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20191130

第五話


  シェイラ・ヘイドマーチの依頼を受ける

 シェイラ・ヘイドマーチは、「アラズニストが復活を遂げたと考えている」と話した。怒り(Wrath)のシン・スポーンが活動していることを考えると、それは十分ありうることだと我々も納得した。そこでヘイドマーチは以下のことを依頼してきた。

  • ハロウ・マウンテンに行き、地下ダンジョンの探索(地図作成)
  • Roderic's Coveにつながるテレポートのポータルを発見出来たら、それの破壊
  • アラズニストの動向の調査

 英雄たちは、問題なくこれを了承した。しかし、「むやみにハロウ・マウンテンに行ったところで、そんなに都合よくポータルの場所が分かったり、アラズニストの動向が分かったりするもんかね」と、同席していたマグニマー市長が問いただした。すると、同じく同席していた冒険者のコリアー・アズメレンが「ケルフードですよ」と話し始めた。ケルフードは、パスファインダーの一員で、数年前にホロウ・マウンテンに探索に行ったグループに属していたらしい。そのグループは、メンバーの半数が冒険中に死亡してしまったが、ケルフードは生き残ったとのこと。しかしなぜか、帰りの船に乗らず、ホロウ・マウンテンがあるリヴン・レイク島に残ると主張し、今も島のオールドマンズ・ローンチという浜辺の近くに住んでいるらしい。「ケルフードより、あそこのことよく知ってるやつはいないでしょう。彼を頼りにすればある程度のことは事前に分かると思います」と、コリアー
 話がまとまったところで、我々はロッジを後にすることにした。ヘイドマーチによれば、宿屋の手配はすでにしてくれたそうだ。準備ができ次第ロッジにくればいいことになった。また、ハロウ・マウンテンに行くための船賃は、シードロン評議会が負担してくれるということだった。

  オードラーニ、アシャヴァのクレリックに復帰する

パスファインダーロッジから引き揚げて宿屋に向かおうとしたところ、オードラーニが「ちょっと寄りたいところがあるから一緒についてきてくれないかしら」と頼んできた。彼女はもともとマグニマーにいたことがあったそうだ。その時、アシャヴァ神の神殿に、聖シャズレルの像を建立するプロジェクトにかかわっていたらしい。像の完成を見る前にマグニマーを離れてしまったため、その後が気になっていたらしい。
 アシャヴァの神殿は、キー・ストーン区の町はずれにあるようだ。狭い路地を抜けていこうとすると、そこにいた乞食が話しかけてきた。「あんたたち、この街の人じゃないね。この先には悪霊が住んでいて、近くに来たやつをみんな食べちゃうのさ。悪いことは言わない、いかないほういいよ。」そう言って、小銭が入った皿をこちらに差し出してきた。それは親切に教えてくれてどうも、というわけでいくらかお金を皿にいれた。そのとき、オードラーニの顔色がずいぶん悪いことに気が付いた。いつも表情が読めない彼女だが、今日は眉間につらそうなしわが寄っている。「私、今日は神殿にいく自信がなくなりました。」と打ち明けてきた。その後、結局行くの行かないのでもめたが、最終的にユタオードラーニの背中を押して、見に行った方がいいだろうということになった。
 狭い路地は、あまり人が通ってないようだ。ごみと動物の糞がところどころに落ちている。変なものを踏まないように気をつけて歩いていると、建物の屋根についていた魔物の像が急に襲ってきた。ガーゴイルだ。魔法の武器でないと傷つけることができないので苦戦したが、なんとか倒した。これが、悪霊なのか?
 さらに奥に行くと、建築途中で放棄された神殿と、放置された大量の石材があるところに行き当たった。神殿の前には小さな広場のようなスペースがあり、街路樹が植えてあったようだが、すべて枯れてしまっている。なぜだか、このあたりの日当たりが異常に悪い。今日は天気が特段悪いわけではないのだが...。
 オードラーニが神殿の前でアシャヴァの祝詞をとなえると、急につむじ風が起こり、地面に落ちていたゴミや石ころを巻き上げて人のような形をとった。この化け物はオードラーニに恨みがあるのか、次のように述べた。

この人殺し!すました顔して昔のことは知りませんってか!俺が成仏できない間にどこで何してやがった...。まあいい、今日こそ、俺が今までできなかったことをついにやれる日だ!おお、神よ悪魔よ、私にこのエルフを殺す力を与え給え....。

 すると、化け物はオードラーニめがけて一直線に突っ込んできた。英雄たちが迎え撃つも、この化け物は霊体なので攻撃がすり抜けてしまい、致命傷を与えられない。化け物は黒い霧の形になって、オードラーニの鼻腔から体内に侵入する攻撃を試みる。窒息攻撃だ。オードラーニはそれをかろうじてこらえた。化け物は攻撃の対象を英雄たちに変えて、負のエネルギー攻撃などをしてきたが、やがて退治されてしまった。
 その後、オードラーニは、自分とイルシノワのいきさつなどを話してくれた。すると薄暗かったアシャヴァの神殿にどこからか光が差し込み、冬の空気が暖かくなっていった。それを見て、「これは、私、アシャヴァ様に許されたのかもしれない」とオードラーニが舞いをささげた。
 そういうことをされると、私、サンデオンとしても一曲かなでない訳にはいかない。舞に合わせてリュートを鳴らしながら、踊りに参加した。すると珍しい楽器の音の様子を見に来た町の人たちが現れ、一緒に歌と踊りに参加してくれた。英雄たちも踊りに参加した。
 来た時には薄暗かったアシャヴァの神殿は、帰る時には穏やかな春の雰囲気に包まれていた。

  ロスがキャンディーを見つける

 宿屋の名前は、「グリフィン」と言った。家具の材質、従業員の立ち振る舞いなど、きわめて高級な宿屋で、ヘイドマーチの紹介がなければ泊まることができたかわからない。オードラーニなどは、「自分はもう少し安い宿屋に泊ったほうが...。」と言い出すくらいだった。ロスが自分の部屋に行くと、部屋の扉の前に布袋と手紙が置いてあった。手紙の内容は、以下。

With admiration, a gift ofsweet candy and a sweet smoke. Enjoy, new heroes of Varisia.

 袋の中には乾燥したフルーツ入りのキャンディーが入っていた箱と、マホガニー製の葉巻箱が入っていた。誰が送ってきたかわからないプレゼントに、その場の全員がいぶかしんだ。ロスを除いて。ロスはキャンディーが大変気に入り、次の1週間は追加購入する方法がないか町中を聞いて回るのに時間を使っていた。
 なお、葉巻箱にはnightmare vaporの罠がしかけてあった。が、それに気が付かないままロスが他人に売り払おうとして、ちょっとしたトラブルになっていた。

  ジュリアと名乗る女

 他の英雄たちもそれぞれ1週間ほど過ごし、準備ができたところでヘイドマーチ邸を再度訪れた。船の手はずは整えてあるということだったので港に向かうと、よく知っている「ティヤリーの気まぐれ号」が待っていた。船長のサーシャが言うには、ハロウ・マウンテンはリヴン・レイク島にある山で、島までは約4日の旅らしい。島まで送ってくれたあと、2週間まで現地で帰りを待ってくれる契約を結んで船に乗り込んだ。
 オードラーニは、マグニマーに残ってアシャヴァの神殿の復興を行うと決めたため、ここで別れることにした。
 島までの4日間で特筆するに値する冒険はなかったが、ある夜、我々全員が同じ夢を見た。夢というよりは、寝ているときに聞こえた女の声だった。

I am Luxuria - you may call me Juria and I am not your foe.

Alaznist has risen, as you fear, and we will both benefit from her defeat. She has left Hollow Mountain to seek power elsewhere, and as she does, you must prepare. I have been watching. You seem heroes who might stand against her, but not without assistance.

Seek out old Thybidos, Alaznist's murdered predecessor, in the Forlorn Sepulchers beyond the weeping dragons. With an Abyssal runestone from the Gauntlet of Fury, his unquiet spirit can be compelled to aid you — yet perhaps not without some conflict. But exercise caution, for even humbled as he is today, the serpent still has teeth. When you are done with him, seek me in Korvosa. We have more to discuss!

 このジュリアという女性は何者なのか?ザイビドスは、アラズニストの前任のルーンロードだとミリアルが言っていたが...。「前任」ということは、もう死んでいるはずではないのか?

  英雄たち、ケルフードと会う

 リヴン・レイク島は、遠くから見ると海の中から生えた山のように見えた。山の中腹には、女性の巨大な顔が彫りこまれていて、島へ来る者たちを値踏みしているようのようだ。顔からしばらく下に下がったところ、山を人に例えると、おなかのあたりから、巨大な橋が南東の方に向かってせり出していた。これは、マグニマーにあるイレスパンの反対側の部分だろう。マグニマーにあるほど、原型をとどめてないように見えた。
 ティヤリーの気まぐれ号は、沖合2km程度の場所に停泊した。そこから我ら7人は、ロングボートに乗り換えて浜辺へと向かった。浜辺には、他の船から来たであろうロングボートが1隻引き上げられていた。その近くには、人間の死体が2体転がっていた。冬なので、死体はそれほど傷んではいなかったが、島にいる生き物に食べられたのか体の一部が所々失われていた。実はマグニマーにいるときに、リヴン・レイク島に向かう船が他に2隻あると聞いていた。この人たちが、関係しているのだろうか。
 浜辺には、そのほかに、キャンプをしたような跡があった。英雄たちは、コリアーの指示に従って、ケルフードのキャンプへと向かう。島に生えた木々の間に、人ひとり通れる道があった。その道を、道なりに進んでいく。途中、小川にかかった丸木橋を渡っているところで、巨大な蚊のような化け物に襲われたが、なんとか退治した。
 ケルフードは、水辺の見晴らしのいい広場に小屋を建てて住んでいた。中年のレンジャーのようだ。聞いていた話と違って2人で住んでいた。この2人目が、双子のようにケルフードと同じ顔をしていた。早速ハロウ・マウンテンについて質問してみたのだが、なぜかミリアルが無礼なことばかりを口走ってケルフードを怒らせてしまう。先ほどの蚊の化け物に何度も攻撃を受けていたので、変な病気でもうつされたのかもしれない。分かったのは、以下のことだけだった。

  • 我々より先に、変な集団が2グループ島に来ている
  • 一つ目は、野蛮そうな人たちの集団。リーダーは、背中の曲がった男で、体から触手が生えていた
  • 二つ目は、派手な格好をした3人組。そのうち2人は女っぽかった
  • キャンプを越えて北に道なりに進むと、石造りの古い倉庫がある
  • キャンプに来る前にあったT字路を(東に行かないで)西に行くと、古代の神殿がある

  英雄たち、邪教の神殿に行く

 まだ時間があったため、神殿の方に行った。神殿は黄色い石造りで、一見しただけで相当古いものだとわかる。不思議なことに神殿の周辺には草がまったく生えておらず、むき出しの土が広場をつくっていた。神殿には、水棲生物をモチーフとした飾りが彫り込んであったが、雨風に削られてそれが本来なんであったかはよくわからなかった。神殿前の広場には、薪の後があった。おそらく、「変な集団」のうち1グループがここでキャンプをしたのであろう。
 神殿の入り口から中に入ってみると、中は暗かった。明かりをつけると、壁いっぱいに描かれたモザイクと、部屋の中央に石造りの生贄台のようなものが見えた。壁のモザイクは、6首の蛇を描いたものや、水棲の化け物、悪魔などが描かれていた。一方生贄台の上には血のようなものが滴っていた。調べてみると、毒のようだ。大変不浄な感じだったので、アラモスが聖水をかけて浄化した。すると、台の上にタッシロン語で次のような文字が浮かび上がってきた。

Those who seek the heart of the Lord of the Scarlet Tide need but to walk the serpent's path.

 これを見て、ミリアルが6首の蛇が描かれていた壁を良く調べてみると、隠し扉が見つかった。
 奥の部屋に進んでみると、最初の部屋と同じくらいの大きさだった。向かって左側は円形のアルコーブ状になっており、右側は正方形の形をしている。左のアルコーブの中心には、尾がウナギの形をしている魚人の像が設置されていた。向かって右側の壁際には、4体の悪魔の像が並んでいる。悪魔の像は、それぞれの目にオレンジ色の宝石がはめ込まれていた。
 ミリアルが素早く魚人の像を調べて隠し扉を発見した。像を横にずらすと、地下に続く階段が現れるようだ。一方悪魔の像を調べてみると、(やはりというか)、ウーズ状の化け物が像のうしろから現れて襲ってきた。このウーズは、見た目が黒くて油のようなにおいがする。燃えるかもしれないということで火をつけてみたところ、爆発炎上した。しかも、火によってウーズが弱っている様子はなかった。部屋中に煙が充満してしまったため、一旦神殿の外まで非難することにした。幸いウーズは、外まで追いかけてくることはなかった。

  英雄たち、古代の記録室へ入る

 神殿の外で一晩休んでから翌日神殿に再度挑戦することにした。夜中、どこからともなく甘い歌声が聞こえて来て、男性達に誘いの声をかけていたが、無視しているとそのうち声は聞こえなくなった。
 翌朝、早速神殿の中に入った。昨日の煙の臭いがまだ残っていた。今回は、ウーズの動きが遅いことを利用して遠巻きにしながら武器で攻撃していると、時間はかかったもののそのうち動かなくなった。
 早速魚人の像を動かして階段を下に下って行った。
 階段をしばらく下ると、巨大な地下空間に行き当たった。天井まで30ftはある。壁には空となった本棚が所狭しと並べられていた。床には誇りのようなものが薄く張っていたが、その上に数人の足跡がついているのが分かった。足跡は、奥の方へと向かっていた。英雄たちは、即座に足跡を追うのではなく、あたりを調べてみることにした。
 すると、小さな小部屋が2つあることが分かった。そのうち一つには、白骨化した死体が2人残っていた。その人骨の首のあたりには、詳細は分からないが、干からびたひものようなものが巻き付いていた。突然、我々の視界に昔のイメージが映り込んできた。アースフォール直前のタッシロン人の様子だった。あるものは、焦り、あるものは、泣き、あるものは絶望していた。そのイメージによると、この2人の白骨死体は、絶望して自殺したタッシロン人のなれの果てのようだ。
 イメージの中でその2人が死んだことを確認すると、視界が現代に戻った。しかし、白骨死体はもはや地面に横たわっておらず、我々に向かって襲い掛かってきた。なんとか倒したが、霊体だったので攻撃がなかなか通じず、苦労した。倒した後は、白骨死体の首にかかっていた皮ひもを取り除き、成仏することを祈った。

  英雄たち、オーガス・プレムの霊に会う

 足跡をたどって奥へ行くと、受付のようなデスクがあり、そこに、機械仕掛けの人形が座っていた。これは、アズラントの技術なのだとミリアルが解説した。人形をうっかり動かしてしまうと襲ってくるかも知れないということなので、ここは慎重に無視する。
 ここからは北と南に行けるのだが、足跡は南方向の通路に続いていた。そのまま足跡を追って南に行くと、十字路に差し掛かった。この十字路には、破壊された機械仕掛けの人形が倒れていた。足跡の形跡から見ると、戦闘がおこったらしい。バルスラクがさらに詳しく調べると、どうやらこのグループはここで人形を倒し、十字路を右に行き、そのあと十字路まで戻って、今度は左に行ったらしい。まずは、足跡をたどって、右に行ってみることにした。
 すると、そこは巨大な図書館で、沢山の古文書、スクロールなどがあった。長い間誰も手を触れてなかったようだが、どうも最近荒されたような形跡がある。前にここに来たグループがやったに違いない。本来時間があれば古文書を調べてみたいところだが、タッシロン語を読めるのがミリアルだけなので、今回は後回しにすることにした。
 十字路に戻って、さらに足跡を追うのかと思っていたら、ミリアルが次のように主張した。「ここにいるグループは戦闘能力があるようだし、鉢合わせすると面倒かもしれない。ので、足跡のない通路を先に調べておかない?」一同はこれに賛成して、十字路を南方向に進んだ。
 通路の先には、事務室のような部屋があり、アースフォール前に職員だったのであろうポルターガイストと、管理職だったのだろう男の霊がいた。ポルターガイストは目で見えない上に、そこら辺にあるものをぶつけてひどい傷を負わせてくるので手ごわかったが、なんとか倒すことができた。管理職の男は、棚に置いてある書類を整理するのを手伝ってあげると、満足したのか成仏してくれた。管理職の男の机の上には、オーガス・プレムという名札が置いてあった。
 プレムの机の上には、「Gauntlet of Fury」に参加したものの名前が書いてあるスクロールが置いてあった。Gautlet of Furyは、夢の中でジュリアが言っていたものだ。てっきり場所の名前だと思っていたが、「参加」するものらしい。
 プレムの部屋を細かく調べると、隠し扉あった。扉の先は下に行く階段になっている。この先に、Gautlet of Furyが待ち受けているのだろうか。

(つづく)

  マグニマーの皆さんに聞いてみました。

  • Aさん、人間:「ミリアル?なーんか聞いたことがあるようなないような..。」
  • Bさん、人間:「ユタ?うーん、誰だっけ。」
  • Cさん、人間:「ロス?あの女か、ひどい目にあったよ。毒入りの箱を売りつけられてさぁ。死ぬかと思ったよ。ホントに。」
  • Dさん、人間:「アラモス?あ、サーレンレイの僧侶なのに、アシャヴァの神殿で踊ってた人?」
  • Eさん、人間:「バルスラク?ああ、あのドワーフの。」
  • Fさん、人間:「リーリア?ああ、なんかいろいろ調べてたね。学者なのかな?」

  ハロウ・マウンテンでも聞いてみました。

  • Kさん、人間:「..いや、Kさんって言っても、俺たちしかいないじゃない。勘弁してよ。」