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第九話

6日目、偵察

クロックワークたちに守られて一泊した後、神殿の水中部分に突入する前にイスカがまたDivinationをかけると、前日と同じく先祖らしき人たちが現れ、呟いては消えていく。「急げ、でも焦るな」、「騙されるな」、「気を抜くと全滅するぞ」。…どう対応していいか困るアドバイスだが、とりあえず水の先はとても危険であるようだ。
同じくトレイシーも覚えたての呪文で偵察を試みることにした。 まずはScryの呪文を使って開拓民たちの状況を調べてみる。誰でもいいのだが、試しに年が近いメドリナにかけてみると、軟禁されていて生きてはいるものの、かなり衰弱した様子のようだ。周りには他の開拓民も捕らわれていて、イアモンなど治療の心得がある人が手当をしたりはしているものの、長くは保ちそうにない。船の期限の問題は別としても早く助けに行かないといけない。
次にArcane Eyeを飛ばして偵察してみる。水中を進んでいくと最初の部屋にはスカムが何匹かと、なぜか捕らわれているようには見えないオーレリアンが一緒にいた。その奥に進むとまた数匹のスカムと、他より巨大なボスらしいスカムがいる部屋があった。部屋は歯車を思わせる形をしていて、部屋の中央には頂上に目玉が付いた高さ10ft.程の塔があり、電気がビリビリと走るロッドが壁から目玉に向かって何本か伸びている。アマズネンの祭壇だろうか。それより奥は扉があり、Arcane Eyeでの偵察はあきらめた。

水中へ

一通りの偵察が終わったところで、Water Breathingをかけて水中へと進んで行く。最初の部屋には、偵察で見た通りオーレリアンがスカムたちと待っていた。よく見ると首の辺りにはエラらしい切れ目があり、また手の指はカニのツメのように変形してしまっている。既に改造済み、という事だろうか。
オーレリアンは一行を見ると顔色を変えて「なぜここに来た。今すぐ逃げるんだ!」と声をかけてきた。どうやら正気は保っているようだ。一行が話を聞く様子を見せると、祖先のアドバイスを受けて「騙されないぞ!」といい戦闘態勢で前に出てきたイスカの横を抜けて泳いできて言葉を続ける。「この先にはグロランドラールとオントゥースというひどいやつがいる。君たちも僕みたいになる前に逃げてくれ。」
とはいえ村人を放って帰るわけにはいかないので、まずはスカムたちを倒そうと残りのメンバーも戦闘態勢をとる。するとオーレリアンの様子が急に変わり、わけの分からない事をぶつぶつと言い始めたと思ったら、たまたま近くにいたアルコーをツメで攻撃してきた。正気を失っているようだが時々は正気を取り戻すようで、殺すわけにはいかないだろう。そうこうしているうちに奥からもスカムの増援がやってくる。一匹だけ大きいスカムがいて(これがグロランドラールのようだ)、Apparatusに装着できそうなクロスボウでこちらを攻撃してくる…と思ったら一発だけ撃ってクロスボウを投げ捨ててツメで攻撃してくる。敵の数が多く苦戦を強いられたが、アルコーのConfutionとイスカのFearでザコの多くを無力化できたこともあって無事に撃退することができた。
オーレリアンは気絶させたものの、正気を取り戻す手段が無いので縄で縛ってApparatusの中に転がしておく事にした。
グロランドラールたちが来た部屋に行く。扉のようなものがあるが、鍵がかかっていて開かない。目玉のところにIoun Stoneがはまりそうなくぼみがあったので、Protection from EnergyをかけたイスカがDull GrayのIoun Stoneをはめると扉が開いた。奥の長い階段を降りていく。

神殿の地下

しばらく階段を降りると、広い部屋に出た。当然この部屋も水没しているが、その中を人間たちが泳ぎ回っている。よく見るとオーレリアンと同じようなエラとツメがある。相変わらず騙されないと言って武器を構えるイスカを押さえてウルバノが話を聞いてみると、意外と話が通じる。彼らは第一次開拓団のメンバーで、オントゥースにさらわれて改造されてしまったようだ。彼らも一緒に連れて帰りたい所だが、やはりたまに正気を取り戻すだけで暴れだすし、人数が多いので帰りに回収するつもりでとりあえず縄で縛って部屋に転がしておく。部屋の天井はとても高く、上の方に空気がたまっている場所があるようなので様子を見に行く。

天井まで泳いで行ってみると空気があり、地面もあって部屋のようになっている部分に人が捕らわれていた。そのうち二人は以前に助けたがいつの間にか村から姿を消したエリザとレイランド、あと一人は知らない女性だ。エリザは前と見た目は変わっていないものの、錯乱がより激しくなっているようで「私が一番の功労者のはずなのに、なぜこんなところで」などとぶつぶつ言っている。前に姿を消した時の状況を合わせても信用できる相手ではないので、警戒しつつ事情を確認しようとするとレイランドと共に襲いかかってきたが、殺さずに気絶させて縄でしばっておく。もう一人はアルミンと名乗り、やはり第一次開拓団のメンバーのようだ。こちらは改造されてもおらず、気も確かなようなので話を聞いてみると、やはりオチミュアにさらわれたそうだ。
アルミンを連れて行くと危険なので、この部屋で待っていてもらって後で迎えに来ようと一行が言うと、他の二人が気持ち悪くて一緒にいたくない、連れて行ってくれと主張して言うことを聞かない。とは言っても二人とも気絶させて縛ってあるし…と言って彼女たちを見てみると、どう見ても気絶しているのに手足が奇妙な方向に曲がり、気持ち悪い姿勢で壁を登りだしているかと思うと次の瞬間に腹が避け、中からうねうねと触手が出てきて一行を攻撃してきた。もはや完全に寄生されてしまっているようだ。こうなってしまってはもうどうしようもなさそうなので、戦ってとどめを刺した。この部屋で安心できるのかは疑問だが、とりあえずアルミンは待っていてくれるようなので、彼女を置いて先に進む事にする。

下に戻って他を探すと、新たな機械仕掛けがある部屋を見つけた。何かの操作をするパネルがあるが、使い方がよく分からない。その反対側には巨大なスクリーンがある。スクリーンを調べていると玉の映像が浮かび上がり、がちゃがちゃと動き回ると人の顔のような形になった。スクリーンは古代アズラント語でこちらに話しかけてくる。「私はアナリティカル・エンジン。皆さんをアナライズするために、それぞれのデータを教えて下さい。」言葉の分かるイスカとトレイシーが対応すると、名前から始まり、特技、苦手な物…など色々聞かれる。他のメンバーも登録するように促してくるが、怪しいので何も言わないでいると、「みなさんは6人いるようですが、二人分のデータしかありません。本当にアナライズを実行しますか?」と脅してくる。仕方なく全員のデータを登録すると、「それでは、アナライズを実行します」という言葉と共にパネルが開き、泳げるクロックワークが出てきて攻撃を仕掛けてきた。またそれと同時に壁に穴が開き、緑色の液体を一行に吹きかけてくる。クロックワークはウルバノやヴィクターが殴り倒すが、緑色の液体を浴びた一行の一部は使えない三本目の手が生えてくるなど、体に異常が生じた。
何体かのクロックワークを倒すと、「アナライズ終了。オントゥース様に会う資格あり。」と言われ、スクリーンに写っていた映像は消えてしまった。

オントゥース

他の道を探すと、先ほどは閉まっていた扉が開いている。その奥は水がぬるっとした感じの部屋で、奥には巨大な魚、その両脇には護衛するかのように二体のやはり巨大なイカがいる。この魚(Aboleth)がオントゥースのようだ。彼はこちらを見ると話しかけてくる。「私のねぐらに来たのはまあ多めに見てやろう。しかし、お前たちは何をしにここに来た?ここでこんなことをしている場合か?」オントゥースが言うには、アズラント時代にSpindle Lockに封印されたVeiled Master, オチミュアが解放されてしまい、彼はアズラントの大量殺戮兵器を探して人間を滅ぼそうとしている。ここで私に構っているくらいなら、オチミュアを探さないとまずいのではないか?という事だそうだ。とはいえ一行はそんな大事にはあまり実感がわかず、まずは開拓団を助けないといけない。捕らわれた人を解放しろ、とオントゥースに言うと、「お前たちの探している者たちならもう死んだ」といい、数え切れない生首をこちらに転がしてくる…が、よく見ると全てIllusionだ。「騙されなかったか。無限の寿命を持つ我々の暇つぶしなんて改造くらいしか無いんだ。しょうがない、やるか」と言って襲いかかってきた。
前衛が護衛のイカを警戒しながらオントゥースに近づくも、こいつらもIllusionのようだ。そして今見えているオントゥースもProject Imageのようなので、ウルバノが奥の部屋を泳いで探すと、巨大な泡がある場所を見つけた。ここで透明になっているに違いないと思い近づくと、Dominate MonsterやMurderus Commandで攻撃してくる。ウルバノやヴィクターが呪文にかかりかけるが、イスカがMagic Circleでそれを抑止しながらオントゥースに近づいていく。Wall of ForceやBlack Tentacleで分断されそうになるが、オーキッドがRobe of Usefull Itemsから出した落とし穴でうまく避ける。近接さえしてしまえばAbolethはそこまで強靱な敵ではなく、なんとか倒す事ができた。
部屋の奥に空気がある場所があり、Scryで見た村人たちが捕らわれているのを見つけた。第二次開拓団のメンバーに加えて、マスクを被ったエルフが一人いる。彼はニエラムと名乗り、アズラントの知識を使い世界の厄災を防いでいるというMordant Spireの一員だという。話を聞くとオチミュアについて調べている時にオントゥースに捕まってしまったそうだ。彼は「私は一刻も早くここからMordant Spireに帰り、オチミュアの危機を伝えなければならない。君たちにも協力してもらうから、月が一回満ち欠けする頃に君たちの島に迎えに行く。もし私が来なかったら、このブローチを渡しておくからこれを持ってここから南にある海底都市のタラサンドリーに行ってくれ」と半ば一方的に言い、一人で帰って行った。
いずれにせよこの島に長居は無用なので、オントゥースの死体から取った粘液を使ってみんなが水中呼吸できるようにして、村人全員(とカニ人間やアルミン)を連れて神殿を脱出した。慌てて船が待っている場所に行くと、時間はぎりぎりだがまだ船は待ってくれていた。

タラサントリーへ

一月ほどボロボロになった村を立て直していると、約束通りニエラムと部下が現れた。彼が語るには、Mordant Spireから今回は非常事態なので、人間と協力してでも対処せよとの命令を受けたらしい。…なんかものすごく偉そうな言いようだ。しかし、アズラントへの興味だったり人の良さからだったりとそれぞれ思惑は違うものの、協力はする事になった。
まずはイスカが恒例の占いを始める。いつもの通り先祖の霊たちが、「焦るな、無理はするな」、「急げ」、「強くなれ」と言い残して行く。こちらも相変わらず全く指針にならないが、とにかくはやれる事をやっていくしかないようだ。
というわけでまずはニエラムの部下のモズクと共にタラサントリーに向かう事になった。ニエラム自身はアンコラトーの周りの島に、アズラントの殺戮兵器の手掛かりがないか探すらしい。タラサントリーはここから南に40mileほど行った海域の水深250ft.ほどの海底にあるそうだ。Mordant Spireのエルフたちはイルカに乗ってやってきたそうだが、こちらがイルカに乗るのは難しいのでApparatusをイルカに引っ張ってもらって向かう事にした。

イルカの先導に従ってしばらく進んで行くと、コンブのにおいが漂う海域に出た。においをかいだトレイシー、イスカ、オーキッドが急に、このコンブを食べている魚はさぞおいしいに違いないと思い、おのおのの水中呼吸手段を使って海に飛び込んでしまう。すると、その辺りを漂っていた巨大なコンブが襲ってきた。コンブは締め付ける力が強く、オーキッドとイスカはあっという間に瀕死になる。モズクと一緒に戦いなんとか撃退したが、この辺りの海にはこのような危険な生物が普通にいるのだろうか。タラサントリーへの道は遠い…。

次回に続く