トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

第6回ログ

戦略評価プログラムを起動します。
NOW LOADING
.
.
.
COMPLETED


状況1 演習授業

「学園」内外での武力格差とそれより生じる「学園」関係者に求められる行動規範に関するコーウィン教授(注1)による講習会を受講した。
それに伴う実習としてVR演習空間での小売店強襲の模擬戦闘、「学園」外部で実際に使用される無力化兵器の体験を行った。
VR空間内の架空状況であるのにオリセは戦闘に強い拒否感を示していた。おそらく善悪と呼ばれる価値規範に基づく非合理行動であり私には理解できない。

状況2 作戦の発生

コーウィン教授からMt.ハコネを中心に活動する犯罪集団に関する情報を得る。犯罪集団と「学園」パスカル寮とに法規外の接触の可能性がありその事実を確認する任務を指示される。

 作戦について

メンバー

「学園」外部での人間以外の生物の行動は法規的にグレーゾーンのため民間人との接触を極力避け、必要であれば身体変化能力を行使し人間の姿を取る。

  • オリセ

元個体は日本国に属する人間のため際立った特徴である耳さえ隠せば特に外見上の問題は無い。
ただし使用武器は明らかに違法刀剣類であるので常に携帯することはできない。

  • ゲンゾー

寮で異形と化した娘と歩いているのを見たことがあるが、彼と行動を共にするのは初めてである。
トランクの中身を出していなければ特に問題はなし。耳がやや長いか。

  • ユーチャンネル

各種薬品類の携帯が発覚しないよう注意が必要である。
一人称にボクという単語を使うのは一般的な女性にはない特徴であるので考慮する必要があるかも知れない。

本人はオリセ、ゲンゾーと同じく耳がやや長い程度であるが、翼竜はそのままでは「学園」外に持ち出すことはできない。
協議の結果、縮小魔法で大型犬程度の大きさに縮め翼竜を模した人工物と主張することになった。

コーウィン寮の寮生であることは確認済みだが詳細不明。
発砲音が極めて良く消音される拳銃を両手に持ち高速移動で撹乱する戦闘スタイルであるらしい。
魔法に近い能力(注2)を持っているようだが私の魔法探知の反応を見る限りでは別体系のものである可能性が高い。
種族的には人間であるため、拳銃を隠せば問題ないだろう。

場所

Mt.ハコネの石炭鉱跡内部の犯罪集団拠点。Mt.ハコネは休火山ということになっているが世界融合の影響で火山活動が活発になっている可能性がある。

目的

犯罪集団とパスカル寮関係者が接触していることを明確に示す物的証拠を取得し「学園」に帰還すること。
貸与装備として範囲攻撃に巻き込まれると何故か壊れる可能性がある上、特に魔法的な物品でも無いにも関わらず複雑すぎる作りのためメイクホウルの呪文他、魔法的な修理手段が無効なビデオカメラと中型のバンを受け取る。破損した場合、相当額を弁償だそうだ。
このビデオカメラで密会現場などの証拠状況を撮影した場合も物的証拠を得た扱いになる。

状況3 移動と情報収集

バンでハコネまで移動する事になったが検問にかかった時に備え免許を偽造することにした。私も内蔵の文書偽造プログラムを走らせたのだがゲンゾーのそれの方がわずかに優れており、ゲンゾーがサンプルを数十枚作成した上で最も出来の良い物を用いることにした。
私が「学園」外部に出るのはこれが初の機会となるが、人間の姿でない知的生命体は警戒されるであろうことが予測されるので外部活動用人型有機フレーム(注3)を用意した。私の自我が発生してから主観時間でおよそ75000時間が経過しており、これを私が人間であると仮定した時の年齢と考え8歳の雌個体の物を用意して貰った。これを装備している間、私に向けられる表情データ分布が普段とは全く異なるものだった事は興味深い。

移動中の幹線高速道路で検問を受けたが特に問題なく目的の地域に到着した。
犯罪集団が強盗、誘拐などを行っているため街の規模に対して活動中の人間は少ないようだ。
早速情報収集を始めると一人の若年の女性が声をかけて来た。名前をエリと言いここは危険な地域であるので留まる理由がないのであれば立ち去るべきだという事を主張してきた。
これを受けてゲンゾーが齢半世紀をゆうに超える年齢とは思えない手練手管でエリを篭絡し、情報を引き出した。ただし後半の交渉内容についてチーム内から「メタジジィ」という評価がなされていた。意味は不明である。

 エリから得た情報

敵の構成

三頭の竜が犯罪集団のトップである事が分かった。

  • 白竜リュキーディア

人間サイズ。

  • 黒竜ヴィクスロケモス

大きい。

  • 赤竜フレイゴルナン

もっと大きい。

また主にオーク、ゴブリン、ホブゴブリン、オーガ等が兵員を構成していることも分かった。資金は潤沢であるので各種銃火器で装備している者が多いそうだ。

竜の花嫁

エリを始めとする地域の若年の女性の多くは特定の首輪をしており、これは犯罪集団が将来的に人員収奪を行う際の予約札であることが分かった。
過去に行われた人員収奪は一回であり、その際の被害は数十人であるが被害者のその後の安否は一切不明である。

状況4 拠点侵入

今回は哨戒が主任務で戦闘は避けて通るべきであること、現状のチームでは赤竜フレイゴルナンとの戦闘は絶望的、黒竜ヴィクスロケモスとも互角以下であることを加味し、犯罪集団の下部構成員と人員収奪の被害者に扮して正面から侵入を行う作戦を立てた。
被害者役だが自力での変装能力のあるウルチとユーチャンネル、そして本人の希望でゲンゾーとその孫であるアヤメがなることになった。アヤメを外に出しておくシフトを組むとバンの容量が足りなくなるが「ドラゴンの飛んでいるハコネにプテラノドンが飛んでいて不自然な訳がない」と言う発想に基づきグレッグのプテラノドンが車外から追いかけてくることになった。意味は不明である。
拠点に向かう途中、犯罪組織の構成員であるゴブリンから車内を検分され「そいつ(私のことである)って献上用にはいくら何でも若すぎないか?」と訝しがられたが、ファイが機転を効かせ「特別若いのを所望するとの命令を受けた」と答えたため切り抜けることができた。以降このゴブリンの案内で拠点に接近、侵入した。

状況5 拠点内部

拠点内に侵入したはいいが先程のゴブリンを巻くことができない。私の有機フレームの有効動作時間が短いこともあり策を弄するも逆にゴブリンと私が直接接触してしまい変装が発覚してしまう。止む無くゴブリンを排除し死体を鉱山の横穴に隠した。
ここで私の有機フレームが機能しなくなり変装モジュールだけが機能し続けているため不恰好なマネキンのような外見になった。

 死ぬまでにこのゴブリンから得た情報

ガムル

赤竜フレイゴルナンの第一の側近でありおそらくオニである。犯罪組織とパスカル寮との繋がりを考えたときに重要な参考人になることは想像に難くない。

遊戯室、食堂

人が多い場所であることが分かった。ガムルが出入りしてることもあるそうだ。

白、黒、赤の三色に塗られた扉の先は各竜の領域であるため侵入した場合、問答無用で攻撃される可能性がある。

受付

収奪した物品、人員は受付室を通して処理されることが分かった。

正規のルートであり、万が一戦闘になったときに相手が少なくて済むことに期待して受け付け室に入る。受付の事務官は老齢のホブゴブリンであり以外にもあっさりと受付を通ってしまった。私の構造物としての評価額が僅か100gpであることに些か憤りの様なものを感じたが。
事務官に収奪した人員は女中の制服を着せて檻房に入れておくようにと指示されたので大人しく従い檻房室に向かう。その際、火口は危険なので通らないように注意された。
女中服を着たゲンゾーが「これで儂もメイドさんじゃ(はあと」と元の老齢男性の声で言っていたのが大変に不気味だった。

状況6 檻房室及びに拷問室

檻房室に行くと奥が拷問室になっているようで女性の悲鳴が聞こえた。
それはさて置き檻房には男性が四人入っておりそれぞれ人間の戦士、ドワーフの狂戦士、人間のこそ泥、人間の老齢の配達員の様に見えた。配達員は「Amazonから来た」と証言していた。惑星の反対に位置する大森林から来たというのはどう考えても嘘でありこの男は虚言癖がある可能性がある。
とりあえずドワーフの男が騒々しく隠密行動の妨げになると判断したため催眠ガスで無力化した。後にさらに死なない程度の怪我をさせて数日間は起きないようにした。
戦士風の男に頼まれたのもあり奥の拷問室に入るとホブゴブリン三人がお楽しみ中(注4)だった。良く分からないがこの現場を見たオリセが逆上してホブゴブリンに斬りかかってしまったので排除した。
拷問されていた女性はカリンと言い、この拠点内で使役されている人間の代表に当たる人物だった。エリの事例に同じくゲンゾーが篭絡し情報を引き出した。

 カリンから得た情報

収奪された人員の行方

赤竜黒龍に配属された分は食用として供されたため全員死亡、白竜リュキーディアは一定の女中服を着せた上で身辺の世話をさせているとのことだ。
人間の一部が女中として生き延びているのは白竜の影響によるものが大きく、もしこの拠点を陥落させるのが目的であるなら白竜を無力化するタイミングを考えるよう要請された。

火口

溶岩の熱等の危険は少ないが、警備兵として巨大な動く土塊が徘徊しており女中服を着ていない動くものを攻撃するよう条件付けされているそうだ。
探索の途中で地下の状況を召喚した地精に探らせた時に帰ってこなかったのはこれのせいであろう。

三竜

三竜は互いにあまり良好な関係とは言いがたい状況にあるらしい。
これを受けて捜査を容易にするため情報撹乱を行い赤竜に黒竜を攻撃させ、内部崩壊を狙う作戦を立てた。

状況7 火口一階部及び同地下一階部

火口部分を通行できるようにすることで集団で隠密行動ができる範囲が一気に増えるため、カリンの協力で女中服を人数分用意することになった。
代表としてゲンゾーが女中室に付いていき、女中一同にもうすぐ助かるので今しばらく辛抱せよとのような事を言ってきたそうだ。。
問題の土塊であるが大きさだけであれば情報中の赤竜に匹敵するものであり皆が無言のうちに戦闘でもって排除するのではなく、女中服を使って避けることに同意した。
一階部の火口は女中服を着ることで問題なく通行することができた。
しかしその奥の赤扉から地下一階に下った先にある同じ構成の火口では同じ方法が使えなかった。地下一階の土塊は我々を攻撃してきたのである。
勝ち目がないと見て退散することにしたが、誰かが足止めをしなければならない状態だったため、倒されたとしてもゲンゾー(注5)が喚び戻すことができるアヤメが足止めに向かった時事件は起こった。
アヤメの悪夢のような連撃によって土塊は半壊したのである。
その直後土塊の攻撃によってアヤメは破壊されたが攻勢を畳み掛ける事によって土塊を破壊することに成功した。
常駐の衛兵を倒してしまったことにより警備が強化される前に事を終えるためにはもはや一度も長時間の休憩を取ることができなくなった。

状況8 地下一階通路

流石に赤竜の領域内というだけあって警備が厳しい。鎧や表皮の一部を赤に染色した赤竜の親衛隊と戦闘を開始した所、オーガや隊長格(注6)のホブゴブリンなど次々に増援を呼ばれてしまう。
途中ヤオリを始め何人かが致命傷を負う接戦だったが、ゲンゾーが喚び出した元はピエロと思しき異形の男が無力化ガスを展開し戦線を構築しつつ、ファイの正確な攻撃で敵の勢力を削いでいき制圧した。
この戦闘後、敵の持っていたサブマシンガンをグレッグが取得し使い始める。

その奥の部屋には隻眼のオークの神官及び数名の戦闘要員がいたがこちらはそれほど手間をかけずに制圧した。
また、非戦闘員がいると思しき部屋があったため私の触手でドアノブを縛って開かないようにした。

状況9 地下一階深部

地下一階の奥部は三体のミノタウロスがいた。これまでの敵と同様に銃器で武装しており苦しい戦いになったが、通路戦での反省を生かし攻撃を集中させ各個撃破し制圧した。
その奥の部屋はさらに四つの扉に繋がっており一つずつ確認していった所一際目を引く赤い扉がありここが地下一階の最奥部であり、この扉の先がフレイゴルナンの居室であることを確信する。
他の扉からは幹部の物と思われる造りの良い部屋に繋がっており、フレイゴルナンの部屋のすぐ横であることからガムルの部屋であると予想し潜入した。
すると部屋の中央の大型の人体模型が動き出し、それとほぼ同時に部屋の上部に姿を消して潜んでいたガムル、別の部屋にいたオーガ二体の襲撃を受け戦闘になった。
ガムルの放つ吹雪でダメージを受けて不利な状況になった上に、魔法が効かず表皮で物理的なダメージも吸収してしまう人体模型(注7)と、空中から銃撃を仕掛けてくるためこちらから白兵戦を仕掛けることができないガムルに相性が悪く残リソースがほぼ尽きかけてしまうが、運よくガムルの銃が弾切れを起こした事とユーチャンネルが火炎瓶や聖水でガムルに一定損傷を与え続けていたことが幸いしなんとか敵を殲滅することに成功した。

ガムルの部屋の奥の部屋には計算機端末があり、これを解析することでガムルとパスカル寮の繋がりを決定づける証拠を手に入れた。プロテクト(注8)はかかっていたが私にとってこの程度のデータセキュリティは薄紙の壁に等しいのである。
その後、本来の目的を達成したため拠点から脱出した。その際に檻房室の四人も開放したがドワーフの男が勝手に突撃してしまい、助けるべくもないのでその騒動の裏を突いて脱出した。

評価

終盤、特にガムル戦では追加モジュール用の内部バッテリーをほぼ全て使いきってしまっており、私は文字通り置物と化していた。バッテリーの容量増大が急務である。
また、私は瞬間的に敵を無力化する能力に欠いており、今後のモジュール開発はそのような観点を取り入れたものが必要であると感じた。

しばらく研究に篭ろうかと思う。幸いにも私の構成に学術的興味を持ってくれる教授を発見したことであるし。



(注1)コーウィン教授
最後に会った時には学生だったため確認の目的で学内名簿にアクセスしたが、確かに教授まで昇進した事実が記録されている。
しかしこの処遇は異例のものであるため何らかの政治的操作があった可能性があり現在確認中である。

(注2)魔法に近い能力
この能力に対して私の内部プログラムは郷愁と恐怖の感情を抱いた。
私の造物主の能力がこれと同種のものであると仮定するとこの奇妙な状態の説明が付く。
造物主は私にとって母であり死神であるからだ。

(注3)有機フレーム
この有機フレームの外見は驚くほど私に落ち着きと安らぎを与えた。私の材料の一人がこれに似た外見をしていたものと考えられる。

(注4)お楽しみ
ここでは「情報を得る目的ではなく嗜虐心を満たす目的で行われる拷問」程の意であるが、
「可愛がる」が一定文脈化で「パワーハラスメントによる虐待」の意になるのと同じ現象であろう。

(注5)ゲンゾー
以前聞いた話によるとゲンゾーはアヤメを含む元世界の親しい人間を人形の状態から戻すことが目的だと聞いていたが、
今回の件を見るに現在の彼はその目的からかなり乖離しているように見える。

(注6)隊長格
ファイは終盤に敵の隊長格の攻撃を後方に向けさせないよう隊長室に自分と相手を閉じ込めるという戦術を採っていたが、
これは地形を利用した攻防一体の行動であり高く評価されるべきであると私は考える。

(注7)人体模型
後で「学園」内データベースで調べた事なのだがあの人体模型には熱や冷気が有効だった可能性が高い。

(注8)プロテクト
机に貼ってあった付箋にパスワードが書いてあったので。



 DMの感想

THさんに習って感想書いておきます。

・日本語の市販シナリオの改造は超らくちん
Whiterockの半分以下の労力だったかも。舞台が日本なので、実在の地名を出せばそれっぽくなるらしい?ファンタジーシナリオを現代シナリオにするのは若干考える必要はあるけど、英語のよく分からん設定を読むよりはらくちんでした。THさんの言う通り、よそ事しながらやれるし。自作だとまたちょっと違うと思う。

・3.5eシナリオの敵はかなり強くしないとアリアリ or Pathfinder生物には対抗できない
パーティーの強さは分からなかったので、敵の数と武装で何段階か調整できるようにしておいた。クソマンチ千手観音ライククリーチャーを見た瞬間に強さ最大に設定してしまったので、弱いデータを用意する必要は全然無かったけど。何にせよ、シナリオに載っているままだと瞬殺される事が予想されるので、バランス調整は若干難しいかも。

・初心者に対するサポートが不十分だった
ルールを覚えていない人にはもっとゆっくり、優しく教えてあげたかったけど、やっぱりDMだと忙しいのでそこまで余力が無かった。

・倒れたクソクリーチャーを殴る時にヘイト値高すぎて出目2でも当たる事にして、さらにその場でBlind-FightingのFeatを追加したのは秘密。でもこれをやらないとバランス取れなかったと思う。

・またDMが足りなくなったらやりに来るかも。