トップ 一覧 検索 ヘルプ RSS ログイン

第9話の変更点

  • 追加された行はこのように表示されます。
  • 削除された行はこのように表示されます。
!!第9話「異端のディーモン」

{{outline}}

!これまでのあらすじ
ドレゼンを奪還したのち、ウォード・ストーンを再構築するのに貢献した一行は、ガルフリーの命に従ってジャガリー伯爵を探しているうちに、出身地の村長だったアルシェイルの命を救うことになる。アルシェイルはナインドリアン・エリクサーの製造・供給にかかわっているとおぼしきアイボリー・サンクタムの場所を知っているとのこと。ディーモン勢の力を削ぎたい一行は、アイボリー・サンクタムへと向かおうとするが...。

!ドレゼンにて
アイボリー・サンクタムに向かう前に、サールディンは、イラベスと話をすることにした。サキュバスのアルシェイルがウォードストーンで守られていたはずのケナブレスやドレゼンに自由に出入りできることにいささか疑問を抱いたからだった。イラベスにもはっきりとはわからなかったが、「強力なディーモンであれば、ウォードストーンの力に耐えることもできるのだろう」ということになった。サールディンとしては、ディーモンであっても善の心を持つものであれば、ウォードストーンの影響を受けないという結論がほしいところであったが...。イラベスにそこまでは分からないというのも無理はなかった。
アイボリー・サンクタムに向かう前に、サールディンは、イラベスと話をすることにした。サキュバスのアルシェイルがウォード・ストーンで守られていたはずのケナブレスやドレゼンに自由に出入りできることにいささか疑問を抱いたからだった。イラベスにもはっきりとはわからなかったが、「強力なディーモンであれば、ウォード・ストーンの力に耐えることもできるのだろう」ということになった。サールディンとしては、ディーモンであっても善の心を持つものであれば、ウォード・ストーンの影響を受けないという結論がほしいところであったが...。イラベスにそこまでは分からないというのも無理はなかった。

イラベスは、最近ドレゼンに起こった二つの不幸な出来事について教えてくれた。一つは、目の潰れたドラゴンが襲ってきたこと。このドラゴンは、酸の息を吹き付け、ドレゼンの住民の何人かを丸呑みしていったということ。また、最近不思議な猟奇事件があり、3人の住民が犠牲になったということだった。サールディンはそれらの事件が気にはなったものの、ナインドリアン・エリクサーの供給を止めることが優先だと判断し、それらの事件を後回しにする決断をした。

一方そのころペンテシレイアは、「正義の力団」の公式マントを業者に発注していた。赤い布に、金色の刺繍でアイオメデイのロングソードを縫い付けたものだった。

!アルシェイルの正体

アイボリー・サンクタムに向かう間、一行はアルシェイルにいろいろな話を聞いた。それによると、彼女はもともと悪魔の中でも有名なスパイとして活動していたが、あるときデズナの僧侶を殺したときに、(彼女曰く)呪いをかけられて善の心に目覚めてしまったらしい。とは言え、何をすれば善なのかよくわからないので、ワールド・ウーンドの中に村を作り、なんとなくかわいそうな身の上の(したがって、ティーフリングが多い)子供たちを集めて育てていたらしい。

ただ、そうやって心血をそそいだ村もアポナヴィシャスに潰されてしまい、かなり落ち込んでいるようだった。サールディンとペンテシレイアは、そんなアルシェイルに優しい言葉をかけるのだった。

!空間のゆがみ
「確か、このあたりだったはず。」とアルシェイルが案内した先は、何もないところだった。おそらく魔法で入り口を隠しているのだろうと考え、オーディーとケリアンが魔法を駆使して幻術を暴こうとするが、入り口は現れない。しかたがないので、オーディーが幻術破りの呪文をかけながら、空を飛んであたりを広範囲に調査する。すると、すこし離れた場所に、なにやら空間のゆがみのようなものを見つけた。

それが何なのかはよくわからなかったが、オーディーが「試してみましょう」とその歪みに向かって次元移動の呪文を使ってみた。普通なら、歪みの位置に瞬間移動するはずだが、オーディーはなぜか現れず、まるで消えてしまったように見えた。「なるほど、このあたりに瞬間移動すると、アイボリー・サンクタムの入り口にいけるみたいですね。」と、他のメンバーとともに瞬間移動の呪文を試みた。

果たして、一行は、先ほどと同じ場所、ただし「アイボリー・サンクタムと思しき入口のある」同じ場所へ現れた。どういう仕組みかわからないが、テレポート系の呪文を使わないと、この入口を発見することはできない仕組みになっているらしい。

「よーし、速攻で突撃だ!」とサールディンが入口にダッシュしていった。ペンテシレイア、ラオツェン、オーディーが慌てて後を追う。すると、入り口近くで待ち伏せしていたトカゲの化け物が6匹物陰から現れた。トカゲは8本脚の異形で、魔法の眼力を持っていた。サールディンは辛くもその力に耐えたが、あとを追っていた3人と、シロップが魔法にやられ、石化してしまった。

団員の半数以上が先頭不能になるという事態になってしまったが。ケリアンが石の壁の呪文を有効に使ってトカゲの視線を遮りつつ、サールディンがトカゲを少しづつ退治することによって、なんとか最後はトカゲを追い払うことができた。

しかし、戦闘の間にペンテシレイアの両足と、ラオツェンの片足がトカゲによって破壊されてしまった。どうやらこのトカゲは石化させた犠牲者を食べるのが好きらしい。ケリアンが破邪の呪文を唱えて石化した人たちを元に戻すが、失った足までは元に戻ることはなかった。

ペンテシレイアとラオツェンが戦力にならないのは大変困るので、一旦ドレゼンに戻って対策を練ることとなった。テレポートの呪文の関係で、ドレゼンに戻るのはオーディーと、ペンテシレイアとラオツェンとし、残りの団員は徒歩でドレゼンまで戻ることとなった。

!再度ドレゼンにて

ドレゼンで失った足を取り戻す呪文を唱えられる僧侶を探したが、どうやらいないことが分かった。ので、ネロシャンまでテレポートして、より高位の僧侶を探すことにした。少なくとも、テストラシアから援軍にかけつけているゴラムの最高位僧侶、ハマヌーがいるはずなので(戦地に赴いてなければだが)、謁見することができれば足の治療をしてもらえるかもしれない。

ペンテシレイアは、ネロシャンに発つ前に、レダーと面会することにした。ペンテシレイアは、レダーからラオツェンとオーディーがヘンなことをしないか見張るように頼まれていたのだ。ペンテシレイアは、オーディーとかかわりがありそうな洞穴の話や、ラオツェンの体が透明になるときに恐ろしい攻撃力を発揮するといった話をしたが、レダーは全く興味がないようだった。

レダーとしては、ペンテシレイアにラオツェンかオーディーが悪魔の手先であることの証拠を持ってきてほしかったらしい。ここにきて、ペンテシレイアもやっとレダーがレオトールと何も変わらないことが分かった。ティーフリング対する偏見で頭がいっぱいなのだ。


「あんたみたいに、先入観でものを見る人たちに世界は救えないんだからね!」とペンテシレイアはレダーにかみついた。レダーは、「ふん!いつかあんたたちの尻尾を掴んで、貼り付けにしてやるんだからね!ハルラン様も復活されたことだし、レオトール様の立場は万全。次にケナブレスに来るときは用心することね!」

どうやら、悪魔に殺されて死体を操られていたハルランは、誰かによって復活したらしい。レオトールとレダーは、ハルランと合流するべく、ケナブレスに向かうようだ。ペンテシレイアは、「なるだけケナブレスには寄らないようにしよう」と思うのだった。



!ネロシャンにて

ネロシャンにテレポートした後、オーディー、ラオツェン、ペンテシレイアの3人は、ハマヌー大僧正に謁見できるようにいろいろと聞き込みを始めた。コネがないとかなり難しいかと思いきや、案外簡単に接触できた。また、ハマヌーはティーフリングに偏見がないようで、再生の呪文をかけることにも全くためらいがないようだった。

両足が復活したペンテシレイアは、ネロシャンでハルランとレオトールについての噂話を集め始めた。ペンテシレイア曰く、「あれだけ性格が悪いんだから、レオトールの政敵がいないわけない。私は、レオトールの敵に肩入れします!」

果たして、クルセーダーの中では、ハルランとガルフリーが同格とみられ、レオトールとアシュナスが反目しあっていることが分かった。アシュナスはティーフリングだから、これは分かりやすかった。要するに、レオトールはティーフリングは全員敵だと思うのだ。どれだけの命を救ったとか、功績があったとか、そういったことは勘定に入らないのだ。「差別主義者め。」ペンテシレイアは、一人怒りに燃えるのであった。

一方そのころ、ラオツェンはオーディーに告白をしていた。「実は、あの紫の、ナインドリアン・エリクサー、飲んでみたんだよね。」オーディーは、驚きはしたものの、過剰な反応はしなかった。ラオツェンは、ほっとした様子で、「やっぱり、君に相談して良かった。あの薬飲むと、神がかり的な力を発揮することができるようになるんだよ。」ラオツェンとオーディーは、この件をサールディンとペンテシレイアには話さないことで同意した。「あの二人は、過剰に正義感に燃えていて、めんどくさい」



!アイボリー・サンクタム

オーディーがネロシャンからドレゼンにテレポートして戻ると、ちょうどサールディンら残りの団員がドレゼンに到着したところだった。さらに、偶然か、懐かしい人がいた。オーディーの師匠、魔法使いのモルガンだった。モルガンは、邪神デスカリが一体何をたくらんでいるのかを、調査したいといっていた。

団員が全員集まったところで、再びアイボリー・サンクタムへ向かうことなった。今度は十分注意して、バシリスクを倒した。アイボリー・サンクタムの入り口は、幻影の呪文に隠され、さらに鉄格子によって守られていた。さらに鉄格子の向こうには、牛の頭をしたディーモンが4体、さらに大きな角を生やしたディーモンが守っていた。正義の力団は、長い戦闘の末に、へろへろになりながらなんとか敵を倒した。

!エルフの女

アイボリー・サンクタムの中を探索していくと、薄暗い部屋にたどり着いた。部屋は生臭い肉のにおいと、鉄の錆びたような嫌なにおいがした。部屋の中には美しいエルフの女が一人、テーブルに縛り付けられた男をなにやら拷問していたようであった。その異様な雰囲気に、一同ぎょっとなる。

「あら、何の御用かしら?」エルフはにっこりと笑うと、サールディンに話しかけた。

「そこで何をしていたんだ?」サールディンは剣を握った手に力を込めながら問いかけた。エルフは、なんでもないことのようにテーブルの男を見て、「教育的指導よ。この子はヘマをしたわけ。今後のことを考えて、罰が必要でしょう?」と言って笑った。

「ここで、ナインドリアン・エリクサーという紫の薬を作っている、ないしは保管しているはず。そこへ案内しろ。」と迫るサールディン。しかし、エルフは、「あら、私はそれ知らないわね。でも、あいつなら知っているかも。ザンシール。」

ザンシールと聞いて、一同はどよめいた。アルシェイルから聞いていた、アイボリー・サンクタムの主、芋虫でできた人間、高位魔法使い、それがザンシールなのだ。

「でも、あなたたちがザンシールを倒そうとしても無理よ。からなず負けるわね....。私が力を貸さない限り。」エルフは、にやりと笑うとサールディンに提案した。なんでも、ザンシールはバフォメットのカルトに乗り込んできて、デスカリの教えを内部に広めているらしく、古参のバフォメット信者であるエルフはにがにがしく思っていたらしい。「ザンシールを倒して、速やかにここから去ると約束するなら、手助けしてあげるわよ。」とエルフは言った。

サールディンは迷った。このエルフは明らかに邪神の信者で残忍な女。こんな女の提案に乗っていいのか?悩んだ末、申し出を受けることにした。「ただし、われらがここに来たのはザンシールを倒すためではなく、ナインドリアン・エリクサーの供給を断つためだ。なので、ザンシールを倒した後に、彼の持っている資料の回収を許してもらいたい。」

「まあ、それくらいならいいかしら。」

エルフの女は、ジュリブスと名乗った。この名前も、アルシェイルから聞いていた名前だ。エルフに見えて、実はグラブレズゥ・ディーモンの化身らしい。彼女が言うには、ザンシールは強烈な毒の呪文を使うので、毒に耐性がなければ互角に戦うのはほとんど不可能ということだった。

「そこで私が、ウィッシュの呪文をかけてあげるわよ。さあ、何が望み?」

グラブレズゥ・ディーモンはウィッシュの呪文を月に1回だけ使えるのだ。ジュリブスも例外ではない。相談の結果、サールディン以外の正義の力団が、今日一日毒がきかないように頼むことにした。サールディンは聖騎士なので毒に強烈な耐性があるし、ディーモンから呪文をかけられることを嫌ったので、対象から除外してもらうことにした。


!ザンシール

ジュリブスの計らいで、ザンシールのいる部屋まで全く戦闘せずにたどり着くことができた。ザンシールの部屋の前には、鳥のようなディーモンがいたので、これを倒す。

部屋を開けると、果たしてザンシールがいた。

「おやおや、前に会ったことがあるかな?せっかくだからいろいろお話しない?」

ややなれなれしく話しかけてきた。サールディンが、ナインドリアン・エリクサーのことを聞いてみると、

「それについては、話したくないんだよね」

と、いきなり攻撃してきた。毒の雲の呪文や、羽虫ディーモンの混乱攻撃、悪魔虫の集団によるスウォーム攻撃を食らって、多くの団員が戦闘不能となったが、サールディンとペンテシレイアがなんとか踏みとどまって、ザンシールを倒すことができた。

戦闘が終わると、ジュリブスが部屋に入ってきた。ジュリブスはザンシールが死んでいるのを見ると満足そうに笑い、

「あら、よくやったじゃない。ご褒美として生かしておいてあげるから、私の気が変わらないうちにここから出ていくのよ」

などと物騒なことを言う。というわけで、ザンシールの机にあった巻物などを一通りかき集めて、アイボリー・サンクタムから退去することとなった。

!次回予告

ザンシールの巻物を読んでも、ナインドリアン・エリクサーのことは何もわからなかった。ひょっとして、ジュリブスの方こそエリクサーのことを知っているのではないか?次回、正義の力団はアイボリー・サンクタムに再度訪れることとなる。