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第8、9回「蛇人間の城塞」完結編

 プレイ記録


道の塔

 セラスティス城の三つの塔の内、言葉の塔と信仰の塔の二つを攻略した英雄達は、最後の一つである道の塔に挑むことにした。
今まで開けていなかった2階のダブルドアを開け、そこを守っていた2体のリザードフォークを瞬殺すると塔に突入する。そこはちょっとした広間になっており、ちょうど2階の位置に当たるバルコニーに一人のユアンティが身を隠している。
一行が臨戦態勢をとったその時、バルコニーから1体のドラゴンが飛び出してきた。更なる敵かと身構えるが、見ればそれは善なる青銅竜だ。なぜこんなところに青銅竜が?青銅竜は傷だらけでしきりと「助けてー助けてー」と叫びつつ、なぜか一行が一列に並んで見える場所に降下してくる。
このドラゴンの名は"折れ翼"。シナリオによればユアンティが盗んだ卵から育てあげ、長年にわたる虐待と洗脳のせいですっかり邪悪になってしまっているんだそうだ。チャームされてるのかと思ってDismpelしても無駄ってことだね!
"折れ翼"は容赦なくブレスを見舞った後、再び上昇していく。この"折れ翼"はImproved Flightを2個もとって無理やり機動性を良好まで上げており、ドラゴン特有の飛行速度をいかして降下⇒Fly by Attack⇒再上昇を繰り返すというイヤラシイ戦法を取ってくるのだった。しかも上空でTrue Strikeをかけてから強打全開のオプション付きだ。
遠隔攻撃や飛行手段に乏しい英雄達はこの戦術に散々苦しめられた。ドーモの必殺Blindnessもドラゴン特有の高セーブで抵抗され、ギリが必死で弓で攻撃するものの、もともと命中率が低い上に、ピンポイントでグラブ・オブ・アロースネアリングを装備しているため、たまに当たってもつかみ取られてしまう。たかが中型ドラゴンとは思えない強敵だった。
一方、踊り場に隠れていたユアンティは道の塔の長である魔道師イシエルだった。彼女はInbisibilityで姿を隠した上でSilent Imageで隠れている自分の姿を投影するという念の入った隠れようで、英雄達の呪文を無駄打ちさせようという作戦だったのだが、残念ながらペトラのAcid Splashを使わせるにとどまってしまった。
その後、Confusionを使って多少は混乱を招いたものの、やっぱりドーモのBlindnessをくらってハイ終了。油断して近寄ったペトラに隠し玉のLightning Boltで一矢報いたものの倒すまでには至らず。そこで降参した。
上司であるイシエルが降参したため、やむなく"折れ翼"も降参。一行はどうにか勝利したのだった。
 

聖騎士と竜

 さて、勝利したもののこの後どうしたものかとちょっと考え込む一行。イシエルは今まで通り尋問した後、始末してしまえばいいが、ドラゴンの"折れ翼"はできれば善の道に引き戻したい。一行は一生懸命"折れ翼"を説得するが、どうも結果が芳しくない。"折れ翼"は自分をずっと虐待していたユアンティ達を憎んでおり、その憎しみを誰彼かまわずぶつけるつもりでいるようだ。
モーリッヒは昔自分もいじめられたという話をして、復讐は何も生み出さないと説得しようとするが、どういうわけか段々と、そうだよね、復讐したいよね、となぜかドラゴンに共感してしまう始末。どっちが説得されてるんだか。
まあ、説得しているうちにドラゴンとは何となく仲良くなってきたので、何にせよアラインメントを変えるとなればAtonementの呪文が必要だろうという事で、後日Scrollを買ってきてもう一度説得しようという話で落ち着いた。
その後、塔上層部にいたイェス・ハウンドとセイルスネークをドラゴンと一緒に粉砕し、イシエルを地下牢に放り込んだ後、塔のなかを探索すると奪われていたドーモの呪文書が見つかり、ドーモは一安心したのだった。
 

歪んだ沼地

 イシエルと"折れ翼"から聞き出したところでは、現在サートラス復活の儀式は諸世界の塔と呼ばれる場所で行われているらしい。また、儀式に必要なものを取りに別働隊が動いているという話も聞けたので、ボス戦に突入する前に別働隊をつぶして儀式を妨害することにする。まあ、ぶっちゃけボス戦前にもう1レベル上げたいし。
と言うわけで、道の塔のポータルをくぐり、かつて古代の王と戦ったと伝えられるリッチの経箱を取りに行ったユアンティ部隊を追撃する事にした一行。
ポータルをくぐると、そこはどことも知れぬ陰鬱な沼地で、無数の毒虫の羽音と何かが腐った気持ち悪い匂いに満ちている。一行が辺りを見回していると、少し離れたところで爆発音と閃光が発生したのに気がついた。どうやら何物かが破壊の魔法を使っているようだ。一行はとにかくそちらの方向に行ってみることにした。
そこではスピリット・ナーガのウドゥミュエラ率いるユアンティ部隊と、この沼の住人であるグリーン・ハグのグルーシルドリスとその下僕達が戦っていた。そこに乱入した英雄達。たちまち三つ巴の戦いが巻き起こる。
この戦闘では前衛達が手下のユアンティ・イグナンに手こずっているうちに、ウドゥミュエラの1日5発ものFireballが猛威をふるい、PC達を大ピンチに追い込んだのだった。やっぱFireball怖い。Sorcererに好きにさせるとヤバい。
まあ、そんな感じでヒヤヒヤものだったのだが、ウドゥミュエラの手下のイグナンやグルーシルドリスの手下のトロールは、例によって眼がー眼がーと叫んでいただけだったので、どうにか勝利することができた。
一行は装備品をはいだりハグのねぐらを漁った後、これ以上の戦いは厳しいという事で一旦ペデスタルに引き返すことにした。

新たな仲間?

 帰還のためにポータルに向かう一行に隠れて、ペトラはかねてから考えていた企みを実行に移すことにした。ユアンティ・イグナンの死体に近づくとブラック・オニキスを咥えさせ、Animate Deadの呪文を唱える。すると死体からぼろぼろと肉がこそげ落ち、骨だけとなった死体がカラカラと音を立てて立ち上がる。ニヤリと笑みを浮かべるペトラ。心なしか邪悪なような……。と言うか、PaladinとGood ClericがいるパーティーでUndeadを使役しようとはいい度胸としか言いようがない。ペトラはとりあえずスケルトンを沼の底に隠すと一行の後を追ったのだった。
その後、ペトラは皆が宿で休んでいる間にスケルトンを回収し、布などを巻いてこっそりとカモフラージュ。大胆にも新たな仲間として皆に紹介する。曰く、改心したユアンティと言う事らしい。コクコクとうなずくスケルトン。
ありていに言って途轍もなく怪しいのだが、そこを巧みに誤魔化して同行を許させる。いいのか、それで。特にそこのパラディン。

忌まわしき地

 次に一行が向かったのは、かつてサートラスがこの物質界に姿を現したという場所。ここにもまた別働隊が送り込まれているらしい。そこはどこがとハッキリとは言えないが、なんとも不気味な雰囲気の漂う地であった。特に周りに目印になるものもなく、ただ涸れ川が伸びるのみ。やむを得ず、涸れ川にそって北上する一行。
しかし、特に何事もなかったので、これは間違ったかと引き返す羽目に。その途中で一行は色々と不思議な現象に見舞われる。並んで歩いていたはずがいつの間にか離れてしまっていたり、なんだか掌がむずむずすると思って見ると、掌に新しい口ができている幻を見たり。どうもこの地は異質で邪悪な魔力に満ちているようだ。
そんな中、ペトラは気がついた。ユアンティ・イグナン・スケルトンの後頭部にどういうわけか新しい目玉ができている事に。しかも、その目玉はじーっとペトラを凝視している。キモい。かと言ってそのことを皆に告げて、あれがスケルトンとばれてしまうのも具合が悪い。どうしたものか。
そんな風に悩んでいると前方に怪しい化け物が。岩陰から姿を現したその姿はのたうつ暗闇。この地の邪悪な魔力が凝り固まって動き出したリヴィング・エヴァーズ・ブラック・テンタクルズ・アンド・グール・タッチ!取り込んだ相手に組みつくと同時に麻痺させる厄介な相手だ。
後衛が狙われるとまずい。勇んで突撃する前衛達。だが、その時、隠れていたもう一つの脅威が姿を現した。おそらくかつてはユアンティだったのだろう。だがその眼窩は虚ろな深い黒い淵となり、その手足はありえないほど異常に長くなってしまっている。それはこの地に送り込まれたユアンティのエージェント、イファリウルのなれの果てだった。この地に長くとどまっていたら、英雄達もああなってしまうのだろうか?
ともかく戦闘開始。と言ってもこのモンスター達は見た目がキモいだけでHDもBABもカスだったので、何も出来ずにぼこられて終わったのだった。しかし、真の恐怖はそこからだった。
哀れなイファリウルをユアンティ・スケルトンの大型グレートソードがバッサリと切り裂いた時、その懐からこぼれおちた黒い石のかけら。それこそがかつてサートラスが触れ、その邪悪な魔力を強く宿すと言われる岩のかけらだった。そして偶然か、それとももっと悪意に満ちた何者かのせいか、その石がスケルトンに触れた。その瞬間スケルトンがガクガクと震えだし、見ているうちにギョロギョロと肉を失ったはずの肉体に次々と無数の目玉が生まれる。その目玉はいずれもペトラをじっと凝視している。
スケルトンは声にならない声を上げるとペトラに突進し、やみくもにグレートソードを振り回して暴れまわり、どうにか倒した時には一行に甚大な被害をもたらしていたのだった。
不幸中の幸いとしては、倒すと同時にぼろぼろと崩れて黒い塵になってしまったので、スケルトンだったことがばれなかったことだろうか。ペトラは「何と恐ろしい呪いだ!」と適当にお茶を濁したのだった。

恐怖の洞窟

 最後の別働隊が向かったというポータルに向かう一行。"折れ翼"の話ではこの洞窟に向かった部隊からは連絡が途絶えているとのことだ。一体何があったのだろうか。
ポータルを抜けた先は薄暗い洞窟であった。洞窟に沿って進んでいくとお馴染みのユアンティ・イグナンが1体いる。連絡が途絶えたということだったが元気そうだ。まあ、ユアンティと見れば見逃す道理はない。さっそく襲いかかる一行。途中でイグナンがもう1体現れたり、彼らを魅了していた黒幕のガウスなどが現れるが、さほど苦労することなく撃破に成功した。
その後、一行はガウスのねぐらを漁って宝をゲットすると引き返した。
 
これで全ての別働隊を撃破したのでもはや残すは本拠地である諸世界の塔だけである。一行は本拠地突入の前に一旦ペデスタルに引き返して準備を整えることにした。
その前にと買ってきたAtonementのScrollを使って"折れ翼"をGoodにしようと試みる一行(主にモーリッヒ)。しかし例によってモーリッヒの説得力は非常に低く、むしろ逆に暗黒面に引き込まれそうに。あわや暗黒騎士誕生かと思われたが、さすがにそれはなかった。とは言え、"折れ翼"を説得するまでには及ばず、また機会があればと断られてしまった。

陰惨なる渦

 一行はDivinationやCommuneで精いっぱい情報を集め、考えられる限りの準備を整えた上でついに最後のポータルに突入した。だが、そこにはユアンティ達の恐るべき罠が仕掛けられていたのだ。ポータルを取り囲むように配置された無数のドレッチ、ドレッチ、ドレッチ。モブテンプレートにより自動的に5d6ダメージを与える恐るべき暴力の固まり、名付けて陰惨なる渦。
一行はこれとまともに戦うのは愚の極みと賢明にも逃走を選び、被害を最小に抑えたものの、最初の遭遇からゲンナリする一行だった。

諸世界の塔

 次に一行を待ち構えていたのは、かつてキングスホルムの地下で戦ったナーガサ。目を持たぬ異形の怪物だ。眼を持たないという時点で何となく嫌な予感はしていたのだが、案の定メドゥーサが潜んでいて大騒ぎに。まあ、これも結局眼がー眼がーと叫ぶことになり、何人か石化しそうになるも、どうにか倒すのに成功した。
どうやら、この先が本当のボス部屋っぽいという事で持続時間の短い強化魔法をガンガンとかけ、最後の決戦の準備をする一行。だが、待っていたのはユアンティ達の狡猾な罠だった。まあ、扉に仕掛けられていたFlame Strikeの罠はともかくとして、階段に仕掛けられていた、どういう理屈か登るだけで2d4+4分かかるという罠は、持続時間の短いバフを全部はぎつくし、一行の(シナリオライターへの)怒りを掻き立てたのだった。いやー、ホントにひどいですねー(棒読み)

奈落現出の秘儀

 気を取り直して階段の一番上にあったダブルドアを蹴破り、中に突入する一行。そこは今度こそ本当にこの冒険の終焉の場所。邪悪なる奈落現出の秘儀が行われているその場所だった。
部屋の各所で焚かれた香から立ち上る不気味な緑の煙にかすむ部屋の中では3人のユアンティが一心不乱に邪悪な祝詞を唱え続け、部屋の中央にしつらえた祭壇には、全ての始まりとなったキングスホルムの墓所より持ち去られた王の遺骨とメルトゥーヴィアルのレプリカと思われる長剣が置かれている。
そして、祭壇の前で一行を待ち構えていたのは、サートラスの尖兵の長、邪悪なるユアンティ・アボミネーション・ブラックガードのサルヴァウグレン!その姿は邪悪な魂が肉体すら歪めたかのように醜いものだった。動くことすらままならないのではと思えるほどにぶくぶくと肥った肉体、その眼はただただ黒い血を垂れ流すだけの空洞と化している。
戦いは短かった。サルヴァウグレンは疑似呪文能力と肉弾攻撃で奮戦したものの、防御呪文をDispelされてしまうと長くは持たず、怨嗟の声とともにモーリッヒの剣の前に倒れたのだった。

古の王

 だが、戦いはそれで終わりではなかった。サルヴァウグレンが倒れたその時、その断末魔の無念を糧として奈落現出の秘儀が完成してしまったのだ。それは完全な形ではなかったものの、サートラスの一部を太古の王の亡骸に宿し、仮初の肉体とする事に成功した。
 祭壇にささげられていた王の遺骨がが空中に浮かびあがると自然に人型に組み上がり、どこか邪悪なプレーンからわき出した不浄なエネルギーがその肉を形成していく。サートラスは祭壇に捧げられていたメルトゥーヴィアル・レプリカを掴むと邪悪な笑みを浮かべる。更にサートラスが邪悪な呪文を唱えると今倒したばかりのサルヴァウグレンの死体が蠢きだす。ゾンビとなってなおサートラスの敵を滅ぼそうというのだ。
サートラスは強敵だった。Evard's Black TentacleやBaleful Polymorphといった強力なSpelllike Abilityを駆使し、更に邪悪な超常能力を使用して英雄の肉体からその肉をそぎ落とす。そぎ落とされた肉は毒蛇の群れと化し襲いかかってくる。
だが、これまで戦い抜いてきた英雄達に撤退の二文字はなかった。今ここで倒さなければ、サートラスがもたらす災厄はそれこそ計り知れないものになるだろう。復活が不完全な今が最大にして最後のチャンスなのだ。
仲間達が道を阻むサルヴァウグレンのゾンビを蹴散らした隙に、モーリッヒがサートラスに一撃を加える。サートラスの邪悪な魔力がその刃を阻むが、メルトゥーヴィアルに宿った王の遺志の後押しを受けた一撃はその守りをも切り裂いた。こうしてついに復活したサートラスの一部を滅ぼすことに成功したのであった。

エピローグ

 その後についてはここで詳しく語る事はすまい。
彼ら若き英雄達は王の遺品を返すためにキングスホルムを訪ねたのち、再び去っていったという。一説にはセラスティス城に捕らえられていた人々をその故郷に連れ帰る旅に出たのだとも伝え聞く。
ただ、今は彼ら若き英雄達が成し遂げた勳しを讃え、彼らが打ち砕いた邪悪が再びうごめかない事を祈ろうではないか。

おしまい