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202006202

第十一話(2)

 コルボサへ

 ズサを倒した英雄たちは、その報告と今後の相談のためにコルボサのソーシェンを訪ねた。転移魔法が使えるようになったので、一度行ったことがある場所なら、すぐに訪れることができる。
 ソーシェンは、ザンダガールが復活したという衝撃的な事柄を話した。ただし、彼女によれば、その復活は予定されたものではなかったようだ。彼女によると、ザンダガールは一度死んだらしい。おそらく、アースフォールを避けるためにどこかで眠りについていたところを、最近何者かに殺されたようだ。ソーシェンは、おそらくアラズニストが犯人だろうと考えていた。ところが、「一度殺したくらいで死ぬようなザンダガールではない。」らしい。幾分弱体化はしているだろうが、復活して「ピーコック・スピリットの大寺院」にいるだろうということだった。
 ソーシェンは、自分が復活してコルボサにいるという噂をいろいろなところで流し、自分の敵になる者たちを見極めていたようだ。それにまんまとつられてきたのが、ピーコック・スピリットの信徒だった。彼らを通じて、どういうやり方なのかはわからないが、ソーシェンはいろいろなことを学ぶことができたらしい。彼女曰く、「これはまたとない好機」とのこと。本来のザンダガールは、ソーシェンでも苦戦するほどの魔法使い。しかし、弱体化した今であれば、英雄たちにも勝つチャンスがあるらしい。
 ピーコック・スピリットの大寺院は、幻術と転移防止の呪文に守られていて、普通の方法ではなかなかたどり着けないらしい。その方法を調べるには、ジョーゲンフィストというところにある古代の図書館に行く必要があるとのことだった。

 ジョーゲンフィストへ

 調べたところ、ジョーゲンフィストは、ロデリックス・コーブから陸路でいくと1週間でたどり着くことが分かった。ロデリックス・コーブまでは転移魔法で行って、そこから山道を歩いていくと、城壁に囲まれた砦にたどり着いた。ここが、ジョーゲンフィストなのだろう。出入口や建物は巨人向けに作られており、やたらと大きかった。
 この砦には、ニヌロンという名前の紫色の竜が住み着いていた。彼は、「タイム・ドラゴン」という種族で、ステテロスという場所の出身だった。ジョーゲンフィストに発生している「時間軸の乱れ」に影響されており、自分の時間が連続してすすまない(突然未来に飛んだり、過去に戻ったりする)という現象に悩まされていた。
 もし英雄たちがこれを解決してくれたら、巣にため込んでいる宝物を分けてくれるそうだ。

(つづく)