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第13話

 第13話「邪悪に囲まれて」



これまでのあらすじ

ナインドリアン・エリクサーの供給を止めるには、ナインドリアン・クリスタルの採掘を止めなければならない。そのためには、クリスタルがあるアビスの階層「真夜中の島」の支配者、最初のサキュバス、真祖ノクティキュラの許しを得なければならない。

ノクティキュラとの面会は、求めて得られるものではない。どうしても会いたいのなら、彼女が興味を持つような人物になる必要があるらしい。果たしてアビスで何をすればノクティキュラの関心を得ることができるのか。

われらが正義の力団の面々は、アビスの巨大都市アルシニッラでそれぞれの活動を始める。

一日目

ペンテシレイアは、そこら辺を歩いているティーフリングを色仕掛けでひっかけ、とっつかまけて尋問しようと考えた。誘拐と尋問は、インクィジターのイロハのイなのだ。ところが、なぜか誘いに引っかかってきたのは二人のサキュバスだった。「さすがアビス。カオスだわ。」と思いながらも人通りがすくないところに二人をおびき寄せ、ちょいと締め上げて情報収集をした。それによると、アルシニッラにはシャミラという強力なディーモンがいて、ハーレムオブアーデントドリームズというところに住んでいるらしい。いろいろ話を聞いていると、どうも正義の力団ではかなわなそうな気がしてきた。

サールディンメイプルは、闘技場で小遣いを稼ぎつつ、知名度を上げようと出かけることにした。メイプルは、あとからインチキ呼ばわりされないように、最初からシロップを召喚していたが、闘技場の興行主ディーモンに「これは素晴らしい魔犬だ。どうでしょう、こちらを先に前座としてたたかわせて、あなたたち二人はメインとするのは?」と提案してきた。サールディンは、確かに様子を見るのも悪くないと思い。了承した。

シロップがアリーナに入ると、対戦相手として待っていたのは先日見た四本腕のインキュバスだった。彼は確か、闘技場で一番強いディーモンのはず。「これが前座?」とメイプルが息を飲む。するとディーモンはシロップに駆け寄り、4本腕でめった切りにした。

...しかし、シロップは死なない。魔法の力で、シロップのダメージをメイプルが引き受けていたのだ。シロップは両腕としっぽの針と角などでインキュバスをタコ殴りにする。一方、メイプルは回復の呪文をかけて、自分が引き受けたダメージをチャラにしていた。

インキュバスは、さらに大ダメージをシロップに与え、「どうだ!」とばかりの表情をしていたが、シロップがいつまでたっても倒れないので次第に苦し気な表情に変わっていった。そしてシロップの攻撃が始まると、あっさり倒れてしまった。

「旦那方!いやーお強い。召喚獣があれだけ強いなら、お二人の強さは、相当ですね!お二人の相手になりそうなものがいませんから、今日はここで闘技場終わりでーす。」興行主ディーモンは、前座に最強ディーモンを持ってきたことを悪びれもせず、サールディンメイプルを追い出してしまった。どうやら、弱い剣闘士をだまし討ちして返り討ちにするのがこのディーモンの好みらしい。

一方そのころラオッエンは、街中で大道芸をやり、14GPのおひねりをもらっていた。

二日目

朝方、メイプルが街中でシロップを召喚すると、周りのディーモンたちから小さな悲鳴が上がった。シロップのうわさが広まっているらしい。「私はディーモンには容赦しない。何匹かひねり殺してこようか?」とシロップがメイプルにきいたが、あまり大きな騒ぎを起こしたくないメイプルは、シロップに自制を促した。

その後、サールディンメイプル、シロップは酒場に行って、バフォメットの配下のミナーゴを倒したことを自慢し始めた。アビスだし、こういう方法が名声を上げるのにいいのかなという考えだったが、力自慢のディーモンの興味を引くだけの結果に終わったらしい。大きなサル顔のディーモンになんくせを付けられることになった。でも、簡単に返り討ちした。

ケリアンは、ミナーゴのライバル関係にあった人を探すが、みつからない。

一方ペンテシレイアは、一人で闘技場に行き、「カニの化け物」と戦うことになるといわれて出てきたグラブレズゥ・ディーモンに殴り殺されていた。ちなみにカニとグラブレズゥの共通点は、大きな鋏がついた手が2本あるところだけだ。

三日目

ペンテシレイアが帰ってこないので、探しに行くことにした。オーディーが言うには、「闘技場に行く」と言って出かけて行ったらしい。事情を聴くべく闘技場の興行主ディーモンに会いに行った。

「あれ?その人旦那のお知り合いで?嫌だなー、だったらそう言っておいてくれなきゃ。身ぐるみ剥いじゃったけど、全部返しますから、ここはひとつ穏便に。」というようなことを言われた。死体は、近くのごみ溜めに捨てたらしい。

果たしてペンテシレイアの死体はごみ溜めで見つかった。ケリアンが呪文で復活させると開口一番、「うーん、パワーワード・スタン対策が問題だったわね。」などと言っている。全然懲りてないようだった。

その後、サールディンメイプル、シロップ、ラオツェンは、昨日と同じように自分たちが倒した強いディーモンの話を吹聴して回った。すると、やにわに巨大なディーモンが襲ってきた。顔は肉食動物のそれだが、大小の目が8つついており、まるで蜘蛛のようだった。肩口から2本のカマキリのような腕が生えている。前足は動物のようだが、後ろ足と尻尾は、爬虫類のように見える。いかにも恐ろしい姿のディーモンであったが、サールディンらの敵ではなく、やがて叩きのめされてしまう。「すいません、降参します。」と素直に負けを認めるディーモンに、どうやってこの街で名をあげればいいか聞いてみたところ、ラプチャー・オブ・ラプチャーという店を仕切っているべレクシアという女に気に入られればいいんじゃないかという話となった。サールディンはそれに満足してディーモンを逃がしてあげた。

一方、昨日闘技場で殴り殺されたペンテシレイアは、今日はリベンジするべしと再度闘技場に向かった。今日はサールディンの腕力・体力強化ベルトを借り受け、さらにオーディーからヒロイズムの呪文をかけてもらって準備万端にしていた。サールディンの関係者だと露呈すると追い出されるので、ちゃっかり変装までしていた。変装して潜入するのはインクィジターのイロハのロなのだ。今回は、オーディーが心配してついてくることにした。

首尾よく闘技場の興行主ディーモンに「カモ」だと思い込ませ、試合のアレンジをさせた。今回の対戦相手は水牛のような角を生やした、手が四本の、肌が青色で、目が赤色の、不気味な女ディーモンだった。戦闘はお互い攻撃を外しあうようなグズグズの展開。最後は敵がフライの呪文を唱え、テレポートで逃げてしまった。観客席からは大きなブーイングが起こった。ペンテシレイアは気にする風もなく、興行主ディーモンに賞金の1000GPを要求する。ディーモンは、「こんなグタグタに1000GPも払えるか!」と抗議するが、それを待っていたペンテシレイアは、烈火のごとく反論する。インクィジターは恫喝が得意なのだ。あまりの剣幕に驚いたディーモンは、「わ、分かりました。10000GPですね。持って行ってくださいよ。」と降参する。

しかしペンテシレイアはここで止めなかった。調子に乗って、このディーモンを改心させるべく、過去の悪行を告白するように命じた。悪人を改心させるのは、インクィジターのイロハのハなのだ。しかしここにきてディーモンもキレはじめ、だんだん会話がかみ合わなくなっていく。そこでペンテシレイアは変装を解き、サールディンの仲間であることを告げる。ディーモンは、道に落ちていた糞でも踏んだような顔をし、「もう、なんでもいいです。かかわりたくないです。今すぐ出て行ってください。そして二度と来ないでください。いいですね!」と言ってペンテシレイアを追い出した。

アビスの宿屋は、信用できない。その夜、念のために宿屋で張り番をしていたオーディーが、何か怪しい生き物が部屋に入り込んできたのを発見した。見た目は青い色のトカゲで、右手にクロスボウを持っている。「起きろ!」とオーディーが仲間に声をかけたとたん、その生き物は襲い掛かってきた。寝ていた者たちは防具や武器を持っていなかったし、敵はいろいろな攻撃を向こうにしたり効果を半減させるような能力を持っていたために、かなり戦闘が長引いた。

らちが明かないと思ったのか、やがて敵は攻撃の手を止めた。「もう止めにしよう。別に俺はあんたがたに恨みがあるわけじゃないんだ。」話を聞くと、どうやら彼はこの街では有名な暗殺者らしい。この件での遺恨を残さないために、依頼主の名前を教えてもらった。どうやら闘技場の興行主ディーモンに雇われたらしい。依頼主のことをしゃべってもいいのか問うたところ、「まあ、俺は腕利きだから、このくらいじゃ依頼は減らないよ。」と言って、部屋から出て行ってしまった。これがアビスの流儀らしい。

四日目

今日は正義の力団の全員で、ラプチャー・オブ・ラプチャーに出かけることにした。出迎えてくれたべレクシアは、金髪で中世の貴族が着ているようなドレスを着ている絶世の美女だった。背中から肌色の蝙蝠のような羽が生えていなければ、相当なお嬢様に見えただろう。べレクシアはシロップのことをたいそう気に入り、ぜひ戦っているところを見てみたいと言った。メイプルがそれを了承すると、べレクシアは部下に命じて半分人間、半分蛇のような生き物を連れてこさせた。顔色が粘土のように色を失っており、目から血のような涙が流れている。体中に、拷問されたような傷があった。

「こいつらはね、元はリレンドと言って、セレスチャルにいる生き物なんだけど、時間をかけていじめてあげると、とってもタフになるのよ。性格も、最悪になっていて、もとからアビスにいたみたいになるの。あなたの魔犬は悪いやつが大嫌いなんでしょう?じゃ、うってつけじゃない?ぱくっとやっつけてみて。」とべレクシアはメイプルに話しかける。

それを聞くとシロップが小声で「むなくそが悪い。私としては、あの女の方を始末したいんだが、いいか?」とメイプルに打ち明ける。メイプルはどうしていいかわからず、サールディンに「どうしよう?」と話しかけた。サールディンサールディンで、「元セレスチャルの生き物を倒すのは問題があるが、現在悪だというしなー。あと、べレクシアには気に入られに来たわけで、戦おうと思っていたわけではないし...。」とはっきりしない。やがて、シロップが勝手にべレクシアに襲い掛かり、戦闘となった。べレクシアの戦闘能力はサールディンらには到底かなわず、あっという間に決着がついた。元リレンド達も、もはや救いようがないということで、成仏させてやることにした。

その夜、一行が宿屋に帰ると、宿屋の主人が「ラプチャー・オブ・ラプチャーはいかがでしたかい?」と聞いてきた。それにオーディーが「べレクシア、殺っちゃったんですけど、大丈夫ですかね?」と逆に質問する。主人は、「やっちゃった」の意味を計りかねて、「いや、すいません、聞かなかったことにしてください。」と言って奥に引っ込んでしまった。

正義の力団が宿屋で鎧を外していると、耳元で囁くような声がした。「おめでとう。あなたたちは、私の興味を引くことができました。ヴォルト・オブ・グレイヴズに私を探しに来てください。私の部下がお待ちしているので、すぐわかると思います。部下が粗相をしても許してくださいね。礼儀知らずばかりなので。」

これがノクティキュラからのメッセージであることを確信したサールディンは、明日すぐにノクティキュラを訪ねることを提案する。無論、反対するものなどいなかった。

ヴォルト・オブ・グレイヴズ

ヴォルト・オブ・グレイヴズは離れ小島にある図書館のような建物だということだった。場所自体は大変目立つため、すぐにたどり着くことができた。館の外に、ノクティキュラの部下はいないようだった。正面の入り口から館に入ると、館の中にはたくさんのレリーフが壁に飾られているのが分かった。多くのレリーフは、強力なディーモン、ないしはディーモン・ロードを主題にしたものだろうと想像された。

奥から誰かが出てくるのを待っていると、目の前の床から、黒い影が4体浮かび上がってきた。そして、躊躇なく襲い掛かってくる。悪魔とシャドウの性質を持っている化け物らしく、かなり手こずった。2体ほど倒したところで、奥からスーツを着た男が二人やってきた。ただし、二人とも頭がハエになっている。ハエ男は「ああ、お待ちしていました。主人よりお話を承っております。」というが早いか、強烈な攻撃呪文をあびせかけてきた。

かなりの痛手を負ったが、サールディンが敵の行く手を阻み、ペンテシレイアは透明になってコツコツ敵を削り、ラオツェンは弓で援護し、ケリアンオーディーは回復と支援呪文を担当し、ほとんどの敵をシロップが倒すという、いつものパターンで戦闘終了した。

館の奥で正義の力団を待っていたのは、黒髪の絶世の美女だった。ただし、蛇のような尻尾が3本生えており、背中には芸術品とも思えるような黒い羽根、足元は溶岩と岩石で包まれたようなブーツをはき、頭には7本の角が、花の花弁のように外向きに生えていた。この女こそ、ノクティキュラに違いない。そしてその横に立っていたのは、なんとクラーダであった。

「よくここまで来たわね。約束通り、私の正体を教えてあげる。」とクラーダは満足げに行った。彼女は、最初はサーレンレイのヘラルドだったが、サーレンレイからノクティキュラへのプレゼントとして送られ、現在はノクティキュラのヘラルドとして活動しているらしい。一体全体、そんなことがありうるのか?しかし、クラーダはノクティキュラのヘラルドとして、満足した生活を送っているらしい。

ノクティキュラ

やがて、ノクティキュラが口を開いた。「クラーダから話は聞きました。ナインドリアン・クリスタルの採掘を止めたいということですね。」ノクティキュラによると、バフォメットの一派がこっそり採掘をしていたのは知っていたが、いちいち咎めるほどのこともないので見逃していたようだ。それだけのためにバフォメットを敵に回すのもアビスの支配者の価値観からするとバカらしいとのこと。ただし、全く関係ない正義にあふれた者たちが勝手に採掘を止めるというのであれば、それに手を貸すのはやぶさかではないらしい。いや、むしろ、進んで手を貸したいとのこと。具体的には、採掘場がある島へ移動するための次元の扉を開けることと、首尾よく採掘を止めることができた後にゴラリオンに帰るためのゲートを開くことを約束してくれた。

「さらに、あなたたち一人ひとりに贈り物をしましょう。3つの選択肢から、それぞれ好きなものを選んでください。一つ目は、私に一つだけ質問する権利。二つ目は、強力な魔法の道具。三つめは、私の力を共有することによる大幅な能力の強化です。」三番目がおすすめのようだったが、その場にいた全員が質問する権利を選んだ。

  • オーディーは、自分の生い立ちについて聞いたが、いまいちはっきりした答えは得られなかった。
  • ケリアンは、ナインドリアン・エリクサーとナインドリアン・クリスタルの破壊方法を聞いたが、エリクサーの破壊方法は分からなかった。クリスタルは、単純に力で破壊すればよいとのこと。
  • ラオツェンは、夢で見たディーモンのことを聞いたが、いまいちはっきりした答えは得られなかった。
  • サールディンは、デスカリがなぜサルコリアにワールド・ウーンドを開いたか聞いた。嘘か本当か分からないが、たまたまそこが開きやすかったからだということだった。
  • メイプルは、他のゴッドコーラーはどこにいるか聞いた。クラーダが代わりに答えて、「分かりません。」とのことだった。
  • ペンテシレイアは、第5次クルセイダーを成功させるには、結局誰を倒せばいいのか聞いた。いまいちはっきりした答えは得られなかったが、ペンテシレイアは、それがデスカリであると納得した。

ポータルの先へ

ノクティキュラが用意したポータルを抜けると、そこは大きな滝の下にある、平たい岩でできたプラットフォームの上だった。滝は、なぜか熱湯で、当たると皮膚が焼けるように痛い。滝から流れ落ちた水は、溜まって大きな湖を作っていた。湖の向こう側に小さな山があって、その山から巨大な人影が現れた。敵が現れたと判断したオーディーは、サールディンペンテシレイアを捕まえて山の近くまでテレポートした。近くから見てみると、その巨人はもともと天使だったように見えた。白い羽が生えており、服装のセンスや身に着けた武器がかって神々しかった雰囲気をまとっている。ただし、首がない。おそらく、ディーモンに捕まった天使が、しもべとなるように改造されてしまったものだろう。サールディンが首なし天使を成仏させようとして殴りかかったところ、突然空間に穴が開いて、4本の触手が現れて襲い掛かってきた。アビスにはこういうことが時々あるらしい。サールディンペンテシレイアの手に余る敵であったが、シロップやラオツェンが応援に駆け付けるとすぐに優勢となり、やがて敵を駆逐することができた。

巨人を倒した後、川上に向かって進んでいくことにした。魔法を使って空を飛んでいくのが一番簡単な方法だったが、上空には鳥形ディーモンが空を暗くするほど沢山飛んでいたので、止めることにした。鳥形ディーモンは、たくさん集まって魔法のダンスを踊ると、信じられないほどのダメージをたたき出すことができるのだ。というわけで、低空飛行で川面ぎりぎりを飛んでいくことにした。具体的には、シロップの上にケリアンオーディー以外が全員乗り、ケリアンオーディーは呪文で宙に浮いてついていくというものだった。しばらくすると、川岸にある浅瀬にに船が一艘難破しているのが見えた。オーディーが船に近づいてみると、やっぱりというかなんというか、5体のミイラのような生き物が現れた。このミイラは怪しい眼力を持っていて、ペンテシレイアやシロップからエネルギーを吸収してしまった。シロップは体中のエネルギーを吸い尽くされて、強制送還されることに。さらに奥から堕ちパラディンのアンデッドがハルバードを持って登場。絶対絶命か?と思われたが、デスウォードをかけられたサールディンが、奮戦して、なんとか窮地を脱することができた。

浅瀬に打ち上げられていた船を力技で水面に引き戻してみると、まだ十分浮くことが分かった。ので、ここから先は船で川をさかのぼることにした。動力はシロップ。船首にある鎖を咥えて、空を飛びながらぐいぐいと船を引っ張り続けるシロップのおかげで旅はおおむね順調だった。シロップにしろ、背中に4人乗せて飛ぶよりもこのほうが楽そうだ。そのまましばらく川をさかのぼっていくと、大きな水門があるところに来た。水門の上には、ティーフリングが2人いて、見張りをしている。最初は味方のふりをしてなんとかやり過ごそうとしたが、ティーフリング達は騙されるほど馬鹿ではなく、戦闘になった。ティーフリング達は召喚呪文を使い、ヘズロウ・ディーモン2体と、グリモワール・ディーモン14体を召喚。ヘズロウ・ディーモンがブラスフェミィの呪文でシロップを強制送還してしまったので、数に劣る正義の力団はまたしてもグタグタの戦闘をしなくてはならなくなった。しかし最終的には戦闘に勝つことができた。

洞窟の中へ

水門を抜けてさらに川上へ向かうと、大きな洞窟があるのが見えた。近くに船を進めると、テレパシーで話しかけてくる声が聞こえた。「私の願いを聞いてください。」「左の入り口から洞窟に入ってください。」確かに、洞窟には左と右に奥へと続く穴がある。この手の誘いには必ずのることを信条としているサールディンペンテシレイアは、迷わず進路を左に取ることにした。そこでで現れたのは、緑色のスライムみたいな粘液を体中にまとった女妖精だった。ケリアンによると、「オモクス」と呼ばれる水の妖精の仲間らしい。彼女はフルサム・クィーンと名乗った。話を聞いたところによると、最近洞窟の中に黒い竜が住み着いていて、大変気分が悪いので退治してほしいとのこと。また、洞窟の奥でバフォメットのカルトが何やら音を出す作業をしていてうるさいので、黙らせてほしいということだった。

無論、サールディンに異論はない。現在その竜は外に出かけているということだったので、フルサム・クィーンとともに、竜のねぐらで待ち伏せをすることした。ほどなく竜が食べ物であろう動物を口にくわえてねぐらに戻ってきたので戦闘開始。ブラスフェミィを唱えるは、ものすごい攻撃力で殴り掛かるは、筋力を奪う息を吐きつけるはでとても強力な敵であったが、サールディンとシロップの攻撃力と、ラオツェンペンテシレイアのわきから与えるダメージと、ケリアンメイプルの回復魔法と、オーディーの空間転移能力と、フルサム・クィーンが地味に投げつけていたスライム攻撃のかいがあって、やがて黒竜は倒されてしまった。さあ、ここまで来たら、あとはバフォメットの信徒たちを倒すだけだ。長かったアビスの戦いも、もうすぐおわることになる。

次回予告


ヘプツァミラがナインドリアン・クリスタルを採掘している場所は、もはや目と鼻の先。デーモンロードの娘と本気で殴り合うことになるかはわからないが、とにかく行くしかない。「真夜中の島」編、いよいよクライマックス!