サモナーのエスジール、ならず者のジグ、魔法使いのラニ、剣士のキャリバー、オラクルのアレクシス、半導体生物のインテグラは、それぞれ何らかの理由で太古のゴラリオンから時空転移してきたが、その過程で記憶や力を失った。突如としてアブサロム・ステーションに出現した6人はスターファインダー協会に保護されることとなった。
協会では、過去の歴史に証人かもしれないということで彼等を研究していたが、本人達には曖昧な記憶しか無いようで、結局プロジェクトは中断。6人に基礎教育は与えたものの、その処遇については決めかねていた。当ても無い6人は、世話役に勧められるままに、スターファインダー協会の入会試験を受けることになった。
6人は入会試験を受けに、アブサロムステーションのリングセクターにある協会本部、ロアースパイアーコンプレックスまでやってきた。
そこには、入会試験を受けに様々な人々がやってきており、6人も列に並ぼうとしたが、協会の担当者に呼び止められ、別室に案内された。
曰く、
・皆さんの特殊な事情を鑑み、他の人とは違った試験を受けてもらうのが上からの意向
・パーティを強制はしないが、同一パーティで活動してくれると嬉しい
とのこと。しばらく待つようにと部屋に残された。
部屋にPC達だけで取り残されたため、社交的なアレクシスがいろいろ話しかけていた。
・アレクシスに話しかけられたジグは、お前みたいな苦労したことが無さそうな奴は嫌いだ、などと失礼なことを言っていた。
・ラニは偉そうだったが比較的まともだった
・キャリバーは若干コミュ障だった
・アレクシスは、エスジールには何故か引かれていた(アレクシスのHellbound curseにより、C/Gなキャラは本能的にアレクシスが嫌い)。なお、エスジールはスマフォの音声認識で、聞こえなくても会話ができる。
・インテグラは虚空に向かって一人で喋っていた(回線状況が悪かった)。
しばらく経つと係員が戻ってきて、スパイアーの高い所にある代表の部屋に通された。部屋には誰もいなかったが、3D映像で人影が表示されて、話しかけてきた。
「私はガイダンス。スターファインダー協会のアドバイザーをしています。ファーストシーカーの代行として、実質的にこの協会を預かっている身です。
ファーストシーカーは別の重要なミッションに出ていて不在のため、代わりに、君たちの件について対応します。もちろん、君たちが過去からやってきたという、一般の人には知られていない特異な事情についても知っています。
特殊な境遇の皆さんの希望を叶えていきたいとは思っているが、協会を預かる身として、技術的に問題があったり、信頼が置けない人を協会に置くわけには行かない。」
「そのために、四つの試験を受けて頂きたい。四つの大きなセクションで協会は出来ているのだが、そのそれぞれのセクション長が与える試験を受けて頂き、4つの証明をもらえれば君たちをパスファインダー協会の一員として雇用しよう。」
ここまでの話を聞くと、ジグは開口一番、「話が長い。俺たちのことを馬鹿だと思ってるのか。」などと失礼なことを言った。PF協会に入ろうという荒くれ者にはChaの低い輩も多いため、ガイダンスはこれをスルーし、四つのセクションの住所を端末に入れてくれた。
「なお、注意点だが、過去の世界からやってきた可能性があるということはトップシークレットだ。セクション長にのみ明かされている。こういったことを軽々しく公開してはいけない。」
キャリバーが何故かと問うと、(1)大きな話題を呼んでしまうかもしれないということ、(2)情報を得たい組織から狙われる可能性があるということ、(3)そもそもが真実かどうか分からないとうこと、の3点を上げてくれた。また、他にも過去から来たという人は居るのか、という問いについては、基本はノーコメントだが、過去から特異的な生物などがやってくる、という例はある、とのこと。
というわけで、出自については曖昧にしつつ、指定された順にセクションを巡ることになった。
最初のセクションであるAcquisitives(調達部門)があるという、Nyori Palisadesエリアに行った。当該の場所には、ラニがスマフォの地図を見て歩いていった(ラニ「私に付いてくれば迷うことは無い!」)。
オフィスに着くと、セクション長の所に案内された。扉は緑色で、人工的なライトで光っており、サラマンダーの彫刻がされていた。このサラマンダーの頭をなでると何故か扉が開いた。
セクション長はVask人で、Radaszam “The Dealmaker”というらしい。
「皆さんと会えて嬉しい。詳細についてはガイダンス様から聞いているが、君たちが強いことは重々承知している。様々な世界から特異的にやってきたものの中には強いモンスターもおり、そういったモンスターについては君たちに最優先で対応してもらえるのだろうと信じている。つまり、戦闘について一切問題になるとは思っていないが、ちゃんと社会でやっていけるかという点については疑問を持っている。私からの皆さんの試験はインタビューを受けてもらうというものだ。具体的には、VidStreamのワイドショー、ステーションバズーに出てもらって、スターファインダーニュースの、1コーナー、「新人スターファインダーへのインタビュー」という番組に出て欲しい。スターファインダー協会は一般の人に白い目で見られているところもあり、イメージアップを図っていく必要もあるのだ。」
ラニ「メディア露出は問題になるのでは?」 Rad「君たちのような特殊な人達は、いずれメディアに露出する。遅いか早いかの問題なので、先にやっておいた方が良い。」
アレクシス「全員で受けるのか?」 Rad「そうだ」
キャリバー「目的を考えれば、もっと得意な人がいるのでは。」 Rad「もちろんいて、メインのコンテンツは専門家が作っている。君たちは、ちょっとした話題、ネタになってくれれば良いだけだ(ぶっちゃけ)」
ラニ「…どうせ問題を起こすのだろうから慣れておけ、ということで理解した。」
アレクシス「試験というなら是非も無い。ダメだったら辺境行きの宇宙船に乗れば良いのだ!」
Jatambe Parkで明日撮影があるらしく、ディレクターの連絡先を教えてもらって退出した。
アレクシスはラニにスマフォの使い方を聞いてディレクターのディ・レクター氏に電話をかけた。
レクター「君たちが協力してくれるという準新人だね、よろしく。アジェンダは、簡単な自己紹介。良くあるのは、名前を言う、得意技を披露する、とか。たまに、パーティみんなでやるのもある。自分の冒険力アピールや、本職のアピールなども(スターファインダーには、本職として研究者等のまともな職業を持っており、副業としてやっている人もいるらしい)。パンピーウケするような派手な技を決めて欲しい。あるいはトーク技術で盛り上げても良い。失礼な言い方になるが、びっくり人間アピールに近いところになる。インテグラさんやアティオス君はテレビ映えするので、派手なことをやってくれれば高視聴率が期待出来る。編集はできるので自由にやってほしい。なお、私から出来をラズマンに説明するので、それが合否判定につながるということで理解してくれ。」
どんな紹介をするかをパーティで相談する。
キャリバー「俺はカタナで演武ができる。」
エスジール「アティオス君には計算とかさせるか。」
ラニ「インテグラは何か出来るのかね?」
インテグラ「サイコメトリーとか、ダウンジングとか…?時間がかかるので、即座にできる芸は無いかもしれない。」
ジグ「オレは手品なら出来る。」
ラニがスマフォで番組について調べてみると、朝のポピュラー番組の一コーナー。息抜き程度に見られる物だが、それなりの視聴率はあるようだ。エンタメ的な内容が、やはりウケは良さそうだ。というわけで、その日は練習をして過ごすことにした。
翌日。朝の公園で野外撮影する形らしい。バルタラさんという黄色い服をきた女性がインタビュアーだった。
3,2,1,Q…
バルタラ「みなさんおはようございます。今日もこの公園からSF協会に入る予定の新人の人にインタビューをしていきたいと思います。」
アレクシスがパーティを紹介する形で進行した。
ラニのPresitigionによるパフォーマンスや、キャリバーの剣舞は盛り上がった。
インテグラは、事前に借りていたバルタラの指輪についてサイコメトリ−したところ、「結婚する前のボーイフレンドからもらった指輪で、単にデザインが気に入っていたため付けていたのだが、そのせいで離婚の原因となった指輪で、離婚した旦那への当てつけのためにテレビに出るときは付けている」というビミョーな情報を得て、それを話した。バルタラさんは憮然とした表情をしていた。その後、場を和ませるためにアティオス君がぴょんぴょん跳ねたが、背中に乗っていたエスジールが振り落とされて終わった。
と、パーティの何人かが、朝の公園をランニングする不利をしながら近づいてくる不審な人影を3人発見した。3人はカメラマンの所にやって来ると、高そうな機材であるカメラを強奪しようとする。すかさずインテグラが大得意の霧を張って、相手は困ってしまった。
で、アティオス君に噛まれたりDazeさせられたりカタナで着られたりして倒された。話を聞くと、金にするために機材を強盗しようとしたらしい(アレ「こんな未来でも貧困の問題があるというのか…」)
撮影スタッフは、立ち回りのよい映像が撮れたと喜んでいた。…しばらくすると警察がやってきて、3人は捕まった。
守ってくれたお礼に、レクタ−さんが300creditのお礼をくれた。あと番組のグッズをくれた。夜のニュースでも、インタビュー時に襲われたということで取り上げられ、立ち回りが写されていた。SNSのゴライターを見ると、そのことより、インタビュアーの過去の話の暴露の所の削られかたが話題になっていた。
Radaszamさんも認めてくれ、放映の報酬として一人に20creditくれた。また、合格の判子をもらった。
次のセクションである、データ分析が専門のDataphiles factionに行く。建物には仮眠室があって人が寝ているのが印象的だった。
リーダーはCelitaというアンドロイドの女性。ホログラフィックディスプレイを使って3次元チェスで遊んでいるようだ。
パーティが入っていくと、「ナイジめ、チートを使いやがって」、と言って机をどんどん叩いている。PC達に気がつくと、ゲームをやめて以下のようなことを言った。
「ハロー、候補生達。君たちの背景を知っ興味深いと思っています。そして背景について知っているので、戦闘について問題があるとは一切思っていない。強いモンスターが出たときには、君たちが大活躍してくれると信じており、戦闘についてはテストは必要無いだろう。そこで皆さんをテストしたいのは、探査能力についてだ。ディアスポラというアステロイド帯に廃棄された工場があり、そこを探索をしてきてもらいたい。それはディアスポラの資源調査をしている会社のベースキャンプだが、そこに行って研究データを回収してきて欲しいのだ。基本的なデータの抜き方はお知らせしておくが、最悪、ディスクを外して持ってきてくれればよい(君たちは物理のほうが得意だろうから…)。宇宙船についてもペガサス級スターシップを借りているので、それでお送りする。」
パーティはすぐに出発した。6日かかって、みんな工作したりしていた。目的地の工場に近づいてくると、パイロットの人にエアロックに押し込まれ、ポイと放出された。
そこは真空で、宇宙服を着ていないPCは13点くらいダメージを受けた。アティオス君は倒れて送還されてしまった。必死に基地のエアロックに入り、パイロットに連絡して詰め寄ると、「宇宙服を着ていないなんておかしい」といわれた。パイロットは事情を知らないので、どうも上からの連絡が不適切なようだ。
基地の中は、穴がフィルムで塞がれて中の空気が外に出ないようになっているようなレベルで、仮設の基地のようだ。扉を開けていくと居住区があったが、誰もいなかった。
その先に、大きな工作場兼ミーティングルームがあった。壁には、「予算が無い、人員が無い?いや、君たちの努力が足りないだけ」、などといった邪悪なフレーズのポスターが貼ってあった。他、ロケット的な探索機器が置かれているが、PC達には良く分からない。
探索していると、どうも罠として仕掛けられたらしい、凍えるような冷たい液体が流れてくる場所があって、キャリバーやインテグラが倒れた。一晩寝て、真空ダメージも含め回復した(パイロットが、宇宙船と基地をあり合わせの材料でドッキングしてくれた)。
パイロット曰く、ここを運営していた会社は黒よりの灰色の会社で、罠などがあっても全然おかしくないとのこと。
翌日、ジグが罠を解除した。奥にコンピュータがあって、ラニが情報を抽出した。その後、無事に宇宙船で帰ることができた。Driftでまた6日かかった。
というわけで、帰って報告をしつつ、真空に放り出された件について講義する。
Celi「手違いについてはすまなかった。持っている文献によれば、過去の世界では息をするのは甘え、との記載があったので、息などしないものと思っていた。持って帰ってきてくれたデータは、件の会社のマフィアとのつながりを示す帳簿以外に、小さなサイズの新しい生き物が見つかって、特別な効能があるらしい、という記載もあって、大変に興味深い」
合格の判子をもらえた。
守備部門の支部はAbsalom Stationの治安が良くない地域のSangoro’s Bulwarkにある。オフィスは無骨な形をしていて、ビジネス街のビルと言うより要塞のようだ。
責任者のIxthiaは奥の部屋では無く現場に居て、忙しそうにしている。一段落ついてやってきた。
Ix「お待たせして申し訳ない。いろいろと時間が押し迫っていたもので。ここまで来たと言うことは、他の二人のテストには合格したということだと理解している。ここを見てもらえればわかるとおり、我々は治安を守る仕事をしている。古い世界からやってきたことは知っていて、戦闘については問題無いと思っている。が、古い戦闘スタイルは屋外で巨大生物と戦うのがメインだと聞いており、狭い環境で戦うのが得意かどうかテストしたいと思っている。
課題はこうです。密輸船だと思ってMarkしていた宇宙船を拿捕したのだが、中の密輸船の乗り組み員が死亡していた。中に入り込んで、状況を調査して欲しい。本件の担当者であるSteward協会と話をしてほしい。あぁ、Steward協会は警察組織のようなものだ。」
ラニ「宇宙服が無くても大丈夫か。」
Ix「それは大丈夫なはずだ。ドローンを送り込んではいるが、大きな問題は無さそう。病気か、モンスターが隠れているという可能性がある。」
Steward協会はビジネス街にある。オフィサーの二人に案内してもらった。
「皆さんが優秀なSF協会の職員だと聞いており、安心している。長くマークしていた宇宙船で、最近パクトワールドに戻ってきたので拿捕した。逃げる様子も無く、自動運転だった。怪しいなと思って接舷して乗り込んだが、中に死体が転がっていて、まるで食い殺されたような噛み跡があった。詳細は調査できていないが、監視カメラやドローンの情報からは、変な生き物はいなかったので驚いている。中に入って、驚異的なモンスターがいるのかどうかを確認してきて欲しい。噛み跡はMeidumサイズ、一部の死体は攻撃された後に回復された跡もあった。伝染病の可能性もある。サイドミッションとして、隠されている密輸物資を見つけてくれるとありがたい。」
その日のうちに、送ってもらって入ることができた。ドローンも付いてきてくれている状態で探索を開始。
レクリエーションルームには放置されたドリンクがあり、突発的な事故が起こったことが示唆される。もう一つの倉庫では、緊急保安装置が使われた後があった。
ジグが白い袋に包まれたものを見つけた。繭状になっていて、中からAkataという青いナメクジのような化け物が2匹出てきた。キャリバーが噛まれて病気になったが、それ以外は大きな問題も無く倒した(病気は、保険が聞くので病院で50gpで治してもらった。)
Ixthiaさんは、「狭い空間で戦うこともできるということが分かって嬉しいです。」といって判子を押してくれた。
四つめの部署のWayfinderは宇宙船が大好きな人達。オフィスはLower Sphere Complexの一角にあって行ってみたが、すぐに宇宙港まで連れて行かれた。どうもそこが本体ではないらしい。
FitchというYsokiが組織のヘッドだが、Master of Starsという宇宙船を持っていて、これは協会で最も優れた宇宙船らしい。Absolom Stationの外にある宇宙船の停泊空域であるAlmadaにこの船はあって、その船へと案内された。
ブリッジの近くにFitchのオフィスがあって、そこに行った。行くと、Master of Starsのプラモを作って、その塗装をしている(アレ「この組織の幹部はなぜ職務中に遊んでいるのか…」)。壁には宇宙船の写真やモデルが並んでいる。
Fitch「ヘイ、皆さんが候補生だね。この素晴らしいマスターオブスターズでみんなと会えて嬉しい。ここまで来たと言うことは3人の試験を合格したんだろう。これ以上なにも言うことは無く、あと戦闘については問題ないということもわかっていて、今すぐにでも合格の判子をあげたいが、Starfinder協会の一員として活躍するに当たって、宇宙船が無いのは良くないだろう。というわけで、一隻の宇宙船を差し上げたいと思っている。あ、宇宙船といっても…(といって宇宙船の定義について話し始めた)。
…というわけで、皆さんに譲りたいのはマンタの形をしているバイオケミカルスペースシップ。巨大な宇宙生物に居住スペースをとりつけて宇宙船として扱う特別な宇宙船だ。自分でパイロットチェックをしなくても、スペースマンタとコミニュケーションを取れば良いので古代人にも楽ちん。マンタはCommonが喋れる(Int8)上に好意的で、いい冒険者がいれば載せてもいいよ、くらいの雰囲気なんだ。
が、1つ問題があって、マンタに載せたコンテナに変な生物が入っていたらしく、これを排除して欲しい。これはマンタ本人からの要望でもある。」
ラニ「我々用の宇宙服はないのか」
Fitch「鋭意開発中。」
連絡船でまた運ばれる。Almadaの一画に巨大なマンタがいて、こちらが近づくと、目をぱちぱちして合図をしてくれる。アレクシスが手を振ったらヒレをぱたぱたしてくれた。
そこにはレクタ−さんもいた。かわいいマンタの取材をしているとのこと。
PC達がマンタの背中の居住区に入って捜索すると、シナプスワームというモンスターが2体いた。1匹は背後から襲いかかってきたが、普通に倒された。
Fitch「これでこの宇宙船は君たちの保護監督責任になった。おめでとう。」
掃除の報酬として100クレジットをくれた。あと判子をくれた。マンタは、特に名前は無いそうで、マンタちゃん、と呼ばれることになった。
スターファインダー協会本部のガイダンス様の所に戻ると、スターファインダー協会入会おめでとう、と祝福された。
アレクシス「なるべく外宇宙に行きたいんですが…」
ガイダンス「基本的にはモンスター退治をお願いすることになる想定だ。」
というわけで、PC達はスターファインダー協会に入会し、日々の生活費については払ってもらえることになった。