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第七回

東奔西走

 

 Letter of Marquee

前回の冒険でMancatcher coveに眠る財宝を手に入れたカミカゼ海賊団は名前が売れてきたので、そろそろこの枷の地を支配するShackles Piratesの一員に正式に成りたいと考え始めていた。そのためにはPirate Councilから認められ、私略船免状を貰わなければならない。
しかし、どこで免状を貰えるのか良く知らないカミカゼ海賊団はとりあえずこの辺りの中心都市Port Perilに来ていた。
  
ほかの面子に比べ何やら自信有り気な船長カミカゼ(注:このセッションでは中の人がお休みのためNPC)は手ごろな酒場に入るなり叫んだ。
カミカゼ海賊団が私略船免状を貰いにきたと。注目を浴びたがもちろんこんなことで免状が手に入るはずも無く、仕方が無いので一行は向こうから接触してくるのを待つことにした。
  
接触を待つ間、バハンガは酒場で武勇談を語って聞かせカミカゼ海賊団を大いに宣伝した。
フレアはスペ友(呪文書を見せ合って呪文書の拡充を目指す間柄のこと)を探した。そうして見つけた相手はグレシェック、The Sightedの異名を取るハーフオークの(多分)占術士であった。交渉の結果Freaは目的どおり呪文のレパートリーを増やすことに成功した。
ホブノブも人を探していた。Arcane Tricksterの技を教えてくれる人を。どうにか見つけることができたその人物はヴォルケーノ、またもハーフオークであった。腕前は確かなようでお金を掛けてまで探した甲斐はあったようだ。
  
次の日、停泊中のSinging Storm号に檻が運ばれてきた。運んできたのは黄金の歯のトサドクと名乗るやっぱりハーフオークだった。檻の中にはMarsh Giantが入れられていて免状が欲しければこいつを倒せということらしい。Marsh Giantは巨人らしく攻撃が痛い上にSpも使う意外性を見せ苦労したが、一体だったのでどうにか勝利した。
  
巨人を倒したカミカゼ海賊団は夕刻にこの街を支配するHurricane Kingの城に招待された。Hurricane King, Kerdak Bonefistは枷の地の首都Port Perilの支配者にして、Pirate Lordと呼ばれる特に力のあるFree Captain達が構成するPirate Councilのリーダー、つまり平たく言えば海賊王である。城の広間では気品とはかけ離れた海賊達が酒盛りをしていた。そして、その奥一段高い所にHurricane Kingはいた。Bonefistの名の通り骨だけの右手でピストルを打ち鳴らし、部下達を黙らせるとHurricane Kingはにっこりと笑ってカミカゼ海賊団に語りかけてきた。曰く武勇談を聞かせろと。バハンガが流暢な語り口で途中外野から挟まれる野次をたくみに交わし、あるいは利用しこれまでのことを話すとその場は大いに盛り上がった。これによりカミカゼ海賊団はFree Captainとして認められHurricane Kingから私略船免状を授けられたのだった。
  
なおその場の群衆の中にはハリガンの愛人タルーンがおりホブノブが目敏く発見し追跡したが、軽くあしらわれてしまった。カミカゼ海賊団がFree Captainの仲間入りをしたことは間違いなくハリガンの耳に入ったことだろう。
  

 Tessa Fairwind

免状を手に入れてから数日後、カミカゼ海賊団はまたも招待状を受け取った。今度の送り主はTessa Fairwind、次のHurricane Kingの呼び声高い枷の地第二の街Quentを支配するPirate Lordである。彼女は一行と出会うと前置きも無く即座に本題に入った。アクティブな見た目に違わずさっぱりとした御仁の様だった。もちろん単なる食事の誘いなどではなくカミカゼ海賊団に頼みたい仕事があるが、それは詳細を聞いた後では断れない類のものであるとのことだった。断ってくれても問題ないと彼女は言ったが、一行は満場一致で引き受けることにした。成功すればPirate LordのNo.2と強いコネクションを結べるとあれば、ハリガンとのいざこざを抱える一行にとって悪い話であるわけが無かった。
  
一行が依頼を快諾すると彼女は内容について語り始めた。それはシェリアックスが枷の地を狙って大きな動きを起こそうとしていて、海賊達の中に紛れたスパイがそのための工作をしているので発見して叩いて欲しいというものだった。カミカゼ海賊団はFree Captainに成ったばかりで、まだ何れの勢力にも組していないが故に今回この内偵任務を託すものとして白羽の矢が立ったらしい。
    
さらに仕事の端緒として彼女は二つの行き先を提示してきた。一つはQuentにあるCalistriaの寺院、the House of Stolen Kisses。もう一つはBag島のBeachcomberにあるというNorgorberの寺院、Temple of Hidden Nameである。どちらもサービスの一つとして情報を取り扱っており、スパイについて何か分かるだろうということだった。ここでカミカゼからの提案で一行は二手に分かれることにした。
  
結論としてバハンガ、フレア、ホブノブネリネ、ヴァンリートがSS号でTemple of Hidden Nameへ、カミカゼが残りの主要メンバーとともに新しい船Dancing Flameでthe House of Stolen Kissesへ向かうことになった。一行はTessaから貰った魔法の海図Chart of Fairwindsを頼りにそれぞれの目的地に向けて出航した。
  
余談だが、ホブノブはハーフリングなのにTessaが好きになったらしく仕事への情熱を燃やしていた(前世の影響か?)。
  

 Temple of Hidden Name

Bag島は元シェリアックスの奴隷だったハーフリング、Jolis Rafflesの支配地域である。シェリアックスの奴隷船を襲っては同胞達を解放しているというJolis Rafflesの話を聞いたホブノブキャラがかぶったシンパシーを感じたためか後継者になりたい等と言っていた。
話に聞いていた通りBag島の街Beachcomberはハーフリングだらけだった。しかもどうやら皆Norgorber信者らしい。例の場所に行きたいと言う様に直接的な言い回し避けてTemple of Hidden Nameの場所を尋ねると、同じく遠まわしに街外れの倉庫へと導かれた。
  
受付の黒づく目のハーフリング、Slipに情報を求めて来た事を告げるとシステムを説明された。ここでは情報を得る対価として同程度の重要性の情報を払わなければならないらしい。そのような情報の持ち合わせの無い一行が困っているとSlipが話を持ちかけてきた。
それは調査の依頼だった。調べてきたなら報酬としてスパイの情報を払おうということらしい。ほかに選択肢も無いので一行はこの申し出を受け、最近消息を絶ったBrine Banshee号の行方を調べることとなった。
  
ちなみにネリネ婆さんはPlugの顛末を対価として半ば無理やりにこの島におけるヤクの流通についての情報をゲットしていた。この島では3つのグループがそれぞれ異なるクスリを取り扱って顧客獲得にしのぎを削っているらしい。婆さんはここに新規参入しようと乗り換え割りキャンペーンを行い先行投資でヤクをばら撒いた。
  

 Brine Banshee

Brine Banshee号(以下BB号)は足の速く、また小回りの聞く船として有名だった。カミカゼ海賊団はこの船の消息と速さの秘密を明らかにするべく、BB号が最後に目撃されたシャーク島に来ていた。情報収集をするとハネイラス・フィッチという医者がBB号の乗組員の一人バーガスと親交があったと分かった。フィッチに会いに行くと突然の海賊の訪問に怯えた様子だったが、BB号がQuentに向かおうとしていたことを教えてくれた。
シャーク島からQuentへの航路は特に難所も無く、そうそう船が沈むとは思えなかった。行き詰った一行はdivinationのスクロールを買い神様に聞いてみることにした。お告げはシャーク島のフィッチがまだ情報を持っていると言う内容だった。
再びシャーク島に戻るとバハンガは前回の接触を反省し、より穏便に話を聞こうと提案した。これに対し何を勘違いしたのかヴァンリートはでは夜中に行きましょうと言い出した。
  
深夜、ホブノブがまるで鍵などかかっていなかったかのように音も無くドアを開けると一行はベッドを取り囲みフィッチを起こした。命の危機をこれでもかと感じたフィッチは洗いざらい喋ってくれた。それによるとBB号は財宝をつんで北周りでQuentへ向かい消息を断ったらしい。フィッチはBB号はその辺りの海域にまだ財宝といっしょに沈んでいると考えていた。そして、以前負傷したバーガスを治療した際に切り取った足を彼は保管しており、この足とMilksop Mortonという海賊が持つ魔法の腕輪を使えば船の場所を特定できると言った。Milksop Mortonの持つ腕輪は肉体の一部があれば本体の場所をある程度近づけば教えてくれるものらしい。
  
Milksop Mortonは都合よくシャーク島の北を縄張りにしている上に、免状を持つFree Captainでは無かった。フレアのFireballで始まった戦闘はMilksopが魔法使いでタフでは無かったのが幸いしてそれほど苦労せずに勝利することが出来た。なおMilksopはいろいろあってカミカゼ海賊団に入ることになった。
  
Milksopの腕輪とバーガスの足を使ってBB号を探すとラプター島付近で反応があり、やはり沈没していた。船体は真っ二つに折れ船尾の方はかなり深いところまで沈んでいた。船体の損傷を見るに何か大きなものに乗っかられたことが原因で沈んだようだった。船員の死体や財宝の引き上げの際にMerfolkのDruidや四本腕の化け物(Charda?)に襲われ全滅しかけたりもしたが、どうにか一行はBB号の速さの秘密、魔法の舵輪とGust of Windのワンドを回収したのだった。
  

 Water Naga

Slithering Coastは枷の地の南部、大陸沿岸の事を指す。この辺りは海蛇やWater Nagaが多く住み、それが名前の由来となっている。Water Nagaはlocal knowledgeについて詳しいと言われているが、巣に近づくものを強く警戒するためSlithering Coastは危険な地域でもある。
  
カミカゼ海賊団はBB号の情報と引き換えにこの地に住むWater Nagaの一匹、サーリスが外国のスパイについて情報を持っていると言う話を聞き、この地を訪れていた。交渉ごとの得意でない一行だったが、バハンガの案で酒を手土産にしたり、クソババアを縛ったりして何とかサーリスと交渉することが出来た。
結論としては別のWater Nagaに棲家の一つを奪われたので、そいつを立ち退かせてくれればスパイについて教えてやると言うことで話がまとまった。
  
問題のWater Naga、ムナレイをしばいてサーリスとの仲を取り持つと彼女(?)はスパイだという死体を渡してくれた。しばらく前にやってきてShackles Piratesの情報や毒を求めたので始末したらしい。スパイの死体を漁ると荷物から長いロープが出てきた。その結び目の並びを見たFreaはそれがSargava海軍のシェリアックス時代の符丁である事を見抜き、見事解読に成功した。
その内容はダイヤモンドスターの船長に届けよと言うものだった。
調べてみるとダイヤモンドスターは先ごろRahadoumの海軍に拿捕された海賊船で、捕まる少し前にまだ若い船長エリス・ヘブンが船を下りたと言うことが分かった。
死体にSpeak with Deadを掛けて出たボスの名前もエリスであり、一行はこの人物を次のターゲットとして追いかけることにした。
  
エリスがQuentの港でボートハウスで生活していることを聞きつけた一行は話を聞くべくその場所に向かったが、一足遅かったらしく中にはインプの死体だけがあった。インプと言えばシェリアックスを連想させるが何故それが死んでいるのかは分からなかった。
次の手がかりを求めて家捜しをするとホブノブが瓶に入った白紙をみつけた。開封したときの香りからネリネがインビジブルインクによって書かれたメモだと看破し、炙り出すと
Hell Harborのロウェンナに報告することと書かれていた。
  

 Hell Harbor

偶然にも同じくHell Harborに向かおうとしていたカミカゼ達と一旦合流し、道すがら情報交換をするとカミカゼはQuentで得た情報から怪しい男を追いかけていたがすでに死んでいて、そこからHell Harborに住むテングの名が浮上したので行こうとしていたとのこと。
  
Hell Harborは元シェリアックス軍人という異色の経歴を持つPirate Lord、Arronax Endymionの支配する島、Devil’s Arches最大の街で枷の地の東、大陸に近い辺りに位置していた。ロウェンナはこの街のクォーターマスターの一人で最近行方不明らしい。テングに会いに行くカミカゼと再び別れ、一行がロウェンナの家を捜索すると謎の書類が出てきた。そこにはShackles Piratesの名前とその横に数字が並んでいた。懸賞金かと思われたが、不思議なことにArronax Endymionの隣には数字が書かれていなかった。どうやら抱き込む際に必要な賄賂の額が記されているようだったが、それにしてもArronaxの欄が非常に気になった。
書類にはさらにコーランと共に送れという文字も書かれていた。コーランと言う名に聞き覚えのあった一行はそれがカミカゼの言っていたテングの名前だと気付くとすぐにカミカゼの後を追った。
  
コーランの家に着くとそこには倒れたテングを介抱するSandaraさんの姿が。そしてその視線の先、屋根の上には謎の男と対峙するカミカゼがいた。
一行が加勢しようとした矢先、まるでムービーシーンのように謎の男の放った弩の矢が突き刺さりカミカゼが倒れた(DMがいきなりクリティカルした)。しかし謎の男の運もそこまでで、すぐに怒りに燃えた一行に切り殺されカミカゼも事なきを得たのだった。
  
この男は暗殺者でスパイ活動の証拠隠滅のためにコーランを始末したということらしい。おそらくエリスのところにあったインプの死体もこの男が関わっていたのだろう。持っていた暗殺指令書にはZのサインがあり、Port PerilのJasperleaf治療院で毒を手配するよう書かれていた。
 

 Jasperleaf Apothecary

Jasperleaf治療院は数年前に元海賊のZarskiaという人物が開業した薬局で、一見すると閉まっているように見えるが合言葉を言えば中に入りいろいろな毒を買うことが出来る。
毒を求めにきた客の振りをして中へと入ったカミカゼ海賊団はZarskiaと思しき人物の応対を受けた。お勧めの毒を聞いたりするも埒が明かないので、バハンガが暗殺用にWater Nagaの毒は無いのかと核心を突いた質問をすると、相手も一行が単なる客では無いことに気付いた様だった。反応からおそらくこの人物がZarskiaに間違いないと踏んだ一行は戦端を開いた。
  
Zarskiaは強力なアルケミストで爆弾を好き放題投げさせたら死屍累々になってしまうような危険な敵だった。ネリネのHold Personが決まっているうちに手下を排除し追い詰めることが出来たが、生け捕りにしようとヴァンリートが欲をかいた結果Zarskiaのスタンが解け、一転して危険な状態に。
結局、フレアがホブノブごと燃やす等して誰も死ぬことなくどうにか勝利し生け捕りにも成功した。
  
その後、諸々の証拠品を押収した一行は全てを持ってTessaに報告に行った。彼女はこれを大変に喜び、カミカゼ海賊団は(事実とは若干異なるが)枷の地を縦横無尽に駆け巡りスパイどもを容赦なく始末して周ったとして名を上げたのだった。
ちなみにZarskiaはかつてシェリアックスに支配され、現在は同盟国のNidalの支配組織 the Umbral Courtのエージェントだったらしい。
  
  
つづく。