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202006201

第十一話(1)

 Shrine of the Sealの罠

 神殿の中に入ったロスは、茶色のローブに身をくるんだ男に案内されて、奥へと進んだ。祭壇の背後に、さらに奥へと続く門があった。老人によると、門の先は回転扉になっているのだが、現在回転が止まっていて、動かすためには動力が必要らしい。その説明の後、老人は祭壇の横にある隠し扉を開いて、「ゴーレムを連れてくるのでここでお待ちください」と言って中に入っていった。
 しばらくすると、隠し扉の奥から、土色の肌をした大きな人型が現れた。それは、表情のない顔をロスに向けると、ゆっくりと近づいていった。そして、右手を大きく振り上げると、ロスの顔面に叩きつけた。ロスは、驚いてローブの男の方に目をやる。男は、「あ、エラスティルの聖印をつけてないからですね。ちょっと待ってください。」と言って隠し扉の中に入っていった。
 ロスは、両手を上げて防御の姿勢を取るが、ゴーレムはその上から容赦なくこぶしを叩きつけてくる。かなり痛い。一刻も早く攻撃を止めなくては命に係わるかもしれない。そこで、ローブの男を追って、隠し扉の中に入っていった。
 部屋の中で男は、木箱をひっくり返しながら聖印を探していた。そして、「あった!これです!」とペンダントの形をしたエラスティルの聖印を取り上げた。ロスは、それに手を伸ばしながら部屋の中央へ向かっていったが、先ほどからの殴打で若干足がもつれている。そこに、あとから部屋の中に入ってきたゴーレムが追いつき、無防備な背中にこぶしをめり込ませた。ロスの体は、そのままうつ伏せに地面に叩きつけられ、やがて動かなくなった。ゴーレムは、ロスが死ぬと行動を止めた。
 ローブの男は、エラスティルの聖印を持ったまま寺院の正門まで行くと、門を開けて、「すみません、皆さんのお仲間がゴーレムに襲われて重傷です。どなたか治療ができる人はいませんか?」ときいてきた。名乗りを上げたのは、アラモス。男は、アラモスにエラスティルの聖印を渡し、「これを付けているとゴーレムは襲ってきません。」と、身に着けておくように指示をした。余分な聖印がないので、他の人たちは門の外で待機することになったが、ミリアルだけが透明化の呪文をかけてこっそり後からついていった。
 ローブの男は、アラモスを隠し扉の奥に導き、ロスの死体を見せた。アラモスはすぐに治癒の呪文を唱え始めたが、ゴーレムに受けた傷は呪いがかかっていて簡単には治らない。ローブの男と、透明化したミリアルはそれをじっと見ていた。やがてアラモスが治癒に集中しだしたあたりで、急にローブの男が呪文を唱えた。アラモスは完全に不意をつかれ、呪文を全身に受けてしまった。痴呆化の呪文だ。
 隠れてそれを見ていたミリアルが、寺院の門の外で待っていた他の英雄たちに大声で事情を伝えた。それを聞いて、リーリアが寺院の中に仲間を引き連れて瞬間移動してきた。当然、寺院の中にいたゴーレムと、ローブの男との戦いになる。
 英雄たちはいつもより2人少ない人数で、ゴーレムはとんでもない強敵。ローブの男もかなりの魔法使いだった。戦いでは勝てないと見切りをつけ、ロスアラモスの保護を優先し、ここは一旦退却することとなった。

 キーエ・マーガ

 Halflight Pathまで戻ると、Dusk Wardenのクロットルが待っていた。事情を話し、Twisted Doorまでの道案内を頼む。その後、なんとかアラモスの正気を取り戻させると、ロスおよび他の人の傷を治療させた。Twisted Doorの周辺には、数日間とどまることとなった。
 その後、アラモスの治療に貴重な巻物を使ったこともあって、一度キーエ・マーガの町を訪れることにした。キーエ・マーガまでは、Halflight Pathを使って、約1日歩いたところにある。道は常に登りだし、Halflight Pathは基本的に洞窟の中の道なので、かなりつらい道中だった。キーエ・マーガでは、魔法の道具の買い出しと、Brotherfood of the SealやWhispering Wayについていろいろ調査もしてみた。

 英雄たち、エリガンタスを倒して骨のグリモアを手にする

 キーエ・マーガで体をいやした後、再度寺院に挑戦することとなった。今度はローブの男が敵だということと、ゴーレムが控えていることが分かっていたので対策はできていた。ユタが恐竜を召喚して壁を作り、ロスバルスラクがゴーレムを叩き壊した。ローブの男はそれを見ると、瞬間移動の呪文で逃げてしまった。
 英雄たちは、そのあと回転扉を筋力で動かしながら奥へ向かっていた。回転扉が90度動くたびに罠が発動する仕組みだった。最初は天井から槍が降ってくる罠。次は炎が部屋中に充満する罠。その次は、床が抜けて下に抜ける罠だった。
 英雄たちは床が抜ける罠には落ちなかったが、下をのぞくと道場のような場所が見えた。ここから先に行くのだろうということで、穴をくぐって下の道場へ降りて行った。道場の中には特にみるところはなかった。さらに下に続く螺旋階段があったので、そこを降りていくと、やはりというか、罠があった。強烈な音声を発生させる札が貼ってあった。
 螺旋階段を降りると、大きな空間に出た。部屋の大部分は下に抜ける吹き抜けのようになっており、それを取り囲むように通路が配置されていた。通路には扉が沢山ついている。おそらく、Brotherfood of the sealの僧侶がここに部屋を持っていたのだろう。下の吹き抜けを見ると、20ft下のところにご神体のようなものが設置されていたのが見える。ご神体は破壊されており、周りにはアンデッドが数体うろうろしていた。
 英雄たちがこの部屋に入ると、奥の扉から、エリガンタスと思しき男と、巨大な蜘蛛の頭部分に人間の上半身がついている生き物(ドライダー)、リドルポートにいたレプトニアと、そのお供のクリッポスが出てきた。
 ロスはエリガンタスに骨のグリモアを渡すように要求し、エリガンタスは代わりに何をくれるのか聞いてきた。が、ロスは答えに窮してしまう。何とも言えない沈黙が流れたが、やがてミリアルが戦いの口火を切った。
 エリガンタスは、死の呪文でミリアルを指さすと、ミリアルの生命エネルギーを蒸発させてしまった。ユタは恐竜を呼び出すと、自らも恐竜に変化する。ロスはエリガンタスがお供にしていたトーテムマスクに殴り掛かった。レプトニアは、クリッポスを前面に押し出しながら、後ろから呪文をかけてきた。
 戦闘は長くかかったが、ユタの恐竜がうまい具合にエリガンタスを弱らせていた。ドライダーがエリガンタスを抱えて瞬間移動で部屋の反対側に逃げたが、英雄たちに追いつかれて止めを刺されてしまった。それを見たドライダーは、また瞬間移動でどこかへ消えてしまった。レプトニアとクリッポスは最後まで粘ったが、今回はクリッポスの見た目に精神を侵されなかったこともあって、なんとか退治できた。
 エリガンタスが出てきた部屋を調べると、骨のグリモアを見つけることができた。骨のグリモアは、人間の皮で表紙ができていて、背表紙のところを丸くたわめた細い骨で止めている。どうみても邪悪そうな本だった。大きさは、縦横50cmくらいある、巨大な本だった。

 ズサとの対決

 首尾よく骨のグリモアを入手したので、コルボサへ戻ってソーシェンと会った。ソーシェンは、ズサとの闘いでの幸運を祈ってくれた。少し話をしたところ、どうやら彼女は前回襲ってきたピーコック・スピリットの信徒たちを捕まえて、何かをしているようだった。詳しいことは聞かないほうが良いと判断し、すぐにマグニマーへと向かった。
 マグニマーでは、ヘイドマーチ邸を訪ねて、これまでのいきさつを話した。その中で、変なことに気が付いた。パスファインダー協会が派遣しているシードロン・ヒーローの名前を、だれも思い出せないのだ。なにかおかしいことが起こっていると思いながらも、解決する方法もないのでタッシロンの古代遺跡に行くことにした。
 古代遺跡があるのは、マグニマーから西に50マイル。小さな島が沢山海面に頭を出している場所だった。その中でも、寺院のような建物の跡がある島に上陸し、ルーン・ウェイキングの儀式を行った。すると骨のグリモアから黒い液体が染み出し、やがて太った男の形を成していった。男は、空中で何かをつかむように腕を大きく振ると、その手の中に巨大なカマを出現させた。そして、ふわりと空中に浮いていく。
 ズサは、本来の力ではなかったにしても、強かった。しかし英雄たちもあらかじめ呪文でズサの使いそうな呪文に対策を練っていたため、やがて力押しで勝つことができた。

(つづく)