んだシェリアックス契約の一部である。
ラボネル地方の扱いについて、ラボネルをシェリアックス軍が防衛すると言う事を当時のキンターゴ市長と結んだものらしい。
要するにバージライなどシェリアックスの代官は、この契約に基づいてラボネルに来ていると言う事か。
この契約を何とかできればシェリアックスからの干渉をシャットダウンできるかもしれないが、非常に複雑で難解な契約で、どうにも契約破棄の糸口は見つからなかった。
 
まあ、書類を調べて分かりそうなことは大体わかったと思われるので、一行は次に墓地の地下にあるマハザラの神殿とそのレリックを調査することにした。

 Mouth of the Souls

マハザラの神殿

墓地に隠されたエレベーターを使って地下に向かう一行。
赤竜アドラカシュのゴーストからWaves of Exhaustionを食らったり、休憩中にシャドウ・ゴーレムの襲撃を受けたりと色々あったが、とりあえずは神殿につく。
するとまたマハザラ神官のゴーストが出てきたので、適当に誤魔化して話を聞く。
彼女の話では、この先にマハザラのレリックがあるが、アドモザバという強力なデヴィルが守っているらしい。肉体攻撃が強力でBlasphemyも使ってくるという。
まあ、そうは言っても逃げ帰るわけにもいかないのでかけられる限りの強化呪文をかけて突入。
なるほどアドモザバは強力で、特にインファーナル・ウーンズの呪いが強力だったが、所詮は多勢に無勢、最後にはコーディアに切り殺されてしまった。
 
デヴィルが守っていた奥には紫色とクリーム色の混ざった泉のようなものがあり、その上空には水の入った器が浮いている。そして器の中には動いている心臓が。これがバージライの心臓なのだろうか。
シリウスが心臓を取り出すと突然黒い服を着た女性?が現れた。
彼女はもこもことした服と杖を持っており、有無を言わさずマハザラ神官のゴーストを滅ぼしてしまう。
どうやら非常に高位のPsychopompの様だ。
彼女が言うには自分は世の過ちを正すもの、このレリックは非常に邪悪なので是非とも壊さなければならないとの事だ。
その意見にはまったくもって同意だったので、壊し方を聞いてみたが、Mage's DisjunctionとかWishとかが必要だったので今すぐは無理という結論になった。
この人もそこまで急いでいるわけではなく、準備を整えてからで構わないと言う事だ。
また、アーティファクトを壊すとマハザラの怒りを買って、刺客としてPitfiend Dukeあたりが送られてくるので、その時は力を貸そうとか物騒な事を言っている。
うーん、この人はやっぱりファラズマ様の配下のPsychopompなのだろうか。
 
その後、Deathwardかけておけばブレスもエナジードレインも防げるし、何とかなるんじゃないかと言う事で、アドラカシュの宝を狙いに行った一行だったが、世の中そんなに甘くはなかった。
アドラカシュのゴーストの爪には不思議な力があり、攻撃が命中するとDivine Spellが解呪されてしまうのだ。
これにより肝心のDeathwardが解けてしまった上、Quicken Finger of Deathを食らってスピンテルが死んでしまったので、これは無理だと言う事で撤退した。
まあ、アドラカシュはバージライとは関係なさそうだし、無理に戦う必要はないよね。
 

 オデカイディ法律事務所

困った時の占い頼り

こうして見事にバージライの心臓を手に入れたSilver Ravenだったが、その扱いではたと困った。
こんな気色の悪いものとっとと破棄してしまいたいが、高度な魔法儀式が関わっているとなると迂闊なことはできない。
普通ならDivinationやCommuneの出番だが、残念ながらそう言った呪文の使い手はSilver Ravenにはいないのだ。
そこでまあ似たようなものだろうと言う事で占い師のリエルを訪ねてみることにした。
急に来訪してきた連中が魔法の儀式がどうこうとか訳の分からない事を言うので、リエルは目を白黒させていたが、報酬として目の前に金貨を積まれたのでまあとりあえず占ってみるかと言う事になった。
リエルの占いによるとバージライの心臓は最後の戦いで重要な鍵になるので大事に取っておくのが良いという事だった。
一行はリエルを訪ねて正解だったと満足して帰ったのだった。

ちょっとHellまで法律相談に

色々と調べたがなかなか核心は掴めない。
仕方がないので気は進まないが地獄のオデカイディ法律事務所を訪ねることにする。
手紙と一緒に入っていたトークンを壁に投げつけるとみるみる大きくなり口を開けたドラゴンの頭に変化した。
どうやら、この口の中が地獄に繋がっているらしい。
おっかなびっくり入っていくと、意外や意外、通り抜けた先はごく近代的なオフィスだった。……まあ、その辺のソファで商談しているのが皆デヴィルなのに目をつぶれば。
オデカイディとバージライの使っていた合言葉はどうせ分かりっこないので、最初っから諦めて普通に客として来た事にする。
オデカイディはアポのない客とは会わないとすげなく断られるが、そこを何とかと頼み込むと一応取次だけしてくれることに。
誰が飛ばしているのかよく分からないArcane Eyeにジロジロ観察されながら待つこと10分。何の音沙汰もない。
そろそろ退屈してきたところで部下のデヴィルに会議室に案内される。
しかし、ここでも待たされる事40分。ついに痺れを切らしてこちらから出向くことにする。
そう言えば、手紙には合言葉が分からなければ実力で部下を排除して会いに来いと書いてあったな。上等だ。
しかし幸いにもその必要はなく、扉を開けたところでちょうどやって来たオデカイディと鉢合わせした。
オデカイディは角が8本も生えていることを除けば割と人間的なフォルムであった。
早速商談に入る。
オデカイディは思った以上に親切で、特に見返りを要求することもなく色々と説明してくれた。
彼の話ではキンターゴ契約というのは、オデカイディ自身が練り上げた自信作で、実は初代アブロゲイル女王がいざという時の備えとして作った逃げ道なのだという。
女王はアスモデウスと契約を結んでシェリアックス帝国を興す力としたが、当然自身が失敗した時のことも考えていた。
そこでキンターゴ契約ではシェリアックスとラボネルの関係性を巧みに誤魔化して書いてあり、よく読めばラボネルはシェリアックスの領土とは言えないようになっているらしい。
つまり、キンターゴ契約に基づけばラボネルはあくまで独立しており、ラボネルの代表者の要請がなければシェリアックスの軍隊はラボネルに侵入できない決まりになっている。
もし、この契約を破れば、それはキンターゴ契約の上位の契約であるシェリアックス契約にも違反したことになり、シェリアックスから全てのヘル勢力が撤退することになってしまうのだ。
そんな事になればシェリアックスの軍事力はガタ落ち。これまで力で押さえつけていた各地方が続々と反乱を起こすのは火を見るよりも明らかだ。
アブロゲイル女王はいざとなればこれを利用してラボネルに落ち延び、そこで勢力を蓄えて再起を期す心づもりであり、オデカイディも是非自分の自信作が活用されることを望んでいたのだが、幸か不幸かアブロゲイル女王は失墜する前に暗殺されてしまったので、使う機会がなくなってしまったのだった。
おそらくはバージライもこの契約を利用するつもりだったのだろうが、彼もまたシルバーレイヴンに倒された今、もうこの契約を利用できそうな立場の人間はキンターゴの住人ぐらいしかいないのだ。
オデカイディは今でもこの契約が真価を発揮するのを諦めてはおらず、だからこそ一行にこの秘密を伝えるのだという。
この契約で言うところのラボネルの代表者を決定する権利はコート・オブ・ガバナーと呼ばれる人達が持っているが、詳しくはオデカイディも知らないらしい。
一行はキンターゴに戻ってコート・オブ・ガバナーについて調べることにする。
首尾よくラボネルの代表者を選出し、彼にキンターゴ契約の権利を行使させればシェリアックス帝国の干渉をシャットアウトできるかもしれない。
一行はオデカイディに礼を述べると急いでキンターゴに戻ったのだった。

コート・オブ・ガバナーを探せ

キンターゴに戻ってコート・オブ・ガバナーについて調べると、思ったよりも簡単に分かった。
調べによるとコート・オブ・ガバナーの権限はデルロンジ家、メイハート家、ソルスティーン家、タネッセン家、ウルヴィス家の5つの貴族が持っていたらしい。
このうち、デルロンジ家とタネッセン家は今でも存続している。まあスルーン派だったのは心配だが、バージライが倒れた今、利を持って説けば話が分からないこともないだろう。
メイハート家とソルスティーン家は既に没落しているが、子孫は今でもキンターゴ市内に在住している。権限自体はちゃんと継承しているはずだ。
問題は最後のウルヴィス家だ。
ウルヴィス家は数十年前に断絶しており、その子孫は残っていない。この場合コート・オブ・ガバナーの権限はどうなってしまっているのだろうか?
当時の状況について調べてみると、最後の当主が病死した際、全ての財産と権限は最後まで仕えたハーフリングの召使に相続されたという事が判明する。
しかし、ペレテア・トールタローという名のそのハーフリングがそれからどうなったかは分からなかった。
とりあえず困った時の神頼みと言う事で占い師のリエルを訪ねる一行。
リエルも自分は占い師であって探偵じゃないんだから、という顔をしたものの一応占ってみると、ペレテアはなぜか奴隷に売られて一生を終えたらしい。
そこでふとロベリアが最近似たような話を聞いたなあと思いだした。
そう、貴族出身のハーフリング奴隷がいる、というベルフラワーネットワークで流行っているジョークとしてラリアに聞いた話だ。
そこで、ラリアにどこで聞いた噂か確かめてみると、何とラリア自身が自分の祖母から聞いた話だという。
ラリア自身は信じていなかった様だが、Legend Loreとかで調べてみると、年代とかは合うし、ラリアの本当の家族名はトールタローだったので、結構本当っぽい。
何にせよ他に手がかりもないので、ラリアーがグルヴィス家の後継者である前提で話を進めることにする。
オデカイディに聞いたキンターゴ契約の決まりによると、ラボネルの代表者選出は、選出方法も含めて全てコート・オブ・ガバナー達の話し合いで決定する必要があるらしい。
スルーン家に怒りを抱いているラリアーは問題ないとして、後は他の貴族達だ。
一行は、ジリア元市長と相談し、コート・オブ・ガバナーを召集する前に個別に訪問して根回しをしておくことにしたのだった。


続く