トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

20230311

前回までのおさらい


EJコーポレーションからのミッションに失敗したクルーたち。
ミッションのスポンサーであるシンジンというギャング幹部に呼び出され、穴埋めとしてEJコーポレーションが極秘に開発しているオリファウントという宇宙船を盗んでくるように言われる

オリファウント強奪


目的地であるホース・アイ・オービタル・プレートはアバロンの軌道上を回る人工的な工業衛星で、衛星のほぼ全てがレンタル工場設備として運営されている。アバロンは太陽に最も近い惑星で、太陽光発電で大量のエネルギーを供給できるため大規模な工場が作りやすいのだ。
アブサロム・ステーションに戻ったクルーたちは、まずはアバロン行きのシャトルに乗り、シャトルを乗り継いでホース・アイ・オービタル・プレートへと向かった。
ホース・アイ・オービタル・プレートに着いたクルーたちは、まずはネットワークにデータパッドをつなぎ、この場所についての情報を集めてみる。衛星自体が貸し出している工場のエリアが大半だが、労働者用の寮や買い物ができる場所が集まっている居住区があり、その中にビジネス目的の客や出張のエンジニア向けの宿泊施設もあるので、しばらく滞在することはできそうだ。工場設備の大半は貸し出し目的なので、調べるとどのような設備があるのかがだいたい公開情報となっているが、いくつかのエリアは借主がエリアごと借りきり部外者立ち入り禁止にしているようで、何があるのか全く分からない。大企業であるEJコーポレーションが極秘に開発しているというなら、これらのエリアのどこかだろう。
一日目は居住区で一番安いホテルを取り、クルーそれぞれが好きに調査を行う事にした。

フォーとアルマトランはビジネス客目的の工場見学ツアーに参加してみる事にした。いくつかの工場を回り、それぞれの設備の特色や契約形態などを説明されるが、特に新しい発見はなかった。
シアンとチューファは立ち入り禁止の区域が怪しいと踏み、5つある区画の近くを順番に見て回る事にした。ある区画の前を通った時に、全身を白い服装に身を包んだ女性と、大きなカマキリ型のロボット(アバロンの主な住人はAndoridとも違うこのような意思を持つロボットらしい)が区域から出てくるところを見かけた。たまたま最近EJコーポレーションの社内資料を見ていたシアンは、女性がEJコーポレーションのEVPで、白い服はお金を儲ける事が協議の宗教団体の制服だという事に気が付いた。目立たないように二人の会話を盗み聞きしてみると、

カマキリ「長期間の過剰労働によって、労働者たちにも不満がたまっているようです。これはこのプロジェクトのセキュリティリスクとなるかもしれません」
女性「仕事が終わったら休暇を与えるとアナウンスすればいいでしょう。彼らにもプロジェクト完了のお祝いの機会があってもいいでしょうしね」

カマキリは、了解しました、ではそのように手配しましょうと言って区域の中に戻って行った。よく見るとEJコーポレーションの社章がついた装備をしている。
偶然だが、この区域が目的地で間違いなさそうだ。そう思った二人はホテルに帰り、クルー全員で今後の方針について相談する。区域の入口には人の姿は見えないものの、入口のゲートの出入りには認証が必要で、クルーたちの現在の身分では入れないのは明らかだ。ぱっとは見えないが監視カメラもついているだろう。変装が得意なチューファが全員にそれっぽい衣装を用意して区域を交代で見張り、出入りする人に成り代わったりできそうかを確かめてみる事にした。

次の日、朝早くから夕方まで交代で見張りをするも、誰も出入りしない。という事は、おそらく作業員たちは中で寝泊まりして生活しているか既に休暇に行ったかで、成り代わるのは不可能ではないだろうか?コンピューターが得意なアルマトランが出入り口にメンテナンス要員のふりをして近づき調べてみると、意外と大したこと無さそうなセキュリティで突破できそうだ。そのまま無理やりハッキングし管理者権限を得て、入口の認証を通り区域に侵入する。

区域の中に入ると受付のような机があり、椅子に座った警備らしいAndroidが一人、退屈そうにデータパッドのゲームで遊んでいた。が、急にドアが開いて6人も怪しい人が入ってきたのでびっくりして顔を上げた。フォーやシアンが、嘘がうまい人が言い訳するだろうと思って前を譲るが、当のチューファは怪しい踊りを始め、魔法で警備を攻撃する。警備はヘッドセットから誰かに呼び掛けて増援を呼ぼうとするが、ウバタマからも魔法で攻撃されて戦意を失い、助けてくれと命乞いをする。そこをフォーが気絶させるつもりでパンチしたが、哀れな警備はパンチでそのまま永遠に気絶してしまった。
アルマトランとタイタスが先頭になってそのまま細い廊下を先に進むと、奥からさらに警備が出て来て戦闘になる。

通路が狭く先が進めないので、こういう時にはできるだけ金目の物を漁っておけという教育を受けていたシアンは横のドアを開け、責任者の部屋らしい豪華な家具で飾られた部屋を発見する。本棚を見ると金の額の高そうな写真たてがあり、写真は先ほど外で見た白い服の女性と、同じ白い服を着たチューファが写った写真が飾られている。高そうな写真立てなので何も見ずに袋に入れる。続いて机の引き出しのちゃちな鍵を銃で壊し引き出しを開けると、中には高そうな宇宙船の模型とIDカードがあるのを見つける。模型は袋に入れ、IDカードは役に立つかもしれないので服のポケットに入れて速やかに部屋を出る。

そのころ追加の警備も倒したアルマトランが奥のドアを開けるとそこはドックになっていて、たくさんのルンバが床を掃除している…と思ったが、アルマトランはそこにあるルンバがただの掃除機ではなく、殺傷能力のある人食いルンバであることを見抜いた。部屋の中に魔法で霧を作り、銃による集中攻撃を受けないようにする。が、ドックには昨日みたカマキリロボットもいて、侵入者だ、撃退しろと言って爆発を起こし、霧を少し晴らしてしまった。カマキリはそのまま部屋の入口まで突っ込んできてWhirlwind Attackをし、さらに足から銃が出て来てアルマトランを追撃する。アルマトランは集中攻撃を受けて倒れてしまった。チューファがアルマトランを回復し、タイタスたちとカマキリを囲んで応戦する。人食いルンバはシアンの銃やウバタマの魔法で少しずつ数を減らしていき全滅、カマキリはフォーの三連撃で、ロボットに人権はないとばかりに手加減なく攻撃され殺されてしまった。

ドックの奥には目的の宇宙船らしいものがあるが、鍵が無いと入れない。シアンが机の引き出しから見つけたIDカードで認証が通り、中に入る事ができた。中には軽食のパーティーの準備がされていて、どうやら進水式が目前だったようだ。ということは、おそらくこのまま発進する事ができるだろう。シアンがコンソールをたたいてみると、船の準備自体終わっていていつでも発進できそうだ。追加の警備が来る前に退散しようという事で、クルーたちはシンジンからもらっていたハッキングツールをセットし、そのままオリファウントに乗って出発した。

ハッキングツールによってオリファウントは自動航行モードに入り、行き先も決められているようだ。ウバタマが調べてみると目的地は小惑星帯であるディアスポラに向かっているようだ。今後の方針について、このまま届ける、このままオリファウントに乗ってどこかに逃げる、オリファウントは自動航行に任せて乗り捨ててどこかに逃げる、などの案が出たが、(あまり信用できないものの)報酬も惜しいのでこのまま届ける事にした。念のため、ウバタマがハッキングツールをさらにハッキングして、オリファウントのコントロール自体は取り戻しておく。

裏切り


ディアスポラに向けたドリフト航行から1日かけて抜けるとさらに自動航行で、小惑星帯のある場所に降りようとする。近づいていくと偽装された建物がある事が分かる。あれが目的地に違いない。
建物の近くに着陸すると、報酬を支払うので降りて建物まで来てくれ、というデミンダからの通信が入った。言われるままにオリファウントを降り、建物へと向かう。
建物に入るとドラウの女性が出迎えてくれて応接間らしい少し広い部屋に通される。机には軽食と酒などの飲み物が準備されている。デミンダ様はWeb会議中なので少々お待ちください、ささやかながらパーティーの準備をしてありますのでご自由にお食べ下さいとの事らしい。クルーの大半は疑いの目で見て食べ物に手をつけなかったが、フォーはどうせ死ぬならその前に好きなだけ飲むぜと言って好きに飲み食いを始める。

少しするとドアを開けてデミンダが現れた。仕事はお疲れ様でしたとは言うものの、続いてシンジン様はあなたたちのような愚か者に払う報酬は無いとおっしゃっていますので、ここでご退場くださいと言うと部屋の電気が消え、さっきのドラウの女性と一緒に襲ってきた。クルーたちが入ってきた入口を確認するが、すでに鍵がかかっている。暗視が無いクルーはデータパッドの明かりを頼りに応戦するが、奥の部屋からドラウが4人出て来て戦いに加わる。デミンダはこの時代には珍しいシュリケンを投げ、空中でアクロバットな動きをして不意を突こうとしてくるものの、調子が悪いのかどうにもうまくいかず普通にナイフで切りつけてくる。シアンのフルオート射撃とアルマトランの魔法で増援を倒し、デミンダはフォーが素手で殴り気絶させている間に囲んで叩き、なんとかこの場を切り抜ける事ができた。

この場所にとどまっているとさらなる増援が来るかもしれない、と慌ててオリファウントに乗ろうと外にでると、オリファウントの方から大きい爆発音がした。右エンジンから煙が上がっていて壊れてしまったようだが、他のエンジンでカバーしてなんとか発進できそうだ。クルーたちはオリファウントに乗り、再度出発した。


逃亡


船の状態を調べてみると、エンジンが壊れドリフト航行はできないし動きも遅いが、しばらくはこのままでも航行可能だろう。船の兵装について調べてみると、非次元空間テクノロジーに関係する隠し武器がある事が分かった。ただし、存在はするものの、未調整で危険なので機能は無効化されているようだ。この先何があるか分からないので、使うかどうかは別として有効にはしておく事にする。

シアンが工場で見つけた写真について、二人だけの時にチューファに聞いてみると、それはもう昔の話なんだよ、その写真をよこせと人が変わったようにきつい口調で言う。自分の身に危険が及ばない範囲なら組員の過去は問わない、というのは組員の仁義だと教わっていたシアンがそのまま写真をチューファに渡すと、チューファはその場で写真を燃やしてしまった。まあ、画像自体はデータパッドで写真を撮り、ストレージにアップロード済みではあるのだが…

そんな事をしながら2日ほど航行していると、近くに来ていた宇宙船から通信が入った。その船がオリファウントだな、と聞かれてごまかそうとするが、そのまま襲ってきて戦闘になってしまう。相手の方が兵装も強く危険と思ったチューファが例の隠し兵装を起動してみると、相手の宇宙船のあたりの空間自体に穴が開いたかのように虚無が広がり、そのまま敵の宇宙船は虚無に飲み込まれて消えてしまった。非次元空間を複数作りだす事によって次元の穴をあけてしまう兵器だったようだが、コントロールが非常に難しく自分たちが巻き込まれかねなさそうだ。

そのさらに一日後、善意の宇宙船に会う事ができ、資材を分けてもらえてエンジンの修理をする事ができた。
アブサロム・ステーションに戻り身辺整理をしようとするが、入港の際に船籍が無いと言われてしまう。チューファがごまかして慌てて逃げだすが、ブラックリストに載ってしまった事は間違いないだろう。まずは船の船籍をなんとかしないといけないだろう。今までのブラックな仕事歴を生かして、そういう時にはアキトンに行くのがいいだろうという事になる。


宇宙の運送業


アキトンは宇宙港以外のところに着陸しても特に何も言われないので、適当なところに泊めて街に行き、船籍の偽造ができそうかどうかを調べてみる。やはりそういう需要はあるようで、偽造船籍の登録に2000クレジット、船の見た目を変えるのに1000クレジットほどかかるが、可能ではあるようだ。ただでさえ金が無いクルーたちだが、お金をかき集めてなんとか工面した。

これでアブサロム・ステーションにも入れるようになったので、仕事を探してみる。EJコーポレーション時代とは違い元手がないので、受けられるのは単純な輸送業務になる。壊れ物らしい民芸品が入った木箱をアブサロム・ステーションまで運ぶ仕事を引き受け、数日かけて運んで1500クレジットほど稼ぐ事ができた。とはいえ、オリファウントは襲われた時にかなり壊れていて、偽装船籍代や輸送にかかる燃料代なども考えると大して儲かってない、どころかまだマイナスである。何かいい仕事はないものか…

アブサロム・ステーションに着くと、予定通りクルーたちはEJコーポレーションは解雇されていた。それぞれが身辺整理をしていると、EJコーポレーションの上司同僚だったタリカからアルマトランに連絡が入った。クルーたちの安否を気遣って連絡してくれたようだが、彼女もEJコーポレーションを辞めて個人事業を始めたらしい。運送業の仕事はないですか?と聞いてみると、ちょうどいい仕事があるからドッキングベイまで来て欲しい、と言われる。

ドッキングベイの指定されたエリアに行くと、そこは惑星イオクス向けの船がメインのドックらしい。イオクスは住人のほとんどがアンデッドであり、宇宙船もやたらと骨の形が強調されていたり、船員の呼吸を考えていない船が多く泊まっている。その中でも一際目を引くのが、巨大な白い観光船だ。どのような事故があったのか分からないが船の上半分が完全に無く、もしこれが中に乗員がいる時に破壊されたのだとしたら無事な乗員はいないだろう、という壊れ方をしている。とは言えクルーたちには関係のない話なので、タリカとの待ち合わせ場所に向かう。

タリカに会い近況などを一通り話した後に仕事の話を聞いてみると、どうも先ほどの観光船に関係する仕事のようだ。あの船はどこかの宙域で海賊に襲われてあのような姿になり、乗員は全滅。残った部分が自動航行で戻ってきた姿のようだ。そこで乗員の死体に目を付けた会社があり、船のオーナーから死体を買い、それらの心臓を大量のブラックハーツというネクログラフトへと作り替えたようだ。今回の仕事はそのネクログラフトを運ぶ仕事らしい。運び荷の来歴がちょっと気になるが、要はただの荷運びだし報酬も悪くない。クルーたちはタリカの仕事を引き受ける事にした。

次回に続く