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第4回

九月〜トロル討伐〜


実りの季節がやってきた。1年前は荒れ地だった場所が黄金色に染まる光景は、何十年も家に引きこもってきた私にとってはまぶしすぎる。ただ、今日はそんな光景に見とれている場合ではなかった。

 なぜなら、私は寝坊したからだ。

 今日はトロル討伐の旅に出発する日だったのだが、何十年も引きこもりをやっていた私にとって早寝早起きは辛い。辛すぎる。
「すまない、待たせてしまった」
 予定より一時間遅れてErixir村の入り口に到着すると、Ilmariの笑顔が迎えてくれた。彼はいつもにこにこしていて幸せそうだ。
 KeelとClainはやれやれといった顔でこちらを振り向く。時間にうるさい二人には説教されそうな予感がする。
 Cynthiaはコンパニオンと戯れていてこちらに興味も示さない。Hazalは乗用犬にまたがってぼーっとしている。この二人は相変わらず何を考えているのかよく分からない。

 全員が揃ったところでトロルに遭遇した平原へ向かう。最初に遭遇したときは奴らに対抗するだけのSpellもLevelもなく逃げ帰ってしまったが、今回は違う。私はScorching Rayを習得したし、KeelにはGiant Vane Long sword がある。戦いは有利に運ぶはず。そう思っていた。

 しかし、いざ戦ってみると2体のトロルの腕力に苦戦を強いられた。KeelはCynthiaのEnlarge Personによってトロルと対等に渡り合っていたが、なかなか決定打が与えられない。そうこうしているうちにIlmariがFull Attackで蹂躙されてしまい、後衛のCynthiaやHazalに攻撃の手が伸びそうになったが、すんでのところでKeelがとどめを刺してくれた。
 私は遠くからScorching Rayを連射していただけだが、Fire Damageを与えられるというだけでなぜかありがたがられるのであった。
 その土地はすぐに開墾され、トロル討伐を記念して「トロル畑」と名付けられた。

 村に帰ってみると、どうやら北の方から入植者がやってきたようだ。リーダーの名前はRingo the 5th 、北東にあるヌーメリアの出身でぶるーなんとかという傭兵軍に所属していたとか。どこかで聞いたことがあったんだが、このとき私は思い出せないでいた。


十月〜ナイトライダー〜

10月、さらなる開拓を進めるために私たちは未開の土地を探索することにした。
山脈に沿った丘陵地を中心に探索したが、巨大なワイバーンの影が見え隠れしてなかなか恐ろしかった。小さなほら穴から古地図とFeather Fallingの指輪が見つかったり、コールドアイアンの鉱脈を発見したりと収穫はあったが、開拓はなかなか困難そうだった。
 この月で一番大きな出来事は、やはり彼との出会いだろう。
 約1000年の休眠を経て再起動したというFigurine 、ナイト2000ことKITT。土は被っていたが風化している様子もなく、流暢なCommonを話すそのFigurineは大昔の高名なWizardが生み出したものと思われる。偶然にも乗用犬型のFigurineであったので、Hazalが所有者となった。

十一月〜三つの出来事〜

 ひとつ、オカリナ村のPatlisという若者が我々を訪ねてなんとか連峰の登頂の護衛を頼みに来たこと。冬の山に登ること自体はなかなか厳しかったが、それほど強いモンスターに遭遇することなく頂上にたどり着くことができた。Patlisは頂上にあった怪しげな岩に触れて満足げな表情を浮かべていた。あとで聞いた話だが、どうやらHazalも同様に岩に触れて何かのまじないを受けたらしい。

 ふたつ、ほら穴で見つけた古地図の示す場所が判明したこと。そこに書かれていた謎の図形が旅の途中で見かけたラクダの形をした巨石に似ていることをClainが思い出して、そこへ向かってみると金属製の箱が見つかった。その中には、また不思議な図形が書かれたScrollがあった。子供だましの宝探しにつきあわされているのか、はたまた大がかりな嫌がらせをされているのか、どちらにしろ私はあまり興味がわかない。

 みっつ、Hazalがヌーメリアから入植してきたRingo the 5th をリンチしてしまったこと。ヌーメリアから入植してきた者達が所属していたのはぶるーなんとか、もといBlueHand軍、Hazalの生まれ故郷を滅ぼした傭兵軍だった。彼の気持ちが分からないとは言わない。だが、国の体裁が整っていないとはいえ一国を取り仕切る者が個人的な感情で個人的に制裁を加えるのは間違っていると私は感じた。これについてはそれぞれの意見もあると思うのでこれ以上言及しない。私ならばBlueHand軍を壊滅させた上で、彼らの制裁も行うがね。

十二月〜古地図の示す地に〜


 Hazalの一件も何とか落ち着いたが、この一件で一つの頼まれごとを思い出した。彼と同郷のCharlotteという機織りが、両親の形見を探してきて欲しいというものだ。