!!第4話「ドレゼン攻城戦」   !前回のあらすじ 女王ガルフリーから、ドレゼン砦にある「武勇の剣」という魔法の旗を奪還するように命ぜられた「正義の力団」は、デーモンハンターのエルファス大将の部隊に編入され、第一部隊の一部となった。ビラレスの渡し、キーパーズキャニオンでの戦闘を経て、団長のサールディンがイラベスに代わり第一部隊長となった。(イラベスは殉死した第四部隊長を引き継ぐこととなった。) 行軍4日目、進行方向になにやら古びた教会があった。サールディンが自ら手勢を率いて調査を行ったところ、果たして教会の入り口にはガーゴイルが隠れていた。苦労しつつガーゴイルを撃退し、教会の中へと足を踏み入れてみたのだが...。 !教会の中 教会の扉を開けると、壁の隙間や古いステンドグラスから差し込む光が薄暗い内部をぼんやりと照らした。壁や床は落書きなどで激しく穢されており、また、かってはそれなりの価値があったであろう彫刻、人物像などがぶちこわされている。 中には、腐ったようなにおいのする人物たちが10人ほどおり、サールディンの方を、恐れるでもなく、眺めていた。その奥から、蝙蝠のような羽を付けた、悪魔が一人前に出てきた。赤く光る眼を嬉しそうに細くすると、「ふむ、ようやくわが主のえさになるにふさわしいものが現れたか」とつぶやいた。ペンテシレイアが「あなたたちは何をしているの?その、主って誰なの?」と問うが、「ははは、すぐに身をもって知ることとなろう、かかれ!」と、すぐに戦闘となった。 戦闘では、シロップが獅子奮迅の活躍を見せて腐った人間たちを片っ端から倒していった。悪魔には聖なる力を発動させたサールディンが張り付き、ペンテシレイアと挟撃することにより、なんとか倒した。この悪魔は死に際に「くくく、今頃我が主がお前らの部隊を皆殺しにして、全員グールに変えておるわ」と捨て台詞を残した。 このセリフはかなりはったり臭かったが、念のため一度本隊に戻ることにした。 !本隊に戻って アラバシェルに悪魔が持っていた邪印を見せたところ、デーモンロードのカブリリの印で、悪魔の主はおそらくNabasuデーモンだろうということが分かった。デーモンハンターのエルファスが、「こちらは大丈夫。斥候の続きをやっておいで」というので、結局教会にそのまま戻ることにした。 !デーモンハンターの秘密 教会に戻り、あたりを調べてみたが、ほかに敵がいるような気配はなかった。何かドレゼン攻略のヒントになるものがないか探してみたが、それも見つからない。と、教会の奥のくずれた部屋の方に行こうと、筋力にものを言わせて壁をよじ登っていたペンテシレイアが息を飲んだ。巨大な豚のような悪魔が、天井からぶら下げられていたのだ。 そしてその悪魔の横に立っていたのが、一番隊のカリヤードだった。「何やってるの?」きついトーンで問いただすペンテシレイア。カリヤードは、やれやれというように肩をすくめると「俺は、デーモンハンターだから、悪魔の血を飲まないと力が出ないんだ」と言った。ペンテシレイアは眉をひそめると、「それって、キモくない?やめたほうが良くない?」と言ったが、カリヤードは相手にしない。悪いと思ったのか、「どうせなら強い悪魔の血を飲んだほうがいいとか、そういうのあったら、今度強い悪魔を倒したときにカリヤードさんのために血を絞っておこうか?」と申し出てみたが、「話は以上だ」と相手にしてもらえなかった。 ペンテシレイアはほかの隊員に見たことを報告した。大多数はこの話を気持ち悪がったが、最終的にはそれはそういうものなんだろうということとなった。他に目立った成果もないので、調査報告をするために部隊に戻ることとなった。 !野営地にて 吟遊詩人のヌーラがサールディンとケリアンを訪れて、藪から棒に「パラドックスの書」って知らない?と聞いてきた。サールディンは全くわからないという表情。ケリアンは「それって、どういう書物ですか?」とヌーラに詳しいことを聞こうとしたが、「私もわからないのよ。はは」とはぐらかされてしまった。ヌーラは何を探っているのか? !凍ったイナゴ 4番隊の方から大きな声が上がったのを聞いて、サールディンはケリアンとともにそちらへ向かった。人越しに、「俺たちは終わりだ!」という声が聞こえてくる。 近くへ行ってみると、一人のパラディンが、こぶしを振り上げながら大声で他の仲間に訴えていた。その男によると、昼前に振ってきた雹の中に凍ったイナゴが入っていたという。そのイナゴは、雹が溶けるとなぜか生き返り、やがて飛んで行っていなくなったという。 「これは、何かの前兆だ!俺たちは不死身の敵と戦うことになるんだ!アイオメディは我々を見捨てたんだ!」 その男の必死さに、他の人たちも動揺し始めた。これはまずいとばかりに、サールディンが大声を上げた「アイオメディ様が我々を見捨てたとは聞き捨てならないぞ。そもそも神の加護があろうがなかろうが、この地を悪魔どもから取り戻すには我々が戦うしかないんだ。目を覚ませ!」 しかしサールディンの正当派パラディン的説得はうまくいかなかった。そこにひょっこり現れたのはペンテシレイアだった。彼女曰く、 「アイオメデイ様は、乗り越えられる試練しかお与えにならないのです。これは我々の信仰心を示すまたとないチャンス。ぜひこれをものにしましょう!」 と、なんとかその場をまとめた。この時、ヌーラが一瞬不機嫌な顔をしたのをペンテシレイアは見逃さなかった。 2番隊隊長のエデラスが、ペンテシレイアに感謝を述べた。エデラスはティーフリングに偏見がないとのことで、「正義の力団」に友好的なようだ。 !ドレゼンへの行軍開始 翌日。行軍している先にくぼ地が合って、くぼ地の下にキミが悪い虫がたまっていた。虫は、ムカデと芋虫を掛け合わせたような見た目で、30cmくらいの大きさで、数千匹から数万匹いるように見えた。 エレファスはアラバシュニアルにどうすればいいか相談する。返答に困って、アラバシュニアルはさらにリオトールに相談した。リオトールが言うには、こういう虫には女王がいるからこれを退治するべきと主張。そういう仕事には、死んでもいいような奴ら、つまり正義の力団が行くべきと説明した。アラバシュニアルはすこしたじろいだが、それをエレファスにそのまま伝えた。それを受けて、エレファスはサールディンに出動を要請した。エレファスに頼まれれば、もちろんサールディンは断らない。 作戦会議の席で、ペンテシレイアは「私たちの実力を評価して、重要な仕事をくれたのね、ありがとう」とリオトールに嫌味を言うのを忘れなかった。 !女王の巣 メイプルがエイドロンのシロップに命じてくぼ地の中を偵察させる。シロップは空を飛べるので、虫に襲われることなく偵察ができた。くぼ地のなかにあいている洞窟をいろいろ探索したところ、大きな虫がいる穴を発見した。サールディン以下の第一隊斥候部隊は、くぼ地の虫たちを刺激しないように、シロップが見つけてきた洞窟に忍び込んだ。果たしてそこには、巨大な羽のついた、象くらいの大きさの虫がいた。これが女王か、とサールディンが剣に手を伸ばす。 戦闘開始直後、ペンテシレイアが女王に突撃して、大ダメージを与えた。ラオツェンがデッドりー・エイムしてさらに大ダメージを与える。ケリアンはサールディンにレジスト・アシッドの呪文をかけた。女王は、ペンテシレイアに両手でつかみかかり、噛みついて大ダメージを与えた。さらにサールディンに酸の唾を吐きかけて、大ダメージを与える。さらに、女王の発するおかしなオーラに充てられたらしく、シロップ、サールディンが混乱してしまった。 戦闘が混乱の様子を示し始めたころ、虫の群れが戦闘に参加してきた。オーディーがファイアボールの呪文を唱えるが、ぜんぜん効果がない。ペンテシレイア、ラオツェンが攻撃を続ける。ラオツェンはなんとか大ダメージを与えることができた。ケリアンは混乱した2人にかーむエモーションの呪文をかけた。そこで、女王は、ラオツェンを殴りながら空を飛んで逃げ出す。またこの時、ラオ、メイプル混乱してしまった。 ペンテシレイアはなおもジャベリン投げるものの、全然効果がない。女王はこのまま逃げてしまうのかと思われたが、最終的にラオツェンが正気になって、女王を弓で射殺すことができた。女王がいなくなると、虫たちはばらばらに移動し始め、いなくなってしまった。 女王がいた洞窟の奥には穴があって、その穴の向こうには紫色の雲が見えていた。オーディーが、この紫の雲のことを知っていて、城砦を教えてくれた。これはプレーンリフトと呼ばれるものらしい。このプレーンリフトから虫が出てきたとすれば、ここを破壊したほうがいいかもしれないという意見が出たが、念のためにアラバシュニアルに相談しようということになった。アラバシュニアルがいうには、プレーンリフトを触ると周りに副作用が発生するかもしれないから、何もしないほうがいいということだった。 !ドレゼンへの偵察 ドレゼン砦へあとわずかとなったところで、斥候を出すことになった。行くことになったのは、第一隊のオーディーとアーロン。デーモンがいそうなので、デーモンハンターのカリヤードを連れていったらどうかという話になったが、「俺はデーモンの居場所が分かるし、デーモンは俺の居場所が分かるんだよ」という体質らしいので、斥候には向いてないという結論になった。ヌーラはついていきたがっていたが、バードが歌をうたうと困るミッションなので連れて行かないこととなった。 !パラダイスヒル ヤギ頭のデーモンが20体。カルティストが20体以上。ここは軽く偵察。 !アハリ川の南側 カルティストが100人以上いた。ここもこっそりと切り抜けて先へ進む。 !アハリ橋 アハリ橋はドレゼン砦の入り口近くにあり、攻防の要所だけあって、守りが固かった。10人ほどの腕利きのティーフリングが、数体の牛を連れていた。牛は、何やら普通の牛ではなく、魔法的な能力を持っている様子。さらに、いかにもレベルの高そうなセムシの魔法使いがいた。 オーディーはここにアーロンを残し、枯れ川となっているアハリ川の川底をわたって、単独で川の北側へと単独偵察を決行した。砦の物見台で監視していた、ヤギ頭のデーモンに見とがめられ、ファイアボールを3発撃ち込まれるものの何とか逃げた。 !アハリ川の北側 特に何もなく、砦を囲む城壁が見えるのみ。パトロール隊と思しきティーフリングの1群が来たのでアハリ橋まで戻った。これで一応一通り調査ができたので、オーディーはアーロンと合流し、部隊へ帰還した。 !ヌーラ とても怪しい行動をしているヌーラから事情を聞き出そうとして、ペンテシレイアがヌーラを呼び出して話をした。インクィジターの能力を使い、「嘘をつくとわかる」状態となってヌーラと対峙する。 ペンテシレイアは基本的に「あなたにもいろいろ事情があるんでしょう、協力するからそこのところ教えて?」という態度で接してみたが、ヌーラは言葉を選んでしらを切りとおす。ペンテシレイアはインクィジターの特殊能力でいろいろ調べるが、ヌーラは「特にいいやつ」ではなさそうなことと、他人の介入を嫌っていそうなことしかわからなかった。 !作戦会議 オーディーとアーロンから得た情報から、作戦が立案された。それは、5部隊のうち4部隊でアハリ川の南岸を攻め、敵を壊滅したのちに、2部隊をパラダイスヒルに、2部隊をアハリ橋に向かわせるというものだった。これは、敵の主力の注意をアハリ川周辺に向かわせるのが目的だった。その間に、サールディン率いる第一部隊がアハリ川の北側から直接砦に忍び込むという算段となった。 !決戦 第一部隊はこっそりと砦に入る予定だったが、そううまくはいかなかった。城壁を破って中に入り込んだものの、砦の中に入るには見晴らしの良い場所をずいぶん進まなくてはならず、砦を守るデーモンに見つけられてファイアボールの呪文を6発も食らってしまうことになった。また、大勢のティーフリング、ドレッチ・デーモン、グリモア・ディーモンなどと総力戦をやらねばならなくなった。ほとんど永遠とも思えるような長い戦闘は、ラオツェンが神秘の力を使って(ミシック状態になって)戦ったり、カリヤードがドレッチをなます切りにしたりなどし、辛勝することができた。 !砦入口へ 砦の入り口へ急ぐと、そこにはエレファスと彼の手勢がいた。アハリ橋を守っていた敵を倒し、砦に向かっている途中だったらしい。残りの部隊はかなり善戦しているらしく、城壁の外にいた敵は、おおむね片づけることができそうだとのことだった。エレファスは「一旦ここで休み、砦攻略は体力が回復してからにしよう」と提案した。 !白いキメラ 一瞬緊張の糸が切れたところを待っていたのか、空から巨大な生き物が砦の城壁の中に舞い降りてきた。蝙蝠の羽、ヤギとライオンと竜の首を持つ姿。キメラだ。雪のように白い体をしている。キメラは地面に降り立った瞬間、エレファスとカリヤードに凍るような冷たい息を吹き付けた。寒さのせいで、エレファスとカリヤードは体の自由が効きにくくなった。 サールディンとペンテシレイアがキメラを挟撃したものの、キメラはその圧倒的攻撃力でペンテシレイアを瀕死へと追い込む。最後の一撃では、首の骨が粉砕されたかのように見えたが、ペンテシレイアはかろうじて神秘の力を発動し、攻撃をすり抜けた。 サールディンも神秘の力を発動した。そのせいなのか、持っていた盾から初老の男性の首が突き出して、サールディンに話かけてきた。「サールディン、心せい!あれは、普通のキメラではないぞ!」 サールディンは、突然の出来事にやや驚いたものの、以前にも盾にテレパシーで話しかけられたこともあったためか、集中を切らさずキメラに猛攻を加えた。キメラも全力でサールディンを攻撃するが、サールディンは辛くも攻撃に耐え、キメラにとどめを刺すことができた。 今回ここまで