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第17話

 第17話「デーモンロード」



前回までのあらすじ

アイオメディ神からの使命を授かり、そのヘラルドを救うべくアビスに赴いた"Order of the Righteous Mightの面々。
彼らは一致団結して様々な困難を乗り越え、強大な”父なる芋虫”を打ち倒してようやくヘラルドが捕えられているという逃亡不能牢獄への侵入を果たした。
しかし、そこで彼らを待ち構えていたのは果てしなく続く迷宮であった。
 

わらしべ長者的デーモン捜索方法

とりあえず手がかりを求めて奥に進もうとしたところで、何かおぼろげな手が空中に浮かび、サールディンを手招きしているのに気が付いた。
あれはHelping Handの呪文。まさかここにパラディンの助けを求める囚人がいるのだろうか。
疑わしく感じたメンバーもいたが、サールディンが素直について行ってしまったのと、他に行く当てもないと言う事で何も言わなかった。
 
手に導かれるまま迷宮を1時間ほど歩く。既に道を覚えている者はいない。元の場所に戻る手段はTeleportしかない。
というところでどうやら目的地に着いたらしく手の動きが止まった。
周囲は牢獄?と思われる小部屋のようなものがいくつもあり、透明な壁、おそらくはWall of Forceで区切られている。
そこへ看守と思われるデモダントが襲来し、中をよく見る間もなく戦闘になったが、デモダントは対した敵ではなく順当に蹴散らされた。
改めて周りを見ると、牢の一つにハーフリングの女性が囚われていた。彼女がHelping Handで助けを求めていたらしい。とりあえず救出して話を聞くことにする。
 
彼女の名はワックスベリーといい、メンデヴ・クルセイダーに所属するアイオメディの神官だと名乗った。
彼女はラリスカード攻略戦に参戦しており、ちょうどヘラルドが捕まった場面に遭遇したという。
ヘラルドが怪物にやられて連れ去られる時に、無我夢中でしがみついたら一緒にアビスに来てしまったらしい。無茶をする人だ。
ワックスベリーは気絶してしまったが、気が付くと骨で出来た洞窟にいたという。そこには腐ったような匂いを立てる熱いタールの沼があり、その上空に浮かぶ石の台座の上で、思い出すのも恐ろしい途轍もない怪物と、12本の腕を持つ双頭の蛇女が、アイオメディのヘラルドを拷問しているのを目撃した。
その途轍もない怪物というのがおそらくはバフォメットその人であろう。
ヘラルドは必死に拷問に耐えていたが、最後にはバフォメットに心臓を抜き取られ、その心臓を使っての脅迫に屈してしまったという。なんと恐ろしい事だろう。
ワックスベリーはその後この牢獄に閉じ込められたが、アイオメディ神から「いずれヘラルドを助けにパラディンが現れる。そのものに助けを求め、自らの見たものを教えよ」との啓示があったため、毎日Helping Handでパラディンを探させていたとのことだ。
ワックスベリーは、ヘラルドは心臓を奪われた事とバフォメットの恐ろしい魔術により悪となってしまっただけで、まだ助けられるはずだと訴えた。
 
ともかく、その12本腕の蛇女なら色々と事情を知っていそうなので、その女を探すことにする。
ワックスベリーの聞いたところでは、蛇女の名前はイレシュカ。2つの頭と12本の腕を持つ特別なマリリス・デーモンで、この監獄の獄長を務めている悪魔だ。
手がかりを求めてDivinationしてみると、出会うデーモンを片っ端から倒してもっと強い奴の居所を聞けばいずれ行き当たる、というあまり具体性のない回答を得る。
仕方がないので迷宮を彷徨ってみたが、まったくデーモンに出会わないまま2時間ほどが過ぎる。この監獄の警備体制には欠陥があるのではないだろうか。
いい加減嫌気がさしてきたところでミノタウロスに遭遇。さっそく捕まえて尋問を行う。このミノタウロスはメッセンジャーで、フロリグスタグルという偉いデモダントの居場所を知っていた。ここに来て運が向いてきたようだ。
ミノタウロスに案内させてフロリグスタグル様に襲撃をかける。フロリグスタグル様は敵対するアスラの拷問をお楽しみのところを邪魔されてお冠だったが、拷問対象が増えたと思いなおしてノリノリで襲ってきた。部下2人が結構強かったのでそれなりに手こずったが、なんとかフロリグスタグル様の無力化に成功した。さっそく尋問タイム開始。
 
運のよい事にフロリグスタグル様は名前がついてるだけあってNo.2かNo.3にあたるかなり偉い人で、情報にも通じていた。
まず、ヘラルドはこの牢獄で最も入るのが難しいとされる場所にいるらしい。そこに入るためには迷宮のあちこちにあるテレポーターを乗り継いでいく事になるが、そのためには鍵が必要となるらしい。鍵は3本必要で、獄長のイレシュカとバフォメットのハイプリーストであるスベンダック、そしてこのフロリグスタグルが1本ずつ持っているのだという。とりあえずフロリグスタグルが持っている鍵は奪っておいた。
 

イレシュカ獄長

さて、フロリグスタグルはイレシュカの居場所を知っていたので、さっそく案内をさせる事に。
到着するとそこは幅10フィートの通路をアダマンティン製の格子で仕切って10フィート四方の小部屋をいくつも作ってある。その中の1つは床が赤く塗られており、そこで待っていればイレシュカの方からやってくるらしい。ちなみに格子に出入りできそうな戸口は見当たらない。
これで素直に赤い床で待っていたら罠という可能性もあるし、そうでなくてもガッチガチにバフったイレシュカ様とご対面という恐れもある。ここで優柔不断の虫が顔を出してどうするかグダグダしていたら、しびれを切らしてイレシュカ様の方から襲ってきた。
イレシュカ様は12本のロングソードと尻尾による叩き付けで16回攻撃というDMなら誰でも一度は考えそうなクリーチャー。テレポート直後に圧倒的な速度でイニシアチブを取り、回復の要であるケリアンを細切れに変えようとするが、自分の中に眠るMythicの力を呼び起こしたケリアンは辛うじてこれに耐える。
なんとか回復しつつ反撃に出るが、イレシュカ様は非常に回避能力が高く、誰の攻撃も当たらない。なんだか攻撃の前に12本のロングソードが光っているがあれが何かの秘密なのだろうか?
Dimensional Lock+Wall of Forceで閉じ込めたりDispell Magicで防御呪文を解呪してみたり色々試すが、どれも決定打にならない。Demensional LockはDispellされ、防御呪文は使っていないようだ。打つ手なしか?
しかし、ここでデーモンロード化のリスクを犯してMythic化したラオツェンが勝負に出る。呪文で小さくなると敢えて敵の懐に飛び込んだのだ。こうなるとイレシュカは上手く攻撃を回避することができずACが大幅ダウン。Mythic化したラオツェンの高火力もあって2ラウンド程で撃ち殺されてしまった。
死体を調べてみるとイレシュカが持っていたLongswordは全てDefendingの能力を持っており、12本分のDefending能力を同時起動することで高いACを実現していた様だった。
 
イレシュカは殺してしまったので尋問はできない。案内してきたフロリグスタグルもどさくさに紛れて攻撃してきたので倒してしまった。手がかりが切れたのでイレシュカの部屋を漁ると怪しい文書があった。文字自体は一応読めるのだが、書いてある内容が意味不明だ。おそらく暗号化してあるのだろう。
暗号を解けるような技術の持ち主はパーティーにいなかったので、Limited Wishを使って無理やり読むことに成功。どうやらこの牢獄の構造や捕まっている囚人についての覚書のようだ。
この牢獄は時間がたつと勝手に構造が変わるのだが、ある程度法則はあるらしく、この覚書を利用すればいろんな場所にテレポートで行けそうだという事が分かった。しかも覚書の中にはヘラルドがいると思わしき場所の記述もある。まだスベンダックは倒していないが、これなら奴の持っている鍵は必要なさそうだ。
 
しかし、残念なことに部屋中を探っても奪われたヘラルドの心臓は見つからなかった。予想ではあの心臓がヘラルドをバフォメットの呪縛から解き放つ鍵となるのではないかという事なので、何としても入手しておきたい。
手がかりを求めて覚書に書かれた囚人の中に協力できそうなものがいないか確認してみる。それによると手助けになりそうな強力な存在がいくつかいるらしい。
強力なDevil、太古にルーンロードによって歪められたジャイアントの神、そして驚いた事にルーンロードその人が存在しているようだ。ルーンロードの名はアルダーバッシュ。かつて初代憤怒のルーンロードだった魔術師だ。まさに伝説の人物といえる。
一行は話し合い、この中では一応元人間と言う事で一番話ができそうなアルダーバッシュを訪ねる事に決定し、覚書を頼りにテレポートしたのだった。
 

憤怒のルーンロード

テレポート先は余りにも牢獄らしくない空間だった。豪華な調度品が並び、あまつさえ玉座まである。ここは謁見の間だと言われても納得しただろう。
ただ、そこはガランとしていて誰もいないのが不思議な居心地の悪さを醸し出していた。
気を取り直して捜索を行うと、拍子抜けするほどあっけなくアルダーバッシュは見つかった。見た目は普通の老人にしか見えない。そんなはずないのだが。
アルダーバッシュは開口一番「ようこそ、正義の力団」と言った。
こんな場所に何千年も閉じ込められているはずなのに、なぜ我々の事を知っているのだろうか。流石は元ルーンロードというところか。
アルダーバッシュに敵対の意志はなさそうなので、交渉を持ちかけてみる。こちらの事情は概ね分かっているようなので、説明の手間が省けたのは良い事なのか。
結論から言ってアルダーバッシュは何としてもここを抜け出したいと考えており、そのためなら相当な要求でも呑むつもりだと言う事が分かった。
ただ、アルダーバッシュを開放する方法について聞いたところ、かなり無茶な方法しかないことが判明した。
一つはアルダーバッシュをここに封じている呪文を解除できるまでFreedomの呪文を使うこと。
一つはアルダーバッシュをここに封じている張本人であるバフォメットを滅ぼす事らしい。
正義の力団にはFreedomを使える術者はいないし、バフォメットを倒せるならそもそも苦労はしない。どちらにしろ実現不可能だ。
これで交渉決裂かと思いきや、アルダーバッシュにはバフォメットを倒すための秘策がいくつかあるらしい。それを使えば正義の力団の実力でもバフォメットを倒せる可能性があるとの事だ。
それを聞いて幾人かのメンバーが興味を示したので、まだ懐疑的なメンバーが多かったもののまずは秘策を聞いてからにしようとなった。
 
何でもアルダーバッシュには長年研究して完成させた、ほぼ確実にバフォメットを幻惑させる呪文があるらしい。ただ、その効果を強めるためにフォーカスを手に入れなければならないとのこと。
後はバフォメットの能力の中で、特に危険な能力についての情報がほとんどだった。特にBrasphemyとTimestopがヤバいらしい。
そんな話を聞いているうちに、何となくやれそうな気がしてきたので、なんとなくバフォメットと戦ってみようという話になった。そもそもアルダーバッシュの予想では、ヘラルドを助けるなり倒すなりしたら、その時点でバフォメットに察知されて確実に襲ってくるだろうとの事。どうせ戦いを避けられないならいっちょやってやるか、というやけくそ気味な心境だったのは否定できない。
その見返りとしてお人好し揃いの「正義の力団」はヘラルド救出に協力する事しか求めなかった。アルダーバッシュは内心拍子抜けしていたかもしれない。
 
さて、協力体制になったので色々と今後についてアルダーバッシュと相談する。
まずはアルダーバッシュの呪文に必要だというフォーカスについて聞くと、バフォメットの宝物庫にあるらしい。以前偶々見つけたのだそうだ。アルダーバッシュの予想ではおそらくヘラルドの心臓もそこにあるという事なので、これは是が非でも捜索しなければなるまい。
また、バフォメットと戦う時に横やりを入れられるとシャレにならないので、この迷宮にいる主だった連中は全部殺しておいた方が良いと言われる。
主だった連中としては、フロリグスタグルからも聞いたハイプリーストのスベンダックと、ミノタウロス・アンチパラディンのインガーマゴールというのがいるとのこと。アンチパラディンは今は迷宮にいないが、奴が飼育係を任されているリノームを殺せば駆けつけてくるはずなので、そこを殺せばいいという話だ。
ヘラルドを元に戻すことに関しても相談してみたら、ちょっと前例がないので良く分からないが、おそらく強力な魔法の影響を受けているのは間違いないとの事。そういった呪術においては心臓というのは非常に重要な要素なので、奪われた心臓を取り返すというのがポイントになる可能性は高い。後はやはりAtonementの呪文を使ってみるのが良いのではないかとの事だった。
なんにせよ、今日は大分消耗したので、見張りをアルダーバッシュの作った超強力グールに任せて休息をとることにした。
 

バフォメットの宝物庫

翌日、アルダーバッシュに教わった場所に行くとバフォメットと迷宮が書かれた怪しいタペストリーがある。その裏の壁がIllusionaly Wallになっていて宝物庫につながっていた。
宝物庫で目立つのは四隅にあるアルコーブで、それぞれシミター、グレイブ、糸巻き、剥き出しの心臓がその上に浮いている。あの心臓がヘラルドの心臓だろうか。また、それとは別に黄金色に輝く直径6インチのオーブが別のアルコーブに浮かんでおり、柔らかな金の光を放っている。
また、部屋の北には赤、黒、金の扉があり、それぞれがデーモンとミノタウロスと迷宮を表すルーンが刻まれている。西にはこれまたバフォメットと迷宮が描かれたタペストリー。
更に部屋の中央にはバフォメットを模した巨大な像があり、その周囲には4つの台座がある。
 
外から様子を伺っても何も起きない様子なので、中に入って調べる事にした。
まずは黒い扉を開けてみると、中には空間の穴のようなものがあり、そこから1体のミノタウロスが飛び出してくる。同時に部屋の中央の像も動き出す。案の定ゴーレムだったようだ。
宝物庫の守護者との戦いは、ゴーレムが開けた赤い扉から出て来たデーモンが多少手強かったぐらいで、大した苦労もなく倒すことができた。
 
ガーディアンも倒したので改めて心臓を取ろうとすると、心臓に手を触れたサールディンの姿が突然掻き消えた。
一方、サールディンはいつの間にか見知らぬ迷宮で一人きりになっており、目の前にさっき戦ったのとよく似たミノタウロスがいる。襲ってきたのでとりあえず倒したもののどうすれば迷宮から出られるのかさっぱりわからない。途方に暮れるサールディンだった。
一方、宝物庫側では消えたサールディンの行方を探っていた。よく見ると西の壁にかかっていたタペストリーの中に、どうみてもサールディンとしか思えない人物が増えている。ひょっとしてサールディンはタペストリの中に閉じ込められたのではないか。そう推測した一行はとにかくタペストリーに向かって呼び掛けてみる事にした。
そうするとタペストリーの中のサールディンが反応するではないか。どうやら声は聞こえているらしい。タペストリーを外から見れば脱出経路を見つける事も可能なので、脱出路をサールディンに指示してみると、果たしてサールディンはその通りに動いて無事に脱出してきたのだった。
調べてみたところタペストリーの中に吸い込まれるのはテレポートの一種のようなので、サールディンにDimensional Anchorを打ち込んでから取ってもらうと特に問題なく宝を取ることができた。
 
入手した宝を手にいったんアルダーバッシュの元に戻って鑑定タイム。
一番気になる心臓は思った通りヘラルドの心臓だった。だが、本体が邪悪化した影響を受けてかものすごく邪悪なオーラを発している。ネガティブレベル着いちゃうぐらい。幸いAtonementする事で24時間の間オーラを抑制する事が出来る事が分かったので、ペンテシレイアが毎日Atonementすることにした。
シミターもまた邪悪なオーラを放っていたが、これは元々はサーレンレイが使っていた武器の欠片から生み出されたもので神聖な武器らしい。バフォメットが何らかの手段で邪悪化したのであろう。ドレゼンの地下にある転換炉を使って邪悪化を解くことが出来たら心強い装備になるかもしれない。
グレイヴも邪悪なオーラを放っている。これは正真正銘邪悪な武器であり、かつてバフォメットその人が使っていた武器らしい。現在はもっと良い武器を手に入れたので使っていないが、記念として取ってあるのだろうと言う事。これも持ち帰って善なる武器に変換しようかという案も出たが、バフォメットが大事にしている武器なので、目の前で壊して挑発すればバフォメットが冷静さを失うかもしれないという意見に基づき、サールディンがバフォメットの前で壊すことになった。
糸巻きは特に邪悪なものではなかったが、やはりバフォメットゆかりの品物らしい。アルダーバッシュが言っていたフォーカスはこの糸巻きの事。これを使って呪文をかければほぼ確実にDazeさせられるはずだと嬉しそうだった。
謎のオーブはダミーだったらしく、特に魔力のないオーブであった。まあ売れば多少の金にはなるとの事。
 

迷宮の大掃除

次にバフォメットとの戦いに絡んでくる恐れのある存在を迷宮から排除することに。
どう考えてもバフォメットの相手だけでいっぱいいっぱいなので、正直普通のミノタウロスとかデモダントとか混じってくるだけでもつらい。
と言うわけでハイプリーストのスベンダックを倒しに向かう。バフォメットをHealされたりしたらシャレにならん。
スベンダックはドラウの女性でお供に沢山のデモダントを連れていた。そして当然のようにMythic呪文で攻撃してきた。
本人もお供達もなかなかの強敵ではあったが、ラオツェンの射撃でゴリゴリ削られてヤバくなったところでWord of Recallで撤退。まんまと逃げられてしまった。
逃がしてしまったのは失策であったが、彼女はもともとドラウの女王で敵も多く、ここ1年は死ぬ可能性ができてしまったバフォメットの命令でやむを得ずここを守っていたに過ぎないらしい。
これ幸いと再度招聘されるまで自国にいる可能性が高いのが救いだろう。
 
次はアンチパラディンが世話をしているというリノームを倒しに行く。奴の巣穴は強アルカリ性の沼の中にあり、あたりにはCloudkill並みの有毒性を持つガスが充満している。
リノーム自体も非常に強力ではあったが、これまでに戦ったFather of Wormsやイレシュカの様な化け物に比べればいくらかマシではあった。
リノームを倒してそのねぐらを漁ると大量のコインが。およそ100万枚のコインはBag of Holdingsにも入りきらなかったため、銅貨の一部は諦める事になった。
一行は毒ガスを避けて少し離れたところでアンチパラディンがやってくるのを待っていたが、しばらく待っても来ないので諦める事にした。
 
これでとりあえずやれるだけの事はやったので、いよいよ明日ヘラルド、そしてバフォメットに挑むことにした。
 

悪のヘラルド

翌日、考えられる限りの準備をしてヘラルドを殴りに行く。そのままバフォメット戦になる予定なのでみんな真剣な表情。Greater Spell Immynityなどの強力な呪文で念入りに防御を固めていく。
 
準備ができたところでテレポートし、ヘラルドの元へと向かう。
そこはヘラルドが拷問を受けていた場所で、ワックスベリーの言っていた通り熱したタールの池の上に石でできた台座が浮かんでいる。台座にはいくつものルーンが刻まれており、いかにも邪悪な雰囲気を出している。そして部屋の奥にたたずむのはアイオメディのヘラルドの成れの果てだ。その胸には無残な穴が開きっぱなしになっている。
ヘラルドは口を開くとこのように告げた。
「お前達が無謀にも私を助けようとやって来た者達か。歓迎しよう。お前達を殺すことで私はバフォメット様の忠実なヘラルドとして完成するのだ」
そう言うと巨大な剣を振りかざし恐ろしい勢いで襲い掛かってきた。
一行はこれを迎撃。まだヘラルドを救う事をあきらめていない一行はヘラルドの攻撃を耐え忍びつつアイオメディ神から授かったAtonementをかけていく事にした。
まずはペンテシレイアがAtonementを使ってみると確かに効果がある。だが、ヘラルドの魂は分厚い闇に覆われており、1度では解放できないようだ。
そこでサールディンが決死の覚悟でヘラルドに組み付き、その胸の穴に心臓を押し込むことに成功した。これによりヘラルドの魂にAtonementの力が届きやすくなった。
一行はここぞとばかりにAtonementを次々と使用し、ついにはヘラルドの魂を開放することに成功した。しかし、元より肉体的には限界だったヘラルドは邪悪な力の加護を失ったことで死んでしまった。
 

デーモンロード

と、その時、恐ろしい轟音と共に世にも邪悪な存在が現れた。デーモンロード・バフォメットだ。怒りに満ちたその姿は気の弱いものでは見ただけで死にかねない。
だが、その時を待ち構えていた男がいた。
元憤怒のルーンロード、アルダーバッシュである。
「バフォメットよ。貴様に一矢報いるこの時を待っていたぞ」
気合と共に放たれた呪文がバフォメットを捕え、見事にその動きを止める。その隙に体制を整え攻撃を加えるOrder of the Righteous Mightのメンバー達。
特にMythic化したラオツェンの攻撃力はすさまじく、バフォメットであっても無視できない大ダメージを与えていく。
これならバフォメットを倒せるかも。そう思ったのが油断だったのだろうか。バフォメットは連携の隙をついてTimestopの呪文の使用に成功し、完全に準備を整えた状態となって再び姿を現した。ラオツェンも殺されてしまい、こうなってはもはや勝ち目はないだろう。
もはや残された選択肢はアイオメディ神より授かった帰還の力を使用して脱出する事だけだった。一行はアルダーバッシュの呪詛の声を背に命からがら逃げだす事になったのだった。
 

新たなるヘラルド

気が付くと一行は再びアイオメディ神の前に立っていた。
アイオメディ神が一瞥すると、死体となっていたラオツェンとヘラルドも蘇った。
アイオメディ神は一行の働きをねぎらい、バフォメットを滅ぼせなかったのは残念だが、ヘラルドを取り戻すという目的は果たしたので十分だと告げた。
だが、アイオメディの予測では一行はデスカリと戦う宿命にあり、その時は今回よりも厳しい戦いとなるだろうという嬉しくない予言も頂いた。
その次にアイオメディはヘラルドに向き直り、その苦難をねぎらった。
しかし、ヘラルドは強いられたとはいえ一時でも邪悪の傀儡に陥った事を深く恥じており、ヘラルドの役目を退いて一からやり直したいと告げた。
アイオメディは困ったようだったが、結局は本人の強い意思を尊重し、ヘラルドを退くことを認めた。
そして、アイオメディは一行に告げた。
 
「今私はヘラルドを失った。だが、この苦難の時に私の手足となってくれるヘラルドはどうしても必要だ。そこで私は君達の中からヘラルドを任命しようと思う。
 あまり例のない事ではあるが、かつての私のように定命のものがヘラルドとなる事もないわけではない。
 もし、異存がないのであればこれまでPaladinとしてよく私に仕えてくれたサールディンを任命したいと思うがどうか。反対のものはいるか?」
 
反対のものはいなかった。
サールディンはヘラルドの大任を受け、アイオメディの剣として生きることを誓った。
アイオメディは満足げにうなずくとこう告げた。
 
「では、ヘラルドとして最初の役目を与えよう。
 今、アポナビシャスが率いるデーモンの大群がドレゼンに迫っている。あそこが落ちればワードストーンの確保は難しくなり、更に戦況は厳しくなるだろう。
 サールディンよ。私のヘラルドとしてドレゼンに赴き、アポナビシャスの進軍を阻止するのだ。
 そしてアイオメディの正義が健在であることを人々に示し、その心に勇気と希望の火をともすのだ」
 
サールディンは力強くうなずき、心強い味方と共にドレゼンに向かったのだった。