9つ首竜の教団?に囚われたスターファインダーを救出したが、協会に帰ったところで彼に仕掛けられた罠が発動してしまった。それによって、またしてもデータスコージが発生してしまった!
データスコージ状の現象が発生し、スターファインダー協会で職員達が慌てている中、エインシャンツは何もできずにおろおろしていた。すると、向こうから顔に白いペイントをして3本ホーンを吹きながら濁声でシャウトするバグイが現れた。
「最近デスメタにはまっているんだぜ!悪魔召喚なんかも試している」
良く分からないがとりあえずバグイを引き連れて、何か指示があるかもとセリタさんのところにテレポートした。
セリタさんは忙しそうにコンソールを叩いている。
「あれ、なんで君たちはここに来れるんだ。」
(ちんちんどんどん)
「テレポートです。」
(ブオーン)
「そうか、データスコージでテレポーテーションウォードも停止しているのか…」
(俺の歌を聴け〜)
「緊急事態っぽいので来ましたが,やることありますか?」
(ギャイーン、ボエ〜)
「とりあえずそのうるさい奴をつまみ出しといてくれ」
バグイを連れて執務室の外に出て、しばらくぼーっとしていた。30分くらいたつと協会も徐々に落ち着いてきたようだ。
セリタさんがやって来て言うには、今回のデータスコージはSF協会の周りだけで起きたらしい。前回の教訓を受けての備えもあったし、今回はフィジカルにロボットが暴れることが無かったので、被害も限定的だったとのこと。
「ところが困ったことに、協会の実質的トップであるAI、ガイダンス様へのアクセスが出来なくなってしまったんだ。いろいろとコンピュータに強い人がチャレンジしたが、どうにもうまくいかないらしい。」
「そこで君たちにお願いがある。ガイダンス様のシステムが利用しているサブシステムとして、SF協会のデータベースシステムがあるのだが、教育用のVRシステムからここに侵入し、データベースシステムからガイダンス様を再起動させて欲しい。…もちろん、君たちにコンピュータ技術を求めているわけでは無く、VR空間経由での作戦となるので、協会随一のフィジカル要員である君たちにお願いする次第だ。」
「VRって言うとあのゲームで体験したイリューションみたいな奴ですね、分かりました。しかし、フィジカル…なのか…?」エスジールは、データスコージでコンピュータが不安定な中、VRに入って安全なんだろうかと古代人にしては賢いことを言っていたが、古くさい頭の仲間に、「IllusionなんだからWill ST通せば大丈夫」などと訳の分からない説得をされて渋々ついてきた。
VR教育システムのある部屋は、ガラスの棺桶がいくつも並んでいる地下墓地のようなところだった。アティオス君が入れるLargeサイズのサルコファガスもある。
「中に入ったら、教育システムのエージェントが君たちをナビしてくれるだろう。ではよろしく頼む」
セリタさんが操作すると、ゆっくりとエインシャンツ達の感覚が薄れていった。
気がつくと、森の中にいる。なんだか懐かしい感じだ。森の向こうには、大きな木で出来た館がある。とりあえずそこに行けばいいのかなと歩き出すと、ぴかぴか青く光るスーツを着た巨人のアンドロイドが出てきた。
「私はHOPE-01。このシステムの教育プログラムです。セリタ様から命ぜられ、皆様のここでの活動を支援します。
向こうに館が見えると思うのですが、あの館に…地下道的なものがあって、そこがガイダンス様のデータベースにつながっています。そこまでたどり着ければ、私がガイダンス様を再起動できるでしょう」
とりあえず館に着いた。遠くから見たとおり、館はなんだか廃墟みたいになっている。
「元からこんな感じなのか?」
「いえ、何かの影響でシステムが部分的に破壊され、それが見た目にも現れているのだと思います」とHOPE-01。
通信も出来るというので、セリタさんを呼び出して、館の中に何か敵が居るのかと聞いてみると、
「うーん、居る、かもしれないが、わからない、必ずしも敵では無いかもしれない」
と、なんだか歯切れの悪いことを言う。
悪魔召喚に凝っているバグイが幼児とハエを合体させたようなデビルのZebubu(ブブ太)を召喚して先行させる。
最初の部屋には、HOPE-01と似たような見た目の像が置いてあった。
「この像は何なんだ?」と聞くと、
「権限が無いため回答できません」とHOPE-01が言う。
このVR教育システムの作成者かなにかなのか…?
さらに先に進むと、大きな広間になっており、セリタさんのように見えるアンドロイドと、HOPE-01に似た巨人アンドロイドが5体、壁際のイスのような場所に座っている。
エインシャンツが近づくと、セリタさん以外が動き出して、「お前達は何者だ?」と聞いてきた。スターファインダー協会に頼まれて、ガイダンスを再起動するためにここにやってきた、と言うが、ここはHistoria-Primeの管理下にあって、奥に進むことは許されないらしい。
HOPE-01からセリタさんを呼び出して聞いてみると、頭を抱えたセリタさんのホログラムはとんでもないことを言い出した。
「もともと協会のデータフィリアが出来たときの初代リーダーがHistoria-Primeだった。時間が経ち、組織のリーダーは代替わりしていくはずで、Primeも後任に引き継ぎをしたそうなのだが、Primeはこれに納得がいかなかったらしく、引き継いだ振りをして、後任をハックして乗っ取っていた(後任の人の精神はもちろん破壊された)。で、こんなことが3〜4世代も続いていたらしく、協会側もこれには気がついていたようなんだが、どうも黙認していたらしい。私がデータフィリアのリーダーになったときも同じことが起こったんだが、私は優秀だったのでPrimeの支配を脱し、逆にPrimeを封印することに成功した。…で、Primeはそれ以降幽閉されてここでデータベースの管理をしている。ガイダンス様は奴が管理しているデータベースを使っているので、協会的には持ちつ持たれつの関係があるのだ。ちゃんと閉じ込めていたはずなんだが、データスコージの隙を突いて自由を得ているようだ…。嫌な予感がしたんだよなぁ」
なお、セリタさんのように見えるアンドロイド(のボディだけ)は、当時の戦いの名残らしい。
古代人達は、Magic Jarで体を乗っ取りながら生きる灰色の魔女みたいな奴を想像した。どう考えてもEvilである。
「…じゃあまぁ、これは壊したりしても良いと言うことで」とヴァライアが言うと、広間の真ん中の石柱めいたものが青く光り、
「お前達イントルーダーだな?私は今のSF協会の権威を認めたりはせんぞ!」と声がして、5人のHistoria-Primeコピーが襲いかかってきた。
HPコピーは様々な知識を持っており、いにしえのスパイクドチェイン持ちが二人、ボムを100個持ったやつ(1ターンに投げてくるのは2個)が二人、ウィザードが一人の構成だった。
前に出ていたヴァライアは、ボムを4発くらい、スパイクドチェイン持ちにフルアタックされて倒れた。その後、アレクシスに回復してもらってチェインライトニングで反撃するが、さらにボムを2発くらって死んでしまった(その後Breath of Lifeで緊急蘇生)。
ヴァライアがダメージスポンジになっている間に、アレクシスのチェインライトニング、ラニのファイヤボールとコールドアイスストライクが撃たれ、そしてバフって位置を整えたジグのカードとアティオスの爪がスパイクドチェイン持ちをまずは倒した。
バグイは歌を歌い、「俺の歌を聴いている間は不死身だぜ〜!」とシャウトする。確かにこの歌を聴いている間はhpがマイナスになっても倒れないのだが、ボムを何発か喰らった上に、倒れないからもう一発、と言われて、追加のダメージを喰らい、エスジールが回復するも直りきらず、バグイは倒れてしまった。で、この後ウィザード型の直線時間破壊魔法にうっかり巻き込まれ結局コンプしていた。
その後ボム型もウィザード型も倒され(それなりに範囲攻撃ダメージを受けていたので)、バグイをどうしようかと思っていると、セリタさんが緊急蘇生メソッドを使って復活させてくれた。
「VRなので大丈夫」(byセリタ)
しかし、蘇生したバグイの脳には不穏なHistoria-Primeの声が響く。
「この装置は私の支配下にあるのだ、お前の体はこれから私のモノだ!」
が、バグイはWill-STで20を振ったのでHistoria-Primeの乗っ取りは失敗した。セリタさんもこうやって助かったんだろうか…。
「…よく考えるとお前みたいな変な奴の身体はこっちから願い下げだ」
と捨て台詞を吐いていくPrime。
広間の石柱を調べると、そこが隠し扉?になっていて、そこからデーベースなるところにテレポートできそうだった。
テレポートした先は、執務室だった。ガイダンスさんの写真が飾ってあったので、その在りし日の部屋をイメージしているのだろうか。
辺りの空間にはピンクやグリーン、パープルの球がたまに浮かんでは消えており、この空間が通常のものではないことを思い出させる。
奥に向かう扉を開けたところ、そこは情報検索用のコンピュータが並んだ部屋だったが、ここは隅のほうがボクセル化しており、空間が壊れているようだ。ジグがカードを投げたがその見た目はそのままだったので、その空間に入り込んだものが全て壊れるような場所ではないらしい。
HOPE-01曰く、データベース本体は南とのこと。南に向かう扉をジグが調べると、珍しく罠があった。
「これは、通ろうとすると火の壁が現出する罠だな」
火の壁=Firewallということだろうか。とりあえず解除する。
先に進むと、そこはさっきと同じように壊れかけの空間だが、多数のキャビネット?のようなものが壁を作っている場所で、そこにデータが納められているらしい(HOPE-01「お願いですから壁を直接攻撃してデータを壊さないでください」)。
奥には、ボクセルで出来た人型が一体、犬型が2体、天井から生えたタレットが3機と、青く目を光らせたHistoria-Primeが居た。
「ここまで来たかイントルーダー。私自らがここでお前達をひねり潰すのはたやすいが、優先するべきはここからの脱出なのでなぁ、直接相手をしてやれず申し訳ない。ではお前達、いずれ電脳の海で会おうぞ。この後お前達はここで息絶え、その魂は電脳の海に漂うことになるだろうからな!」
Historia-Primeは本体をこの空間から離脱させたようで、目の前のPrimeの目からは若干光が失われた。どうもアバター的なものをこの場に残していったらしい。そのまま戦いになった。
先手を取ったヴァライアがWall of Forceを張ったので、タレット達はみんな射線が通らなくなった。ボクセル犬は後衛のいるところにテレポートしてきたが、これはStandard Action。一匹は何もできないままジグのカードに切り刻まれ、残った一匹はアレクシスを殴るが、意外に硬かった(AC29)アレクシスに当たらず。そのあとやっぱりジグに倒された。
アティオス君は単身奥に突入し、Historia-Prime-Avatarと戦う。Avatarは、こちらの張ったWall of Force以外の壁は無いものとして振る舞えるらしく、こちらからは射線が通らない位置から呪文を撃ってくる。アティオス君にタイマンされてすぐに倒れるかと思ったが、DR15もあってなかなか硬い。Hail Stormという氷系の範囲継続ダメージ呪文でアティオス君を釘付けにしつつ削ろうとしたが、アティオス君はEvasionで避け続けてそうは問屋が卸さなかった。
ボクセル人型は、PC達のテクノロジーデバイスを破壊する攻撃を撃ってきたがそういうのは特になかったので1手番無駄にして、その後ラニのIcy Crystal Prisonで氷付けにされながら、バラサが変身した巨大蛸と殴り合っていた。その後、近づいてきたバグイのDirty TrickでStaggeredになっていた。
Historia-Primeは壁を抜けてアティオス君から逃げ、Wall of Forceで遮蔽を取るが、ヴァライアがDisintegrateで壁を破壊してジグの射線が通るように。その後、カードの嵐でシュレッドチーズにされていた。
人型ボクセルはアティオス君に切り裂かれ、残ったタレットは(アレクシスのCommunal Resist Energy(Fire)で実質無力化されていたが)チェインライトニングとコールドボールで壊された。
敵が一掃されると、HOPE-01がなにやら呪文らしきモノを唱え、データベースの中は正常化された。その後執務室に戻って同じくHOPE-01が何かすると、そこにはラシャンタの女性が現れた。
「私はダウンしていたようですね。が、皆さんが助けてくださったことはわかります。さて、この空間の中にとどまるのもキケンかもしれませんから、いったんログアウトしましょう」
エインシャンツはガラスの棺の中で目を覚ました。外に出ると、空間にガイダンスの(ラシャンタの姿では無い)ホログラフが表示されている。
「データスコージが引き起こされ、それに乗じてHistoria-Primeが逃げてしまうとは、なかなか問題ですね」ガイダンスは、あまり困っていなさそうな雰囲気でそう言ったのだった。…それだけでよいものなのだろうか。
セリタさんはPCたちをつれて隅の方に行き、
「さて、君たちは今日スターファインダー協会の暗部というか、あまり外聞の良くないことを知ってしまったわけだが…これでわかってもらえるね?」といって、1人2万クレジットを渡してきた。バグイが余計なことをいいそうなそぶりをしていたが、ほかのメンバーは古代人を匿ってもらっているという側面もあるので、大変物わかりが良かったのだった。