!!第14話「象牙色の迷宮」 {{outline}} !これまでのあらすじ アルシェイルの危機だという知らせを受けて、ケナブレスへ向かった正義の力団であったが、彼らを待ち受けていたのはハルランおよび彼の部下の異端審問官であった。アルシェイルを擁護するペンテシレイアであったが、ハルランは言葉巧みにアルシェイル、正義の力団、ひいてはガルフリー女王までもがディーモンの手先であるように議論を誘導する。ハルランの言った内容には、アビスで正義の力団が何をやったか見てなければわからないようなことが含まれていた。ペンテシレイアはハルランがディーモンと通じていることをを確信するが、それを証明する手立てはない。ほどなく、戦地にてアイオメデイのヘラルドがバフォメットによって拉致されたという一報が入る。しかも、そのときバフォメットはあたかも正義の力団がヘラルド誘拐に力を貸したかのような発言をしたらしい。絶体絶命のピンチであったが、アルシェイルがデズナ神に助けを請い、デズナ神が大量の蝶でハルランの視界を遮っているうちに、正義の力団はなんとか異端審問官から逃げ出すことができた。ただしその代り、ガルフリー女王がハルランに拘束されることになってしまった。 ひとまずドレゼンに身を隠した正義の力団であったが、当然身の潔白を示す必要があるとの意見で一致した。そのためには、アビスに再度赴き、アイオメデイ神のヘラルドを救い出すのが一番であると結論付けた。サールディンが「みんな、それでいいか?」と問い、皆が頷いたとき、皆の視界が白い光で急に満たされた。神々しいまでの光と、あたたかな空気が正義の力団を包み込む。気が付くと、全員が大きな教会の中にいた。ステンドガラスから暖かい光が差し込んでいる。頭上には、笛を持った天使たちがゆっくりを宙を舞っていた。そして正義の力団の目の前には、銀色に光る甲冑と、朱色のマントに身を包んだ女性が立っていた。その女性は、短髪のダークヘアーで、意思の強そうな顎をしていた。顔には三筋の刀傷が刻まれていたが、不思議と彼女の魅力をいささかも損なっていない。 サールディンとペンテシレイアは即座に彼女が誰であったのか察知し、跪いた。「アイオメデイ様」二人がそうつぶやいたのを聞き、他の団員も急いで跪いたのであった。 !アイオメデイの質問 「いかにも、私がアイオメデイである。あなたたちも知ってのとおり、私のヘラルドがバフォメットの虜となっている。あなたたちは、私のヘラルドを救い出そうとしているようだが、それに間違いはないか?」アイオメデイは念を押すかのように効いてきた。「はい!」とサールディンが威勢よく答える。「私も、この難行を果たせるのはあなたたちをおいては他にいないと考えている。しかしながら、あなたたちなら必ず生きて帰ってこれると思っているわけではない。場合によっては私はあなたたちを死地に送り込もうとしているだけなのかもしれない。私が真に正しい行いをしていることを確信するために、あなたたちにいくつかの質問をしたい。よいか?」アイオメデイはさらに、念を押すように効いてきた。ペンテシレイアはここに至って「いい?相手は神様なんだから、おふざけはなしよ。質問には十分に考えてから答えるのよ。いいわね?」と、特にサールディンとメイプルに念を押した。一同が頷いてから、ペンテシレイアは「分かりました、問題ありません。」とアイオメデイに応えた。最初の質問は、次のようなものだった。 ""私がオゼムの騎士を率いてスリー・ソローズの戦いを行ったとき、倒したアンデッドの王とは何者か?そしてそれを踏まえて、なぜあなたたちがバフォメットと対峙するのにふさわしいか説明せよ。 「エラムヘルですね、知ってます。」とペンテシレイアがすぐにつぶやいた。ケリアンとオーディーも確認するかのように同意する。座学が苦手なサールディンは知らなかったようだが、エラムヘルを倒したのは、アイオメデイの行った11の偉業の一つなのだ。正義の力団が倒してきた者とは比較にならないくらい強力なアンデッドだ。これを踏まえてしまうと、正義の力団が十分力があるとは主張しづらいのだが....。結局話しっぷりが自信満々で楽天的なサールディンに答えてもらうことにした。サールディンはやや控えめにこう答えた。 ""アンデッドの名前はエラムヘル。私たちがこれまで倒してきた敵はエラムヘルとは比較のしようもありませんが、それでも強力な敵ばかりでした。それでも逃げることなく、諦めることなく立ち向かってまいりました。ですので、私たちにはこの使命を行う資格があると思います。 アイオメデイは満足そうにうなずくと、右手をさっと振った。すると、ルビーがいくつもはめ込まれた銀色の聖杯が右手の中に現れた。「これは、『どうしても壊せない錠前』を壊すために必要になります。『父なる芋虫』と呼ばれる怪物の血はこの錠前を含めてあらゆるものを溶かすことができるのですが、それゆえどのような入れ物にも入れることができません。ただし、この聖杯だけは例外です。あなたたちを『どうしても壊せない錠前』が阻むことがあれば、これを使って対処しなさい。」アイオメデイはそういうと、聖杯をペンテシレイアに渡した。2番目の質問に移る。 ""悪行を行ったもので、慈悲を求めるものには許しを与えるべきか、それとも.... とアイオメデイが次の質問を始めたとき、サールディンがやにわに割り込んで「はい!許します!」と答えた。サールディンは、どんな悪党でも許してやるのが好きなのだ。サールディンは顎を上げてアイオメデイ見つめている。ペンテシレイアはそれを見ると、まずいものでも食べたときのような顔をした。みんなで相談してから返答するのではなかったのか。しかも、質問の途中で答えるとは。ケリアンとオーディーは不安そうな顔をしている。ラオツェンは下を向いた。メープルはうろたえていた。 ""....それとも、それらの罪は死をもってのみ報いられるべきだろうか。 アイオメデイは質問を終えると、悲しそうに首を振ってこういった。「慈悲を求められれば例外なく許すというのなら、あなたは考えを持たないデク人形と同じです。悪魔たちは、あなたのそんなところに間違いなくつけ込んでくるでしょう。」そして宙を舞っている天使たちに向かい「この者たちに間違った判断がどういう結果をまねくのか、教えてあげなさい。」と命じた。すると天使たちは手に持っていた角笛をサールディンの方に向けると、笛の先から大風を吹き付けた。サールディンはもちろん、他の全員も風に吹き上げられ、壁に打ち付けられた後、再度また吹き上げられるというプロセスを何度か受けた。これにより、正義の力団はほとんど瀕死の状態になってしまった。虫の息のオーディーは「なんで私たちまで...。」と小さくつぶやいた。 「もう一度いうけど、全員で相談してから答えるのよ。」治癒の魔法をかけながら、ペンテシレイアが絞り出すように言った。アイオメデイの言葉から、どのように答えればよいかはおおよそ明らかになっていたが、サールディンは「助けを請うものすべて許す」という方針に反することを言いたくないらしい。仕方がないのでペンテシレイアが答えた。 ""場合によります。というのが答えです。すべての罪が死によってしか償えないとは思いません。また、慈悲を求めるものが、必ず悔い改めるとも限りません。私たちは、その都度正しい判断をし、判断に基づいた行動を行うべきです。 その答えを聞くと、アイオメデイはまたうなずいた。そして、両手を胸の前で合わせ、ゆっくりと横に広げていくと、アイオメデイの胸の前に金色の光が現れた。手を広げていくにしたがって、光は人の頭くらいの大きさまで大きくなっていった。最後にアイオメデイが小さく息を吹きかけると、光は6つに分裂して、正義の力団のそれぞれの体に飛び込んでいき、吸収されてしまった。「この光は、私のAtonementの力の一部です。あなたたちは、それぞれこれから1度だけこの呪文を使うことができます。許しを求めているものに使うもよし。悪魔にそそのかされたものを救ってもよし。自分たちなりに正しい判断をして、必要だと思うときに使いなさい。」アイオメデイはそういうと、最後の問いかけをした。 ""私が名誉を重んじることは知っているでしょう。それを踏まえて、狡猾で邪悪なディーモン達にどのように立ち向かうべきか答えなさい。 今度は慎重に話し合った。これまでの展開から予想して、おそらく、「正面突破あるのみです」などと答えるとまたひどい目にあうに違いないということとなるだろう。正義の力団の中で最も狡猾なケリアンが答えることとなった。 ""ディーモンやディーモン・ロードは強力で狡猾なので、あらゆる手段を使って攻略します。その中には、敵の敵の協力を求めることも含まれるでしょう。 アイオメデイはそれにもうなずくと、自らのマントから赤い糸を一本引き抜き、サールディンに渡した。サールディンの手に渡ると、その糸は細長い布形を変えて、赤い肩掛となった。「この肩掛けを使うと、戦闘で全滅しそうになった時でも確実に逃げることができます。ただし、使えるのは一度きりです。よく考えて使いなさい。」また、アイオメデイは正義の力団の一人ひとりに青銅でできた小さなアクセサリーを渡した。「これは、Plane Shiftすることができる魔法の品です。これからはこれが必要になるでしょう。」そして最後に、宣言するようにこう言った。「では、象牙の迷宮へと向かいなさい。そこで、私のヘラルドを探し、取り戻しなさい。取り戻すことができないと判断したときは、状況に応じて適切に行動しなさい。」 そして視界がまた白い光に包まれていき、気が付くと、正義の力団はドレゼンに戻っていた。 !象牙の迷宮へ 出発する前に情報収集をすることにした。呪文を使って神様にいろいろお伺いをたてると、以下のようなことが分かった。 *「象牙の迷宮」は、たくさんの迷路で構成されている迷路の世界。迷路を抜けるために、空を飛んだり、壁をすり抜けて移動するのは禁じられている(試みるとどういうことが起こるのかは不明。)ただし、テレポートするのは大丈夫。 * 「象牙の迷宮」で一番大きい町は、ブラックバーグと呼ばれている。そこにはバフォメットの塔と呼ばれる建物がある * 他には、エコスタルという街もあるらしい。 * 「父なる芋虫」は、象牙の迷宮の中の迷宮空間の一つ、「光なき迷路」にいるらしい。 この程度の情報ではやや不十分な気もしたが、なんとかなるとばかりに、さっそくPlane Shiftで象牙の迷宮へ旅立つことにした。 正義の力団が呪文により送られたのは、象牙の迷宮のどこかにある迷路の中。小さく開けた場所で、真ん中に小さなプールがあった。この広場は四方を白い壁で区切られており、ところどころに小さな観葉植物が生えている。上に天井はなく、太陽の光が周りを明るく照らしている。四方の壁はそれぞれつながっておらず、壁と壁の間から迷宮の奥へと進めるようになっていた。また、地面は白い軽石のような砂利でできていた。壁も地面も白いので、全体的に明るい。およそアビスのイメージとは異なり、おかしなことに健康的な雰囲気さえあった。 「これは、人骨ね。」目のいいペンテシレイアが、砂利をつま先でかき回しながら言った。言われてみると、砂利も、壁も、プールをかこっている白い石も、全部人骨でできていた。漂白して大まかにくだいた人骨を、魔法の力で固めて建材に使っているらしい。一気に健康的な雰囲気は吹き飛んでしまった。はやり、アビスはアビスなのだ。 「象牙の迷宮へようこそ!」壁と壁の間の通路から、1体のマリリス・ディーモンと、3体のハエ頭ディーモンが現れた。「君たちがここに瞬間移動してくるの、見てたよー。ずいぶん人間の匂いがするティーフリング達だなと思ったら、ハーフ・エルフも交じってるじゃない。ここに何しに来たのかなー?」マリリスは、楽しそうに問いかけてきた。一行が返答に困っていると、「じゃ、この質問なら答えられるかな?君たちは、バフォメット様に忠誠を誓ってるんだよね?あ、言っておくけど、できれば『いいえ』と答えてほしいな。そしたら、ほら、僕君たち皆殺しにできるじゃない?」と言って、手に持っている剣をぶんぶんと振り回し始めた。 「『いいえ』だよ!」とサールディンが殴り掛かり、シロップも躍りかかった。途中ハエ頭ディーモンが逃亡したこともあって、戦闘はすぐに終わった。 !ブラックバーグへ できれば捕虜を取って情報収集をしたかったが、マリリスは叩き殺してしまったし、ハエ頭には逃げられてしまったので、自力で象牙の迷宮の中を旅することにした。最初はFind The Pathの呪文で大きな街だという噂のブラックバーグへ向かおうとしたのだが、迷路が複雑すぎて呪文の効果時間内では少しも街まで近づけなかった。 このため、再度Divinationの呪文を使って神様から情報収集することにした。それによれば「上級呪文にて移動せよ」とのこと。いろいろ考えた結果「上級テレポート」で行けということだろうと結論した。試しにやってみると、問題なくテレポートできた。 ブラックバーグも、街というよりは、巨大な迷路だった。ただし、さっきの場所よりは人通りが多い。そこで、カメレオン・パワーの指輪を使ったペンテシレイアが子供のミノタウロスに変装し、街をうろついている大人のミノタウロス2体を殴り倒して捕獲し、情報収集を試みた。いろいろ尋問したのだが、残念ながらこれといった情報は得られなかった。 次はミノタウロスではなくて、もうすこし賢そうなディーモンでも尋問しようかと思っていたところ、一行の前に小さな虫が飛んできた。虫は、見た目はアリジゴクのような形で、それにヒラヒラ舞う羽がついていた。色は、全体的に緑色だった。羽の大きさからして、とても空を飛べそうには見えなかったが、なぜか宙に浮いている。そして、なぜかしゃべりだした。「私たちのご主人様がお待ちしております。ついてきてください。」 !バーボバザール このような怪しい誘いには必ず乗ることを信条としているサールディンは、虫についていくことを主張。他のメンバーも、特に代案がなかったのでこれに従うことにした。迷路をしばらく進んでいくと、やがて袋小路に行きついた。そこにいたのは、大量の羽虫。案内してきた虫も、この虫の群れに入っていった。虫の群れは、何となく人の形をつくると、やがて語り出した。「私の名前はバーボバザール。君たちは象牙の迷宮に何をしに来たのかな?」 サールディンが、「アイオメデイのヘラルドを取り返しに来た」と正直に言うと、虫の群れは、人の笑顔に見えなくもない形を空中に作ると「面白い!」と答えた。「ヘラルドがどこにいるか教えてください。」とオーディーが頼むと、「面白い!どこにいるかわからないのに取り返しに来るとは。アイオメデイのヘラルドは『逃亡不能牢獄』にいるよ。」と答えた。その後のやり取りは、以下。 質問)『逃亡不能牢獄』はどこにあるの?  答え)面白い!それも知らないとは。ブレスレス・マウンテンにあるよ。 質問)『逃亡不能牢獄』はどういうところ? 答え)面白い!名前の通りなのに聞く?今までバフォメットと看守しか出てきたことがない牢獄だよ。 質問)『逃亡不能牢獄』からはどうやって出ればいいの? 答え)面白い!それを聞く?というか、君たちまずどうやって入るつもりなの? 質問)ブレスレス・マウンテンってどんなとこ?  答え)面白い!名前の通りなのに聞く?すごく標高が高くて、呼吸をするのが大変なんだよ。そしてとても寒い。 質問)ブレスレス・マウンテンに行くにはどうすればいいの? 答え)面白い!テレポートに決まっているのに。でも「光なき迷路」を通れば、ブレスレス・マウンテンをショートカットできるよ。 質問)「光なき迷路」にはどうやっていけばいいの? 答え)面白い!テレポート以外の何があるの? というわけで、「光なき迷路」にグレーター・テレポートできるよう、いろいろな特徴を教えてもらった。 !父なる芋虫 バーボバザールに別れを告げ、「光なき迷路」にテレポートした正義の力団であったが、あろうことか父なる芋虫の目の前にテレポートしてしまった。父なる芋虫は、巨大な毛虫の化け物だった。攻撃するたびにエネルギーを吸収するは、解呪の魔法で強化魔法や防御魔法をはぎ取っていくはで、とんでもなく強い。特に、サールディンが早々と毛虫のおなかに飲み込まれてしまったので、攻撃力が足りない。 そうこうするうちに、ペンテシレイアも毛虫に飲み込まれ、絶体絶命となってしまった。サールディンは、短刀を使って腹の中を切り裂き、ペンテシレイアを押し出してから自分も出てきたが、もう満身創痍である。これはどうしようもないということで、一旦テレポートで逃げることにした。 !オレンゴフタ ブラックバーグに戻って体力回復を行い、次の計画を立てていた一行だったが、そこにハエ頭ディーモン2体がやってきた。なんでも彼らの主人が話をしたいということだった。例によってのこのこ出かけて行った正義の力団。そこで待っていたのは、大きなイノシシのような顔をしたディーモンだった。「俺様はオレンゴフタという。君たちがインヘリターの犬かね?」とそのディーモンが話しかけてきた。インヘリターとは、アイオメデイの別称なのだ。 「我々は、アイオメデイ様のヘラルドを助けに来た者だ。」とサールディンが答えた。イノシシ顔は「それはいいことを聞いた。私は、バフォメットがインヘリターのヘラルドをここに幽閉していることに反対の立場なんだ。今のところはお前らのようなザコしか送ってきてないようだが、あの女が本気を出せば、この世界をむちゃくちゃにするようなことをやりかねん。そういうことが起こる前に、さっさとヘラルドを開放するべきだと思っているわけだ。というわけで、お前らと俺様は利害が一致するようだな。」と応じた。 なんでも、オレンゴフタは一度「逃亡不能牢獄」に行ったことがあるようで、テレポートで連れていくことができるらしい。その際、正義の力団を捕虜に見せかけておけば、牢獄の内部まで怪しまれずに入ることができるという話だった。検討に値する申し出だったが、オレンゴフタの横柄な物言いをつづけたので交渉は決裂。オレンゴフタとは戦闘になり、ここで倒してしまった。 !父なる芋虫2回戦 十分に休養を取ってから、再度父なる芋虫に挑戦した。今回は、魔法を重ね掛けし、またラオツェンはナインドリアン・エリクサーを飲んで自身を強化してからテレポートを行った。戦闘は、主にシロップとラオツェンがダメージを出し、オーディーが瞬間移動でスペル・キャスターを戦略的に移動させることによって有利に展開。なんとか倒すことができた。ペンテシレイアは、銀の聖杯に父なる芋虫の血液を受けた。この聖杯は特殊で、中身を出すというつもりにならなければ、傾けてもひっくり返しても中の液体が外に漏れない。ので、移動中にうっかり虫の血液をこぼすことはなかった。 !逃亡不能牢獄 光なき迷路からは、大きな竪穴が開いていた。その穴の中を飛んで上に行くと、山間の中腹に出た。そこにあったのは、巨大な白いイガグリのような建造物が、四方の山脈から鎖でひっぱられて空中に浮いている様子だった。そのイガグリからは一本の細い架け橋が出ていて、正義の力団がいるところから歩いていけるようになっていた。このイガグリこそ、逃亡不能牢獄に違いない。 橋を渡って牢獄の入り口まで来たところで、門番の一つ目巨人に誰何された。が、問答無用で倒した。牢獄の入り口には、いかにも特別そうな錠前がついていた。サールディンが剣で打ち壊そうとすると、魔法の叫び声が鳴り響き、正義の力団に大ダメージを与えた。というわけで、父なる芋虫の血をこの錠前にかけてみたところ、魔法の叫び声をたてさせずに扉を開けることができた。 牢獄の内部に入ってしばらく行くと、怪しげな部屋にたどりついた。大きな円形の部屋で、汚い水のプールとなっていた。プールの上には、この部屋に入るときに開けた扉から、その扉の真正面にある反対側の壁にある扉まで橋が架かっていた。しばらくすると、反対側の扉が開いて、2体の鎧を着た悪魔が出てきたので戦闘となった。戦闘中は、汚いプールからスライムの化け物のようなものが襲ってきて、サールディンを麻痺させたり、大ダメージを与えてきたりして大変だった。結局、オーディーとケリアンがWall Of Forceの呪文でスライムよけの壁を作り、架け橋を力場のチューブで囲った。スライムさえいなければ悪魔2体は敵ではなかった。 <つづく>