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第六回

キスキスクに紹介されたワネダ・サックスに会うために我々はイオクスに向かった。ここイオクスでは外星人は街区の外のパクトポートに着陸するのが通例だが特別許可をもらって街区に着地することになった。イオクスの大気は有毒だがアンデッドの住人には関係ない。首都は人間も暮らしているので一応呼吸できる空気が満たされているらしい。ひどい臭いがするが。


イオクスの1日は長い。到着したのは夜だが30標準日がイオクスの1日なので15標準日間夜が続く勘定だ。まずはワネダがいるというスプライス地域に向かった。メインストリートは霊廟が立ち並んでいるように見える。墓場のように見えるともいえる・イオクスネットによるとこの地域はネクログラフトを生産するでかくて汚い工場がたくさんある地域らしい。ちなみにネクログラフトとはアンデッドの肉から作るテクノロジーでも魔法でもない身体強化パーツのことだ。


通りを歩いているとフィラーは小さなデータメモリが落ちておちているのを発見した。ネクログラフトのブラックハート無料提供のクーポンだ。偽造っぽいが使うことはできそうだ。ただ使うにはちょっとした手術が必要なので、とりあえずポケットにしまった。


目的地はミニストリー・オブ・エターナル・ビジランス。幅の広い2階建ての建物だった。看板で確認できる。この地域は建物が密集していて雑然としている。周囲からは強烈な異臭がする。これがネクログラフト製造の臭いだ。あまり歓迎されている感がない。


入るとロビーがあって女性がPCに向かって仕事をしていた。一行が入ってきても顔さえ上げない。その向かいには男がいて待っている。きっと順番待ちしているのだろう。


スーセイが順番を無視して声をかけてみるが無視された。よくホログラフィックを見ると番号札を取ってお待ちくださいと表示されている。ネズミが登録して順番待ちする。番号は263だ。だが何番まで進んでいるのかわからない。


ピーチリーフが向かいで待っている男に話を聞くと番号は262番だそうだ。男は「お前たちもコープスフリートの情報持ってきたのか?俺もだ」と話しかけてくる。「俺の上司は間違いなくコープスフリートだ。名前はフレンゼル。嫌な奴なんだよ」どうも嘘をついているっぽい。きっと嫌な上司を追い落としたいのだろう。話を聞き流していると俺の話を聞いているのかと怒り出して話はそれまでとなった。


262番の男が呼び出された。話をちょっと聞いてすぐに済まされてしまった。我々の番がやってきた。


スーセイが番号を呼ばれる前にキスキスクから紹介されてきたんだけどというと話を聞いてくれた。ここに上がってくる情報のほとんどはゴミ。だいたいは気に入らないやつを陥れようとしてるだけ。だが1000件に1件くらい本当のことが混じっている。それをまとめて報告するのが私の仕事とワネダは言う。


いつもは収集した情報を上にあげるだけなんだけど、今回はあなたたちに情報を提供するように言われている。まずはその背景を教えてもらえるかしら。ワネダはそういう。細かい話をすると納得してもらえた。アンバサダー・ノールから手伝うように言われていたが理由を聞いて納得できた。2階に空き部屋があるので拠点として使っても良いと言われた。


ワネダから提供された情報としては2つ。それを追うのが良いと言う。1つ目はネクログラフト工場から原料が盗まれ、現場近くにはコープスフリートのバッジが落ちていたというもの。その場所は記録されている。2つ目は退役海軍軍人ハービン・ネセックスが失踪したというもの。ルームメイトは現状に対する不満をとコープスフリートへの同調が書き込まれたメモを発見した。おそらく彼女はコープスフリートと合流しようとしていると思われる。


いずれも1〜2週間前の最近の話だ。さっそく調査に出発だ。まずはハービンの行方を追うことにした。5236と番号が書かれた長屋があり。ドアが半分開いていた。扉を見ると無理やりこじ開けられたような跡がある。奥からは「オラオラこの裏切り者が」という声が聞こえる。何か起こっているらしい。即刻、突入する。


踏み込んでみると4人の男が1人を囲んでリンチしていた。

「軍人にもかかわらず祖国にリスペクトを示せないこいつに制裁を加えていたのだ。この生者め!」

そう言ってハンマーを取り出すとやっちまえとばかりに4人は襲い掛かってきた。だが軽くいなして痛めつけると、ならず者がビビり始めたので脅してひと押しすると捨て台詞を残して退散していった。リンチされていたグレタル・ラピンダーを助け出す。この人はスケルトン系アンデッドだ。ならず者たちがハンマーを使っていたのも納得である。グレタルは語る「昔の戦争を経験していない若い連中はコープスフリートに同調しがちなのです」


助け出したところでインタビューを始める。グレタルが語るところによると、ルームシェアしていたハービンがしばらく前に行方不明になったそうだ。そしてこう付け加える。報告したとおりなのですがこの辺ではコープスフリートの活動が目立つようになっており彼女がそれに傾倒するとは思っていませんでした。そして彼女は荷物をまとめて出て行ってしまった。


ハービンの部屋を調べさせてもらうことになった。部屋に残されたジャーナルを見るとマロウ・ブライトの何者かとコンタクトすることがわかった。マロウ・ブライトはアンデッドの一種で放射線はエネルギーを浴びて体が変質したアンデッドで生きているものを恨んでいて、体中から骨が飛び出た異形の姿をしている。特徴的な姿だ。グレタルからお礼にヘイストサーキットをもらって、一度引き上げることにした。


次にネクログラフト工場に向かう。入り口には社名の看板が出ている。中をのぞくと大きなプールがありそこでピンク色の何かが蠢いている。呼び鈴を押すとインタホン越しに返事がある。ボクセル・ダークセンドに会いに来たと伝えると俺だと言って向こうからゾンビがやってくる。あれがボクセル氏らしい。


ボクセルは言う。やっと来てくれたか。肉がなくなったのが俺の仕業じゃないかとボスが疑っている。だから来てもらったんだよ。肉を盗んだのがコープスフリートの仕業だと証明してくれ。そうすれば俺の無罪が証明される。


そういってコープスフリートの紋章を見せられる。肉が盗まれたバットを調べる。ボクセルが言うには調子が悪くてうまく動かないらしい。コンピュータの調子をちょっと見て修理すると動くようになった。バットの中を調べると変な骨のかけらが見つかった。骨のかけらはマロウ・ブライトから飛び出ている骨の欠片っぽかった。


ボクセルにインタビューする。
「ここにマロウブライトの従業員はいますか?」
「いません」
「ということは外部の犯行の可能性が高いですね。」
「ならそれを証明する証明書をくれよ」
「我々は警察ではないのでそんなものは発行できません」
「何か公的な証明書で一筆ほしいんだが」


仕方ないので一度ワネダのところに戻ってそういう書類出せないかと聞くが、ここは情報を集めるところでそんなことをする役所ではないと断られてしまった。結局、我々自身で上司に説明して理解してもらうことになった。上司を呼んでもらうとハーフエルフが出てきた。嫌な感じの奴だ。我々の前に並んでたがコープスフリートとチクられそうになってた噂の嫌な上司本人なのか? とりあえず嫌な奴ではあったが説得は成功した。


工場を出たところでニヒリというアンデッドに襲われた。ワネダの事務所は工場からみて道を挟んだ向かい側。たかだか道を横切るだけなのに不意打ちを受けた。なんと治安の悪い町か。ニヒリとは宇宙服をつけずに宇宙に放り出された人がなるアンデッドらしく睨まれるとその時のことを追体験するらしく息が詰まる。撃退した。それぞれ2500crのチップを持っていた。


ワネダにマロウブライトについて聞くとゼランサという有名な奴がいて町から離れたところに住む隠者らしい。6マイルくらい離れているらしい。コープスフリートのシンパであることが知られている。町の外に住んでいて隠者なので逮捕を免れている。生肉が好きなことで知られている。住居の場所は教えてもらった。


ゼランサのところに行く前にフィラーはネクログラフト手術を行った。ゼランサへの手土産の肉を持っていくことにした。目的地は町の外なので有害大気と骨があっちこっちから突き出た荒野を歩いていくしかない。


歩いていくと、それらしい場所に到着した。そこには小さな小屋が立っていた。小屋の周りには花畑がと思いきや骨に革で作った花が付いた工芸品に囲まれていた。そこには大きな生き物がいた。体力を吸い取る危険な奴でスーセイが昏倒させられたが何とか倒した。


小屋に向かって呼びかける返事がない。扉は少し開いている。偵察ドローンのクロオビを侵入させると突如攻撃を受けた。ゼランサが襲ってきたのだ。だがグラッグの拳が深々とめり込み勝負は決した。


家探しすると血染めのクレジットスティックと壊れたデータパッドと大量の死体が出てくる。死体はこの辺を歩いている旅人を殺害したものらしい。家の前の病んだ花壇もその死体から作ったもののようだ。データを復元してみるとやはりコープスフリートとつながりがあることがわかる。中でもキャプテン・ジーラなる人物とと頻繁に会っていたようだ。我々をおびき寄せるために意図的にコープスフリート情報を流したらしい。ちなみに肉はおいしくいただきましただそうだ。


キャプテン・ジーラについて検索してみるが何も引っかからない。これは帰ってワネダに聞けばわかるだろう。
町へ戻る途中、後からつけてくる連中がいる。誰何すると名乗りを上げてくる。


「せっかく罠を仕掛けたのにまだ生きているとはなんと無神経な!お前たちに教えてやろう。私はキャプテン・ジーラ。コープスフリートは我らの艦隊。ここでお前たちを始末してコープスフリートに栄光をもたらしてやる」


マジックミサイルの集中砲火でグラッグが倒れる。続いてスーセイが倒れる。ここで敵のマジックミサイルが尽きた。これ以上戦うのは厳しいとみて敵は撤退しようとしている。倒れたスーセイを人質に俺たちを見逃さないとこいつ(スーセイ)を酸のプールに突き落とすと脅してきた。だが奴らは信用できないとみたフィラーはキャプテンを攻撃した。キャプテンはスーセイを酸のプールに突き落とす。そしてスーセイは死んだ。


その後ボスは倒され手下は逃げて行った。スーセイを酸のプールから引き揚げて帰還した。イオクスの町では蘇生というと???という顔をされるので結局スーセイはボーントルーパーとなって復活した。


キャプテンの持ち物からログが発見されたが暗号化されているので、コンピュータを新しく買って解析した。新しいコンピュータにわくわくしたネズミがプロテクトを外してアクセスする。そこには入手できなかったデータのコピーが保存されていた。


情報からカルティストたちはネジェールという星に向かったということがわかった。ネジェールの座標データも手に入った。ネジェールは未探検領域にある。


それをキスキスクに報告すると各自に2500crの報酬がもらえた。イオクスから直接現地に向かってほしいとのことだった。次の目的地はネジェールだ。


(つづく)