今回はボーナスステージ。トロロのPLがいなかったのと、日数的に早く進み過ぎて一章最後のイベントが発生しないので時間稼ぎ。DM曰く、「経験点いっぱいお宝いっぱいだよ」との事だったが実際はと言うと――。 . ---- 九日目夜  リングのおかげで睡眠が二時間で足りるムスカリは、一人起きてScrollを呪文書に書き写していた。しかしそれも終り、そろそろ眠りに就こうかとした時――  ''「WISチェックをして下さい」'' と天からの声がした。 ここでムスカリがチェックを通したら面白い事になったそうなのだが、ムスカリは気が付くことはなかった。 十日目  朝起きると、トロロがいなくなっていた。トロロの寝台には竜魔将ゲランと名乗る者からの「仲間は預かった。返して欲しければヴラース砦まで来い」といういかにもな置手紙が残されている。ちなみに昨晩ムスカリがチェックを通していたら、眠ったままふわふわと浮いて宿の出口へと向かうトロロの姿が見られたそうだ。竜魔将にゲランなんていたっけな…と思いながらも、一行はヴラース砦へと向かった。  三時間で辿り着ける筈のヴラース砦。しかし、無情にもランダムエンカウントが起こるかを決定する12面体ダイスの目は1であった。出て来たのはアウルベア×2。倒すのはさして大変ではないと思われたが、DMのダイス目が奮ったのとナッツがグラップルされたりしたので、そこそこリソースを消費される羽目となった。  アウルベアを倒し、気を取り直してヴラース砦に向かおうとする一行だったが、その前にホブゴブリン達が立ちはだかる。なんと全員ヴォーグに乗り、レンジャーを入れてFavored Enemy:Humanにしたホブゴブリンの、ランスチャージャー×3、アーチャー×3で、CRはボス級であった。三人中二人はHumanで、しかもHumanではない一人が一番ACが高いというパーティは、Favored Enemy:Humanに非常に苦しめられる。  ランスチャージャー一体にナッツが接敵して戦っている間にDifensive Castに失敗したムスカリが残り二体から攻撃を受けて倒れ、アッシュはどちらを回復しに行けば良いのか分らなくなるような状況に陥った。ナッツはヴォーグのTripで転ばされ、自分にアッシュにCureしてもらったムスカリにと、Standをかけまくり、ムスカリはAoOを受けてHP:0になりながらも森へと逃げ込む。ここまでが窮地だった。けれどもアッシュがナッツの回復に専念出来るとなれば怖いものはない。目の前のホブゴブリンとヴォーグをCleaveありのFull Attackで一気に落とし、残りのランサーも一匹ずつ片付けていく。ムスカリのFire Ballも入り、ホブゴブリン達は一匹ずつ着実に倒されていった。  しかし、倒せたはいいが、アッシュ、ナッツ、ムスカリ全員ここでリソースが尽きる。仕方なく一行は一旦町へ戻って休む事にした。 十一日目  再びヴラース砦へと出発する一行。しかしまたもランダムエンカウントの目は、1だった。出て来たのはダイア・ボア。これはそう大変ではなかった。  そのまま道を進んでいると、突然アッシュの体に衝撃が走る。森の中にアサシンが潜んでいたのだ。Rogue/Ninja/Assasinと見事に1Lvでスニークの手に入るクラスのマルチで、レベルが低くてもスニーク+4d6を実現させたアサシンからのデスアタックで、すわダメージだけでも死亡するんじゃないかという所だったが、幸いにしてクリティカルもしなければ、STで1を振る事もなかったが、それでもこの攻撃だけでアッシュのHPは半分削られた。  しかも潜んでいたのはアサシンだけではなく、道の両側にそれぞれDuskblade1Lv×4とWizard1Lv×4もおり、サプライズラウンドでダスクは全員True Strike、Wizは全員ScrollからFlaming Sphereを唱えた。ムスカリが次のターンでFireballをダスクに放ってくれたからいいようなものの、SwiftでBlade of Bloodを唱えて命中通常+20、ダメージ1d8+3d6のクロスボウを打つ予定だったというから驚きだった。d20Maximise体出されてたら死んでましたね。確実に。Wizも同じく次のターンにFireballで倒れたが、アサシンはInvisiして殴って来るのでなかなか倒せず。ムスカリがSee Invisi→Glitterしてくれてようやく倒す事が出来た。    リソースを結構消費しながらも一行はヴラース砦へと向かった。  ヴラース砦に到着すると、門の前には見張りが立っていて、どうも本当に竜魔将ゲランとやらはいるようだった。まずは見張りから、という事でムスカリはメジャー・イメージで脱走するトロロを演じ、見張りの片方を森の中に誘き寄せる事に成功する。が、この見張りもヴォーグに乗ったランサー(しかもFavored Enemy:Human)で、そう簡単には倒れてくれず、ようやく倒して門まで辿り着いた時には、ボスは散々にBuffった状態で一行を待ち構えていた。  自称竜魔将のボス、ゲランはハーフホブゴブリンで、それが故に赤い手の軍団でないがしろにされ、近頃噂の冒険者たち(つまりは我らがパーティー―名前はまだない―な訳だが)を倒せば竜魔将にしてもらえるのではないかと思っている男だった。そうか、それでFavored Enemy:Humanなのかと納得する一行。これだからハーフ〜は、とどこかで誰かが言われていたのを聞いた事がある気がするアッシュは、その不憫な境遇に、他の竜魔将を倒してやるからその空席に座ったらどうだ?、などと提案する。敵内部に協力者が出来て面白い展開になりそうだったが、ゲランは竜魔将の座は自らの力で掴み取ると言ってそれをはねのけ、戦いの火蓋は切って落とされた。  Enlarge Personで巨大化したゲランに対し、ナッツとアッシュはダブルBlade of Bloodで立ち向かおうとするが、ナッツがInsightful Strikeの運用ミス発覚で弱体化していたのと、向こうも使ってきたダブルBlade of Bloodで非常に苦戦する。ゲランはBlade of Blood+Shocking Graspで攻撃し、こちらが与えたダメージは砦の中に隠れているらしきWizard/Clelicがスペクトラル・ハンドでCureを飛ばして回復。なんとかBlade of Bloodを封じられないかとアッシュはSilenceを掛けたが、スペクトラル・ハンドでも飛んでくるのであまり意味がない。  そうこうする内に放って置かれたもう一人の見張りランサーによってムスカリが気絶してしまい、アッシュはダブルBlade of Blood戦線からの一時離脱を余儀なくされる。ゲランの前に残ったのは、Clecicもどきより薄くて細い、魔法戦士。ゲランの猛攻撃に一人で耐えられる筈もなく、先程張ったSilenceとゲランからのAoOのせいでアッシュも回復に行けず、ナッツは静かに倒れた。  ダメージリソースがなくなってしまってはどうしようもない。ついでに回復リソースもほとんど残ってない。アッシュとムスカリは、撤退した。 十二日目  ナッツの代わりにゴブリン嫌いのドワーフ、アイシードをリクルートしてヴラース砦へと向かう。もう4回目なだけあって、リクルートは投げやりだった。 ランダムエンカウントの目はまたも1。よくもまあ三回連続で出たものだと思う。しかし、今回はリソースもほとんど消費せずにヴラース砦へと到着する事が出来た。  まずはやはり見張りから倒そうという事で、アイシードとアッシュがロングボウにBlade of Bloodを乗せて森の中から狙撃する。しかしd20の目は何故か'''二人とも1'''で、アッシュの10HPと2d8+6d6は地面へと消えた。  奇襲には失敗したが敵の手は分っている。ダメージを与えても回復されるゲランではなく見張りを先に倒し、ムスカリはSee Invisiを掛けてWizard/Clelicに立ち向かうべく砦の中に入る。しかし敵は前日以上にえげつなかった。ゲランはスパイク付きミスラルチェインと剣で二刀流をしていたのだが、自身のと部下からのでBlade of Bloodをその両方に掛けてFull Attackをして来たのだ。Enlarge Personなどもはぐ為にアッシュが何度もそれをDispelするが、それでもまた出るBlade of Blood。Blade of Bloodに次ぐBlade of Blood。どうも部下のWizard/Clelicは、2lvスロットまで全部Blade of Bloodで埋まっているらしかった。さすがにこれには耐え切れず、アイシードが死亡する。  これは全滅するなと思いながらも、もうこれ以上退却して日をいたずらに過ごすのも嫌だったので、せめてWizard/Clelicだけは倒そうと、アッシュはWizard/ClelicにMagic Missileを打ち込んでいたムスカリと合流した。苦戦するかと思いきや、もうリソースも残っておらず、Blade of Blood連発でHPも減っていたおかげであっさりと倒すことに成功する。もしかしたらこのまま行けるんじゃないかと、Mediumサイズに戻ったゲランと対峙すると、HRは対して変わらない上に防御力はアッシュの方が高かった。しかもまだ2ndスロットが有り余っている分、分がある。結局このまま行くと競り負けるだろう(ゲランが)という事でDMからのストップコールが入り、長かったボーナスステージは終わりを告げた。  幸いにしてトロロは無事だったが、死亡人数は二人。  経験点いっぱいお宝いっぱいではなく、えげつないのいっぱいBlade of Bloodいっぱいであった。 .  とりあえずBlade of Bloodって書き疲れた。確かに私が使いだしたSpellだけどさ、本当に酷いと思う。後悔した。でもFavored Soulが一人使う時点ではそこまでではなかったんだよ。  今回のボーナスステージに名前をつけるなら、「Blade of Blood祭り」とつけるのが良いような気がします。(WR)