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20161010_2

激流騎士団を救出せよ


 シルバーレイヴン暗躍す

新しいお触れ

ホッカムの見世物小屋での戦いから1週間ほどたった。
見世物小屋で倒したモンクたちの死体が大量に運び出されたせいか、町全体の雰囲気が不穏になっている。今度からはなるべく犠牲を少なくしなければ。
そんな不穏な空気の中、バージライは新たなお触れを発表した。
曰く「激流騎士団を解体し、その所有物は全て没収。構成員については全員指名手配とし、善良なる市民には密告を奨励する」との事らしい。
激流騎士団と言えばキンターゴに古くから存在するヘルナイトで、遭難者の救助などに実績があり船乗りたちから信頼されている組織である。
どうやらバージライは抵抗勢力になりかねない地元のヘルナイトを解体し、子飼いの兵隊で固めるつもりのようだ。事実、過激な粛清で悪名高いオーダー・オブ・ラックという騎士団を代わりに呼び寄せたらしい。放っておけばこれまで以上の圧政が待っているだろう。
 
シルバー・レイヴンではこのお触れを受けてどう動くか検討していたら、コーディアのおじさんが急な知らせを持ってきた。
なんでも、ドッタリたちが広場で何らかの見せしめを行うらしい。
早速様子を見に行くと、1人の女性が捕まっており、これから公開処刑を行うようだ。女性はどうやら激流騎士団のメンバーらしい。
彼女は丸腰で檻の中に閉じ込められており、檻の中には数匹の猛犬が離されている。檻の中には1本の柱が建てられており、女性はなんとか柱によじ登って犬達から逃げようとするが、捕まるところもない柱にいつまでも捕まっていられるはずもなく、やがて力尽きて滑り落ち、犬の餌食になってしまう。
しかも、彼女が犬に噛み殺されそうになるとドッタリたちが彼女を引き出し、呪文で傷を治してから再び檻に放り込むので、この責め苦はいつまでも続くのだ。なんという悪辣な所業であろうか。こんな刑を考えた奴は悪魔に違いない。
 
なんとか彼女を救助したいと幻術などを使って揺さぶりをかけてみるも、ドッタリ達の守りは固く突破できそうにない。迂闊に手を出せばこちらまで捕まってしまうだろう。
手をこまねいているところに声をかけてくるものがいた。トゥース&ネイルの女主人、セトロナ=サビナスである。
彼女が言うには、これは彼女の従兄弟であり激流騎士団の団長でもあるオクタビオ=サビナスを誘い出す罠であろうとの事。
オクタビオの隠れ家には心当たりがあるので彼が罠にかからないよう警告に行きたいが、隠れ家はちょっと危険なところにあるので、そこまで護衛してほしいという話だ。
これ以上ここにいてもできることはなさそうなので、セトロナの依頼を受けることにした。
 

オクタビオの隠れ家

セトロナの話ではオクタビオは城壁の外にある聖セニックスの祠に隠れているらしい。
聖セニックスは水難救助の神で、水難救助を得意としていた激流騎士団は、その教団とコネがあったのだという。
 
半日ほどかけて聖セニックスの祠まで行くと、そこには穴が開いていた。祠は地下にあるようだ。
穴を下りていくとそこには水が溜まっており、水難者を両手に抱えた聖セニックスの像が立っていた。
穴の底に降り立つとどこからともなく声が聞こえてくる。
「溺れしものの館を訪れし者、肺の恵みを与えよ。さもなくば恐るべき守護者が行く手を阻むであろう」
ピンときたシリウスが聖セニックスの像を調べると、像が両手に抱えている水難者の口の部分に穴が開いており、そこから息を吹き込むことができるようになっている。
さっそくその穴から息を吹き込んでやると、どうやら正解だったらしく特に何事もなく奥へと進むことができた。
 
祠の奥には鎧を着こんだ男がいた。激流騎士団団長オクタビオその人である。
最初はこちらを追手と勘違いしていたようだが、セトロナが声をかけると味方だと分かったようだ。
とりあえず情報交換をすると、どうも激流騎士団のメンバーの大半はキンターゴの外に出していたため無事だが、街に残っていた騎士見習いたち4人が捕まってしまったようだ。
いくらバージライでも、ただの騎士見習いなど見逃すと思っていたが甘かったようだ。
広場での光景を見て怒りの溜まっていたシルバーレイヴンの面々は、騎士見習いたちが捕まっている留置所を襲撃して脱獄させようぜなどと言って盛り上がるが、なぜかオクタビオは乗り気ではないようだ。
彼の言い分ではドッタリはもともとキンターゴの同胞であるからあまり乱暴なことはしたくないし、そもそもかつてスルーン家に負けて自棄になったシルバーレイヴンが暴れた時代があって、その時にシルバーレイヴンに対抗して結成された激流騎士団がシルバーレイヴンと手を組むというのに抵抗があるらしい。
一行は"そんな過去の出来事持ち出されても知らんがな、めんどくさいやっちゃな"とは思ったものの、ドッタリをあまり傷つけたくないというのは同感だったので、なるべく穏便な方法で解放できないか検討してみると約束した。
 

激流騎士団救出計画

街に戻った一行は救出計画を練るために留置所の情報を集めた。
集めた情報によると、現在留置所はサボというアスモデウスのインクィジターが支配しているようだ。また、アスモデウス神殿から派遣された化物がいるらしい。なんでも全身に刃物が突き刺さった女性の姿をしており、スピンテルの予想ではなんらかのフィーンドだろうとの事だった。
オクタビオとの約束もあるので、なるべく穏便な手段で救出する方法を考えるシルバーレイヴン一味。
最終的には見習い達を首都に移送しろという偽の命令書を作ってかっさらおうという計画になった。偽命令書は万全を期して800gpもかけてプロに作成して貰った。
 
さて、いよいよ作戦を決行する。
一行は騎士団に見えるように変装し、偽命令書を持って留置所に向かった。ただし、見た目からしていかにも少女といったコーディアはどう変装しても不自然なのでお留守番である。
偽命令書の出来は完璧で、門番は疑う様子もなく所長のサボに面会を許される。
サボとの面会では、サボの進めてくれた酒を断ったため気分を害したようだったが、偽命令書を見破れなかったため渋々見習い達の移送を許してくれた。
早速見習い達を解放していくが1人足りない。聞けば例のフィーンドが尋問中とのことだ。
いつ偽物であることがばれるか分からない以上、尋問が終わるのをのんびり待っているわけにはいかない。できれば会いたくはなかったが、なんとかフィーンドを説得してみることにする。
尋問部屋に行くと、広場で見せしめになっていた女性がまた尋問されている。運のない人だ。そして想像以上にキモイフィーンドが尋問を行っている。
彼女を引き渡すように告げるが、フィーンドはのらりくらりとかわし、引き渡そうとしない。ヤバい。明らかに話通じなさそう。と言うか疑われている?
それでも命令書を盾に強引に引き渡すよう要求すると、フィーンドは魔法を使ってこちらの真意を暴こうとしてきた。
しかし全員よほどこいつと戦いたくなかったのか、驚異的な意志力で魔法に抵抗したため、こちらの正体を暴けなかったフィーンドは最終的に諦めて女性を引き渡すことになった。
一行は騎士見習い達を連れて一目散に退散し、こうして激流騎士団救出計画は全く血を流すことなく成功したのだった。
 
救出された見習い達はシルバーレイヴンに深く感謝し、今後はシルバーレイヴンに協力してくれることになった。なるべくそんな事態は避けたいところだが、もし武力衝突が発生するようなことがあれば心強い戦力になってくれることだろう。
また、彼らの話では激流騎士団では前市長のジリアが行方不明になった時に魔法で捜索してみたが見つからなかったらしい。彼らの魔法は特別で死んでいても見つかるはずなので、何らかの手段で魔法が妨害されたのではないかと言う事だ。
もし、前市長の失踪にバージライが関与している証拠があれば、奴を追い落とす切り札にもなる。この件は継続して調べていかなければなるまい。

Scourge of Belialの使い

激流騎士団救出作戦後、1週間ほどたった頃、いつものようにロングロードの喫茶店でだべっていると、一人の女性が訪ねてきた。
彼女の名はエリア・ナンズ。シェリアックス海軍所属の軍船、スコージ・オブ・ベリアル号のファーストメイトだという。
なんでもSoB号のキャプテン・カシアスが会いたがっているとの事だ。
一体何の用かさっぱり心当たりがないが、シェリアックス海軍のお偉いさんの機嫌を損ねるのは嫌なので、取り急ぎ出かけることに。
キャプテンはバージライの出したお触れのせいで上陸できず、そのことでバージライに立腹しているらしい。
 
港に着くとさっそくキャプテン・カシアスの元に案内された。
キャプテンはどこで知ったのか随分とシルバーレイヴンの活動に詳しく、ちらちらと牽制の言葉を投げかけてくる。面倒な相手だ。
キャプテンが一行を呼びつけた理由は、キンターゴの貴族、マーケル=オーロリアンに手紙を届けてほしいとの事だった。
マーケルの所属するオーロリアン家は親バージライ派であり、反バージライ派のマーケルは幽閉されてしまっているらしい。
そこで友人の身を案じたキャプテン・カシアスだったが、助けに行きたくてもお触れのせいで上陸すらできずほとほと困ってしまったとの事。
とりあえずは手紙を届けてくれればいいが、もし助け出せそうだったら助け出してほしいとの事だった。
なんともきな臭い話だが、反バージライ派の救出と聞けば少しはやる気も出る。それになかなかの権力者らしきキャプテン・カシアスに恩を売っておくのは後々役に立つかもしれない。一行はシルバーレイヴンの名のもとに依頼を実行することを約束したのだった。
 
とりあえずコーディアが様子を見に行くと、どうやらターゲットのマーケルは2階の1室に軟禁されている事が判明した。
警備はかなり厳重で、特に厄介そうなのは庭を巡回している3つ首の魔犬サーベライだ。
とりあえずなるべく穏便に事を進めようと考えたシルバーレイヴンは、まずはノックの呪文で遠距離から窓をこじ開け、フィギュリン・オブ・ワンダラスパワーを使ってマーケルと連絡を取ることに成功した。
それによると、やはりマーケルは軟禁されており自力での脱出は困難、なんとか救出してほしいとの事だった。
マーケルの意志を確認できたので、さっそくその晩お屋敷に潜入を試みると、門の鍵が開いているではないか。どうやらマーケルが上手い事お膳立てしてくれているようだ。見張りに賄賂でも握らせたのだろうか。
しかも幸運なことにサーベライも庭の反対側にいるらしく姿が見えない。まさに千載一遇のチャンスである。
一行は再びノックの呪文をかけてマーケルが捕まっている部屋の窓を開け、時間短縮のためにマーケルに窓から飛び降りてもらった。無論、飛び降りたマーケルはフェザーフォールの呪文で軟着陸してもらう。救出成功だ。
こうなれば後は逃げの一手。サーベライや警備兵が追いかけてきたが、どうにか撒く事が出来たのだった。
 
翌日、マーケルを連れてScourge of Belialに向かう。
すると再会したカシアス船長とマーケルは熱烈な抱擁とキスを交わしている。ああ、そういう関係だったのね…。
2人を邪魔しちゃ悪いと思った一行は早々に退散することにしたが、カシアスは非常に感謝しており、この借りは必ず返すと約束してくれた。できる範囲でお願いを3回まで聞いてくれるそうだ。
まあ、帝国の要人とのコネは今後のシルバーレイヴンにとっては得難いものとなるだろう。それにバージライ派の鼻を明かしてやったのは気分が良い。
一行は満足して帰途につこうとすると、ファーストメイトのエリアに呼び止められる。
彼女も今回のことを感謝しており、礼として1つ忠告してくれるそうだ。なんでも平たい顔の女が最近シルバーレイヴンの情報を嗅ぎまわっているらしい。おそらくはバージライの手下だろう。
一行は注意する事を約束すると今度こそ帰ったのだった。

つづく