!!第21話「総攻撃」 {{outline}} !前回までのあらすじ 滅びしサルコリアの首都イズにて嵐の王コーラムゼイダを葬った一行。 しかし、世界滅亡の時は刻一刻と迫ってくる。 メンデヴ・クルセイダー最後のクルセイドは魔界と化した魔都スレッショールドを陥落せしめ、デスカリの野望をくじくことができるのか? !世界滅亡まであと4日 いまやサルコリアの地は不気味な黒雲に覆われていた。時折雲間から見える空は血のように赤く、この地が既に半ば魔界と化していることを雄弁に物語っていた。 終末まであと4日と迫ったゴラリオン歴4717年2月18日の朝、再び女王ガルフリーによりクルセイダーの主要人物が呼び集められた。 デスカリの野望をいかに砕くか。その軍議の為である。 しかし、軍議のスタートを飾ったのは残念な議題からであった。 進軍速度に関する計算違いが発覚し、ストラスタ、スレッショールドと攻略する予定だったクルセイダー本隊が、どう頑張ってもタイムリミットまでにスレッショールドに到達できない事が判明したのだ。 テストラシア王国軍だけであればリリーの強力な夢魔法の力を借りて進軍することができるが、王国軍10000だけでは、スレッショールドに集結したデーモン40000体に対して勝ち目はない。 軍議の場は絶望感に包まれそうになるが、かといって座して滅びを待つわけにもいかない。できるだけの事はやらねばなるまい。 様々な意見が交わされ、最終的には以下の作戦に決まった。 1:テストラシア軍10000に加え、ケリアンのMiracleを使用してクルセイダー10000をスレッショールドに送り込む。 2:軍勢が周辺のデーモン達の注意をひきつけている間に、正義の力団を始めとした精鋭が儀式が行われている塔に乗り込み、魔女エイリールを倒す。 3:魔女を倒したら軍勢の生き残りは塔周辺に集結し、ワールドウーンズを閉じる儀式の間塔を死守する。 4:その間にワールドウーンズを閉じる儀式を行う。これには20分ほどかかり、きわめて高度な魔法知識などが要求される。 5:ワールドウーンズを閉じたら、ソード・オブ・ヴェイラーの力を開放し、残ったデーモンどもを一掃する。 おそらく、参加したメンバーの大半が生きて帰れないだろう決死の作戦だ。 だが、今更後に引くわけにはいかないのだ。 直ちに各部隊に通達が行われ、ついに世界の命運をかけたスレッショールド攻略戦が始まったのだった。 !スレッショールド攻略戦 スレッショールド近郊にテレポートしたテストラシア軍&クルセイダー混成軍はただちにスレッショールドへの攻撃を開始。 もちろん、デーモン達も黙って見ているはずがなく、各所で激しい戦いが始まった。 テストラシア軍を率いるハイダンビュ王の前に立ちはだかったのは、アンチパラディン"呪いを撒く者"と彼に率いられたアドバンスド・ヘズロウ軍団だった。 "呪いを撒く者"はハイダンビュの姿を見ると激昂し、「貴様のせいで俺はここまで落ちぶれたのだ」と怨嗟の声を上げた。 "呪いを撒く者"の正体は、かつてテストラシアに仕えたものの嫉妬と僻みに負けて悪墜ちした元パラディン、アキロスだったのだ。 ハイダンビュを逆恨みしたアキロスは、ここであったが100年目とばかりに王に襲い掛かったが、王の見事なグレイブ捌きにあっさり返り討ちにあった。どこまでも道化じみた最後であった。 これにより指揮官を失ったヘズロウ達は、テストラシア宮廷の精鋭たちに順調に駆逐されていったのだった。 しかし、他所ではそう上手くはいかなかった。 スレッショールドを護る巨大ナインドリアン・クリスタル・ゴーレムに立ち向かったのはガルフリーの長年の盟友、魔術師アリティアンであった。 このゴーレムはなんと半径100フィートのアンチマジック・フィールドを常にまとっており、まずはこのフィールドを破壊しなければ人間が勝てる相手ではないからだ。 しかし、アリティアン渾身のディスジャンクションはフィールドを打ち破る事が出来ず、暴れまわるゴーレムによりクルセイダーは甚大な被害を受けた。 一方、空を舞うデーモン達や、ドレイクライダー達に立ち向かったのは復活したテレンデルヴとナムハイハスの銀竜達であった。 ルーンシーカーズのケルダ達の援護を受けたテレンデルヴは、ドレイク達と激しい戦いを繰り広げていたが、そこに地上から声をかける者がいた。 かつてメンデヴ・クルセイダーとして活動していたティーフリングの女将軍アシュナスであった。 以前ガルフリー女王が幽閉され、魔女狩りが横行した時に姿を消していたが、呆れたことにデーモンに寝返っていたらしい。 アシュナスは「どうせティーフリングがどれだけ頑張っても認めてもらえない」と恨み言を叫んでいたが、あいにく彼女に付き合っている余裕はないため誰も耳を貸さなかった。 アシュナスを無視してドレイクと戦っていたテレンデルヴ達だったが、そのうち神話級に強力なマリリスが参戦してきて不利になったので撤退した。 これにより制空権も完全に掌握され、クルセイダーたちは更に絶望的になった戦場で必死に戦い続けるのであった。 !大事の前の小事 クルセイダーたちが戦っている間に、正義の力団はエイリールが儀式を執行中と目される秘術師の塔に向かっていた。 そこは現在では巨大な湖となっており、塔は半ば水没していた。 しかし、よく見ると湖を満たすのは水ではなく無数の蛆虫であり、そこからは時折デーモンが浮上してきては飛び立っていく。この湖の底にワールドウーンズがあるのだろうか? 突入準備をしているとガドとその仲間達がやってくる。彼らが担当していたヤスの塔を破壊した後、急いで駆け付けて来たらしい。 ガド達がヤスの塔で得た情報によると、エイリールを倒しても例の魂を収集する祭壇を破壊しなければ儀式を完全に止める事は出来ないようだ。 しかし、祭壇を破壊する手段は分かっていない。 そこで思いついたのは、かつてアリークスに仕えていたベイラーロードのアンヒザールが何か知らないか聞いてみる事だった。 ラオツェンが呼び出したアンヒザールは、最初は渋っていたが最終的には脅迫に屈し、あの祭壇に強いかかわりを持つアリークスすなわちラオツェンが直接攻撃することで破壊できるという事を白状した。 残り時間を考えて一行は別行動を取ることに。 ラオツェンはガド達と一緒にアビスに行って祭壇を破壊し、その間に他のメンバーで秘術師の塔の探索を進めておくことになった。 ラオツェンと別れた後、さあ今度こそ突入だ、という所で再び横やりが入った。 突然サールディンがヘラルドコールされたのである。いったい何事だろうか? サールディンがコールされた先にはレジット達が倒れており、その前にはいかにも邪悪そうなデーモンが立っていた。という事は、ここはレジット達が担当していたヤスの塔か。 そのデーモンは自らをデスカリと名乗り、正義の力団がなんども彼の計画を邪魔した事に大層立腹していた。流石にデスカリ本体ではないようだがアバターらしい。 プラーナ―・アライ呪文のヒットダイス制限のせいで力を制限されていることもあり、サールディンは非常に苦戦したが、サールディンが戦っている間に態勢を立て直したレジット達の援護もあり、どうにかデスカリのアバターを倒すことに成功した。 サールディンに救われたレジットはこれまでの非礼を詫び、助けてくれたことに感謝を述べた。本心からの和解にはまだ遠いかもしれないが、大きな一歩にはなっただろう。 サールディンも戻ってきて、今度こそ本当に突入だというところで、三度邪魔者が現れた。 超大型ブラックドラゴンに跨ったウォーム・ザット・ウォークスが3組現れたのである。 ドラゴンのブレスやWtWの呪文攻撃で手痛いダメージを被ったものの、シロップの突撃やペンテシレイアのTrue Judgementが唸り、程なくして撃破された。 とは言え、それなりに呪文などを消費してしまったのは痛かった。 !秘術師の塔 邪魔者はいなくなったのでバルコニーから塔に侵入する。 中には誰も居ないようだったが、良く調べると床にフェイズドアを起動する魔法陣があったのでそこから下層に進む。 下りた先の牢でデモダントとミシック・シェムハジアン・デーモンのアーウバックスと遭遇して戦闘に。 更にこの塔の警備責任者であるベイラーロードのディルグズ・ブルームロードが乱入してきて激戦に。 ディルグズはデスカリの配下らしく奈落蟲のスウォームを自在に操る能力を持っていた上、ラオツェン不在による火力不足でやや苦戦したものの、ボーパルソードに首を飛ばされる前に何とか倒すことができた。 更に図書室やアルケミカルラボを調べていくが、これといった手がかりはない。 次は拷問室というか手術室のような場所で、謎の人面ナメクジ?のようなクリーチャーがいる。 悲しげな声を上げつつ襲ってきたが、どうも気が狂った犠牲者のような気がしたのでケリアンがヒールしてみる。 しかし、効果がなかったのでやむを得ず反撃するとあっけなく死んでしまった。なんとなく罪悪感を感じる一行。 そのあとやって来たWtWを倒した後、レジェンド・ロアで調べてみると、このナメクジはもともとワイバーという魔術師で、エイリールと共にワールドウーンズを開いた三人の一人らしい。最後の最後でエイリールに騙されていたことを悟り、なんとか阻止しようとしたものの果たせず、怒ったエイリールにこんな姿にされてしまったようだ。 最後のゴッドコーラーであるオポンも、ワイバーと同じくエイリールに背いた様なので、同じようにこの塔のどこかに幽閉されているかもしれない。シロップの記憶を開放するためにもオポンを救出したいところではあるが、その余裕があるかどうか…。 ともあれ正義の力団はワイバーの冥福を祈ったのだった。 その後、ワールドウーンズの焦点となっているパワースポットにディメンジョナル・ロックをかけたりした後、発見したフェイズドアから最下層へと向かったのだった。 !始まりの地 最下層は蟲の海に覆われていた。なんともおぞましい光景だ。 蟲の海の中央部には不気味なオレンジ色に輝く穴?があり、蟲達はその穴に次々と落ちていくが、どこからともなく湧き出してくるので尽きる事はないようだ。 あの穴がワールドウーンズなのだろうか? この場所は余りにも邪悪と狂気に満ち満ちているため、精神の弱いものではたちまち狂気に陥ってしまいそうだった。 更に、この地を護る最後の番人なのか蟲の海から巨大なワームが4体出現する。ワールドウーンド・グラブだ。 グラブは見た目の割にはあまり強くなかったが、ワールドウーンズのそばにいると気がくるってしまうのが厄介だ。 特に意志力に自信のないシロップは大ピンチである。 他のメンバーが戦っているうちに穴を調べに行ったケリアンはうっかり穴をとおってしまった。 その先には謎のゴーレムらしきものが。デヴァステイターというもので、Evil Outsiderを大幅に強化するらしい。 しかし、空中にいるこちらをまだ認識してはいないらしく動こうとはしない。 ケリアンのとりあえず穴の向こうは安全との報告を受けた一行は、グラブと戦っていても埒が明かないので、無視してワールドウーンズに突入する事にしたのだった。 続く