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第18話

 第18話「反撃」



前回までのあらすじ

Baphometの支配するAbyssal Realm, Ivory Labyrinthへと赴き、攫われたIomdaeのヘラルドを救出したOrder of the Righteous Mightは再びIomedaeの御前に戻ってくることができた。そこで、自身の行いを悔いその任を辞したヘラルドに代わり新しいIomedaeのヘラルドに選ばれたサールディンは主から最初の任務を言い渡された。それはアポナヴィシャス率いるデーモンの軍勢からドレゼンの街を守れというものだった。

6+1 vs. 1000

気が付くとOotRMはドレゼンの街にいた。どうやらIvory Labyrinthで序でに助けたIomedaeの神官ワックスベリーがプレイナーアライでヘラルドを呼んだらしい。現れたのがサールデインでしかも以前と変わらない口調で話しかけて来たため、同じくその場にいたイラベスは最初こそ戸惑った様子だったが、すぐに手短に戦況を説明してくれた。

OotRMがIvory Labyrinthに行っている間にこちらでは二週間の時が過ぎていた。その間にドレゼンWardstoneはアルシェイルによって砕かれ、守りを失ったドレゼンの街はデーモンの攻勢に晒されているとイラベスは語った。そして今まさにアポナヴィシャスの軍勢、総数一千ものデーモン達がドレゼンに迫ろうとしているらしい。イラベスたちは街に入り込んだデーモンの相手に手いっぱいで一行にその軍勢をどうにかして欲しいとの事だった。

プレイナーアライの契約を済ませたサールディンは先ずオーディーを伴って偵察に向かった。迫りくる軍勢はババウやヴロックが主で他にはグールやボダック等も混ざっていた。強力な個体はドレゼン奪還時に戦ったサウントン・ヴェインとキメラ、傭兵のマンブーン、それから巨大なイナゴ、そしてフェニックスが確認できた。アポナヴィシャスは別の場所から指示だけ出しているらしくイメージだけで軍の中に本人はいなかった。

敵軍の構成を確認したOotRMは準備を素早く済ませると一千のデーモンを迎え撃った。キメラのブレスやフェニックスのメテオ・スウォーム、巨大イナゴApocalypse LocustのCode of Conductを破らせる呪い等苛烈な攻撃が降り注ぐ中、一行はヘラルドとなったサールディンの必殺剣Judgement Ray SwordやペンテシレイアケリアンのHoly Wordでデーモン達を薙ぎ払っていった。強力な個体についてもラオツェンの矢を受け瀕死となったマンブーンをオーディーがディスインテグレイトで粉にしたのを皮切りに次々と打ち取っていった。そうして一行は見事一千のデーモンを殲滅したのだった。

落とし子

デーモンの軍勢を撃退したOotRMは休息もそこそこにドレゼン砦の地下に向かっていた。何やらアラヴァシュニアルが一行を呼んでいるらしい。
地下に着いた一行の前には謎のゲートと血を流して倒れるアラヴァシュニアルがいた。アラヴァシュニアルはもう事切れる寸前だった。駆け寄った一行にオーディーの両親襲撃について自ら指示したと告白してアラヴァシュニアルは死んでしまった。

どうやらアラヴァシュニアルはアポナビシャスの本拠地へと通じるゲートをこじ開け、そのために死んでしまったようだった。このゲートはかつてアポナヴィシャスがドレゼンを支配していた際に仕込んでおいた仕掛けの一端で、調べてみると何とこのドレゼンに今この瞬間にもYathの塔が召喚されようとしている事が分かった。

一刻の猶予もないと知ったOotRMがすぐさまゲートに飛び込むとその先には生物の組織でできた壁に囲まれた部屋で儀式を執り行うマリリスがいた。もうずいぶんと昔のように感じるがおよそ半年前、を襲い破壊した伝説のマリリス、アポナヴィシャスは六対の腕に武器を持つと儀式を邪魔した一行に襲い掛かってきた。

アポナヴィシャスは凄腕の戦士だった。OotRMの間を駆け抜けると同時に十二本の武器と尻尾を振るいダメージを与え、さらにラオツェンサールディンの武器を弾き飛ばしてゆく。単純に戦士としての技量によるものなのでキャスター陣も効果的な手を打ちづらく、戦闘はMythicになったサールディンがアポナヴィシャスに真っ向勝負を挑む形となった。サールディンは弾かれてもヘラルドの力で剣を手元に引き寄せる事が出来たのでアポナヴィシャス相手でも着実に攻撃を当てることが出来、メイプルがアポナヴィシャスの鎧をサプレスしたこともあってこの勝負はサールディンに軍配が上がった。

アポナヴィシャスが倒れるとYathの塔召喚は不完全なものとなった様で、OotRMは崩れた塔と共にドレゼンの郊外に戻って来ていた。
しかし、危機はまだ去ってはいなかった。アポナヴィシャスの死体が破裂し中から巨大な化け物が現れたのだ。それはChemnosit, The Monarch WormというSpawn of Rovagugだった。一体何故落とし子が?そもそも死体よりもChemnositの方が巨大であるのもおかしい。
だが不思議に思っている時間は無さそうだった。Chemnositが脇目も振らずにドレゼンの街へ向かい始めたのである。Chemnositは進む先にあるもの一切を飲み込み、殴るとディスインテグレイトが帰ってくるというさすがの性能だった。
さらにどうにか倒してもすぐに再生し始めるため殺すことができない始末。結局無理やりミラクルで眠らせることになった。

女王の決意

息つく暇もなく今度はドーレスタからOotRMに連絡が入った。その内容はケナブレスで女王の処刑が始まるので一行を喚ぶというものだった。
程無くして一行が呼び出されたケナブレスの街ではハルランが聴衆の前でガルフリーこそがデーモンと通じ被害を拡大させた裏切り者等と女王を非難し、柱に縛られたガルフリーとその支持者達の足元に火を放とうとしていた。
しかしその直前、突然ドーレスタが後ろからハルランに掴み掛りその姿がおぞましいものに変わった。ドーレスタは事前にAntimagic Fieldを唱えていたらしく人々の目の前でハルランの正体がついに暴かれたのだ。現れたのはKatpaskirというデーモンだった。この事態にKatpaskirはもはや取り繕うともせず、手下のVavakiaを召喚するとその場に居合わせた者を皆殺しにしようとし始めた。

Katpaskirは胸部に二対四本の虫のような足と背中にトンボの羽を持つ人型のデーモンで空間操作が得意だった。近づいて殴ろうとしても空間が歪んでいて攻撃が届かない。Katpaskir自身はディメンジョン・ドアで移動しながらフルアタックしてくるのに他者のテレポートは阻害される。おまけにケリアンがDimensional Anchorを撃ち込んだがこれも完全には効かずととにかく攻撃がしづらい面倒な相手だった。
最終的にタイミングを見計らって再度ケリアンがDimensional AnchorをKatpaskirに撃ち、足が止まったところを皆で集中攻撃することでやっとKatpaskirを倒すことができた。

なお、かつてOotRMを拷問したリオトールは上司が目の前でデーモンになった現実を受け止められず、あろうことかKatpaskirに助成しようとして同僚のリダに止められていた。戦闘終了後はKatpaskirのOverwhelming Presenceで屈辱を味わったペンテシレイアが嬉々として説教(Intimidate)してアトーンメントを受けさせたのだった。

解放された女王ガルフリーはケナブレスの人々を前にWorldwoundを閉じる秘策があると宣言し混乱を収めるといつの間にか現れたアリティアンからSword of Valorを受け取り、その真の力を解放した。これによりケナブレスを中心とする広範囲でデーモン達がMaterial Planeから放逐された。この力は大変強力だが三回しか使用することができないらしい。ガルフリーはWardstoneが失われたとはいえ、次元の亀裂を閉じる方法を得、OotRMという英雄が出現した今こそ長きに渡るデーモンとの戦いに終止符を打つ時だと決断し、Sword of Valorの隠された力の使用に踏み切ったのである。

アルシェイル

クルセイダーの統制を取り戻すためネロシャンへ跳んだガルフリーと分かれ、OotRMは今後の厳しい戦いに備え、アルシニッラでダイアモンド等を買い求めていた。聞いた話ではYathの塔が二本出現したらしく、もしドレゼンの時と同じ事が起きるならミラクルの物質要素が必要になると考えたからである。
そしてその日の夜、ドレゼンに残されていた夢で待つというアルシェイルからの伝言に従い一行はデズナの神官リリーと接触し、夢の中へと向かった。

聞いていた通り夢の中は悪夢に侵されていた。海沿いと思しき町並みに人通りは無く、火をつけて回る醜悪な小型人型生物がいるのみだった。Worldwoundにはいないため実物を見るのは皆初めてだったが、どうやらいろいろな物語に出てくるゴブリンの様だった。ところがこのゴブリン何やらおかしい。
そもそもよく見ると非実体なうえにサールデインの攻撃を受けても死なないときている。ここは夢の中なので姿形に現実ほど意味はないらしい。
とにかくゴブリン?(実際はAnimate Dream)を苦労しつつ倒すとオーディーの視界の隅に青い服を着た人影が映った。人影は町はずれの森へと消えていったように見えた。

果たして人影を追っていくとそこにはアルシェイルと異形の生物Brain Collectorがいた。OotRMがアルシェイルにWardstoneを砕くなどの行動の真意を問うも彼女ははっきりと答えてくれない。それどころか一行が恵まれない境遇にもかかわらず善であり続け、今や一大勢力になったことを嘆くと戦いを挑んできた。
とりあえずアルシェイルに対しては妨害するに留めてBrain Collectorの方に攻撃を集中させる一行。しかし、Brain Collectorはまたも非実体で肉体能力値吸収の触手(接触攻撃、十本)とこれまた厳しい相手だった。根性でようやくBrain Collectorを倒した一行だったが、アルシェイルはそれでも戦闘を止めてくれなかった。

アルシェイルはその道のプロなのでペンテシレイアでさえ心の内を読むことは難しく、サールデインの説得の言葉が届いているのかも分からなかった。
ラオツェンも本当に悪になってしまったのかとアルシェイルに問うたが期待した答えが帰ってくることはなかった。そして、ラオツェンは涙を流しつつ、にいた頃弓の技を教えてくれたアルシェイルに矢を撃ち込んだ。最後の瞬間アルシェイルはOotRMに感謝の言葉を述べた。やはりアルシェイルは悪では無かったのだ。

アルシェイルが倒れると何処からともなく蝶の群れが飛来し、その中から美しいエルフの女性が現れた。その女性、デズナ神はアルシェイルの死を甚く悲しむと、OotRMに向かってこれより七日の後に世界は滅亡すると言った。

続く。