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第6回

鉤山の虐殺

 

 マグニマーで依頼を受けて

さて、ランニック砦の様子を見て来いという仕事を受けたはいいが、砦に行くには陸路で行く方法と水路で行く方法があるようだ。一度、サンドポイントに戻って陸路で行くという案も出たが、結局、水路で行くことにした。まあ、途中の沼地で虻とかたくさんの虫に悩まされるといわれたら、普通、陸路は選ばないよな。
 
明日はいよいよ出発という夜、前にサンドポイントであった女レンジャーのシャルが訪ねてきた。誰に頼まれたのか知らないが、ランニック砦までの案内を引き受けてくれるらしい。でも、よくよく話を聞いてみると、ランニック砦には行ったことがないらしい。地形は知っているというものの何か不安だ。
 
シャルのお薦めも水路で河を遡ることだった。シャルが言うには河の真ん中なので虫も飛んでこないから寝る時の快適さが全然違うとか。あと、馬で陸路を行くと吸血虻なんかに刺されて病気になったりすることもあるらしい。もちろん、船の最初の停泊地までは沼地ではないので、サンドポイントで買い物するついでに、そこまでは陸路で行くという選択肢もなくはないけど。そこまで言われても陸路で行く選択肢を捨てきれなかったが、旅費はシャルが預かってるので船の運賃は心配しなくて良いと言われた瞬間、水路で行くことを即決した。やっぱり決めては金だよな。
 
とりあえず、船で行くことは決まったがまだ問題が残っていた。あの異臭を放つ自称エリート様だ。船には他のお客も乗るからあの臭いを何とかしないと船から放り出されるかもと相談を受けた我々は、奴を風呂に入れる作戦を考えた。
 
作戦はこうだ。エリートたるもの少々のピンチくらいものともしない魂が必要だ。そのためにはいつも頼りにしている魔力を一時的に捨て去って、魔力に頼らずピンチを切り抜ける修行をしなくてはならないと説得するのだ。幸い、ケルダは一流のペテン師だ。世間知らずのエリート様を丸め込むくらい朝飯前で、エリート様の体を洗うことに成功した。まあ、体を洗ったからと言って魔力がなくなるわけでもなさそうだがな。
 
とりあえず、出発は明日なので、買い物にスクロール書き、そして情報収集をした。翌日の朝、シャルが迎えに着たので船でマグニマーを出発。
 

 最初の寄港地ワートル


最初の寄港地はワートルという街だ。ここまでは約2日の旅である。道中はいたって平穏。うっかり河に落ちると鰐に食われるかもしれないらしいが、河に落ちるような間抜けはいないだろう。また、河の東の方と南の方はマーシュフェンと言って信じられないくらい巨大な生物がすんでいるらしい。たとえば馬くらいの大きさの蝿とか、人の指くらいの大きさの蟻など。だから河の南側には行かない方がいいらしい。やっぱり陸路で行かなくて良かったな。
 
ワートルに到着した。説明によるとワートルは非常に治安が悪い街らしい。特に女性は歩き回らない方が良いと忠告されるが、船酔いでこれ以上船に乗っている気になれないケルダと、その護衛役のミリヒはそんな忠告をものともせず街に出かけていった。まあ、あの二人に絡むのは毒蛇の壷に手を突っ込むようなもんだからな。
 
2人は上陸できれば行き先はどこでも良かったらしく、ブラブラと武器屋に向かった。店に並ぶ商品を眺めるがたいしたものはない。失望の色を隠せない2人。せめて何か珍しいものはないかと店主に尋ねると、近くの遺跡で見つかったと称する大きな木の先に何やらフックのような刃がついた珍妙な武器を出してきた。これは何かと尋ねると、これは伝説のオーガの武器、オーガフックというものらしい。確かに珍しいといえば珍しいが、人が持つには大きすぎるのだった。手ごろなサイズのものはないのかと問うが、やっぱりないらしい。仕方なくケルダは弓矢を、ミリヒはジャベリンを10本買って店を後にした。
 
ガムはお供の豹を散歩させたいと言って上陸した。大事なペットの豹に何か買ってあげたいものがあるらしい。すぐに死なないといいがな。
 
俺は遊びに行くことにした。せっかく上陸したのに楽しいことを何もしないなんてありえないしな。とりあえずはお姉ちゃんがいる店に行って飲もう。なんと言っても懐も暖かいしな。しばらく前だったらこういう店で5gpといわれたら躊躇うところだが、今の俺には関係ないぜ。お姉ちゃんを呼んで大盤振る舞いだ。
 
せっかくだから楽しく飲みながら世間話をした。ここからもっと上流にある町の噂話だ。なんでも湖の脇にある街のうちどちらかは凄く先進的らしい。同性愛がOKだと。まあ、俺は全然嬉しくないがな。サンドポイントの元パラディンカップルとかには良いかもな。
 
北のほうに行くとリドルポートって街があって北の災厄と呼ばれているらしい。ゴロツキがそれはそれはたくさんいて、世の中の悪いことはみんなそこで発明されるらしい。面白そうだから一度行ってみたいもんだな。
 
コルボサの街は南の方から来た白人がたくさん住んでいて、一時はこの辺一帯の勢力争いの攻撃拠点だったけど、今はもう攻撃をする元気もなくておとなしいらしい。コルボサの方向にはそこそこサイズの街がたくさんあるらしいが、どれも良くわからないらしい。
 
そうそう、コルボサの近くにはリンドソング修道院ってのがあって、良家のお嬢さんをそこに送り込むのが金持ちのステータスシンボルらしい。一度、その修道院の姉ちゃんたちを見てみたいもんだ。
 
こうして楽しく飲んでいると、ちょっと身なりが派手な伊達男が声をかけてきた。スワッシュバックラーらしい。俺のことを見て素質がありそうだからテストしてやるというもんだからちょっと付き合ってやった。テストの結果はまあまあだったらしい。もう少し成長したら色々教えてやると言われた。面白そうだから今度もう少し習ってみるか。
 
このやり取りですっかり意気投合した俺たちは、一緒に酒を酌み交わし、これからどうするんだという話をした。そこでランニック砦に行くって話をしたら奴の顔色が変わった。ランニック砦はそんなにヤバイのか?
 
奴さんの話だと、ランニック砦の周りには変な奴が住んでいるらしい。たとえばおっかない妖精の女王とか。こいつは怒らせるととても大変なことになるから、絶対怒らせちゃいかんそうだ。それ以外に天を衝くような大男が住んでいて、これが凄く強いらしい。まあ、会わないことを祈ろう。あと、ランニック砦に行く途中にあるスカルクロッシングというダム(通称:髑髏ダム)。このダムは誰が何のために作ったかわからない巨大な石造りのダムで、壁に大小1000以上の骸骨が刻まれているらしい。調査が色々入っているが謎がまったく解明されていないダムだ。このダムの近くのストーバルレイクには古代生物が住んでいて、見るものの心を惑わせすべてを破壊するらしい。これも近寄らないことにしよう。
 
ちなみにランニック砦はタートルバックの渡しを守るために作られたものらしい。タートルバックの渡しの付近はオーガキンと呼ばれる身長2mくらいの蛮族が住んでいて、その脅威から町を守るために作られたそうだ。
 
ちなみにオーガキンは伝説のオーガの血を引いているらしく非常に醜い。人間に相手をされないので近親交配が進み更に醜くなっている。主食は生肉なので遭遇するとご飯になってしまう可能性が高い。タートルバックの人たちは最も近いオーガキンが暴れ始めた時に、一番近いコルボサの街に助けを求めたが無視されたので、マグニマーに助けを求めたらしい。それ以来、近いコルボサよりも遠くのマグニマーと強い繋がりを持っているそうだ。
 
また、マグニマーの領主が何を考えたかわからないが、ブラックアローというレンジャーの一団を送り込んで、オーガキンの動向を監視しているらしい。とはいえオーガキンを殲滅するようなことはしていない。マグニマーの領主がここに人を送り込んだのは戦略的に別の意味があるんだろうというのが奴の見解だった。
 
色々情報は集まったが、とりあえず断言できるのは「危ない」ってことだけらしい。やれやれ。
 
一方その頃、エリート・ファロン様はずっと釣り糸を垂れて生魚を調達していた。
 

 タートルバックはやっぱり亀の背中だった


ワートルを出港してさらに川を上って行く。途中、ミッスルダムに寄港。何故だか知らないがこの街の住人はみんな背が低い。いわゆる小人って奴だが昔なんかの病気でも流行ったのか?
 
とりあえずこの船はミッスルダム止まりで、ここから先は湖になっている。手漕ぎボートに乗り換えて湖を横断するらしい。ボートは2人乗りで、4艘に分かれて湖を渡る。
 
湖を渡った先は流れが速くなるので遡って行くには特殊なボートが必要らしい。ここでその特殊なボートに乗り換えて更に川を遡って行く。そしてようやくペンダカの街に到着した。あとはこのペンダカからクレイボトム湖を渡ればタートルバックの渡しで、そこから陸路で進めばランニック砦だ。
 
クレイボトム湖を渡る渡し舟はよく見ると巨大な亀の甲羅だった。いったいどこにそんな大きな亀がいるんだ? 渡し舟のガイドの話では、その昔、タートルバックに住んでいたある人物が、巨大亀3匹を殺してこのフェリー会社を設立したらしい。まあ、只者じゃないな。
 
タートルバックの渡しからランニック砦までは20マイルほどの距離だ。出発するには遅い時間なので、今日はこのタートルバックの渡しで宿泊する。宿屋は2件あるらしいが、今の俺たちは羽振りが良いので高い方に泊まる。ただ原始人もとい自称エリート様だけは野宿するつもりだったらしい。最終的に1人だと寂しいからとか言いながらついてきたが。
 
せっかくなので今日のうちにランニック砦について情報収集することにした。街の人の話では、だいたい2日に1度のペースで食料の調達とか情報のやり取りのために砦から誰かが来るのだが、ここ2〜3週間くらい誰も来ないらしい。ただ、タートルバックが襲われているわけでもないので、砦がどうなったのか良くわからないそうだ。
 
そういえば、今週、誰かが砦まで様子を見に行ったらしいが、帰ってきたという話は聞かないらしい。あくまでも噂話だから誰が行ったのかも良くわからないが、この街のことは神殿にいる神父が長老みたいなものだから、彼に聞けば色々わかるかも知れないとアドバイスされた。とりあえず行ってみるか。
 
神殿で長老の話を聞く。まずは俺たちがマグニマーで依頼を受けてランニック砦の様子を見に来たことを告げて、今わかっていることを聞く。どうやら既に砦に人を送り込んでみたらしい。地元の猟師を2人ほど送り込んでみたがまだ帰ってこない。ランニック砦は行って1日帰って1日だから向こうに滞在していればまだ帰ってこない可能性もあるが、それでもちょっと遅いと感じているようだ。
 
ランニック砦のことを色々聞いていると、シャルが横から首を突っ込んできた。曰く、ランニック砦のブラックアローにジャカードロス・ソバークって言う人はいないですか?
 
長老は答えて曰く、それはブラックアローの副隊長だな。その人物に何の用が?
 
どうやら、そのジャカードロス・ソバークなる人物はシャルの父親らしい。仕事バカでいつも家に帰らなかったらしい。シャルの母親は早くに亡くなったが、その時もやっぱり家にいなくて、妻を助けられなかったことを嘆いて出奔してしまったらしい。それ以来、シャルは親戚に育てられてきた。父親はその間、一度も帰ってこない。どうやらブラックアローで自分を鍛えなおしているらしい
 
ランニック砦の近くにはオーガキン以外にも野生動物がいるから気をつけた方が良いとアドバイスを受けた。今年は雨季が早いから雨が多いらしい。それも気をつけろとのことだ。また、もし砦が何者かの手で落とされていたら、待ち伏せがあるかもしれないから注意しろとも言われた。
 

 ランニック砦に出発


早朝からランニック砦に出発した。途中で罠にかかっている間抜けな熊がいる。なんかガムが話しかけてみるとブラックアローのレンジャーのアニマル・コンパニオンらしい。せっかくなので砦がどうなったか聞いてみる。熊が語るには、砦はなにやら大きな人に襲撃され、そこから主人であるレンジャーと一緒に命からがら逃げてきたらしい。だけど主人の方は途中で捕まって、1匹でここまで逃げてきたらしい。などと話しをしていると、向こうの方が騒がしくなる。どうやら追手がやってきたようだ。
 
追手はオーガキンとその猟犬たちだった。猟犬を使って容赦なく狩りたててきたが、まあ、所詮犬は犬。ザックリぶっ殺してオーガキンを捕虜にした。
 
オーガキンは頭が悪いので情報を聞き出すのも一苦労だ。色々試した挙句、こいつの名前がルーカスというらしいことがわかった。野蛮人の癖に生意気な名前だ。どこから来たのか聞き出すと、砦ではなくルーカスの家から来たという。きっとそこがオーガキンの巣窟だな。
 
オーガキンを駆除するためにルーカスの家に行きたいと言うとママが怒るから駄目だという。まあなんだ、ゴツい体しててママだぁ? ナメてんのか。まあとにかくママ以外に兄弟もいるらしい。兄弟の人数はたくさんらしい。こいつは頭悪いからきっと3人以上いるってことだな。
 
砦について聞いてみると、砦には弓を撃ってくる奴がたくさんいて怖いから普段は近寄らないらしい。今回はたまたまレンジャーが砦から逃げてきたから捕まえてみたという。だから砦で何があったか知らないそうだ。まあ、情報は絞れるだけ絞ったからこの辺で始末するか。サクッ。
 
ルーカスを始末した後、ルーカスの荷物を漁ってみる。たいした物は持ってないが、腰蓑にぶら下がってる小袋は良く見ると人皮でできている。どうやらブラックアローのレンジャーから剥ぎ取ったものらしい。やはり天誅を下して正解だったな。奴は自分の家の場所はしゃべらなかったが、足跡が残っているからこれをたどっていけばオーガキンの巣が見つかるだろう。
 

 森の中の2軒家


足跡をたどって森の奥に繋がる細い道を行くと、小屋が2軒建っているのが見えた。家と納屋だな。あそこがオーガキンの巣かもしれない。俺は姿が見えなくなるまじないとかいう眉唾物のまじないをかけられて小屋と納屋の偵察に行くことになった。まあ、まじないでも気休めくらいにはなるか。
 
まずは納屋の様子を見よう。納屋は石造りで昔は立派な建物だったようだが、今は荒れ果ててしまっている。入り口に鍵がかかっている様子がないので、扉を少しだけ開けて中を覗く。中からは明らかに何か人工的な処理をしている臭いが漂い、部屋の中央では釜で何かを煮ているのが見える。奥にもう1部屋あるようだが、そこを調べるには部屋にたむろする3人の大男を何とかしないと駄目だろう。
 
デカイ男、すなわちオーガキンの1人目はやたら大きな両腕を持ち頭が瘤のように膨らんでいる。頭の瘤からは針金のような剛毛が生えているのがわかる。2人目は目が白く、もしかしたら目が見えないのかもしれない。3人目は足が悪いらしくヨタヨタと歩いている。
 
こちらは入り口から覗くだけではこれ以上良くわからないので、小屋のほうも見に行く。こちらは入り口が2箇所、窓は曇っていて中の様子は良く見えない。これ以上深入りするのは危険そうなので、いったん報告に戻ることにした。
 

 納屋に奇襲


足音を忍ばせて納屋に奇襲をかけることにした。例によってサイレンスとかいうまじないを使っている。このまじないをかけると音がしなくなると言ってるのを聞いて半信半疑だったが、本当に静かになったぜ。こりゃすごいや。これを使えば色々仕事が楽になるかもしれない。
 
それはさておき、奴らはこっちが近づいていることに気がつかなかったので、いきなり襲い掛かる。ファロンがエリートパワーとかいう奴を使って白目を葬る。ありゃ絶対何かインチキしてるな。いつかそのインチキを暴いていやる。まあ、奴は白目を葬った後ウットリしすぎて大腕につかまってたがな。
 
ケルダは足が悪い奴に目潰し粉を投げつけていた。あれは便利だと思ったがケルダは作り方は秘密だといって教えてくれない。ケチな奴め。足が悪い奴は目が見えないなりに釜の中身を柄杓ですくって撒き散らしていた。その汚物っぽいものがミリヒにかかるとミリヒは全力で吐きはじめた。ありゃ被ったら病気になるな。気をつけよう。
 
とか思っているとリリーの奴が釜の中身を浄化したとか言ってる。まあ、あいつは妄想癖もあるから話半分くらいに考えた方がいいが、確かにあの嫌な臭いはしなくなったな。
 
俺達がちょいちょいと暴れると2人は倒れ、残り1人は捕虜にした。頭が悪そうだからちょっと魅了して奥の扉のことについて聞く。この部屋は封印されていて、今まで集めた貢物がいっぱい詰まっているらしい。ママがどちらにいるか気になったので聞いてみると、こっちじゃなくて向こうの小屋にいるらしい。向こうの小屋に兄弟がいるかと聞くとやっぱりいると言っている。まあ、人数はこっちの方が多いとか言ってるから2人くらいだろう。
 
ここで一緒に連れてきた熊が、この扉の奥に主人のレンジャーがいると言っている。戦利品の中にはこれから食料になる予定の人間も含まれているらしい。アダマンタイン製のロングソードで閂を断ち切って中に押し入る。お宝があるといわれていかない奴はいないよな。
 
中には死にかけのレンジャーが3人いた。助けようと思って近寄ると天井から蜘蛛が襲ってきた。蜘蛛は洒落にならないくらい強かったが、総力戦で何とか撃破した。とはいえ満身創痍なのでさっさとレンジャーを助け上げてお宝をいただくと撤退することにした。
 

 街に帰って


帰り道は幸いにして何にも出会わずに帰ってこれた。安全なタートルバックの渡しで助けてきた3人の具合を見る。助けてきた3人はジャカードロス・ソバーク、デイル・テムロス、ケイベン・ウィンドストライク。なんとシャルの親父さんが混じってるじゃないか。
 
3人の話を聞くと、砦はオーガに襲われたことがわかる。オーガキンの間違いではないらしい。3人はパトロールに出ていたため助かったそうだ。普段なら十分な人数が砦に残っていて、その程度の襲撃は撃退できるはずだが、今回はなぜかほとんど全員が出払っていたため砦がオーガにやられたらしい。3人は外から救援しようとしたが失敗し、結局オーガキンに捕まったらしい。
 
翌日、蜘蛛との戦いで負った傷を癒し元気が戻ってきた。ブラックアロー・レンジャーの3人は今すぐ砦の様子を見に行くべきだと主張する。3人は砦の構造に熟知しているらしいが、正面から切り込むのが無理ならどこか秘密の入り口から忍び込めないものだろうか。
 
ちなみに砦を襲ったオーガの首領はジャーグラスという名前で、ただでさえ大きいオーガの中でもさらに大きいらしい。クリーグ一族を率いているというが、一族が何人くらいいるのか良くわからない。ただ、ジャーグラスさえ倒してしまえばあとは烏合の衆だから、簡単に蹴散らせそうだともいう。ジャーグラスは砦のどこにいるかわからないが、あの手の奴らは高いところか広いところが好きだから、そういう場所にいるだろう。

実際に砦まで行って侵入できそうな場所を探してみる。砦は崖を背にして建っており、正面は堅く守られている。背後の崖の方からなら侵入できるかもしれないが、高さがあるから危険が伴うだろう。いずれにしろ、オーガとことを構えるならレンジャー達の助けがあるほうがありがたい。まずはオーガキンのママに奪われたレンジャー達の装備や、砦内部の見取り図を取り戻した方がいいだろう。
 

 こんなところにルーンが


オーガキンの巣を掃討する前に一度タートルバックの渡しに戻った。その途中、良く見るとレンジャーのケイベンの左足に何故かシードロンのルーンがついていることに気がついた。それは何かと聞くとモゴモゴと隠そうとするので魅了して話を聞きだすことにした。俺達がルーンを知っていることを教えると、何を勘違いしたかパラダイスとかいう賭場の話をする。どうやらそこに通いつめて常連になると常連の証、会員証としてこのマークをつけることができるそうだ。
 
タートルバックに戻ってパラダイスについて調べてみると、やはり豪華ギャンブル客船だったらしい。湖を遊覧する名目で運行されているが、中身は賭場で3週間くらい前に火事で沈んだらしい。常連のマークをつけているとタダで酒が飲めたり、ゲームができたりしたらしい。
 
ルーンと関係があるとすると、なんか変な出来事が起こっているかもしれない。
 

 オーガキンを潰せ


砦を攻略して帰ってくるときに襲われても面白くないので、まずはレンジャー達の装備を取り戻すこともかねてオーガキンの掃除に出かける。だが、入り口に仕掛けられていた罠に引っかかって痛い思いをしたので、無理せず街に戻って出直すことにした。
 
帰り道で5人組のオーガに襲われた。幸いにして奴らは自分達の武器をポキポキと折りまくってくれたおかげで勝利できたが、まともに戦っていたら死人が出ていたかもしれない。危ない危ない。
 
次の日、出直してオーガキンの小屋に侵入する。罠があることはわかっているので、仕掛けを解除して侵入する。入り口から入ったところの部屋は熊皮の敷物が敷かれ、ソファーが置かれた部屋に入ったファロンはいきなり落とし穴に落ちた。どうやらこの中は罠だらけのようだ。
 
罠を解除しながら奥に進んでいく。すると体に赤い布を巻きつけたやたらデップリ太った女に遭遇。あれがママか? ママが何かを召喚しようとするので、サイレンスのまじないでその呼び出しのまじないを潰す。するとママは分身をたくさん出し、それを頼りに体力を吸い取りにやってくる。
 
そうこうしているうちに2階から息子が1人降りてきた。背後に回られる形になったので、ケルダが何とか踏ん張って耐える。結局、ママは劣勢になったので息子を盾にして小屋から逃げ出した。追いかけて止めを刺そうとしたが、逃げ切られてしまった。あの体じゃ早くは動けまいと思っていたが、空を飛んで逃げるとは予想してなかったぜ。
 
まあ、逃げられてしまっては仕方ない。家捜しをしてレンジャーの持ち物や、倒した息子オーガキンの死体を漁っる。そんなにたいしたものは見つからなかったが、レンジャー達の持ち物は見つかった。これでランニック砦に向かう準備はできたな。あとは砦の様子を見てくるだけだ。
 
(続く)