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20230408

 前回のあらすじ

EJコーポをクビになり、損害を与えたギャングに脅されて研究開発されていた宇宙船オリファントを盗み出した運び屋たち。一応報酬を受け取ろうとするも当然、口封じされそうになった。オリファントに秘められた力を使いどうにか逃げ延びた一行は偽造船籍を手に入れ、やりなれた運送業を始めるのだった。
そして、そんな一行にかつての同僚タリカから連絡が入って来た。

 ブラックハートを運べ

ドッキングベイ87

タリカの持ってきた仕事はヴェスクの帝国、ヴェスカリウムにある惑星ヴェスク2にネクログラフトの一種ブラックハートを欲しがっている人物が居り、持っていくと10万クレジットになるというものだった。つまり、安く仕入れて運べば儲けになると。数が500と多いがちょうど大きな事故が起きたばかりなのでネクログラフトのブローカーの下には十分な数があるだろうとのこと。
早い者勝ちなので一行は船を抵当にお金を工面し、急ぎタリカに教えてもらったブローカー、リシェーという人物の所に向かった。

ブローカー

リシェーがいたのはウルガソーアのホログラムが目を引く大きな建物だった。中は7階まで吹き抜けのダンスクラブのような場所で、刺激を求めるアンデッド達が踊ったり、レーザーに吹き飛ばされたり、身投げしたりしていた。驚くことにここはウルガソーアの教会らしい。

カウンターでアポを取るとしばらく待つことになった。するとドラゴンキンの男が一行の方へとやってきた。軽く世間話をしてみると、Dizzyと名乗った彼も同業者でウィンターモーンという船に乗っているということが分かった。イソキ(ネズミ人間)の船長とウィッチワーパーの女性が上で商談中と聞いて嫌な予感がしたが、少しすると彼らは去って行き、一行はリシェーのオフィスに通された。単刀直入にブラックハートが500個欲しいと伝えると案の定すでに先約がと言われてしまった。

ウィンターモーンの船長とタイタスは古い知り合いだったので、一縷の望みにかけて交渉できないかと接触を試みたが、向こうはもう準備に入っていて忙しいらしくすぐには会えないと答えが返ってきた。

夢の島

500個のブラックハートを仕入れる事が出来ないとなるとタリカの持ってきた仕事は無理になる。シアン30はウィンターモーンの連中を襲ってしまおうなどと言っていたが、一行は先ほどドッキングベイ87で手に入れたもう一つの耳寄り情報の方に当たることにした。
その情報というのは海賊船に襲われて大破した観光船に積まれていたシグナルブースター付きのドリフトエンジンをゴブリンが買い取ったというものだった。シグナルブースターがあればドリフトにかかる期間を半分に短縮出来る。中古で安く買えるならぜひとも欲しい代物だ。

ゴブリンと言えば公共のゴミ捨て場といった感じの区画、Botscrap。尋ねてみると何やら言い争いをしている声が聞こえてきた。

聞き耳を立ててみるとゴブリンたちは三兄弟でドリフトエンジンを修理しようとしたら中から幽霊みたいなのが出てきて襲われ、一番上のお兄ちゃんを置いてきてしまったと言うようなことを言い争いしているようだった。

詳しく話を聞こうと話しかけたが、要領を得ないので、一行はとりあえずドリフトエンジンの所へ向かった。聞いていた通りそこにはモンスターがいた。だがそれは幽霊ではなくライトニング系のエレメンタルだった。エレメンタルは機動力が高い上に攻撃も痛い強敵で、しかもどうにか一匹落としてもすぐにお代わりが現れるという困った状態だった。
真っ当に戦っていてはじり貧だと悟ったウバタマが調べると、放電するドリフトエンジンの中にプレーンの穴が開いていてそこからエレメンタルは湧いている様だった。
結局、アルマトランが放電とエレメンタルの集中砲火に耐えながらドリフトエンジンを止めることでエレメンタルは消え去った。

エレメンタルが居なくなるとドリフトエンジンの隙間からゴブリンが一匹這い出してきた。先ほどの二匹よりも話の通じるこのお兄ちゃんゴブリンと交渉することで最終的にゴブリン三兄弟をどこか別の場所へ連れていく代わりにシグナルブースターを譲ってもらえることになった。

なおドリフトエンジンには細工が為されていた痕跡があった。不思議な粘液がエンジンに付着しており、これのせいでエンジンに穴が開いたようだった、豪華客船の事故はやはり単なる事故ではないようだ。

シンギュラリティハウス

シグナルブースターをほぼタダで手に入れた一行にさらなる儲け話が舞い込んできた。ネクログラフトのブローカー、リシェーから連絡が入ったのだ。なんでもウィンターモーンの連中がリシェーの工房を襲ってブラックハートを持ち去ってしまったらしい。怒り心頭のリシェーは他のブラックハートの当てを一行に教えるのでウィンターモーンよりも先にブラックハート500個を届けてほしいと言ってきた。

リシェーが教えてくれたのはRygan Vuulというネクログラフト作家でアブサロムステーションの中でも高級なエリアに事務所を構えているとの事。ただ、ライガンは人体改造カルトもやっているらしく気を付けた方がいい相手であるとも教えられた。

ライガンの事務所シンギュラリティハウスに一行は即向かったが、アポが無いとすぐには会えそうに無かった。どうにか会えないかと少し奥の方を覗くとそこは手術室になっていて、一人のハーフオークがライガンに無理やり手術されると一行に助けを求めてきた。

しかし、一行が近づくとハーフオークは姿を変え、上から落ちてきたゾンビとともに襲い掛かってきた。なんとこの人物がライガンその人だった。戦闘しつつブラックハートの価格交渉をするという訳のわからないことをする一行。そして、何故かこの交渉はまとまってしまった。

因みにアルマトラン至ってはライガンのネクログラフトの実験に付き合った上、死後に自分の死体を売る契約までしてしまった。

宇宙船レース

500個のブラックハートを積み込み、修理したシグナルブースターを取り付け、宇宙船オリファウントはヴェスク2へと向けて出港した。ドリフト航行にかかる期間を短縮出来たおかげか一行は諸々込みで6日ほどでヴェスク2に到着した。
ヴェスク2は水に覆われた大変美しい星だった。だが、その周りの宇宙空間には宇宙船サイズのクラゲのような生き物の群れが存在していた。

そして、一行がクラゲに戸惑っているとすぐ近くに一隻の宇宙船がテレポートアウトしてきた。通信してきたその船はもちろんウィンターモーンだった。
ウィンターモーン側はレースを行い、勝った方が今回の仕事の優先交渉権を得るということを提案してきた。

という訳で一行は危険な宇宙クラゲの合間を縫い、時にクラゲの攻撃をシールドで防ぎ、時にビームで無理やりクラゲたちの中に道を作りヴェスク2へと宇宙船を飛ばした。ウィンターモーンはイリュージョンによる嫌がらせや、磁場攻撃等を仕掛けてきたが、皆で一丸となって宇宙船を動かし見事一行はレースに勝利した。

納品

目的地点はヴェスク2のゴーストマイアという地で何でも入った者はスペクターになってしまうといういわくつきの場所だった。まるでゴーストタウンのこんな所に誰がいるのかと思っていると遺跡発掘現場のような所にIjtikri(宇宙服を着たイカのような見た目の種族)達がいた。彼らにブラックハートを届けに来たと伝えると先生と呼ばれる人物の場所に案内された。

先生というのはスキッターマンダー(六本腕の毛皮で覆われた小型人型種族)で、医者のようだった。改めてブラックハートを持ってきたと伝えると彼は喜び、すぐに報酬を支払ってくれた。

ブラックハートを降ろしながら使用用途を聞くと次のようなことを教えてくれた。

ヴェスク2は元々Ijtikri達が住む星だったが、ヴェスク帝国が侵攻してきて征服されてしまった。その際、ヴェスク達はこの地にあった呪われた遺跡を発掘しようとした。するとIjtikri達に病気が蔓延し、絶滅しそうになってしまった。

今回運んできた大量のブラックハートはこの病気になったIjtikri達の治療に使うのだそうだ。

 デフレックスを捕まえろ

次なる仕事

ようやくまともな実入りの仕事を終えた一行は、オリファウントの修理等をしつつ次なる仕事を探していた。また、仕事をする際にあった方が便利なので会社名を@ホーム特急便に決めた。
そうこうしていると一通のビデオメールが送られてきた。送り主はカーメラーグラベンダー男爵とその夫人で内容は所有する土地で謎の襲撃事件が起きるのでその対策にデフレックスが欲しいというものだった。
デフレックスというのはヴェスク2に住む大型の熊のような動物(CR11)のことである。60匹以上捕まえてくればボーナスもくれるとの事。危険な動物の捕獲ということでまず調べてみると、デフレックスの狩猟ライセンスや狩猟方法、便利な道具などいろいろ情報が出てきた。
どうやらまともな仕事だと判断した@ホーム特急便は依頼を受ける旨変返信した。

狩猟

ライセンスや追い込みに使う人数分のエネサイクルのレンタル、便利道具などを用意した@ホーム特急便の面々は若いデフレックスの群れがいると思われるYiti Preserveに来ていた。そして、数日探しているとよさげな群れを発見することができた。

デフレックスの群れの追い込みそのものはそれほど難しいものではなかった。ただ、食肉植物や密猟者の残した罠などのアクシデントが厄介だった。中でもナメクジは強敵だった。
沼地にはまったデフレックスの成獣とその子供の声に群れの一部が惹かれてしまい、それを追いかけた時、そこに現れたのがヴェスク2で有名な危険生物の爆発するナメクジだった。倒すと爆発するので、ブルラッシュして遠ざけてからとどめを刺さなければならず興奮したデフレックスの対処も含めかなり手を焼いた。

刺客

デフレックスの群れの追い込みの最終盤、もう少しで宇宙船という頃合いで@ホーム特急便の前に両側を崖で挟まれた渓谷が現れた。群れを後ろから追い立てるだけでいいので、地形としては楽なものであった。しかし、突然前方で大きな光と音が発生するとデフレックス達が暴れ始め状況は大きく一変した。

どうやら前方にフラッシュバンのようなものが仕掛けられていたようだった。誰がそんなことをと当然の疑問を持ったが、それについてはすぐに分かった。どこからともなく一行は狙撃されたのだ。

暴走するデフレックスの群れに飲み込まれると痛いどころでは済みそうに無いので避けたかったが、前述のとおり両側は崖なのでそれは容易では無かった。アルマトランがウェブを唱えてデフレックスの移動を阻害し時間を稼ぐが、その間も何者かによる銃撃は続いた。

身軽なフォウが崖を上るとようやく反対側の崖の上の岩陰に襲撃者がいることが分かった。これを受けてチューファとシアン30が襲撃者側の崖を上り、距離を詰めるとやっと一行のまともな反撃が始まった。敵は一人だったので程なくして倒れたが、最後に自身がEJコーポからの刺客であることを一行に告げるとこの襲撃者は自爆した。

騒動

デフレックスの群れをオリファウントに積み込み、ヴェスク3の依頼主の元へと向かう@ホーム特急便。だが、今回の仕事における困難はまだまだ終わりではなかった。

突如、貨物室の方から爆発音がしてデフレックス達が船内へと散らばってしまったのだ。
そして、それと同時に船内各所で装置などに異常が生じ始めた。
一行もこれに対応するためそれぞれ船内各所へと散って行った。アルケンラボやワークショップはすぐにコントロールを取り戻したが、貨物室ヌルカーゴは空気が漏れている上に重力までおかしくなっていて大変だった。

どうにか犠牲者を出さずにヌルカーゴも元に戻した一行は、何が起きたのかを調べ始めた。するとデフレックスの何匹かがナナイトを飲み込んでいたという事が分かった。何故、デフレックスがこんなものを?あの襲撃者が仕込んでいたのだろうか?疑問は尽きなかったが、とりあえずこの後は特に問題も起きずに依頼者の元へ到着することが出来た。

依頼完了

カーメラーグラベンダー男爵はデフレックス用の厩舎を用意して待っていた。一行が群れをそこへと入れようとするとインビジしていた敵に襲われた。手足ともに4本ずつ、さらに腹から触手の生えたそれはストライダーマンダー(スキッターマンダーの近縁種、ヴェスク3で有名な危険生物)だった。カーメラーグラベンダー男爵の土地で生き物を襲っていたのはこいつらだったようだ。デフレックス等と比べると弱かったので難なく駆除し、仕事は無事完了した。

つづく